TA22 トヨタセリカ1600GTの腐食修理 トップページへ戻る

フェンダーとルーフ塗装修理とフレーム穴修理およびノックスドールの施工依頼で
入庫しましたがこの車もステップが腐食していてジャキアップする耳が無くなっている状態です。
今回は追加作業でまたもや部品供給の無いステップの作製もやることとなりました。
弊社はけっしてレストア専門店ではありません!時間とお金に限度がある車の修理を承ってます。

 板金工場でフェンダーを外し
 整備工場で各腐食部分の
 修理となります。
 フェンダー内のフードリッチ部分も
 かなり腐食が進んでおり
 結構な穴が開いております。
 一応防錆剤が塗られていたのですが
 気休め程度のものと思われます。
 







     
 ステップ部分の基本的な断面図
 左の図で赤色の部分が腐食しているので
 その部分を切り取り必要なパネルを作製して溶接し
 右の図のような3重のパネルの合体がステップとなります。
 
 
左側ステップ ほとんど形が無い!               右側ステップ やや形が残ってます!



 腐れたステップの外板を
 切り取るだけで錆がぼろぼろ
 大量に出てきます。錆びているところは
 ばっさり切ってしまいます。大量の錆と土?
 掃除機かけながらの作業です。










 ステップ作製の最初のやることが
 生きている箇所からオリジナルの
 型を取りゲージを作製することです。
 セリカは直線的なかたちをしてます。
 メタルブレーキでこのゲージの内側に合う
 曲がりに折っていけば大体90%以上ぴったり
 取り付けが出来ます。









 ゲージを展開して寸法を取り平板である
 0.8mmボンデ鋼板より900mm幅4枚とりました。













   
曲げ加工が終わった4枚のステップ外板直線的ですが微妙なアールがあり4枚をゲージに合わせながら作製します。
片側2枚づつ溶接し2枚にします(両側分)約150cmくらい有るので後で取り付けするとき余分な分切断します。


 定番とおりインナーパネル
 生きている錆の無い部分を残して切り落とし
 途中からベースとなるパネルを作製し溶接して
 やっとステップ部分のベースが出来上がります。
 ジャキアップポイント付近やピラー付近には
 補強板を入れます。
 出来る限りの錆を取り錆変換剤を塗付し
 エスコを塗付します。
 補強板の入った場所以外も全部に中間パネルを
 後で溶接します







   
 左後部の中は結構腐れがひどい状態(下から写真を撮ってます)左の写真の左側は他工場でステップを
 一部を修理した後で2mm程度の鉄板が貼ってあり錆も無かったのでそのまま使うことにしましたが
 
中まで腐食がすごく出来る範囲で余分な腐食部分はカットし錆を取り錆変換剤を塗付し
 溶接ノズルが届く範囲でまずはベースになるものを溶接します。ベースからその前の部分(写真右)も
 補強板を溶接していきました。新しく鉄板を貼った奥の錆びた部分は塗装があがった時点で
 ノックスドールを注入、塗付するのでそのままのところも有ります。
 

 
シルインナー構築前の助手席(後部)室内の状態。路面がすっかり見えます。床が落ちてしまいそうです。
これは裏側からL字に曲げた鉄板を当て溶接していきました。セリカは床板が下に曲がってシルインナーに
溶接されている為下側からの当て板(写真右)です。
33GT-Rは床板が上に曲がっていた為室内から当て板しました。



 助手席フロア下側(前部)の修理した部分
 大きな隙間には床のリブに合わせ
 鉄板を加工して切り張りをします。
 生きた鉄板があるところまで錆を取り
 多めに鉄板をかぶせるような形です。
 必ず溶接の後は錆変換剤を塗付し
 写真では白く見えるエスコを塗布し
 次の作業を待つこととなります。
 常にエスコを塗りながら乾燥に
 約一日半かかるので溶接作業が
 終わった時点でその日の最後の
 仕事として塗付します。







  
リヤフェンダーも大きな腐食から穴が開いており上のようなインナーフェンダーとなるベースを作成します。
シュリンカー、ストレッチャーという工具がほしいです!



