99/09/19
アウトドアショップ

 関東地方は長い残暑が続きましたが、ようやくおさまって、秋めいてきました。

 先日、14日に、朝、急に思い立って、山梨の乾徳山に登ってきました。昔、トレーニングがてらによく登った山でしたが、もう十数年ご無沙汰していました。

 麓の徳和から樹林帯の急登を登ると、気持ちのいい草原が開けます、その先、頂上直下は、けっこうスリリングな岩場。2000メートルあまりの山なのですが、いろいろな要素があって、楽しめるし、トレーニングになるのです。

 しばらく山そのものから遠ざかっていたので、ちょっと心配だったのですが(天候は崩れそうだし、スタート時間は遅いし、準備は適当だし……)、幸い、雨にも降られず、楽しい山行となりました。天気も悪くなりそうだし、平日なので人はいないだろうと思いましたが、ちらほらと中高年登山のメンバーとすれ違いました。麓から2時間半あまりで頂上に立ちました。

 はじめはガスに覆われて真っ白だったのですが、突然頭上の雲が切れて、日光が頂上の一帯だけに降り注ぎました。そして、次の瞬間、目の前のガスが一瞬開けて、眼下が一望に……なんだか、久しぶりに訪れたぼくを乾徳の神様が、歓待してくれたようでした。これがあるから、山は止められないんですよね……。

 昨日、気分転換に仕事場の近くを散歩していて、アウトドアショップを見つけたので入りました。原宿駅の近く、明治通りに面した『エディバウアー』です。

 エディバウアーといえば、かつてのヘビーデューティ小僧には、憧れのブランドです。最近、新宿のサザンコートとか、都内でも流行の場所に出店しているのをよくみかけて、そのうち、覗いてみようと思ってました。

 で、店内に入ると、アメリカのアウトドアショップに多い、ゆったりとしたスペースで、くつろげる雰囲気です。店員は、わりと若い人が多く、品物に触ったりして吟味していると、側に寄ってきて、「それは、今年の秋、流行りそうなカラーなんですよ」とか「革のバックは、色落ちしたときの味がいいんです」と、なんだか、流行りものの洋服屋さんのようなセールストークを言います。

 ぼくは、冬物のフィールドジャケットを取って、「このシェルは何を使ってるの?」と聞きました。すると、彼、「はっ? シェル……ですか?」と、鳩が豆鉄砲食らったような顔。そこで、「いや、この表生地はなんなの?」と問い直しました。すると、「ナイロンです」と平然と答えました。ナイロンはわかるんですけどね……。

 結局、タグを見ると、撥水素材のSUPPLEXと書いてありました。この子に、インシュレーターやら裏地やら聞いても、まるで知りません。この子だけが製品について知らないのかと思いきや、他の店員もほとんど、アウトドアウェアの素材や縫製の仕方、耐水圧、耐候性についてまったく無知でした。

 製品自体は、そんなに悪くないものだとはわかりますが、売り手が何も知らないのでは、アウトドアウェアなんて恐ろしくて買えません。アウトドアショップの店員と言ったら、いつどこでどんな形態で使うのかという用途を説明したら、「これが、お客様にはいちばん適切な品物です」と、克明な商品説明とその使い方やメンテナンスの方法などとともに、即答できたものですけどね。

 なんだか、かつての憧れの子が、久しぶりに会ったら、風俗嬢に身をやつしていて、あっけらかんとしていたような、そんな残念な気分でした。来年春に南町田にオープンするREIがどんなお店になって、どんなサービスをしてくれるのか、楽しみです。「REIよ、おまえもか……」なんて、ならないようにお願いしますよ(~_~;)。

――― uchida

 

 
 

99/09/4
ドラッグ

 いつの間にやら9月になってしまいましたね。

 それにしても、今年の夏は暑かったですね。8月は、どうにもこうにも仕事がはかどらなくて、参りました。こんなことなら、いっそのこと夏丸ごとバカンスにしてしまえばよかった。来年の夏は、ぜーったいに仕事しないことに決めました。

 ところで、今、ドラッグについての本を書いているのですが、槙原敬之が覚せい剤所持で逮捕されましたね。今日の報道では、MDMA(エクスタシー)も自宅に隠していたそうな。

 取材していてわかったのですが、若者たちの間でこういったドラッグが驚くほど蔓延しているようです。かつて改造テレカを売っていたイラン人の売人が、今度は街角でドラッグのスーパーマーケットをはじめて、覚せい剤からLSD、マリファナ、ハッシッシ、それにMDMAやらMDA、2CBなど、なんでも廉価で手に入るようです。それが、高校生はおろか中学生にまで汚染が及んでいるそうな。警察庁の関係者によれば、このままの調子でいくと、5年もかからずに、アメリカ並みのドラッグ大国になつてしまうだろうとのこと。なんとも寒い話です。

 今日の東京は、シトシトと雨が降っています。ようやく、夏の暑さと訣別して、まともに頭が働きそうです。

 今、前述のドラッグについての本の仕上げと、このサイトにもアップしてある『チキサニ』という小説のブラッシュアップを進めています。さらに、WEBの立ち上げの話と携帯電話向けのテキストRPGコンテンツの仕事がはじまります。いろいろと勉強もしたいし、この秋は、じっくり確実に頭を使っていこうと思ってます。そして、バランスをとるために、アウトドアにもちょこちょこ出かけます。……そうそう、以前お約束したサイトの更新もしなくっちゃね。

――― uchida

 

 
 

99/08/22
遊びは一人で

 夜になると、東京でも秋の虫が涼やかな鳴き声を聞かせてくれるようになりました。朝晩も、だいぶしのぎやすくなってきましたね。

 本当は、この20日から23日にかけて、佐渡へ行っているはずだったのですが、またも、予定が狂って、東京でモニターに向かっています。

 なんの因果か、今年はレジャーの予定がどれもこれもうまくいきません……お盆に田舎に帰って一日だけ海水浴したのが、唯一とは、まったくトホホです(ーー;) どれも、人とのスケジュール調整で流れてしまったものばかりなので、こうなりゃ、居直って、遊びは一人でということにしようと決心しました。

 8月の残りは、少々がんばって仕事を片づけて、世の人々が、過ぎ去った夏の情景に思いを馳せているときに、ぼくはバカンス真っ盛りで、仇打っちゃうもんね。

――― uchida

 

 
 

99/08/18
この愚かな民に
、是非とも天罰を

 背中が痒くて痒くて困ってます。そんでもって、汚らしく皮膚がズル剥けて……そうなんです、日焼け後の皮が剥けているのです。

 2年ぶりに、田舎の海で遊んできたら、こんがり日焼けしたのはいいのですが、焼きすぎて、背中の皮を剥きながら、ディスプレイに向かっています。

 子供の頃は、夏休みといえば、毎日のようにバスに乗って海へ通ったものでした。俗事なんぞと無縁で、ただひたすら焼けつくような日差しの元で、波と戯れて、家に帰ると泥のように眠って……。

 この夏は、もっぱら小学校3年生の姪っ子を引っ張って沖まで行って、ビーチマットサーフィンしていたのですが、姪っ子曰く、「おじちゃん、バカみたいに楽しそう」と呆れられました。幼い頃、体に染みついたものというのは、知らず知らずのうちに、童心に引き戻してしまうようです。それにしても、痒い……。

 夏のレジャーを楽しむことはいいのですが、丹沢では愚かしい事件が起こってしまいましたね。

 アウトドアの常識で考えれば、川の中州にキャンプして、大雨注意報が出ていながらそのまま動かず、ダムの関係者が放流するから非難しろといっても聞き入れず、そこに留まっていたなんて、もうほとんど「未必の故意」による集団自殺のようなものです。

 調子に乗って警告を無視した馬鹿が死んでもなんとも思いませんが、旦那たちの身勝手に従わざるを得なかった奥さんたちや、何もわからない子供が犠牲になってしまったのは、まったく遺憾です。

 無知は罪です。人をバカにすれば、その人は怒るように、自然をバカにすれば当然の報いを受けます。今回の事件では、馬鹿のために、自身を危険にさらした消防団や警察、自衛隊の人たちが何人いたか……自分だけでなく、どれだけの人を危険にさらしたか考えると、その浅はかさ愚かさは、もう口で表現できないくらいです。世の中があまりにも便利になり、日常生活では、知恵を使う場面がほとんどなくなって、人間は「考えない葦」になってしまったのでしょうか?

