98/03/16
『聖書の暗号』とアーカシックレコード
『聖書の暗号』(M.ドロズニン 新潮社)を読みました。
これは、旧約聖書の創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記の五書に記された304805字の文字を等距離文字列法という方法で、ある数ごとにスキップして文字を拾い出していくと、歴史上の出来事や未来の出来事が読み取れるという内容です。
はじめは眉唾ものだなと思いつつ、暇つぶしに読み始めたのですが、どんどん引き込まれて、一気に読んでしまいました。
原点のヘブライ語はわからないし、統計的な説明も純文系のぼくにはちんぷんかんぷんですが、比較対照に別の文学作品を同じ手法でコンピュータ解析にかけても意味のある語の組み合わせが現われることは皆無といったところで、いくらかの真理はあるのかななんて思いました。
ノストラダムス式の、どうとでも解釈できる隠喩ではなくて、「ケネディ」「暗殺される」「ダラス」「オズワルド」なんて具体的なキーワードがクロスワードパズルのように二次元配列で接近して並ぶというのは、興味深いです。そ
の暗号の中には、「聖書に秘められた暗号は、コンピュータによって解読される」という表記があり、現に、それをコンピュータ解析で成し遂げたといったあたり、フィクションにしても、オチがしっかりしているから許してやろうなんて思います。
映画『コンタクト』の中で、宇宙から送られてきた宇宙船設計のコードが、はじめどうしても解けず、それが二次元平面ではなく三次元で表記されていることに気づいて、はじめて解読できたエピソードを思い出しました。
神秘主義では、過去と未来のすべてが記された『アカシャ記録(アーカシックレコード)』というものが存在すると言われていますが、もしかしたら、聖書がアカシャ記録だったのかもしれません。
コンピュータというのは、ある意味でミニマムを追求していくツールです。量子レベルでのデータ記録がそのうち実現できるだろうなんて言われていますが、人間の脳をはるかに凌駕した能力を持ったコンピュータができたとき、ほんとうに、封印されていた宇宙の原理のようなものが解き明かされるのかもしれません。
ちなみに、本書には、日本を破局的な地震が襲う具体的な年が書かれています。気になる方は、読んでみてください。
――― uchida
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