関連のバンドとプロジェクト

  • 「Elektric Music」/「Electric Music」って何者?
  • フローリアンシュナイダーはクラフトワーク以外のレコードで演奏しているの?
  • ラルフとシュナイダーがDie Dominasというグループにいたとか?
  • クラシックでクラフトワークの曲を耳にしたけど、誰の演奏なの?
  • クラフトワークのどんな曲が他にカバーされているの?
  • クラフトワークとシュトックハウゼンが共作したことあるの?
  • クラフトワークのファンにとって面白いグループってある?クラフトワークと関連のあるグループってある?

  • 「Elektric Music」「Elecric Music」って何者?

     「Elektric Music」はカール・バルトス(元クラフトワーク)と、ローター・マントイフェル Lothar Manteuffel(元ラインゴールド)とのユニットです。このグループのサウンドはクラフトワークのそれと非常に近い性質のものですが、Elektric Musicをクラフトワークと比べてどれだけ良いと思うかは個人的な意見によるでしょう。マントイフェルはその後グループを脱退し、残ったバルトスは、つづりを少しだけ替えた「Electric Music」という名のもとで活動しています。


    フローリアンシュナイダーはクラフトワーク以外のレコードで演奏しているの?

     クラフトワーク結成以前に、ラルフ・ヒュッターRalf Hutterとフローリアン・シュナイダー Florian SchneiderはTone FloatというアルバムをリリースしたOrganisationというグループのメンバーでした。

      ジャッキー・ホーン Jacky Horn の1985年の「Mr. Psychologist」という曲では“フローリアン・シュナイダー”がサックスで参加しています。クラフトワークファンのクラウス・ツェプケKlaus Zaepkeが指摘したところによると、"Tilch Encyclopaedia of Rock Musicians"には二人のフローリアン・シュナイダーが見出しに上がっています。クラフトワークのフローリアンと、サキソフォニストのフローリアンです。したがって、「Mr. Psychologist」で演奏しているのは後者のフローリアンだと思われます。この音楽百科ではサックスのフローリアンをLes Immer Essenの"Tally-Ho"で演奏し、クラフトワークのフローリアンはIkarusの"Mit Wolfgang und Mohanmmad"でヴァイオリンを演奏していると記述していますが、クラウスはこの記述の信憑性に疑念を表明しています。

     1970年にフローリアンはthe Paul Nero Soundsの"Nero In South America (別名 El Condor Pasa 「コンドルは飛んで行く」)"というイージー・リスニングのアルバムでフルーティストとしてセッションに参加しています。このアルバムでフローリアンが演奏しているのは"Cuica"という曲です。この作品では二人目のフルーティストとして、アモンデュールAmon Duulのプロデューサー、オラフ・キュブラー Olaf Kublerが参加しています!"Paul Nero"とはデュッセルドルフのジャズ・ロックサキソフォニストであるクラウス・ドルディンガー Klaus Doldinger の偽名で、Cuicaは1973年アトランティックレコードが出したドルディンガーのベスト盤"Doldinger Jubilee"に入っています。クラフトワークの一作目と同じく、フローリアンの姓が「シュナイダー-エスレーベンSchneider-Esleben」(フローリアンは高名なドイツの建築家ポール・シュナイダー-エスレーベンの息子です)とクレジットされています。

      フローリアン・シュナイダーが「不思議の国のアリス」や「Solaria」といったプロジェクトに参加しているとときどき間違って報告されますが、こちらのほうは、Florian Snyderです。


    ラルフとシュナイダーがDie Dominasというグループにいたとか?

     いいえ。しかしながら、10インチのミニアルバム「Ich bin a Domina」は実際に彼らによってインスパイアされ、彼らは二つのコードを書き、ジャケットのデザインをしました!アシュ・ラ・テンペルのマヌエル・ゴットシングのインタビュー記事を抜粋しました(「Dreams World」第11号より)

    「Die Dominas'は僕の二人の旧友だよ。二人とも僕とつきあいの長い友達で、ロシは、アシュラテンペルのアルバムでも演奏しているんだ。クラウディア・スコダはそのファッションで僕が1976年から音楽のほとんどを作曲し、演奏していることを教えてくれるのさ。二人はクラフトワークをデュッセルドルフで知ったんだ。そこでやるファッション・ショーに一緒に連れ立っていってたからね。ラルフ・ヒュッターとカール・バルトスは二人に二つの特別なコードを紙に書いたんだ。「サブ・ドミナント」と「ドミナント・セブン」だよ。後になって、ベルリンで二人は僕にこのコードがどんな風に聞こえるのか聞いてきたんだ。そう、ある晩のこと、僕たちが僕のスタジオでノリのいい長いセッションをしていたときのことだよ。そこで二人にそのコードを演奏してみたんだ。僕はスタジオにある楽器について少し説明し、二人は僕がレコーディングをしているってしらないで、実験を始めたんだ!それはまじにノリノリのセッションで、まるで僕たちがパーティーをしているみたいに音が鳴り響いたんだ。次の日、僕は録音されたものをリミックスしはじめ、ついにそこから3曲でき上がったんだ。クラウディアとロシは結果にとても感銘をうけ、ラルフとカールに演奏したんだ。そうしたら、ラルフとカールはレコーディングをとても気に入ってくれて、アルバムのカバージャケットを作ってくれると申し出てくれたんだ。カバーの出来栄えはとても素晴らしく、黄色と黒のシルエットみたいなんだ。」