 今、ドラッグに関する本を書いているのですが、いろいろ取材すると、中学生にまで覚せい剤やドラッグが広まり、すでに小学校でドラッグに関する教育をしなければならない状況になっているそうです。

 人殺し集団のオウムに救いを求めて入信するバカどもやら、「民意」という言葉など生まれてから一度も聞いたことがないとしか思えない政治屋どもやら、「この愚かな民に、是非とも天罰をお下しください!」と、天に向かって祈りたい心境です。ノストラダムスの予言は、もう起こらないのでしょうか? 

――― uchida

 

 
 

99/08/08
朝のMTBツーリング

 たった今(午前7時)、多摩川を20kmばかりMTBで走って帰ってきました。

 朝のツーリングは、じつに気持ちがいいですね。マイナスイオンがいっぱいの空気は、気分も体もすっきりさせてくれます。

 行きは、奥多摩の山々から吹き降ろしてくるヒンヤリした風を浴びて、帰りは、その風を背に受けて軽快に走りました。昨夜、ワインとウイスキーのチャンポンで飲みすぎて、ちょっと胃がもたれ気味でしたが、戻ってくるとスッキリ、元気いっぱいです。

 今度、事務所の仕事で、マイクロソフト社のOffice2000公式サイトの立ち上げに関わることになり、Office2000一式をインストールしました。じつは、このコラムも、Office2000ファミリーの一つであるFrontPageで書いているのです。ふだん使っているのが、二年前の「クラリスホームページ」なんですが、使いやすさは、もう雲泥の差ですね(宣伝じゃないですよ)。

 極私的には、オープンスタンダード指向のアナキストですから、MSさんというと、ちと距離感がある気がしておりますが、OSはともかくとして、アプリケーションに関しては、これからもいいものを作っていっていただきたいので、Office2000サイトは、気合いを入れて作っていきたいと思ってます……本編で語れない裏話は、こっちのサイトで暴露しちゃったりして(~_~)。せっかく早起きしたんだから、仕事しよっと! 

 今週前半は仕事に精を出して、後半は田舎(茨城県の鉾田という町です)でボディボードやって、真っ黒に日焼けして、20からは友人と佐渡の寺に篭って修行してきます。

――― uchida

 

 
 

99/08/05
観天望気と持病

 先日、応用編の第一弾『観天望気』をアップしたところ、東京では、急に午後から局地的に雷雨が襲うようになりました。

 「午前中から青い空に白い積雲(綿雲)が浮いて、それが多くなってくるようなら、午後から雷雨になる可能性が高い」とこの中で紹介しました。なんとなく、こんな天気になるような気がしていたのですよ……ほんと(^。^) でも、雷雨もまた夏の風物詩ですよね。一雨来ると、とても凌ぎやすくなります……オートバイで移動中に来られると、涼しくなりすぎますが。

 このところの暑さのせいで、ぼくの持病にはいちばんいけない黄金色のシュワッとした液体の誘惑に勝てずにおりましたところ、案の定左足親指根元に、怪しの兆候が……。

 いつもの漢方を処方してもらおうと、かかりつけの先生のところへ行くと、先生曰く、「持病と夏バテどっちが辛い?」との御下問。「どっちが辛いといわれても……」。「それなら、持病が先に出たのか、それとも夏バテか?」。「それなら、夏バテですけど……」。先生は、「よし、わかった」と頷くと、いつもの薬とは違う『補中益湯』を処方してくれました。

 これは朝鮮人参を主成分にした強壮薬です。これを二日ほど飲むと、あれ不思議! 夏バテが吹き飛んで、ついでに足の怪しい兆候もスッと引いてしまいました。これが、漢方でなければ、頑なに持病のほうの薬を処方して、ぼくはますます弱って、怪しの兆候はなくなったものの夏バテで社会復帰困難になっていたことでしょう。

 今出ている病気に対する対症療法ではなく、体が本来持つバランスを取り戻すことを第一義に考えるという漢方の考え方は、ほんとに正しいんだなと、身をもって痛感します。

 そういえば、覚せい剤の原料になるエフェドリンは、漢方の原料としてよく使われる麻黄の主成分だったり、他にも、モロにドラッグの成分だったりするものがあります。「漢方は穏やかな効き目で副作用がない」という話をよく効きますが、それはとんでもない話で、ぼくが今回飲んだ薬のように劇的に効いたり、逆に処方を間違えたら死んでしまったりする薬もあるんですよね。

 やっぱり、西洋薬にしろ漢方にしろ、薬にはなるべく頼らず、アウトドアでいい空気を吸ってストレス解消して、いつも快調なホメオスタシスを保っておくのが一番のようですね。

――― uchida

 

 
 

99/08/01
日本オリジナルの遊歩大全

 「あれまっ」と思うまもなく、8月になってしまいましたね。

 7月の後半は、なんだかバタバタした上に夏風邪ひいて体調崩したりして、サイトの更新もままなりませんでした。ようやく、夏バテの半痴呆頭をふり絞って、滞っていた仕事の再開と、サイトの更新にこぎつけました(>_<) 

 とりあえず、「応用編」の第一弾として「観天望気」をアップしました。また、写真などの入れ替え第一弾として、トップページのイメージを変えてみました。

 何?「遊歩大全」のイメージに近いって? そうなんです。「日本オリジナルの遊歩大全」を目指す当サイトとしてのコンセプトを明確にするために、そんなイメージにしてみたのですよ。いかがですか? これから、少し昼寝して、涼しい夜にも少し仕事しま〜す!

――― uchida

 

 
 

99/07/21
夏到来!?

 今日の東京は、先ほどまで梅雨明けを思わせる気持ちのいい晴れ空でしたが、一天俄かにかき曇り……激しい雷雨となりました。

 今朝、多摩川の川原をジョギングしたときは、梅雨のじめじめがなくなって、空気も、日差しも、それにセミの声も、「夏到来!」といった感じだったのですが、本当の梅雨明けは、もう少し先のようです。

 来週、このサイトのBBSで盛り上がっているように、奥鬼怒で「温泉掘り」キャンプを決行する予定なのですが、ちょうど梅雨明けにあたりそうです(^O^) 久しぶりのアウトドア、思いっきり堪能するゾ! 

 ご興味を持たれた方いらっしゃったら、現地集合で、是非、ご参加ください! 今のところの予定では、奥鬼怒温泉からさらに沢沿いに登った「噴泉塔」近くで、貸切温泉サイトを設置するつもりです……途中のトレースが増水で流されているという未確認情報があるのと、「5分以上歩くのは、わし、嫌じゃ!」とのたまうメンバーがいるので、ちと流動的ですが……。この数年、まともなアウトドアを実践していないので、これを機に、活動の舞台を野外に移すつもりです、なんちゃって。

 そうそう、いつぞやここで紹介したウンベルト・エーコの『前日島』をようやく読了しました。持ち前の博覧強記でバロックの記号を目がくらむほど散りばめた幻想的な小説でした……って、なんだか良くわかりませんが、じっくり読んで、大満足でした。ゆったりのんびりのオートキャンプで、『前日島』を読んで時間を過ごすなんて、最高の贅沢だと思いますよ。ちなみに、ぼくは、今度のキャンプには、文庫になったエーコの『フーコーの振り子』を持っていきます。

――― uchida

 

 
 

99/07/16
アラスカはいいよ〜

 今朝、この夏初めてセミの声を聞きました。

 東京は、昨日午後から晴れて、今も青空が広がっています。すでに午前中から真夏日となって、暑さにことのほか弱いぼくは、仕事場で冷房を効かせて潜んでいます……情けなや(>_<)

 昨日、仕事仲間でもあり親しい友人でもあるカメラマンの盛長さんがやってきました。二輪やアウトドアの雑誌などで活躍されている元気な人です。

 先月、アラスカにツーリングに行ってきたとかで、真っ黒に日焼けしてました。「内田君、アラスカはいいよ〜。キャンプ天国だよ〜」と、遊び心を煽り立てる言辞を並べられて、ぼくはモニタに向かってしこしこ原稿を書いている自分が、なんだかとても情けなく思えてきました。最近、よく、昔の旅や山登りを思い出します。「ああ、未知の土地が、未知の山が俺を呼んでる〜〜!!」。オートバイが車検から戻ってきたので、少しはフラストレーション解消できるかな?

