<Lesson #9>




'05.11.6
雨。
そういえば,これまで傘をもって練習に行ったことがなかったような…
もしかして,初めての雨??

行きしな,前のクラスのお知り合いとすれ違いざまに挨拶。
その方,ソプラノなんですが,「あ〜ん,座席,Lやったぁ〜!」
最初よく理解できなかったんですが,本番のチケット配布があったらしく,
Lブロックだったということに気がつきました。Lっていえば…ほとんど観客席ですね…
いっそのこともっと観客寄りだったら,大移動のときにアリーナへ行く可能性が,ゼロでは
ないんですけどね。

合唱団参加には,チケットが代表者へ配布されています。
この場合,一喜一憂はありません。死なばもろとも,一蓮托生,呉越同舟(…”呉越同舟”は違うか(笑))


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定刻を過ぎましたが,まだ先生は来ません。
…と,山本先生が見えます。一緒に事務局の方も壇上に上がりました。
「今日は花月先生は急な用で来られません。山本先生にお願いします。」

#う〜みゅ,これまでで初めてのことですね。予定されていない欠席なんて。

山本先生,「…えー,花月先生は急な用事で今日はお休みです。救世主を呼んでいますので,それまでは
私がやりますので,よろしくお願いします。」

#助っ人…花月先生の急な欠席にも対応できるということは,すぐに来れる先生…ははぁ,多分,あの先生ですな。

まずは軽く体操です。
伸びて〜,脱力。伸びて〜,脱力。
頭に手を当てて,伸ばす。頭の重さを感じながら,ゆっくりと首を回す。

発声練習は,「あー」。まる〜い感じで。高いところでは,「おー」ぐらいのつもりで出すように。
なるべく,地声で高いところまで持っていくように。裏声(ファルセット?)に変わるぎりぎりのところまでがんばってみる。

#なんでも,花月先生はバリトンですけど,かなりのところまで地声でいけるそうな。
#国内の歌手は,地声でがんばってる人が少ないとか。海外の歌手の多くはそれができてるんで,評価も高いらしいです。

そういった発声練習の合間に,色んな,ほんと,色んな裏話がありましたねぇ〜(笑)

#ここでは書けない?(爆)


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前回の練習,フーガは大いに問題があったように思います。
もう少し時間をかける必要もありそうですし…ってこともあってか,フーガからです。
山本先生,各パートごとにやってくれるんですが,音取りと指導で大変そうです。
各パート,一巡したころに救世主登場!

そう,やっぱりあの先生でした。
有元先生,伝説の大阪G副担任。

#'02年,大阪Gクラス12回のレッスンのうち,担任の花月先生の回数を上回る,6回指導いただいた先生です。

詳しくは
http://m-arimoto.web.infoseek.co.jp/
をご覧くださいませ。

いやぁ,ご無沙汰しております…なんて思ってると,
「どこやりましょうか。え〜と…あぁ,いてるいてる,どこまでやりました?」って,わしかい!(笑)

「一通りやりました!」
「で,どこが気になる?」
「えーと,聴いてて気になるのはフーガですね」
「聴いてて気になるってことは,歌えてないってことやね,じゃフーガやりましょう」

ってことで,フーガをやることになりました。

「フーガの構造って,聞きました?」
ここでちょいと音楽,いや,音学です。フーガの構造を説明くださいました。
…なんですが,ちょっと,いや,かなりついていけなかった…(^--;;)

「静かな湖畔の〜」に代表される単純なフーガではなく,第九の歌詞には二つの主題があって,
これが交互に出てくる2重フーガであること。
主題のひとつ,Seid umschlungen 〜 で始まる歌詞が,アルト → テノール → バス → ソプラノ と渡していく流れ,
もうひとつの Freude schoner 〜で始まる歌詞は,ソプラノ → バス → テノール → アルト と渡していく流れがあると
いうことです。そして,渡し方がそれぞれ逆転しているんですね。
また,男声,女声がそれぞれペアになってアンサンブルしていること。(A-T,A-B,S-T,S-Bの組み合わせかな)

#そのほか,和音を奏でているとか,細かい話があったんですが…ついていけなかった…はうぅ。

その受け渡しの練習ということで,主題の歌詞だけ各パートの音程で”フーガ”します。

#これ,結構いい練習になりましたね。実際,フーガを通したときも違和感なく感じましたし。


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フーガ全編を通して結構細かいリズムが刻まれるんですが,「首を縦に振らない!振るんなら横に振って。」
「言葉の後ろは少し抜き気味に。」

P34,664小節,ソプラノの Freude ! は明るく浮き立つように。とくに,(Freu)de ! はふわっと浮くように。
665小節,アルトの(Mil)lionen ! はテノールとのアンサンブルになります。低いところから一気に高くなるんですが,「私は女よ!」(笑)
って位のつもりで。
テノールはテノールで,「アルトがいるってことを気遣って。”あっちいけ!”って感じに聞こえるよ。もっと思いやりをもって。」

P35,670小節,バスは Seid 〜 の主題に入るんですが,他のパートに比べて半拍短いので心積もりを。

P36,678小節,アルト,Heiligtum ! のあとの休符でほっとしないこと。高い音程で Freude 〜 が続きますから,準備をするよう。
685小節,feuertrunken のあとも,高い音程ですぐに Himmlische が続くので,次に来ることを意識して準備しておくこと。

P37,689小節,テノール,音符がタイでつながっていますが,「タイが見えません。無視してませんか?」
…いや,そんなつもりはないんですけど…
「あぁ,なるほど。遅れてる人がいますね。だから,個々の音符に聞こえるんですね」 ふむ,なるほど。
で,ここのテノールは,楽譜上,”−−−−−−−−”ばっかりです。
「テノールはつなぎばっかりあんで,わかりにくいですよね。ここは佐渡おけさ,やっててください(笑)。」

