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本
: サイクロプスは自分の足元にある1冊の本を見つけた。
それは何かの写真集らしいものであった。
すでに表紙もなくなり、かなりボロボロになっていたが内容はそれほどいたんでない。
サイクロプスはその写真を見るなり驚いた。
人間がモンスターに変身していく連続写真である。
『人間は・・・こんな奴らもいたのか?・・・』
サイクロプスは次々とページをめくった。
驚きは止むことがなかった。
しだいにサイクロプスは人間に対する疑問を深めて行った。
『人間の世界になぜ我々のようなものが存在するのか?』
その疑問はサイクロプス自身の意識に眠っていたものを呼びさました。
さらに、サイクロプスはその
『目覚めたもの』
にすべてを支配されていた。
−−−−−人間は互いに殺し合う。−−−−−
−−−−− しかし、平和を願う −−−−−
この相反する要素に人間は苦しむ。
それを他にすりかえる事により彼らは安心してきた。
サイクロプスは自分がそのひとつである事に気づいた。
その時、彼の意識にひとつの全く異質なものが出現した。
それは、後でサイクロプスが気づいた『優しさ』や『愛』であった。
人間は完全ではなかったのだ。
人形
: ゴーレムはそこにあった粘土細工を手にした
それを手にしていると、ゴーレムの意識に何か暖かいものがわき上がってきた。
ゴーレムの意識に失われたものが帰ってきた。
人間が神へ挑戦したなれの果て・・・。
それが自分自身なのだ。
人間は自分たちの手で人間を作ろうとした。
それが、かなわぬ事を知った時の絶望が自分を生み出した。
ゴーレムの意識に人間をあわれむ気持ちが生じた。
それこそ『優しさ』と『愛』なのである。
写真
: その時、スフィンクスの目に1つの写真が入った。
三角形の巨大なものの横にそびえ立つ・・・
自分の姿を見たとき、スフィンクスの記憶の中に雷光が走った。
失われていた過去が一瞬のうち、闇の彼方より舞い戻ってきたのだ。
『人間がつくり出した王権としての象徴・・・。』
それが自分自身なのである。
『人間は自らの能力を誇示する為に、自分自身以外のものを作らねばならないのか・・・。』
その時、スフィンクスの意識に人間に対するあわれさの気持ちが生じた。
それこそが『優しさ』や『愛』である。