 そうそう、盛長さんは、以前にBBSのほうで紹介した家庭用ガスボンベからキャンプ用のボンベにガスを再充填できる「つめかえ君」を試して、その感想と写真を持ってきてくれたのでした。これ、かなりお手軽で、実用的だそうです。正式なレポートは、『お勧めグッズ』コーナーを開設してから紹介します。盛長さん、情報&写真ありがとう!

上に家庭用コンロのボンベ、下に空になったガスカートリッジをジョイントするたけの非常に簡単なものです。下のガスカートリッジを冷やしながら充填するのがコツだそうです。これで、簡単に満タンにできるそうな。ブタンを主体とした組成は同じなので(寒冷地用のカートリッジはプロパンが入っているので違いますが)、火力も元とかわりありません。価格の点では、家庭用ボンベのほうがずっと安いので、リーズナブルだし、出先でガスがなくなったときに、家庭用のボンベならコンビニにもあるので、手軽に調達できますね。
潟Aルバ(0277-53-7469)から発売されています。詳しいお問い合わせは、そちらのほうへ。
……できれば、日本も欧米みたいに、アウトドアショップへ空のカートリッジを持っていけば、大きなタンクから再充填してもらえるようなシステムができればいいんですけどね。

――― uchida

 

 
 

99/07/07
せっかく梅雨の
晴れ間なのに

 今日の東京地方は、最高に気持ちのいい天気に恵まれました。

 日差しは燦燦として、だけど今が梅雨とはとても思えないドライな空気で、まるでカリフォルニアにでもいるようでした。残念なのは、こんな日に、てんてこ舞いで原稿を打たねばならない状況です。

 オートバイも車検切れで乗れないので、仕事場への短いトリップも楽しめず、なんだかやけくそ気味です。BBSのほうで、月末の温泉掘りオフラインミーティングの件で盛り上がっているので、それを目指して、たまった原稿を片付けようっと。

 そういえば、今日は七夕でしたね。今日は、東京の空にも星が輝きそうですね。笹に願い事を書いた(?)短冊を飾って、空を見上げたあの頃は、遠い昔となりましたが、幾つになってもロマンは持ち続けていたいものですね。

――― uchida

 

 
 

99/07/03
「早く、自分の表現したい
テーマが見つかるといいね」

 7月に入り、梅雨も終盤に差し掛かってきましたね。この時期は、大雨になることが多いので、注意が必要です。

 この数日は、西日本でかなりな被害が出ています。今日は、東京のほうも怪しい雲行きになってきました。

 ずっとオートバイで移動していたのですが、今日明日はダメですね。カバンにPDAを入れているので、雨が大敵なのです。この時期は、車で移動したいんですけど、事務所周辺は、駐車場が高くて、確保できないのです。このところ、ジリ貧状態で、4WDのトラックは車検切れでほったらかしだし、オートバイのほうも、この6日に車検切れで、どうしようと思っているところです。突然のコンピュータへの投資が痛かった(-_-;)。このサイトから飛び出した『アウトドア百科』の印税だけが頼りです(>_<)。

 ところで、その拙著ですが、神田三省堂の二階スポーツ関係書籍売り場で、お勧め本に選んでいただいております。三省堂さんに、アウトドア好きな社員の方がいらっしゃるようで、可愛いイラスト付で、「インターネットから飛び出した単行本……」と、帯の言葉が書かれたタグを出していただいています。ひとつ置いて隣に尊敬する野田知佑さんの新刊が平積みになっていて、肩を並べさせていただいて、光栄です。

 野田さんといえば、十数年前に、まだ子犬だったガクと千葉県の亀山湖畔に住んでいられ頃にお邪魔したことがありました。

 ちょうどBe−palが創刊してしばらくした頃でした。ぼくは、単行本の取材でお邪魔したのですが、野田さんが自分で採られた大きなアサリがたっぷり入った味噌汁を振舞っていただきました。

 Be−palの連載で、「あまりに寒いので、家の中でテントを張ったら、やみつきになってしまった」といったことを書かれていて、「ぼくも大学の時に下宿の屋根が台風で飛んで、部屋の中にテントを張って過ごしたんです」なんて話をしたり、アウトドアから人生についてまで、いろいろな話をして楽しい時間を過ごしました。

 当時、駆け出しのライターだったぼくに、別れ際、野田さんが言ってくれた言葉は、いまでもはっきり覚えています。「早く、自分の表現したいテーマが見つかるといいね」。……あれからずいぶん右往左往してきましたが、ようやく、自分にとってのテーマが見えてきたような気がします。

――― uchida

 

 
 

99/06/29
3日で届くPC

 この二日間、コンピュータの設定でてんてこ舞いしてました。今まで、とある会社の仕事をするために借りていたショップブランドのPCが、そこの仕事を辞めたために返却することになって、あわてて代替マシンを調達したのです。

 「しばらく借りっぱなしでもいい」とのことで、すっかり安心していたら、突如、「来月早々に返却してもらうことになったから」というのです。このサイトの更新も、日常の仕事もすべてそのマシンで行っていたので、慌てたのなんの。

 それまで休眠状態にあったノートブックに必要なファイルを転送したり、オンラインでメインマシンを注文したり、まったくえらいことでした。

 17インチの大画面で、高速のCPUパワーに慣れた身には、一年前のノートブックは、サラブレッドとロバくらいの違いを感じます。メインマシンは、DELLのオンラインで注文したのですが、celelon400にCD−RWドライブやらボードやスピーカー、ついでに17インチのフラットCRTをつけたのですが、これでなんと16万円あまり。軽い財布には、きつい負担ですが、それにしてもDOS−Vマシンは、驚くほど安くなりましたよね。

 机を並べて仕事をしている相棒は、Mac使いな人なのですが、「G3なんて、ローエンドのモデルが、ようやく20万円切ったところだよ(>_<)」と嘆いております。

 ところで、そのDELLのオンラインショップですが、電話で納期を問い合わせると2週間はかかると言っていたのですが、なんと3日で届いてしまいました。

 まるで、心の準備ができていないところに、マシン一式が届いたものだから、設定に泡食ってしまったというわけです。返却するメインマシンをさっさと梱包してしまってから、大事なファイルがそのハードディスクに入っていることに気づき、慌てて組みなおしたりして……こういう経験をすると、コンピュータって、ほんとに便利な道具なんだろうかと、ふと思いますね。

 ちなみに、ぼくと同じく会社からコンピュータを貸与されて仕事していたフリーの友人は、エプソンダイレクトで注文したら、やはり3日で届いたそうです。彼は、モニタやCD−RWなどはいらないので、本体のみで8万円あまりだったそうです。ぼくも、エプソンも考えたのですが、選択肢にCD−RWがあるのはDELLだけだったのです。……もう少し余裕があれば、自宅のデスクトップも、最新マシンに換えるんだけどなあ。

――― uchida

 

 
 

99/06/24
デジタル・コンテンツ・ラボ

 このところ、いろいろな企画書を同時並行で書きまくっていて、頭の中が混乱気味です。

 WEBサイトの構築プランとか、3DCGによる遺跡復元プロジェクトの予算取りのためのお役所へ提出するものとか、imode向けコンテンツのプランとか……。ふと気がついてみると、みんなデジタル絡みの仕事になってました。

 仕事場にしている連絡事務所がDCL(Digital Contents lab.)ですから、仕事の方針にマッチしているわけですが……。世は、なかなか不況から抜け出せずにあえいでいるわけですが、デジタルの世界だけは、別世界のようです。

 もともと新しいことをやるのが好きな、ぼくとしては、いいことづくめなんですけど、表に出られず、デスクワークばかりというのが、ちと辛いところです。

 つかの間の梅雨の晴れ間にジョギングするくらいが、唯一のストレス解消策なのです(-_-)。遺跡復元プロジェクトを通して、ベトナムへ取材に行こうっと! さて、仕事! 仕事!

