正多面体で空間を分割する意味

テトラスは紙でつくるブロックです。中心部に三角の穴の空いた正4面体(テトラ)どうしをジョイントさせて遊びます。尖った所をべつの正4面体の穴に差し込み60度ひねるとジョイントします。
もちろん横にも斜めにも繋がっていってどんどんわけがわからなくなってしまいます。
私たちは空間を認識する場合、前後、左右、上下の三つの方向、距離で位置や形を理解します。つまりXYZ座標系で物事を考えます。X座標とその他の座標はそれぞれ直角方向のベクトルを持っています。人類の作った物、建築物や機械、自動車、都市などすべての人工物はその座標系で設計されています。いきおい私たちの暮らしの基本はすべてXYZの三つの座標系でとりおこなわれます。(時間軸はとりあえず除く)またそのような教育のみ受けます。(たとえば表やグラフを描く時、横軸がX縦軸がYにするように教えられます。)それは人間が空間を把握するには最も効率がいい方法だからでしょう。動植物を考えてみましょう。動植物は神が設計したとして神の設計力、デザイン力を考えてみます。あたりまえですが神のデザインセンスは人知をはるかに超えています。我々が何かをデザインしようとした時、動植物(自然)は大きな手本となります。動植物を詳細に観察するとわかることは”神は三つの座標系を用いて設計していない”と言うことです。どんな座標系を使っているか人間にはきっとわからないでしょう。しかし少なくとも空間を認識するのに三つの座標系だけがたよりではないことが学べます。
さて本題です。テトラスは正多面体の集合体です・・が垂直方向にはつながりません。しかしカオス状態ではありません。やってみるとわかりますが限りなく混沌とした中に整合性が見つかります。正多面体で空間を分割していきます。すると無作為の組み合わせは一つの空間の中で延長すると無作為が配列していくことが体験できます。ですから混沌から整合性が発生します。
でき上がったそれら混沌無作為な整合性秩序オブジエ(?)は”絵にもかけない美しさ”です。冗談ではなく実際に図面に描けません。まるで音楽の様です。どうして図面化できないかと言うとそれらはXYZの三つの座標系で構成されていないからです。図面って言うのは立体物を三つの座標系で構成されていると仮定し、その座標を一つ減らして二つの座標系にして描くものです。ですから三つの座標系で構成されていない物体は図面化できません。強引に作図しても意味不明の落書き状態になります。譜面(音の図面)では音楽の魂は表現しきれないのと同じです。
(まだやってないのですが組み合わせの一番小さい反復形態はさらに繰り返しながらさらに大きな反復形態になる様です。つまりフラクタルを構成しているのではないかと思っています。どなたが根性、知識のある方、確かめてください。私のアタマやPCでは稚拙すぎて解析できません。)色々やってみると何となくわかることは空間を認識するのに三つの座標系だけがたよりではない。色々な座標系で空間は分割出来る。と言うことです。図面化出来ない物体が存在することにまず驚きます。テトラスに神の吐息を感じるのは私だけではないでしょう。ちょっと大袈裟でした。
オプションパーツとして6面テトラス、8面テトラスがあると更に過激になります。

テトラス

8面テトラス

6面テトラス

ついでにXYZ座標系ではない座標系を測る(探る)道具を作りました。立体三角定規と正五面体がそれです。
立体三角定規は各辺の長さの比率がルート1対ルート2対ルート3対ルート4で構成された4面体で、かつ全ての三角形は直角三角形で構成されている立体です。ですから全ての角度も30度、45度、60度、そして90度、etc,になってます。(でも、紙製ですから定規としてはすこぶる使い勝手が悪いです。数学的オブジェとしては面白いかも)
幾何学的には正五面体という立体、正多面体は存在しません。しかし”正多面体は他の正多面体に内包される。”と言うことはひろく知られています。(ユークリッド『原論』より)たとえば正20面体に使われている正3角形の中心点を線でつないでいくと正五角形12枚、つまり正12面体になります。(なんかムズカシイ!!)ですから、正6面体(つまりさいころの形)には正4面体(上のテトラスの形)が内包されているわけです。つまり頂点や辺を共通にした正6面体と正4面体は存在しうるわけです。そこで、展開図はおんなじだけど折り方によって正6面体になったり、正4面体になったりする妙な物体を作図してみました。出来上がった状態で正6面体から正4面体になったり、その逆も可能なので、正五面体というわけ。
テトラスと立体三角定規、正五面体を体験するとあなたの空間認識能力は完全に破壊されてしまいます・・たぶん。

全日本テトラス化計画/無駄かもしれない

テトラスの欠点はなんと言っても”たくさん作るのが大変だ”と言うことです。数多くないと意味がないですし数多くあればそれだけ楽しめます。他の人が作ったテトラスを利用したり遠隔地のテトラスともジョイント出来るようにするにはサイズの標準化が必要だと考えました。
そこで”一辺を12cmで作ったテトラスは公式テトラス”と規定します。公式テトラスであれば日本中(世界中)どこのテトラスともつながることができます。公に使えばで作品が無駄になることがありません。クラス単位で作れば対抗試合が出来ます。講議、イベントで使えば盛り上がるはずです。
一辺を12cmにしたのは比較的大きいので作りやすい。また三角定規、コンパスを使って手作業での作図が簡単だからです。基本の形は底辺3cmの正三角形メッシュになぞって作図ができます。作成時、折り目には紙の表面に少しだけ切れ目を入れて折りやすくする(ハーフカットを施す)と綺麗に仕上がります。綺麗に作ったほうが付け外しがスムーズです。
非常に単純な仕組みですがあなたの知的好奇心を満足させてあり余るほどのパワーがあります。試してみる価値はあると思います。あちこちで作られたテトラスがつながり無限に成長することを願っています。 トップに戻る。

e-mail:kpd@venus.dti.ne.jp 川口圭司(かわぐちけいじ
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