当院382例のインフルエンザ迅速検査(平成26年2月ー4月)においては6歳以下は77名とやや少なめですが
年齢と陽性率の検討をしました。低年齢ほど陽性率が低いとの結果が出ました。根拠については以下を参照して下さい。

年齢 設定年齢以内 設定年齢以上 比率の差の検定
データ数 陽性数 陽性率 データ数 陽性数 陽性率 差(以内−以上) P値 検定結果
2 14 2 0.143 368 206 0.560 -0.417 0.002 1%有意
4 36 11 0.306 346 197 0.569 -0.264 0.002 1%有意
6 77 32 0.416 305 176 0.577 -0.161 0.011 5%有意
8 107 51 0.477 275 157 0.571 -0.094 0.097 有意傾向
10 145 72 0.497 237 136 0.574 -0.077 0.141
12 175 90 0.514 207 118 0.570 -0.056 0.276
14 196 106 0.541 186 102 0.548 -0.008 0.882
16 213 116 0.545 169 92 0.544 0.000 0.997
18 218 119 0.546 164 89 0.543 0.003 0.951
20 222 121 0.545 160 87 0.544 0.001 0.980
22 225 124 0.551 157 84 0.535 0.016 0.756
24 230 128 0.557 152 80 0.526 0.030 0.562
26 237 130 0.549 145 78 0.538 0.011 0.840
28 241 133 0.552 141 75 0.532 0.020 0.706
30 243 135 0.556 139 73 0.525 0.030 0.566
  この表は382例のインフルエンザ検査に於いて統計処理をしたものです。受診者年齢と迅速検査陽性率の関係を
見ております。上記表ですが年齢 2 の列で説明します。2歳以下の受診者は14名、陽性者は2名でしたので陽性率
は0.143。2歳より上は368名、陽性者は206名でしたので陽性率は0.560。2歳を挟んで陽性率が大きく
異なっています、この陽性率の差に対して統計処理をしますとp値 0・002これは0.01よりも小さく1%の危険率
で統計的に差があると証明されます。これと同様な傾向が4歳、6歳前後グループで認められ、それより上の年代では差は
認められません。これらの事実を臨床的に説明しますと、インフルエンザ迅速検査においては幼児の陽性率が大人に比べ低い
事実があります。検体に関しては耳鼻咽喉科としての技術を生かして幼児でも上咽頭より採取しており差はないはずです。
子供は他のウイルス疾患にも罹りやすい、子供によっては家にいれば感染機会が少ないなどが理由として考えられます。
ただ当院は小児科専門医ではありませんので検体数が少なく、同様な検討が小児科にて成されればもっと明確に事実が判明
するかもしれません。