――― uchida

 

 
 

99/06/18
ウンベルト・エーコがいい

 東京も、ついに本格的な梅雨模様となりました。

 一昨日、昨日とうだるような陽気で、いささか夏バテ気味だったので、今日の涼しさには、正直言ってホッとしてます。ほくは、どうも暑さに弱いのがウィークポイントなのです。毎年、グタッとする暑さを一日でも経験してしまうと、南極あたりへ脱出したくなります。

 それはともかく、↓で、甘利山のツツジが満開なんてお伝えしましたが、まだ3分咲き程度だそうです。広大な丘陵に咲き乱れるツツジを見て興奮した妻が、てっきり、それが満開だと思い込んでしまったのでした。これから7月上旬にかけて見頃だそうです。首都圏にお住まいの方なら、梅雨の晴れ間にちょっとドライブにでかけてられてはいかがでしょうか?

 ちょっとまえに、ウンベルト・エーコの『前日島』を買ったとお伝えしましたが、このところ仕事が立て込んでしまって、なかなか読み進められません。普通なら、もどかしさを感じるところですが、長い間首を長くして待った作品なので、少しずつ、じっくり読み進めていくのが、なかなかの快感です。

「……そう、これこそが、あらゆる<言葉のあや>のなかで最も卓越した比喩、<隠喩(メタファー)>の力なのです。我々が<才能>と呼ぶのは、物事を理解して実践するための<知識>のことで、それが仮に、遠く離れた二つの<概念>を連結して異質なものから<類似性>を見つけ出す能力を意味するのであれば、つまりは創意工夫を凝らした<隠喩>を編み出す力にほかならないのです。この<隠喩>によって<驚異>が創造され、さらに<驚異>との出会いから、まるで万華鏡を覗いているかのような<喜び>が生まれるのです。このように、何かを別のものに<喩える>ことによって、今まで知らなかった新しいことを苦もなく理解することができ、また多くの事柄を要領良くまとめて覚えることができるとしたら、これ以上の<喜び>はありません。また<隠喩>は、ある<属性>から別の<属性>へ、我々の発想を瞬時に飛躍させ、しかも、ただ一つの<ことば>を使うだけで、目の前の<対象>を多種多彩な姿で認識させてくれるのです」

 といったように、修辞法のレクチャーをさりげなく物語りの中に収めて、しかも形式ばった解説ではなく、実例をふんだんにおりまぜて(紹介した一節の前の段階で、<草原>を<いきている人間>に喩えて表現する実例が語られています)、自然に染み入るように伝えてくれます。

 エーコの記号論のテキストを読んで、こうした彼の小説を読むと、理論と実践の結びつきが信じられないほど高度に昇華しているのを実感させられます。モノ書きの端くれとしては、ぜひとも、エーコのように強固な理論と博識に裏打ちされた上で、とてつもなく自由な発想で世界を創造したいと思うのですが、まだまだ、とてつもなく未熟み自分を実感させられます……。

 しかし、これを訳した藤村昌昭氏の文章の読みやすさにも、まったく脱帽です。そういえば、うれしいことに、エーコの前作『フーコーの振り子』が文春文庫から発売されました。これも藤村氏の訳で、とてもスリリングな物語になっています。

 ぼくは、これを以前、図書館で借りて読んだので、手元になくて寂しかったのですが、さっそく上下二冊のこの物語を買ってきました。『前日島』を読み終えたら、もう一度こちらを紐解いてみるつもりです。これで、梅雨の鬱陶しさもまぎれそうです。

――― uchida

 

 
 

99/06/13
甘利山のツツジ

 山梨県韮崎市にある甘利山のツツジが満開だそうです。

 標高1000mあまりのこの山は、頂上一帯が、人の腰の丈ほどのツツジが群生しています。緩やかに弧を成す広い頂上からは、眼下に韮崎の町並みとその向こうに茅ガ岳と八ヶ岳、遠く甲府盆地とその先に富士の優美な姿が拝めます。

 最高のロケーションに加え、足元は燃え立つようなツツジの群落、今日は天気も良く、最高だそうです。……ちなみに、ぼくは都心の仕事場で夜明かしのボケた頭で、ぼんやり窓外の車の通りなんぞを眺めています。

 甘利山には、妻が彼女の妹と出かけていて、まさにその頂上から電話してきたのです。山にいるときに携帯電話が鳴るのも癪に障りますけど、仕事で煮詰まっているとき、楽しげな現場からの声を聞くのも癪にさわるものです(-_-;) 早く、たまった仕事を片っ端から片付けて、山に行こうっと! ……と、その前に、デスクワークでなまった体を鍛えなおす必要がありそうです(^_^;)

 デスクワークの傍ら、『チキサニ』の最新版をアップしました。もう少しでエンディングです。この長いフィクションを読んでくださっている方が、けっこう大勢いるのは、うれしい限りです。

 5年あまり前に書き上げて、放り出してあった草稿を2年前に推敲したもので、一部内容が古くなったりしていますが(なにしろデジタルの世界は進歩がめまぐるしいですからね)、本質的な部分は普遍的なテーマを扱っているので、そんなに古臭く感じずに読み進めていただけると思います。よかったら、ご感想など、お寄せください……もちろん、出版の打診も大歓迎ですよ(^o^)

――― uchida

 

 
 

99/06/11
不正な操作を行ったので
、強制終了します

 東京は、爽やかな晴天が続いています。

 つい今しがたまで、word98を使って、単行本執筆のための資料整理をしていたのですが、なんと、2時間あまりかかって打ちこんだデータが、「不正な操作を行ったので、強制終了します」の血も涙もないメッセージとともに、露と消えてしまいました。

 ま、wordは賢く、バックアップファイルをとってくれてるから……と、楽天的にそいつを開いてみると……A4でみっちり10ページあったデータが、「内田……」という空しい一行に……。データは、マメにセーブしましょうね、みなさん(-_-;) 

 こんな、いい天気の日に、表に出ずに仕事していた報いかなあ。気を取り直して、入力しなおそう(-_-) Y2Kの話もそうですけど、コンピュータなどという半端で不透明な機械に文明の中枢を委ねてしまおうなんてシステムは、危険この上ないですよね。

 ぼくの稚拙な文章が吹っとぶくらいならまだ「冗談きついゼ、ベイビー!」で済ませられるけど、これが、原発だったりしたら、冗談じゃ済みませんからねぇ。国民総背番号制にして、データを一元管理なんて国は考えてるみたいですけど、そうなったら、そのコンピュータをハッキングして、別人になっりすます人がたくさん出てきそうですね。いつのまにやら、日本国民が2億8000万人くらいいたりして……。

――― uchida

 

 
 

99/06/08
Y2Kと
ノストラダムス

 今日の東京は、快晴でドライ、最高に爽やかです。

 こんな日に仕事場でパソコンの画面とにらめっこしていては、罰が当たりそうです。先日、梅雨入りが宣言されましたが、まだ梅雨前線ははっきりした形をとっていないので、こうした晴れ間がしばらくは拝めそうですね。

 ところで、先日、ある人から聞いたのですが、今、アメリカで、「近々、日本を巨大地震が襲う」という噂が広まっているそうです。なんでも、すでに地磁気の異常や深井戸の水位異常が顕著になってきていて、それは、明らかに大地震の前触れなのに、政府はパニックを恐れて公表しないのだとか……真偽は定かではありませんが。

 その昔、地震をテーマにしたある雑誌の特集で、国立防災研究所を取材しました。そのときに、「これから10年以内に再び関東大地震が起こる可能性は、限りなく大きい」という話を聞きました。あれから8年近く経っています。年を追う毎に、確立は高まっていくわけですから……そろそろ、関東から避難したほうがいいかもしれませんね。

 最近、ぼくのまわりではY2K(YEAR2000)問題が、よく話題になります。アメリカでは、何が起こるか予測がつかないので、政府が食料の備蓄などを呼びかけているそうです。

 日本では、「カレンダーが狂うくらいで、何が問題なの?」と、ピンと来ていない人が多いようですが、物流から情報通信システム、交通監視システム、果てはテレビや冷蔵庫といった家電製品まで、我々の身の回りにあるものは、ほとんどがコンピュータに制御されて動いているといっても過言ではありません。

 その相互のシステムが緊密に結びつきあって、互いにデータを交換し合うシステムで動いているわけですから、どこかで起こった小さなトラブルが、大きなシステムに致命的なダメージを与えることだってありうるわけです。

 コンピュータ産業のコアに近い人ほど、深刻に受け止めています。あるレンタルサーバ会社の社長は、自社が運営しているサーバがハングアップすることは目に見えているから、年末から雲隠れすることを真剣に考えています。「だけど、どこかに行くとしても、航空機は絶対に使わない」とは、彼の弁です。

