Q:日本でのアウトドア関連の仕事をする上でのアドバイスをください

はじめまして、現在、Texasに留学している、栃木県出身のHと申します。
33歳まで、日本の電気メーカーで働いていましたが、どうしても海外が知りたいのとアウトドア関連の仕事がしたくて、自己退職ました。
まずは共通語の英語を学ぶのと、アメリカの広大な自然に直に触れるために、渡米しましたが、日本に帰り何が自分にできるのか、はっきりとした方向がつかめなく悩んでいるときに、内田さんのホームページを見て、こんな方と話ができたらな、と思い、勝手ながらMailを送らせていただきました。
自分もバイクが大好きで、高校を卒業してからもバイクを手放した事がなく、北海道や中国地方&四国一周などいろいろなところにいきました。高校生の頃は、栃木県鹿沼市にある竹沢正治さんのバイクショップにて、ツーリング担当もしていました。
アメリカのアウトドアに触れてみて、日本との違いを感じたのは、アメリカのアウトドアが好きな人は、自然をこよなく愛している事で、日本みたいなブームに乗った人がほとんどいないという事です。内田さんも海外での活動も活発されているようなので、こんなことは既に感じていると思いますが。
お忙しいと思いますので、これで終わります。
大変恐縮ですが、時間があるときでかまいませんので、漠然としていますが日本でのアウトドア関連の仕事をする上でのアドバイスがあれば、送って下さい。
これからの活躍を楽しみにしています。

A:単なる趣味ではなく、ライフスタイルとしてのアウトドアの提案ができるといいですね

本場でアウトドアの本質に触れていらっしゃるようで、うらやましいかぎりです。私は茨城の出身で、高校から大学、そして現在に至るまで、バイクツーリングやアウトドアに親しんでいます。Hさんと育ちも環境も似ています。

> アメリカのアウトドアに触れてみて、日本との違いを感じたのは、アメリカのアウト ドアが好きな人 は、自然をこよなく愛している事で、日本みたいなブームに乗った人がほとんどいな いという事 です。
まったくそうですね。欧米では、アウトドアライフがそのまま日常生活に密着していて、ごくごく自然なこととしてとらえられていますね。それに対して日本では、ひどく安易なレジャーに堕してしまっているような気がします。先日、中年登山御一行様が入山禁止の浅間山に入って、ろくな装備も持っておらず、凍死したという事件がありました。アメリカなら、ロッキーやアリゾナのウィルダネスにハイキング気分で行くような愚かな人はいません。日本人のメンタリティの低さが露骨に現われた、事件だったと思います。

> 大変恐縮ですが、時間があるときでかまいませんので、漠然としていますが日本でのアウトドア関連の仕事をする上でのアドバイスがあれば、送って下さい。
日本では、アウトドア関係のメディアでも、一部の専門誌を除いて、作り手の側も、浅間山で亡くなった愚かな中年たちとどっこいどっこいのメンタリティしか持ち合わせていないという感じです。ここ数年で、アウトドアブームも下火になってきたようで、メディアの数が減っていますが……。でも、逆に、例えばエコロジー思想や自然の中での生活から発想するプリミティブな思想を含めて、アウトドアというより自然と人間との関わりまで踏み込んだメディアやショップ、あるいはプロダクツは求められていると思います。私が、WEBサイトで呈示してゆきたいと思っていることも、その文脈の中にあります。Hさんは、すでにアウトドアにまつわる知識や実践経験はすでにお持ちだと思いますから、今度は、ライフスタイルとしてのアウトドアをどうユーザーに伝えていくかを考えて、日本で実践されれば、おのずと形になっていくと思います。私も、まだ試行錯誤の途中なものですから、アドバイスといっても具体的なお話しができなくて申し訳ありません。

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