◎神々の系譜(初期)データ1
<原初神>
カオス(混沌)(Chaos)
これすらも「生じた」わけだが,何かが充満した世界に隙間ができたことによって生み出されたらしい。(まるで宇宙の生成を物語っているようですね。)単に抽象的な存在ではなく,具体的なカスマ(深穴)を指す。これはタルタロスと大地との間にあるとされる。この存在は,多くの神話の中ではほとんど取り上げられない存在であり,巨大な穴自体であったりするようだ。
<カオスから発生したもの:原初神>
タルタロス(地底)(Tartaros)
エレボス(幽冥)(Erebos)
ニュクス(夜)(Nyx)
上天界に属する。「ウラノスに率いられ」とのくだりは,ウラノスがガイアに近づくことによって夜が訪れると考えられた。
エロス(Eros)
この神については諸説ある。ヘシオドスによればカオスから生まれているが,多くの神話ではアプロディテの子どもとして扱われている。その相手もゼウスであるとか,
・・そこで描かれる姿は恋をする矢を持つ射手。ほっそりした身体で翼を持つ。金の矢と鉛の矢を持ち,金の矢は恋を,鉛の矢は憎しみを植え付けることができる。ローマ神話ではクピド(キューピッド)と呼ばれる。
ガイア(大地)(Gaia)
最初の(母)として扱われる。自分の子であるウラノスが天を好み,空に自分の居を定めてから大地を見下ろすようになる。その間にガイアとウラノスの子どもが産まれるが,その神々が<ティターン神族>と呼ばれる。挟まれた世界であるところが特徴で,ヘシオドスの表現には「ウラノスが夜を率いてやってきた。そしてガイアの傍に長々と覆い被さった」というのもある。この狭間の世界に様々な神が誕生し,それぞれの支配圏を確立させていく。
<エレボスとニュクスから誕生したもの>
アイテル(澄明)(Aither)
上天界。天域の最も上の世界を指す。すなわちウラノスのさらに上である。
ヘメレ(昼日)(Hemere)
ニュウクスと一対を成し,上天界に属する。大空は本来暗いものとされているらしく,「星散りばえる」と表現される。
※ ここより上で紹介したものの中で,多くの神話の登場し,人格が存在するものはガイア。エロスもアプロディテの子どもとされた場合には,人格が存在している。それ以外は世界の根本を支える屋台骨みたいな存在である。
<ガイアから誕生したもの>
ポントス(海)(Pontos)
山々(Ourea)
ウラノス(天)(Ouranos)
テュポエウス(Typhoeus) 悪風たち(Anemos)
○ ニュクスから派生したもの
ヘスペリス(黄昏の娘)たち(Hesperis)
ネメシス(憤り)(Nemesis)
アパテ(欺瞞)(Apate)
ピロテス(愛欲)(Philotes)
ゲラス(老齢)(Geras)
エリス(争い)(Eris)
モイラ(運命)(Moira)
ケール(命運)たち(Ker)
モロス(定業)(Moros)
ケール(死の運命)(Ker)
タナトス(死)(Thanatos)
ヒュノプス(眠り)(Hypnos)
オネイロス(夢)族 (Oneiros)
モモス(非難)(Momos)
オイジュス(苦悩)(Oizys)
○ エリスから派生したもの
ポノス(労苦)(Ponos)
レテ(忘却)(Lethe)
アルゴス(悲歎)たち(Algos)
ヒュスミネ(戦闘)たち(Hysmine)
マケ(戦争)たち(Mache)
ポノス(殺害)たち(Ponos)
アンドロクタシア(殺人)たち(Androktasia)
ネイコス(紛争)たち(Neikos)
プセウドス(虚言)たち(Pseudos)
ロゴス(空言)たち(Logos)
アンピロギア(口争い)たち(Amphilogia)
デュスノミア(不法)(Dysnomia)
アテ(破滅)(ate)
ホルコス(誓い)(Horkos)
< ガイアとウラノスから誕生したもの>
オケアノス(大洋)(Okeanos) <1>
テテュス(Tethys) <1>
コイオス(Koios) <2B>
ポイベ(輝かしい)(Phoibe) <2B>
ヒュペリオン(Hyperion) <2@>
テイア(theia) <2@>
クレイオス(Kreios) <2A>
イアペトス(Iapetos) <3>
ムネモシュネ(Mnemosyne)
テミス(Themis)
レイア(Rheia) <4>
クロノス(Kronos) <4>
>ヘカトンケイル(百手巨人族)<
コットス(Kottos)
ブリアレオス(Briareos)
ギュゲス(Gyges)
>キュクロプス(一目巨人族)<
ブロンテス(Brontes)
ステロペス(Steropes)
アルゲス(Arges)
<ウラノスの陰部より誕生したもの>
(ア) ウラノスの陰部から流れ出た血とガイア
エリニュス(復讐女神)たち(Erinys)
ギガス(巨人)たち(Gigas)
メリアのニュンフ(女精)たち(Melia)
(イ) ウラノスの陰部のまわりに沸き立った白い泡
アプロディテ(Aphrodite)
別名 アプロゲネス(泡から生まれた女神)(Aphrogenes)
キュテレイア(キュテラに立ち寄ったから)(Kythereia)
キュプロゲネス(キュプロスで生まれたから)(Kyprogenes)
ピロンメイデス(陰部(メドス)から現われ出たから)(Philommeides)
<ポントスとガイアから誕生した神々>
ネレウス(Nereus)
海の賢人と呼ばれる。すべての秘密,隠れ場所を知っているとされ,問われた場所には常に真実を語ってくれる神である。そのために様々な相手から質問されることをさけるために所在はわかりにくい。なぜなら,彼は変身のプロフェッショナルで,自分の居場所を隠すためにその能力を活用する。
タマウス(Thaumas)
ポルキュス(Phorkys)
ケト(Keto)
エウリュビア(Eurybia)
<ネレウスとドリス(オケアノスの娘)との子>
◎ ネレウスの50の娘たち
<タマウスとエレクトラ(オケアノスの娘)との子>
イリス(虹)(Iris)
ハルピュイア(旋風女神)たち(Harpyia)
アエロ(Aello)
オキュペテ(Okypete)
<ポルキュノスとケトとの子>
ポルキュス(Phorkys)
グライアたち(生まれながらに灰色の髪をした女たち)(Graia)
ペンプレド(Pemphredo)
エニュオ(Enyo)
ゴルゴたち(ステンノ(Sthenno)、エウリュアレ(Euryale)、メドゥサ(Medousa))(Gorgo)
大蛇(「黄金の林檎」の見張り)
○ メドゥサの血から
ペガソス(Pegasos)
クリュサオル(Chrysaor)
○ クリュサオルとカリロエ(オケアノスの娘)との子
ゲリュオネウス(Geryoneus)
エキドナ(Echidona)
○ エキドナとテュポエウスとの子
オルトス(Orthos)
ケルベロス(Kerberos)
ヒュドラ(Hydra)
キマイラ(ヒュドラの子)(Chimaira)
○ キマイラとオルトスとの子
ネメアの獅子(Nemea)
ピックス(スフィンクスのこと)(Phix)