 8月22日にGPS衛星のカレンダーシステムが初期値に戻ってしまうため、それに対応していないGPSシステムはすべて使い物にならなくなってしまいますが、そのときに、大きな事故が起こるのではと危惧している人たちもいます。

 パソコンのレベルでも、突然フリーズして、何をやっても復旧しなかったのが突然元に戻ったりなんてことがよくありますよね。ぼくが今使っているデスクトップマシンは、ビデオカードの調子が悪くて、カラーバランスがずっとおかしかったのですが、何かの拍子で調子よくなったら、そのまま何の問題もなく、きれいな発色をしています。コンピュータといっても、所詮、人が作ったものですから完全なものではありません。そもそもシステムに完全なものなどないわけですから、100%コンピュータを基幹としたシステムに人間が依存してしまっていること自体が間違いなのかもしれません。

 それにしても、ロシアの艦隊がY2K問題を洗い出すために、来月に太平洋上で実際にコンピュータのカレンダーを進めて実験してみるだとか、アメリカの原子力衛星『カッシーニ』が、同じ時期に月の引力を利用したスイングバイを試みるとか、ノストラダムスの予言とも絡み合って、心落ち着かないことが多々ありますね。

――― uchida

 

 
 

99/06/04
『前日島』

 待ちに待った日本語訳、ウンベルト・エーコの『前日島』(文藝春秋)が発売になり、早速買ってきました。

 94年に原本が出版され、邦訳まで5年。『薔薇の名前』、『フーコーの振り子』についで三作目の小説は、前二作以上の刺激的内容という噂ばかりが伝わる中で、喉をかきむしるような渇望を掻き立てられながら、まさに待ちに待った刊行です。

 記号論の大家として、その学術的な洞察を存分に生かしたエーコの小説は、『薔薇の名前』では、カソリックというシンボルの中に隠された様々な事象を暴き出し、『フーコーの振り子』では、テンプル騎士団をモチーフにヨーロッパ人の心に巣食っているスピリチュアルな異教への憧憬を表出させました。

 遠大なテーマを非常に身近に感じさせる設定に置き、それをスリリングな推理ドラマとして読み進めさせるエーコの筆力というか能力は、ほとんど催眠術的なパワーがあります。さてさて、今度の小説では、どんな世界へ連れていってくれるのか。ちょうど、今月は暇もあるし、しばし、エーコの作り出した異世界で遊んできたいと思います。

――― uchida

 

 
 

99/06/03
梅雨入り

 今日、九州から関東にかけて梅雨入りしましたね。これから蒸し暑い日が続くかと思うと、もう、それだけでげんなりしちゃいますね。

 梅雨を快適に過ごす方法とか、あるいはそれを積極的に楽しむ方法とか、なんかないでしょうかねえ。

 一つだけ救いは、この一年あまりで10kgのシェイプアップに成功したので、「超強烈汗かき体質」から「強度の汗かき体質」に変身を遂げたことでしょうか。モバイル環境強化して、梅雨のない爽やかな土地でサテライトオフィスといけばいいんですけど……それより、今月は、レギュラーの仕事もなくなったので、いっそのこと梅雨明けまでプータローしちゃおうかな、なんて投げやりになったりしてます。

 兄弟サイトの「21世紀への帰還」の宍戸さんは、今日からロスへ日系人軍属の取材に行って、その足でコソボ取材にまわると言ってました。見習わなければ……。

 昨日の朝日新聞によれば、「組織暴力対策なんちゃら法」を「盗聴法」と呼ぶのは、人聞きが悪いからやめてくれと政府が言っているそうですが、人の話を盗み聞きしたり、人の通信を傍受するのを「盗聴」と言わずして、なんと言うのでしょうかねえ? 「デバガメ法」? 「聞き耳法」? 「プライバシー侵害推進法」?

 話はぜんぜん異なりますけど、近々、このサイトの画像まわりを大々的に入れ替えようと思っています。具体的な説明カットを多くして、ノウハウをわかりやすく解説しますので、お楽しみに。

――― uchida

 

 
 

99/06/02
WEBからの出版
とWEBでの再版

 このところ、いい天気が続いてますね。今日などは、オートバイで走っていても、汗をかくほどでした。明日から、下り坂に向かうようですが……。

 『アウトドア百科』、おかげさまで、売上順調、ご好評をいただいておりますm(__)m。だけど、初版3000と極めて控えめだったせいか、売りきれの書店が多くなってます。もし、お近くの書店になければ、版元の舵社宛、直接ご注文ください(03-3434-5181)。シーズンに合わせて、みなさんのお手元に届くよう、増刷するように、版元にプッシュしてみます(←なんだか、すっかり営業口調ですね(^^ゞ)。

 アウトドア百科の好評に気を良くして、ぼくが過去に出した本をWEB化しようかなどともくろんでおります。初めて出した中国西域の旅行記『再見西域』(山海堂)は、すでに絶版で、手元にも一冊しかない寂しい状況ですし、構成・共著で出した『ツーリング大全』(太田出版)は、ちょっと定価が高くなりすぎて、ライダーが気安く買える書籍ではなかったので、WEB上でご覧になりやすい形で公開できたらいいななどと、思っているわけです。

 となると、問題が一つだけあります。それは、ぼくがコンテンツのファイルを置いているDTIは、ユーザーへのホームページ割り当てが5MBしかないのです。すでに、この「OUTDOOR BASIC TECHNIC」だけで、その割り当て分いっぱいいっぱいなのです。今のところ、自分でサーバーを立ち上げるだけの余裕がないし……DTIの関係者の方、なんとか10MBくらいに、なりませんか?

 話はぜんぜん変わりますが、最近、図鑑を持ち歩いています。山と渓谷社から出ている「野外ハンドブック・樹木」です。都心のほうに仕事場を置いてから、近所の公園などに息抜きに行ったりするのですが、このあたりの公園や街路は、けっこういろいろな木が植えられているのです。

 自宅のある調布のほうでは、今でも自然が多く残っていて、植生がわりと単純なせいか、珍しい木を見つけて、「これはなんだろう」なんて考えることが、あまり多くないのです。ですが、都心部のほうでは、いろいろ凝った木が植えられているので、気になるんですね。図鑑とともにモノキュラー持参で、天気のいい昼間は千駄ケ谷とか原宿、青山界隈を徘徊しています。

――― uchida

 

 
 

99/05/30
エンジの旗に
ニコちゃんマーク

 ↓「盗聴法」は、まだ本会議を通過したわけではなかったですね。でも、なし崩しで成立は間違いないでしょう。

 そういえば、またぞろオウムのバカどもがおおっぴらに動き出すものだから、「破防法」強化案なんてのまで飛び出してますね。

 先日、とある友人と話していたら、彼がオウムに怒り狂ってました。

 曰く、「70年安保当時だけど、中国へ行くという友人を仲間たちと羽田へ見送りに行ったんだ。ただの見送りじゃ芸がないと思って、エンジ色ののぼりにニコちゃんマーク書いて、ヘルメット被って行ったら、何にもしてないのに、機動隊が出てきて、俺たちブタ箱にぶちこまれたんだぜ。赤旗かざしてたわけじゃないんだよ、エンジの旗にニコちゃんマークだぜ。それが、見てみろよ、人殺しやった集団が、おおっぴらに街で踊ってるのに、警察はまるで手だししないとは、どういうことだ? 路上であんなことやれば道路交通法違反だし、駅の構内でビラまけば、不法侵入だろ。あれは、オウムの行状をみんなに見せて、切り札の破防法強化をもちだそうっていう権力側の策略だよな」。

 この前の、日本海での不審船捕り物劇とか、オウムの野放しとか、たしかに、ある方向へ世論を引っ張るためのフレームアップという気がしてなりません。いったい、日本は、どこへ行くのでしょうね?

――― uchida

 

 
 

99/05/29
ネットワークを使った
直接民主制の政体(国家)

 いつのまにやら「ガイドライン法」が成立し、今度は「盗聴法」まで通ってしまい、日本は、国民が気がつかないうちに、警察・軍事国家へまっしぐらに進んでいます。

 政治不信で国民の目が向いていないのをいいことに、これらの法をちゃっかり通してしまう国会は、スリや置き引きとなんら変わりないですね。

 不況が回復せずに大変だと騒ぎ立て、一方で、下らない芸能情報を垂れ流しているマスコミは、このスリ・置き引きの手下のようなものです。

 有権者の3割程度しか投票せず、しかも、「選挙は国民としての義務」と投票に出かけても、適当な人物がいないので、「ろくでもない顔ぶれの中で、なんとかマシなのはどれだろう」という後ろ向きの姿勢で選ばれた政治家に、果たして正統性なるものがあるのでしょうか? 