 写真は外側も溶接された物ですが
 実際は前述のインナー側を溶接した後に
 写真のような外側も溶接したものです。
 溶接した後錆変換剤を塗付してますので
 黒っぽくなってます。









  
シルインナーが基礎となりますので外板との間に補強板を入れます。オリジナルでは一部分にしか
補強は入ってませんが全部の箇所に補強パネルを溶接し、リヤフェンダー(センターピラー)付近は更に
補強板を入れました。ジャキアップポイントになる部分もさらに補強します。
0.8mmボンデ鋼板3枚張りで2.4mm厚ですから十分なものだと確信してます。


  
やっと左側ステップ外板が付いた物です。前側はフロントフェンダーを仮付けしながらの作業となり
取付け部分のめねじも一緒に作製しながらです。  


  
ナットを鉄板に溶接する為固定の為ボルトを入れてます。かたちが出来たらフロントピラー下側に溶接します。
この二つのナットにフロントフェンダーの下側がボルトで固定できるのです。


  
フェンダー下側は腐食大で無くなっており現物にあてがい無い場所は延長した想像で型取?(写真は右側の物)


  
 形がなくなっている部品は
 なるべく残っている箇所で
 型取をしておかないと大変効率の
 悪いものとなるので
 必ず上の写真のような適当な
 図面でも書いておかないと
 大変苦労することになります。









  
左サイドフレーム 腐食が広く鉄板が薄くなっているのでそれより多めにボンデ鋼板をかぶせ溶接。
下側からもぐって溶接です。カーベキューがほしいと思う場所です。


  
右フロントフードリッチ(フェンダーが付く内側)       依頼にはないのですが見ぬふり出来ない穴あき多数!


 
 錆びた部分を出来る限り取り除き
 錆変換剤塗布後上側にボンデ鋼板を溶接。
 溶接箇所も錆変換剤を塗付!内側のストラットが
 付くところも腐食で大穴が開いておりそこも 
 鉄板をあて溶接しました。











 
  穴の向うにFショックが見えます。           複雑な穴は最初に基準になるものを溶接します。



 一度はお断りしたトランク下部の腐食修理
 ざくざくになっていたので型からの作製です。
 なんとかFRPを使用して復活しました。













 ようやく錆穴修理全般が終わり
 塗装工程に入ります。
 本格的であればあまりパテを
 使用しないのでしょうが
 塗装する為にはある程度型を
 整えることが必要なので
 パテで表面を整えます。








 
塗装があがりかなりぴかぴかとなりました。 新しいストライプをいれ1600GT復活です。お預かりして3ヶ月弱


 
内張りを元に戻す作業ですが内側の防水ビニルが適当に貼っていたので新品ビニルを貼ります。


 
床はステップ中心の作業でしたのでさらっと塗装をした程度ですが綺麗になってます。
 
完成です!                        イエローのレーシングマスクを付けました。

ガラスまわりの腐蝕修理 追加で約束してました前後のガラスまわりの腐蝕修理です。

まずはガラスをガラス屋さんに外してもらうのですがウエザーストリップ(お客様がご用意)モール(再使用)モールクリップ(?)
これと万が一の場合の前後のガラス、を用意しないと外せないということを聞きました。
ガラスは何とかネットで新品が購入可能ということで万が一の場合のみ仕入するということで話がつきましたが
モールクリップについては純正カタログに載ってなく途方にくれてましたがネット上にはあるのですね
写真の袋に純正番号が見えていたのですぐトヨタ共販へ在庫を調べてもらうとメーカーにはまだまだいっぱいあるようで
ひとまず安心しガラスの脱着を進めてもらいました。
   
ウエザーストリップ式のガラスの隙間には水分がたまり腐蝕します。室内まで雨漏れしてました。
 ガラスを外せばご覧のようにボロボロです!

 
錆部分を落とし穴の開いた部分は鉄板を溶接します。

 
リヤのトレイ下も錆びだらけ               同様に錆を取り変換剤をこれから塗布します。

 
変換剤を塗布した状態                  リヤスピーカートレイもボロボロ(下)新規作成(上)

 
ダッシュボード割れもガラスが外れているうちに割れの部分を柔軟パテで埋めて合成皮革を貼りました。


端端はたわみが出来ましたが何とかみられるようになりました。

 
塗装も終わりガラス屋さんにガラスを装着してもらいモールもきっちり取り付ける事が出来て遂に完成!