00/03/30
桜開花宣言

 昨日は、ついに東京でも桜の開花宣言が出されましたね。

 さっそく仕事場の近くの神宮外苑まで行ってみると、ほんとに、枝先で春が開いていました。これで、ようやく花粉症ともおさらばできそうです。

 今日は、午後、多摩川を20kmばかりMTBで走ってきました。もう耳も痛くならず、汗をかいても気持ち悪く冷えたりせず、まさに、シーズン到来! といった感じです。しばらく花粉症による逼塞生活が続いていたので、ちょっとバテ気味なのが情けないですけど(~_~;)。

 step8更新しました。なんだか、ちょっと熱が出てきた感じ……さっきから、くしゃみ連発で、また花粉症再発かななんて思っていたら、こりゃ、風邪ひいたかもしれません。お酒飲んで寝ようっと!

――― uchida

 

 
 

00/03/26
ツーリングウェーヴなど

 昨日、今日と、東京はいい天気で、まさに春を実感させる陽気です。

 昨日は、本気を出してMTBを走らせたら、さすがに花粉症による隔離状態が続いていたせいで、ヘロヘロでした。でも、以前練習でつかんでいたウィリーのコツを忘れていなかったので、「俺も、まだまだ行けそうだな」なんて、ちょっとほくそえんでおります。

 3/15にアナウンスした「ツーリングマップル中部版」とともに、昭文社が立ち上げるオンラインマガジンにも関わることになりました。すでに三年前から運営されている“TOURING WAVE”をリニューアルして、本格的なオートバイツーリングのオンラインマガジンへと変身します。

 モバイルを駆使して、各地の現場からインターネットのリアルタイム中継をしたり、最新モデルやグッズのインプレッション、そしてネット上での直販など、たぶん、他に例を見ないオンラインマガジンとなりますので、乞うご期待!! 来月下旬スタートです。

 step7更新しました。このところ、とっ散らかった画像を整理してFTPしていたのですが、ついにぼくが契約しているDTIのウェブページスペースをオーバー! DTIさんから、追加料金の請求をされてしまいました。

 それにしても、今時、5MBの容量は殺生ですよ(>_<) 追加1MB毎に200円ということなのだけど、このまま行くと、10MBなんてすぐにオーバーしちゃいそうです。他のプロバイダに乗り換えようかな? でも、DTIはサーバーがしっかりしているので、ビジーもないし……捨てがたいんですよね。どこか、人んち借りて、半分置かせてもらおうかな……。

――― uchida

 

 
 

00/03/21
31年目の乗船名簿

 昨日は「春一番かな?」なんて書きましたが、春一番は、春分の日の前に吹く、強い南風を指すのだそうで、昨日は春分の日ですでにタイムアウト、しかも風は北風で、春一番ではなかったわけです。結局、東京では、今年は春一番は吹かなかったことになります。

 メーリングリストのほうで、栃木の湯西川に行かれた方が、地元の人が毎年積雪が半分ずつになって、来年はついに雪が積もらなくなるのではないかと危惧していると書かれてました。

 アラスカでは永久凍土が溶けて、家が傾いたり、地盤が陥没したりしているそうです。この数十年の間に、地球の温度は平均2℃あまりも上昇していて、東京が、かつての奄美大島あたりの緯度に移動したのと同じことになるそうです。

 そうかと思えば、モンゴルでは未曾有の吹雪に見舞われ、家畜たちが次々に凍死、あるいは寒さを避けるために体を寄せ合っているうちに圧死しているそうです。遊牧民たちは、ただ呆然と、雪の荒野に累々と横たわる屍を眺めるしかありません。先進国では、エコロジカルなエネルギーや、無駄な流通を排除したネットワーク型の経済にシフトしていく中、発展途上国では、旧来の大量消費型の高度資本主義モデルが蔓延しはじめています。ぼくたちは、いったいどうすればいいのでしょう?

 18、19日の両日、友人から案内をもらって、NHKスペシャル『31年目の乗船名簿』を観ました。1960年に南米移民船アルゼンチナ丸に乗って、ブラジルのアマゾンやアルゼンチンに渡った人たちの節目節目を追った31年に渡るドキュメンタリーです。

 他の人たちがゴーゴーパティで踊っている間、一人黙々と甲板で空手の稽古をしていた若者は、ブラジル随一の空手道場のオーナーとなり後継者にも恵まれていました。

 一方、始めは胡椒景気で順風満帆だった人が次々と不幸に見舞われ、病気の奥さんが不憫で心中を図り、自分が死にきれずに生き残ってしまった人。夢破れて日本に戻ってきた人、武者小路の『新しき村』の南米版を構想して、自らは早々に客死してしまったものの、息子たちが、マイペースでコミュニティ作りに励んでいるケース……はじめから、この人たちの生き様を追いつづけてきたプロデューサー自身が、NHKを定年退職することになり、ライフワークの総決算ともいえる31年目のみんなの生き様を追ったこのドキュメンタリーは、『生きる』ということがどういうことなのか、教えてくれたような気がしました。