 ネットワークがこれだけ発達し、膨大な情報がたちどころに処理されるようになった現在、代議制の必要性ってあるんでしょうか? もう、直接民主制を行える土壌は整ったと思うんですけどね……。

 ちょっと前に、あるネット上のBBSで、「ネットワークを使った直接民主制の政体(国家)を作って、硬直した日本国なんぞから独立してしまおう」なんて盛り上がりました。国民を馬鹿にした「盗人」国家なんぞに、見切りをつけて、ネット共和国作りませんか?

――― uchida

 

 
 

99/05/23
過程の意志的な当事者

 昨日、知り合いから似たような内容のE-mailを二通もらいました。いずれも、今の教育現場、とくに中学、高校の生徒たちの心が荒んでいるといった内容のものでした。

 暴力はいうに及ばず、覚せい剤や「援助交際」なる売春が、特殊なものでなくなっているそうです。

 北米では学校で、銃を使った陰惨な犯罪が頻発してますね。昨日は、テレビの特集で、社長室にリストラの直談判に行って切腹した会社員の話が放映されていました。それらのことは、今まさに、時代が変わり目を迎えていて、従来の考え方、価値観が通用しなくなっていることの現れのような気がします。

 受験勉強に精を出して、良い学校に入り、官僚になるか、大企業に入れば後は安泰といった、ずっと資本主義を支えてきたパラダイムが根底から崩壊して、指針を見失った社会のまさに膿が出ているのでしょう。

 デジタルをコアにした、まったく新しい高度情報化社会を迎えて、今、人間は、一人一人が必死になって、自分のスタンスを考えなければならなくなっています。これは、ある意味では、弱肉強食ですね。

 社会の変化に対して、溢れる好奇心でもって向かい、自分の頭で想像するそういうアクティブな人間にとっては、スリリングな世の中です。一方、社会から何がしかのおこぼれを預かろう、とりあえず、人と同じことをしていれば安心と考えていた古い頭の持ち主にとっては、とても過酷な世の中です。

 こういうと何ですが、教育現場のほとんどは、アンシャンレジウムに組み込まれていて、そこでは、形骸化した古い価値観しか与えてくれません。21世紀の担い手である中高校生たちは、自分たちがもうすぐ社会のリードオフマンにならなければならないのに、誰も方向性を示してくれず、幻滅しているのではないでしょうか? それが、ラジカルな暴発に繋がっているのでは。

 最近、ミシェル・フーコーを勉強しなおしています。彼は、人間にとっての現代性について語っています。「人々は、同一の過程の要素であると同時に、行為主でもある。人々は過程を構成する限りにおいて、その過程の当事者(アクトワール)である。また、人々がその過程の意志的な当事者になることを決める限りにおいて、まさしく、その過程は起こる。現代性は、<人間をその固有の存在として解き放つ>のではない。現代性は、人間を自分自身を作り上げるという使命に縛りつけ、自由の無限定な作業を、良い方向悪い方向いずれに向かうにせよ、推し進めることを人に強いるのである」(ミシェル・フーコー/情熱と受苦 ジェイムズ・ミラー著 筑摩書房)。

 万人が行為者として生きなければいけない世の中が、今ここに出現しているのではないでしょうか?

――― uchida

 

 
 

99/05/22
夏日

 一昨日の東京は、28℃を記録したそうですね。

 ぼくは、昨日の朝まで缶詰ミーティングで、夏日になっていたのを実感できませんでした。一緒にデスクを並べている相棒は、夏風邪先取りでダウンしています。

 ↓で「梅雨の走り」なんて言ったら、晴れ続きで、ぼくの観天望気も、あんまりあてにならないですね(^^ゞ このところ、都内をオートバイで移動しているので、この陽気は、じつにうれしい限りですけど……。

――― uchida

 

 
 

99/05/19
『アウトドア百科』と
『デジタルクリエイターになる!』

 今日の東京は生憎の天気になってしまいました。南から前線が迫ってきて……そろそろ、梅雨の走りといったところでしょうか。

 先日この欄でご紹介した小サイトの単行本『アウトドア百科』が、いよいよ明日店頭に並びます。書店で見かけたら、是非、手にとって見てください。

 それから、こちらは、一部インタビューに答えたり、校閲をした『デジタルクリエイターになる!』(土岐小百合編・メタローグ)が、来週から書店に並びます。

 ぼくは、こちらで、「サイバードラッグな未来社会」という話をしています。よろしければ、こちらもご覧になってみてください。ちなみに、その本の画像と、ぼくのパートのテキストを版元さんの了解を得てアップしてありますので、こちらもどうぞ

――― uchida

 

 
 

99/05/17
青い草の香り

 今日の東京は、まさに新緑映える初夏の陽気で、じつに爽やかです。

 仕事場まで来る途中の公園で草刈りをしていて、その傍らをバイクで通ると、青い草の香りがしました。

 小学生の頃、近所の広場へラジオ体操に行くと、朝露をたっぷり含んだ草の香りに包まれて、シャキッと目が醒めたものですが、あの頃の、何の先入観もなく自然とともにあった自分を思い出しました。

 今日は、インプレス発行の『Internet Watch』で小サイトが紹介されたこともあって、またまたアクセスが急進しています。初めて、このサイトにおいでになった方、今後とも、御贔屓にしてください。それから、アウトドアにまつわる情報やこのサイトに対するご意見などありましたら、BBSやmailをどしどしお寄せください。

 最近、仕事場にいることが多くなって、自宅でトレーニング用のローラーに載せてあるロードレーサー(自転車)を漕ぐ機会が少なくなってしまったので、これを街乗り用に改造して、仕事場周辺で乗ろうと目論んでいます。

 タイヤを少し太めの丈夫なものにして、ハンドルはドロップから一文字ハンドルに、ブレーキをMTBスタイルのものにして、ペダルも幅広のものに変えて……できれば、フレームのカラーを憧れのビアンキグリーンにして、なんて、プランを練っています。ほんとは、調布の自宅から仕事場までの25kmを自転車で通いたいんですけどね。……石原都知事、東京のサイクリングロードを整備してくれませんか?

――― uchida

 

 
 

99/05/11
最初の感動を忘れずに

 いい天気だと思って安心してオートバイで出かけたら、雨に降られて、濡れてしまいました。

 先日、九州と奄美地方は梅雨入りしましたが、梅雨前線が迫りつつ今ごろは、天候が不安定なので気をつけなければいけませんね。もっとも、そんなことわかっていながら、「この程度の降りなら、まだ大丈夫」と、横着して雨具を着なくては、どうしようもないですけどね(^_^;)

 連休前に、キャンプ用品についてのご質問mailをいただいた佐藤さんから、北海道キャンプの感想mailをいただきました。初めてのキャンプで、氷点下の寒さに凍え、自然の厳しさを身に染みて感じられたとのこと。

 でも、テントの中でなんとか工夫して暖をとったり、東京なら初夏の季節なのに、同じ日本で、しっかりと冬を実感できたり、思い出に残るキャンプだったのではないでしょうか? 

 コリン・ウィルソンが、「はじめは新鮮だったことが、やり慣れて日常化してしまうと、自分の中にいるロボットが肩代わりしてこなすようになってしまい、得られる刺激が少なくなってしまう」と著書で語っています。

 初めてのときの感動を忘れずに、いつも新鮮な気持ちで、自然と接していたいですよね。

――― uchida

 

 
 

99/05/06
偏頭痛

 昨日今日と二日続けて、とても暖かな陽気でしたね。天気も最高で、今日はまだ都内も混んでいないようなので、このいい天気に、連休を自主的に伸ばされた方も多いのかな? 

