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保護者と児童の一生の思い出をつくる卒業式
岡田康裕(TOSS岐阜どまんなか)
卒業式は子供たちの1つの節目であると共に親にとっても大きな節目である。その保護者と子供たちで一生の思い出に残る小学校の卒業式にする工夫。
それは・・・最後の学活が終わって、在校生に見送られながら校門を出る時、親と子どもが手をつないで出る。これである。≪親と手をつないで歩く≫ことは長い人生でも、この機会を逃すともうないかもしれないからだ。
卒業式の思い出が一生のものになる実践である。
(本実践は私の尊敬する先輩教師がされていた事を修正追試したものである。)
保護者と児童の一生の思い出をつくる卒業式
やることは簡単。
保護者と児童が最後に学校を去る際に手をつないで歩く
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である。
どの学校も卒業式の最終学活の後、在校生に見送られ、保護者と児童が児童玄関から校門まで歩くと思う。
その際に保護者と児童が手をつないで歩くことが大切な思い出になると考えた。男の子であれば、これ以後、母親と手をつないで歩くと言うことは一生ないかもしれない。女の子が次にお父さんと手をつないで歩く時は結婚式の時にバージンロードを歩く時ぐらいだろう。
だからこそ、この機会を大切にしたいと思った。
そのために事前に学活などで話をしておく。
卒業の3日から前日までの間がよいと思う。自分は、「1年生の教室を借りて6年間の成長を感じる」授業の最後にこの話をした。
「いよいよ卒業式が近くなってきました。」
「先生からみんなにお願いがあります。」といって切り出した。
その卒業式の日にぜひ、お家の人とみんなで、一生の思い出作りにやってほしいことがあるのです。
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「きいてくれますか?」というと
「どんなこと?」「話による。」という返事が返ってきた。
子供たちはなに?なに?どんな話だろう?という感じであった。
(こちらの話に引きつけるためにこのような話し方をした。)
きいてくれますか?の返事は聞かずに次のような話をした。
卒業式。すべてが終わった後、みんなは在校生に見送られ、お家の人と児童玄関から校門まで歩きます。
その時にぜひ家の人、お父さんやお母さんと手をつないで歩いてほしいのです。
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みんなは、1年生の時お父さん、お母さんに手を引かれてこの学校に入学しました。
君たちは覚えていないでしょうが、お家の方ははっきり覚えています。
手をつないであげなければいけなかったみんなも立派に成長して卒業する日になりました。
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男の子であれば小学校を卒業した後、母親と手をつないで歩くと言うことは一生ないでしょう。女の子も多くの子がお母さんと手をつないで歩くことはしなくなるでしょう。
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「まして、女の子とお父さんが手をつないで歩く時は結婚式の時にバージンロードを歩く時ぐらいでしょう。」
「中学の卒業では手をつないで歩くことなんてしません。しないでください。気持ち悪い。マザコンなんて言われますよ。」
「女の子とお母さんで仲がいい所はあるいは手をつなぐこともあるかもしれませんね。」
などと笑顔で続けながらこう切り出した。
先生の経験からするとこの年まで母と手をつないで歩いたことはありません。この先も歩く気にはなりません。仮にこっちがその気になっても親の方が嫌だと思うでしょうね。
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だから、
になる可能性が高いのです。
そして、
「手をつないで歩く。」というたったそれだけの事が親への最高の思い出になる
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と思うのです。
6年前、手をひかれて自分の後ろをついてきた我が子が、自分と肩を並べ歩くようになり、いつの間にか成長し卒業する日を迎えた。その卒業の日にもう一度手をつないで歩くこと。
ただそれだけで心にずっと残るでしょう。ぜひ、お願いします。」
と話した。「いやだ」という声だけないことを確認して学活を終わった。
最後の学活の保護者への言葉の中で、この話を付け足した。
「・・・昨日、子供たちにお願いをしました。卒業式、最後に児童玄関から校門に出る時、ぜひお家の人と手をつないで出て行ってくださいと。
男の子がお母さんと手をつないで歩くのは一生でこれが最後になるかもしれません。次に手をにぎってもらうのは、いまわの際ににぎってもらえるくらいです。手をつないで歩く機会はこれが最後です。
女の子は、次にお父さんと手をつなぐ時は結婚式で嫁ぐ時になるかもしれません。お母さんとは、まだ機会はあるかもしれませんが・・・」
「子供たちは嫌だって言いませんでしたから、もじもじしていたら『ぎゅっ』とにぎっちゃってください。」と言ったら大受けであった。
児童玄関を出る時、どの子も保護者と手をつないで校門を出て行った。
職員室へ戻った時、同僚の先生から「どんな指導をされたの?みんな手をつないでいたけれど?」と質問を受けた。
卒業式、保護者と手をつないで学校を去る。簡単そうに思えるが指導しないと男の子は母親と手をつなごうとはしない。
でも手をつないで歩くことに実は重大な意義があることを亡くなられた奥田隆子先生から教えていただいた。この実践は奥田先生の修正追試である。
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