695小節,ソプラノは歌詞が変わります。これまで”Freude schoner Gotterfunken Tochter aus Elysium”と歌ってたところを
”Freude schoner Gotterfunken wir betreten”と歌います。
「ここで”Tochter”と歌うと逆戻り,フーガが終わりませんよ。歌ってしまうと20小節ぐらい飛ばすことになりますから取り返せません!」

P38,698小節,テノール,Heiligtum ではちゃんと切ること。その後,「バスがちゃんと出れば,アンサンブルになります」
701小節,Seid は佐渡おけさな(つなぎばっかりの)テノールの中でも,切り替えのできるきっかけになるキーポイントです。

705小節,アルト,wir betreten 〜 はアルト特有の(?)音程がポンと上がる箇所。「ちょっと待ってや!と,別人になるところです。」
「アルトは4小節ごとに3種,変身してください」 低い音程の箇所,高い音程の箇所,付点二分音符が続くところ,でしょうか。

715小節,テノール,”gan zen Welt”,ここは短く切らないこと。
717小節,ソプラノはパーンと高い音にあがります。その前の716小節,der はいったん下がるんですが,「しっかり鳴らすこと」
この高いところが9小節続くわけですが,718小節は ff に気をつけて。「これを ff で出せば,あとは何とか引っ張れます」
「ff で出た後は,5小節まで ふわっと 出すように。その後はクレッシェンドしていきましょう」

#有元先生はここを”ファンファーレ”と表現されてました。

724小節,アルト,betreten はこれまでにもあったように,パン!とあがること。

#おぉ,今日のフーガはあんまり戦ってませんでしたね。テンポもまぁあってたし。
#”譜面をはずして!”というのも功を奏したと思います。その分,指揮に集中できましたし。


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一通りフーガが終わって,続くP41,730小節,R もやります。

ここもフーガからテンポは変わっていないということ。手拍子をつけてやってみます。
で,厚く切った”羊羹”のように角が立った感じで。

734小節からのテノール,クレッシェンドしないこと。「クレッシェンドすると次のアルトが歌えないです」
そう,アルトは最低音域(?)で,ここからクレッシェンドしていって,ソプラノ(+他パート)に受け渡していかないと
いけないんで,テノールががんばると後が続けられないわけですね。
そのアルト,738小節では,Such の発音を「ずーっふ」ではなく「ぞーっふ」ぐらいのつもりで。

750小節からは,「皆が止めないように。指揮者にまかせて指揮をよく見て。」

「皆さん,真剣になると顔がこわばってきますよ。笑顔で,笑顔で!」

フーガはどこかきっかけが見つかれば,なんとか持ち直せるんですが(と思ってます),
「P35,練習番号O,ここでオケが変わります。P39,練習番号Q,ここも同じくオケが変わります。これを目印に
するという手もあります。でも,Qだと持ち直しても残りは僅かですけどね(笑)」
確かに,楽譜の伴奏パートを見てても O と Q から変わってますよね。なるほど。

#このほかにも色々とご指摘ご指導があったんですが,んー,控えきれていないなぁ。

とまぁ,こんな感じで時間も押し迫ってきたわけですが,
「あと不安なところ,苦手なところないですか?やりますよ!」と挙手を求めます。
「けど,全部わからへん!は勘弁してくださいね」(^^;;)

挙手があったようで,指すと「わからへんところがわかれへんのですけど…(^^;;)」
「…たいていの場合,想像がつくんですが,そういわれるとなんともしようがありません…(^^;;;;)」

「フーガに入る前後の落差(調子の違い)の切り替えを練習したい」との声が上がり,
「その前のP31,627小節からやりましょう」ということで,ここからやります。

「満天の星空があり,その向こうに行こうとしてる,そういう静かな,きれいなところです。」…そんな感じかな。(←違ってる??)
おおよそ,うまくいってたようですが,P33,650小節,「ここは笑うところじゃない!」「首を傾げないで(音を迷わないで)」
それまでが休符で,いきなり高いところになるわけですから,迷いますよね…でも,「あれ?」と首を傾げたり,「しもた!」と
照れ隠しに笑ったりしてたら,あかんよ,ってことですね。
で,そのままフーガに突入して,P43の終わりまで走って,おしまいとなりました。

#だ〜れも声が上がらなければ,P29,606小節からの各パートの Die が重なっていくところをリクエストしようと思ってました。
#ここ,うまくいくと結構気持ちよかったりしますんで…


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ところで有元先生は,先日オープンした兵庫県立芸術文化センターのこけら落とし公演の第九の合唱指導を
されていました。小生も10/22の公演を聴きに行ったのですが,そのときには見かけませんでしたが…
パンフレットには確かに合唱団員としてお名前がありました。
「合唱団のバスを歌っていました。」とのこと。
「”一万人”で全パートの練習をしてるでしょ,実際歌おうとすると,ソプラノやらアルトやらを歌いそうになって。(笑)」
「でも,新鮮で面白かった」そうです。
長いこと合唱指導されてても,自分が歌うとなるとちょっと勝手が違うってことでしょうか。

それにしても今日はある意味,面白い練習でした。
花月先生の,あーんなことや,こーんなことが聞けましたし,久しぶりの有元先生の練習でしたし。

掃除を終えて,くつろいでて,さぁピザでも頼んで…って時に引っ張り出された有元先生,お疲れ様でした。
有元先生が来られるまで慣れない合唱指導をされた,山本先生,お疲れ様でした。

次回,「メリー・ウィドゥ」を終えたばかりの花月先生には,一幕,やってもらいましょうよ。(笑)



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