 ぼくは、連休中に仕事をしまくって、開けたら休もうともくろんでいたのですが、3日に風邪でダウン、昨日は偏頭痛で一日ダウンと、二日も無駄にして、今日はぴーかんの表を恨めしく眺めながら、カタカタとキーボードを叩き続けておりました(-_-;)

 昨日は、偏頭痛でありながら、自宅のほうでREIとLAND’SENDのサイトにアクセスして、夏のシーズンに向けての買い物などしてしまいました。内容はといいますと、REIのほうは、マイクロタイプのヘッドランプ、座椅子にもなるフォームマット、LEXANのウォーターボトル、ベルトポーチ、それにASOLOのクロストレーニングで、送料も含めて190ドルあまり。LAND’SENDのほうは、カジュアルウェアを中心に5、6点で340ドル。

 けっこうな出費ですが、同じものを日本で揃えようと思ったらその倍は楽にします。アウトドアグッズやアパレル関係は、海外通販が断然お徳ですね。

 それにしても、どちらのサイトも、非常にたくさんの商品ラインナップをうまく整理して見やすくマッピングしているのは、さすがです。

 じつを言うと、ぼくもこのサイトをベースに納得のいく商品を提供するマーチャンダイズにまで進出しようかなんてもくろんでまして、日夜、その情報収集のために、あちこちのショッピングサイトを探索しているのです。

 ……ん、そのわりには、このサイトはデザインが冴えないですって? そこをつかれると、また偏頭痛がぶりかえしそうなんですが、自分でショッピングサイトを運営するときには、センスのいいWEBデザイナーに、全てリニューアルしてもらうつもりですので、ご安心を(^_^;)

――― uchida

 

 
 

99/05/03
寝込んで
しまった

 ゴールデンウィーク真っ只中ですが、いかがお過ごしですか? 今日までは天気が良かったですが、明日と明後日は崩れてしまうみたいですね。

 ぼくは、一昨日に風邪をひいて、昨日は一日寝込んでしまいました。この新緑の風爽やかなときにダウンとは、我ながら情けないかぎりです。

 しかも、今日は、昨日のしわ寄せで、仕事場で資料の整理などしております。どうせ明日明後日は雨らしいので、このまま風邪を吹き飛ばす勢いで仕事して、連休明けに思いきり羽根を伸ばそうと思います。

 以前、このサイトをそのまま本にした『アウトドア百科』(舵社 1200円)が、5月10日の発売とお知らせしましたが、配本の都合で、20日が正式でした。連休明けの発売を楽しみになさっていた方、もうしばしお待ちください。

――― uchida

 

 
 

99/04/27
フィールドからの
書き込み待ってます!

 いよいよゴールデンウィークが間近に迫ってきましたね。序盤は天気も良さそうで、今年のアウトドアの皮切りにはちょうど良さそうです。

 そんなわけで、mailやBBSで、連休にアウトドアでキャンプを計画されている方から、ストーブの選び方などでご相談を受けました。どんなことでも結構ですから、お気軽にBBSへの書きこみやぼく宛のmailをください。

 ぼくは、連休中はずっと仕事して、頻繁にサイトをアップデートしたりしてますので(^_^;)、土壇場での駆け込み相談やフィールドからのモバイルアクセスによるご相談にも、リアルタイムでお答えいたしますので……。それから、フィールドの情報なども、BBSのほうへ書きこみいただけるとありがたいです。情報交換の場としてご自由にお使いください。

 ちなみに、ぼくは、皆さんが羽を伸ばしているときにまとめて働いて、連休が明けたら、静かなフィールドに出かけようと思っています。これは、フリーランサーの特権ですね(^^ゞ

――― uchida

 

 
 

99/04/25
山の香り

 このところ、週末になると天気が恵まれませんでしたが、今日の東京は昼近くなって、良い天気になりました。

 桜は散って葉桜になり、新緑が眩しく感じられると同時に、山のほうから瑞々しい香りを含んだ風が吹いてきています。いつもこの季節になると、石橋睦美さんを思い出します。

 石橋さんは森や林の写真を撮っていらっしゃる方で、以前、このコーナーで写真展と写真集の紹介もしましたが、ただのうたい文句ではなく、「日本は水と緑の国なんだ」と実感させてくれる仕事をたくさんされています。

 石橋さんにかかると、丹沢の片隅のブナの林が、まるでこの世に人間という種が登場する以前のピュアな自然を見つめているような気にさせられます。自ら改造したワンボックスのキャンパーで、瑞々しい新緑を追いかけて、深山の空気をたっぷり吸いながら、ファインダーを覗いていることでしょう。

 一昨日は、突然このサイトへのアクセスが伸びだして、なんと一日のうちに8000ヒットを記録しました。いったいどういうことかと思っていたら、ここからもリンクを張らせていただいている『yachoo』のとがみ源太郎さんから、「MSNのトップで紹介されているよ」とmailをいただきました。

 MSNのトップには、「アウトドアのノウハウ」と一行あって、ここからジャンプできる仕掛けになっていました。ただそれだけで、8000ヒットですから、インターネットというメディアはすごい力を持ち始めているのですね。それとも、あれだけバッシングされているマイクロソフトも、やはりいまだインターネットでも巨人であり続けているということでしょうか……。

 そろそろアウトドアシーズン本番なので、もっともっとアクセスが伸びて、10日に出版する本も売れると期待してるんですけど……^_^;

――― uchida

 

 
 

99/04/21
集団自殺?

 週末は生憎の雨模様でしたが、昨日と今日は初夏のようないい陽気ですね。

 来月10日に発売となる小サイトの単行本『アウトドア百科 −Outdoor Basic Technic−』のカバーデザインが上がってきましたので、さっそくアップロードしました。jpgの画像ですけど、よかったらご覧になってみてください。

 浅間山で痛ましい事件がありましたね。「入山規制されている地域に気楽に入った」「いつ冬山に逆戻りするかもしれない春山に入るには装備がお粗末すぎた」「食料や燃料にまったく余裕がなかった」……報道を見ると、弁解の余地のないくらい杜撰な状況ですね。「楽しそうに出かけた」というタクシーの運転手さんの証言がなければ、集団自殺しにいったのかと思えるほどです。

 山に命を捧げた幾多の登山家たちの顔に泥を塗るような、恥ずべき事件ではありませんか。今は空前の中高年登山ブームだそうです。いい歳をした、それなりの社会生活の経験のある人たちが、まるで子供の遊びのように山に臨むのは、いったいどういうことでしょうか? 彼らの事例からは、今の日本が抱える非常に貧困な側面を思い知らされます。

――― uchida

 

 
 

99/04/18
コンピュータサイエンス

 昨日は、友人の結婚式に出席してきました。世田谷美術館のレストランを借り切って、親族、友人に囲まれての人前結婚式。とても心のきれいな奴で、誰からも信頼される新郎らしい、とてもいい結婚式でした。

 桜がほぼ終わり、新緑に変わりつつあるさわやかな風が渡るテラスで、これから新生活を始める初々しい(といっても、けっこうな歳なのですが^_^;)二人を見ていると、なんだか、うらやましい気がしました。

 先日、メタローグから出版される『デジタルクリエイターになる』という単行本の取材を受けました。『小説家になる』、『写真家になる』などのバックナンバーがあって、けっこう人気の『……になる』シリーズの最新刊です。

 ぼくは、実際にデジタルの現場といえば、こうしてWEBメディアでチマチマと内職仕事しているのと、まだ発表されていないゲームタイトルに取り組んだくらいで、他に紹介されているお歴々と比べると、とっても地味です。

 だけど、じつは、従兄弟が日本有数のAIの研究者だったりして、ずいぶん前からコンピュータサイエンスには興味を持っていたのです。このサイトで連載を始めた『チキサニ』は、コンピュータサイエンスの発展が人間の意識拡張(アルタートステーツ)に繋がる形を、こちらは、ぼくの昔からの専門であるシャーマニズムとシンクロさせたものです。

 たまたま、別の書籍企画の打ち合わせで、メタローグの社長と話していたときに、デジタルドラッグの話題になり、ぼくがかねてから考えていたことを話したところ、ちょうど『デジタルクリエイターになる』の企画が進行しているので、そちらにデジタルドラッグの話題を話して欲しいということになったのです。

 この本も来月半ばには出ますので、よかったら見てください。それから、『チキサニ』は、コンピュータサイエンスの発達の意味とその可能性をぼくなりに、小説という表現形態で形にしたものです。こちらもどんどんアップロードしていきますので、読んでみてください。また、何かご意見などありましたら、BBSでもE-Mailでもけっこうですので、どしどしお寄せください。

――― uchida

 

 
 

