応援団担当者 心構えのポイント
1.応援も教育活動の一環である。
・若い頃、中学校で応援団の担当になったことがある。3クラスで3つの団(赤白青)。
それぞれの担当の先生が工夫を凝らし応援を競った。ベテランの先生に比べ、自分の担当の団は明らかに見劣りした。
当然、応援団も団員も自信をなくした。体育大会でもまとまることのなかった自分のクラスはついに団結することなく卒業していった。
・小学校に異動し、応援の担当になった。中学のノリで応援団を仕上げたら相手の団の若い女の先生が泣いて訴えた。
「私は、何の経験もないのに、先生ばかり(いろいろアイディアを出して子どもを指導するのは)ずるい」
その女の先生とは最後までギクシャクしたままだった。
運動会の競技も、応援も教育活動の一環である。子どもの成長がないのであれば行う必要がない。ましてや自信をなくさせるような取り組みなら止めるべきである。
また、応援の結果、職員間にヒビが入るような応援もするべきでない。
2.応援の採点基準を決める。
・何が、得点になるのか、よく話し合うことである。よくあるのは「声が大きいか」「動きがそろっているか」「応援に工夫があるか」の三つである。
この中の「工夫」が一番問題になる。応援団長になった子の器量にもよるが、小学校では多くが先生からの助言を必要としている。
今までの応援を思いだしてできれば優秀。新しい応援を子どもが考え出すのは難しい。
中学では、気の利いたリーダーなら近くの高校の応援を取り入れたりすることもできるだろうが、やはり教師の助力が必要である。
「工夫」の配点が大きいと、アイディアの引き出しの多いベテランや体育会系の先生が圧倒的に優位だ。
だから、「工夫」の配点を下げる。「声」20点「動き」20点「工夫」10点の50点にすると子どものやる気や練習の成果が結果に反映されることになる。
3.「応援担当の先生は、赤も白も両方見るから」と宣言してしまう。
・相手の団の先生と上記のように「両方見よう」という会話ができたら「先生は白の担当だけど、応援は赤も白も両方見るから」と子供たちの前で宣言してしまう。
そして、相手の団に早い段階でアドバイスを贈る。
簡単なことでいいがいくつかアイディアを出してあげると相手の先生も手の内を見せてくれる。
「このアイディアはそっちが使ってもいいよ」とアイディアをゆずってもらったこともある。
相手に合わせて、自分の団の応援を修正していった。アイディアを出しすぎず、かといって見劣りはしない応援にどちらも仕上げられるように心がけた。
4.全体指導にどの程度、担当の先生が関わってよいか確認しておく。
・力量が同程度の先生が担当なら、ガチンコ勝負もあり得る。その場合、どの程度、教師が全体指導で口を出すか決めておいた方がよい。
全体指導で、子どもだけが指導する団と、先生がガンガン指導を入れる団では差がつくのも当然である。
それぞれねらいが違うといえる。子どもだけの団では「リーダーが全体を指導する中で成長する」ことを重点にしているのに対し、先生が指導する団では
「全体が1つの高い目標に向かって活動する一体感」を重点としているのだ。
どこまで、どのように担当の先生が関わるか、応援のねらいは何なのか打ち合わせを事前に行っておくことが後々もめないために大切である。
子どもだけに任せる場合でも、個々のリーダーの力量は違うので差がつきすぎない程度に先生が出ることも確認しておく必要があるかもしれない。