    クラシックでクラフトワークの曲を耳にしたけど、誰の演奏なの?

     バラネスク・カルテットはクラフトワークの曲を弦楽四重奏用に編曲して、アルバム「possessed」で5曲録音しています(The Robots, The Model, Autobahn , Computer Loveand Pocket Calculator)。このアルバムはミュートレーベルから発売されており、イギリスやアメリカの大手レコード店で購入できます。カタログ番号はCD STUMM 111(イギリス) Mute 61421-2(アメリカ)です。


    クラフトワークのどんな曲が他にカバーされているの?

    バラネスク・カルテットの他に、クラフトワークのカバーヴァージョンは沢山あります。「ザ・モデル」は中でもカバーのとても多い曲です。クラフトワークがらみのアルバムを少しだけあげておきます。他のアルバムを知っていても、メールしないで下さい。リストをあげてゆくと膨大になるでしょうし、このFAQの主旨をかけはなれてしまいます。

  • スロヴェニアのバンドによるクラフトワークのカバー集のTrans Slovenis Express(ミュートレーベル)というアルバムについての意見は、はっきりと分かれるところです。もともと"Karftwerk Through the Looking Glass"というタイトルで、違う曲を収録してリリースされる予定でした。
  • 1995年には、クレオパトラレコードがTrancewerk Express vol.1 - A Tribute to Kraftwerk(CLEO 9605-02)をリリースしています。これは10のグループがクラフトワークの曲をトランス・テクノのアプローチでカヴァーしたものです。大方の意見は、もしトランス・テクノといったものが好きだったらとてもいいアルバムだと思われる...といったものです。
  • 2000年にSennor Coconut(Uwe Schmidtによるプロジェクト)のEl Baile Alemanは名曲をラテン仕立てでカバーしており、きわめつけの「珍」盤ではありますが、クラフトワークのファンの間で人気があります。

  • クラフトワークとシュトックハウゼンが共作したことあるの?

     電子音楽作曲家カールハインツ・シュトックハウゼンとクラフトワークとの間には関係があるという噂がいくつかあるようですが、これらは具体性を欠きます。パスカル・ビュッシーの著書「Kraftwerk: Man, Machine and Music」では、ラルフとフローリアンがかつて、シュトックハウゼンのコンサートに行ったことがあると言及しており、ティム・バーの「Kraftwerk: From Duesseldorf to the Future」ではシュトックハウゼンの名前は見つかりません。しかし、シュトックハウゼンの音楽がクラフトワークに大きな影響を与えたかどうかということは、答えのカギとなるでしょう。有名な「クラウト・ロック」グループのカンの二人のメンバーである、ホルガー・シューカイHolger Czukayとイルミン・シュミットIrmin Schmidtはシュトックハウゼンのもとで学びましたが、クラフトワークのメンバーが学んだということは知られていません。しかしながら、ラルフ・ヒュッターはさまざまなインタビューの中で、シュトックハウゼンからの影響について言及しています。

     魅力的な噂としては、シュトックハウゼンとクラフトワークがお互いのコンサートで演奏をしたことがある、というものです。かろうじて想像できるのが、シュトックハウゼンと初期のクラフトワーク(が同じフェスティバルに参加したかもしれないということです。しかし、1960年代の電子音楽で名の通った作曲家が、1970年代初頭のエクスペリメンタルロックの二人組の作品を演奏したがった、と考えるのは無理があるでしょう。


    クラフトワークのファンにとって面白いグループってある?クラフトワークと関連のあるグループってある?

     FAQの、「何故、フルーアとバルトスがクラフトワークを脱退したか」という欄や「Elektric Music」という欄をご覧下さい。現在の彼らのプロジェクトなどの情報が記されています。

     すべてのクラフトワークファンの嗜好を満たすグループは一つもありません(Elektric Musicさえもです!)。ただ、クラフトワークは現代のポピュラーミュージックに絶大なる影響を及ぼしたということには、一般的に同意されるであろうと思われます。