99/04/15
缶詰

 ここ数日、良い天気が続いてますね。思いきり、フィールドに出たいところですが、来月10日に発売する小サイトの単行本『アウトドア百科 』の仕上げやらなにやらで、仕事場篭りが続いております。

 ああ、一日、表で春の日差しを浴び続けていたい! そうそう、本のほうは定価1200円(税別)となります。内容のわりに廉価だと思うのですが、いかがかな? ぜひ、買ってやってください。

 それから、小サイトのツーリングどんどんのほうも、来月1日発売の『月刊オートバイ』に先んじて掲載しました。久々のスチャラカ記事をお楽しみください。

――― uchida

 

 
 

99/04/10
ビックバイクで
ツーリング

 先日、『月刊オートバイ』誌に連載している(といっても、前回が一年前だから、果たして連載といえるかどうかですが……)『ツーリングどんどん』の取材で、団子を食べに、静岡までツーリングしてきました。

 袋井にある法多山尊栄寺に厄除け団子なるものがあるというのです。前回(といっても昨年なわけですが)の取材『一攫千金ツーリング』では、山梨の山奥に水晶を掘りに行って、右手肘骨折という災難に遭ったので、その厄払いと、折りからの団子ブームの影響が、果たして老舗の厄除け団子にまで及んでいるのかどうか探ろうという魂胆でもって出かけていったわけです。ヤマハが熟成を重ねているXJRシリーズの旗艦XJR1300に跨って、快適に東名をクルージングしてきました。

 件の尊栄寺は、昨年夏の集中豪雨で参道の石段が大きく崩れて、今は、その復旧工事をしていました。『厄除け団子』のお寺にしては、ちと頼りないような……でも、本堂のほうまでは災害を免れたわけだから、やっぱり厄除け団子の効能だろう……などと、いろいろ考えをめぐらしながら、ようやくめぐり合った厄除け団子は……。

 本編は、後ほど、ツーリングどんどんのコーナーにアップします。久しぶりのロングツーリングで、体はガタガタですが、でも、ビッグバイクでドッカーン!!と突っ走るのは、最高の気分転換になりますね。XJRは、モデルチェンジ前の1200にも乗ったことがあるのですが、1300になって、いちだんとトルクが増して、しかも足つき性が良くなって、とても扱いやすいモデルに進化していました。とくに、シートの形状とその座り心地は最高です。ぼくが普段の足に使っているデザートレーサーXR600とは対極のカテゴリーのバイクですが、だからこそ余計に欲しくなってしまいました。

 明日は統一地方選挙ですね。東京都知事選挙のほうは、何やら国政選挙のような立候補者の顔ぶれになっていますが、はてさて、誰に投票したものか……。オーストラリアでは、選挙は国民の義務とされていて、棄権すると罰金だそうです。年々投票率の落ちている日本でも、そのようにしたほうがいいのかもしれません。でも、その前に、政治がしっかり機能するようなシステムを再構築しないとどうしようもないでしょうね。

 今の選挙は政治家を選んでいるのだかタレントの人気投票なのだかわかりませんものね。ぼくは、今回の都知事選挙では、国政に参加されてはちと困るけど地方自治体の長なら、そのカリスマ性からイニシアチブを取って引っ張っていってくれそうな人物に投票しようかなと思ってます。

――― uchida

 

 
 

99/04/03
石嘉福さん

 昨日は、まるで初夏を思わせるような陽気だったのに、今日は一転花冷えで、冬に舞い戻ったような感じですね。風邪などひかないように、天候の変化に注意しましょう。

 一昨日、シルクロードの写真で有名な石嘉福さんが、事務所に訪ねてきてくださいました。

 石さんとは、14年前にCBC(中京テレビ)のシルクロード取材でご一緒させていただいて以来、懇意にしていただいています。あの頃、ぼくは、まったく駆け出しのフリーランサーで、文章と写真の両方で一流になってやろうなんて、身のほど知らずに思い上がっていました。

 ウルムチから始まって、カシュガル、ホータン、パミール、トルファン、イーニン……と、タクラマカン砂漠の周辺から天山山脈の南北と2ヶ月にも及ぶ取材の間、ぼくは、石さんから、たくさんのことを教えていただきました。

 「心のこもった写真を撮るためには、対象物に肉薄しなければならないが、シャッターを押すその瞬間は、一歩離れて客観的なジャーナリストの眼差しで見なければならない」といった写真論というかジャーナリストというもののあり方のようなことから、シルクロードに暮らす中央アジア諸族それぞれの文化や価値観を教わり、様々な友人を紹介してもらいました。

 現場で並んでシャッターを押し、帰国してから石さんの作品を見せていただき、ぼくは、ちょっと写真が上手に撮れるだけで思い上がっていたことを痛感させられました。同じアングルで同じシャッタースピードと露出でシャッターを押しているのに、ぼくの写真と石さんの写真とでは、そこにこめられた意味に雲泥の差がありました。

 それを石さんは「キャリアが違うのだから当たり前」とおっしゃいましたが、ぼくには、ぼくがどれだけ写真を撮っても石さんに追いつけないと、はっきりわかりました。それは、資質の差です。それから、ぼくは、文章と写真の両刀使いは辞めて、文章に専念することを誓いました。

 あのときの旅の記録をぼくは『再見西域』(山海堂)という拙著にまとめました。石さんは、この稚拙な本をとても評価してくださいました。

 人を肩書きや上っ面だけではけして判断しない、とてもプレーンな人です。ご自身はシルクロードのエキスパートとしてたくさんの業績を積み上げられ、故井上靖さんや、芸大学長の平山郁夫さんといった方々と親交があり、また、NHKのシルクロードシリーズのコーディネートをされたり、中国政府にも太いパイプを持っておられて、ほんとならぼくのようなチンピラが話に付き合っていただくだけでも恐縮してしまうような方です。でも、小さな事務所をぼくが開いたと知って、とっておきの老酒をぶら下げて、長く外国暮らしをされて最近帰国された娘さんと、お知り合いの編集者の方を連れて、気さくに会いにきてくださるのです。

 まだ外が明るいうちから酒盛りをはじめて、夜中まで、共通のシルクロードの友人の話やホームページの話などで盛り上がりました。

 ぼくは、18のときに父親を亡くしました。石さんは、ぼくが仕事の方向性を決める上でとても重要な役割を果たしてくださった師であると同時に、父親のように感じています。

 石さんは、長年のシルクロード取材で蓄えた貴重な写真や資料、そして体験をお持ちです。それをWEB上で形にしていこうと、盛り上がりました。新年から、娘さんに感化されてE-Mailを始められて、さらにデジタルメディアに興味を持って、さらに表現の場を広げようとされる、その好奇心の旺盛さ、前向きの姿勢には脱帽です。ぼくも、見習わなければ。まだ、どんな形になるかわかりませんが、石さんのWEBSITEにも、ぜひご期待ください!

――― uchida

 

 
 

99/04/01
バックパック一つで
東京に出てきたあの日

 今日から4月です。新入学、新社会人、フレッシュマンの季節ですね。

 ぼくが郷里の茨城を離れて東京に出てきてから、早くも20年が経ちます。バックパック一つに荷物を詰め込んで、中野の裸電球一個がぶら下がった四畳半一間の下宿に入ったのが、つい昨日のようなのに、早、20年です。

 あれから、父親が亡くなり、祖母が亡くなり、幾人かの友人を失い、結婚し、妹が結婚して彼女に子供ができて、その子たちが上は小学校に上がり、下の子も生意気な口を聞くようになって……そして、仕事を通して、日々の暮らしを通して、ネットを通して、様々な人たちと出会ってきました。

 田舎で暮らしたのどかな18年間、輝きに満ちていた4年間の大学生活、フリーランサーとして悪戦苦闘の16年間……人生なんてあっというまですね。

 でも、だからこそ、日々、一瞬一瞬の時間を充実して過ごさなければいけないと思います。

 学生時代に出会って、自分の思想的な柱にしたミッシェル・フーコーは、自身の基本理念である『反権威』を身をもって貫き通しました。

 ぼくは、フーコーほど賢くないし、意思も強くはありませんが、それでも精一杯生きていこうと思っています。バックパック一つに、「何か自分で納得できる一つのことを成し遂げる」という思いを詰めこんで、一人東京に出てきたあの時の自分を忘れないようにして……。

――― uchida

 

 

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