 もっとも印象に残ったのは、盲目になってしまった一人の男性が、カメラマンのほうを向いて、「あの背の高い、カメラの方ですよね。お元気ですか?」と、とても懐かしそうに言うと、傍らにいたプロデューサーが、「この人も、もう65ですよ」と感慨深げに答えたシーンです。

 取材者も一個の人間で、ただ移民という行為を取材しただけでなく、一緒になって生きてきたことを実感させる場面でした。移民たちの生きざまとともに、取材者たちのしっかりした生きざまが感動的でした。再放送があったら、皆さんもぜひご覧になってください。

――― uchida

 

 
 

00/03/20
宇宙船とカヌー

 今日の東京は、すごい風が吹きました。春一番かな? 

 自宅のある調布のほうでは、巻き上げられた土で、空が黄色く霞むほどで、花粉症の身としては、表に出るのが恐ろしくなるような光景です。

 『宇宙船とカヌー』読みました。

 他の星に人間を移住させるためのプランを追い求める父親、北の海でアリュートに伝わる舟をグラスファイバーで再現して、一人海に漕ぎ出す息子。それぞれが、それぞれの夢を無垢な心で追い求める親子の姿が、とても心に染みました。

 本来、人間には、無限の可能性があるのに、つまらない常識や余計なおせっかい、画一的な社会システムなどによって、スポイルされて、小さな雛型に収められてしまいます。もともと、ぼくは、一人で勝手に生きていくのが好きで、しかも、自然の中に身を置くことに喜びを覚える性質なので、ツリーハウスに住み、アリュートのカヤックを作って、気ままに沖へ漕ぎ出す息子、ジョージ・ダイソンのほうに、とくに強い共感を覚えます。

 ソロでウィルダネスに出かける人間は、孤独を愛する謙虚な人というイメージがありますが、じつは、自我と独占欲がとても強い人間なのだと思います。自分を例にすれば、なるべく人のいない時期に、人のいない山域、ルートに入ることが好きで、一人きりで雄大な風景を見るのが好きなのです。

 誰もいない頂に立って、自分自身が、その信じられないほどの雄大な景色の一部になったように感じられる瞬間が好きなのです。頂上に至るまでのプロセス、辛さや怖さを含めて、あらゆる経験を一人だけで独占できる、そこに無上の喜びを見出せるからこそ、ソロを選ぶのです。

 ソロで山に入るということは、身にふりかかる危険に対して、一人きりで責任を負うということです。リスクを冒すのはまったくの自由、その結果がどうなろうと、それは自分だけの責任です。誰に文句を言うこともできないし、自分の行為を悔やんでもどうしようもありません。

 だから、ソロで何かを行う人間は、とても慎重です。その慎重さが、はたから見ると、謙虚さに見えるのかもしれません。その謙虚さは、人に対するものではなくて、自分が相手にする自然に対してのものなのです。

――― uchida

 

 
 

00/03/15
ツーリングマップル

 step3step4を更新しました。なんとか、ゴールデンウィーク突入前に、本編のリニューアルを完了するつもりです。

 昭文社が発行している『ツーリングマップル』の中部版の取材を担当することになりました。これは、毎年、実際に現地を走って取材し、道の様子や主要ポイントを細かく記述してあるツーリングライダーのバイブルとも言える地図です。

 今年の版からは、林道の入り口の座標が入ったり、緯度経度のメッシュが入ったりと、よりきめ細かく、使いやすいものになっています。

 月刊オートバイの『電脳ツーリングどんどん』とともに、この夏は、オートバイで走り回るつもりです。昭文社は、WEBにも力を入れているので、そちらでもリアルタイムレポートを試みたいと思っています。もちろん、このサイトでも、現場からの情報をお伝えしちゃいますからね!

――― uchida

 

 
 

00/03/14
漢方

 この数日、花粉症症状がひどく、廃人一歩手前でした。

 以前は、朝起きると目やにで瞼が接着されて開かないし、鼻は完全に詰まって息ができず、口であえいでも、喉の粘膜が炎症を起こして苦しいといった状態でした。

 今年は、幸い、そこまでではないのですが、首筋から背中にかけて鉄筋を入れたようにガチガチに凝ってしまい、頭はガンガン、少し動くと眩暈がするといった感じでした。ほんとうは、今週は山に行くつもりだったのですが、諦めました。

 それにしても、モニタに向かうとクラクラしていては仕事にならないと、うちにあった漢方を試してみたところ、これが効を奏して、少し調子が戻りました。ほんとは、「小青龍湯」がいいのはわかっていたのですが、生憎なくて、飲んだのは「柴胡桂枝湯」でした。体がだるいときに処方してもらったものですが、これが案外利きました。

 その後で、街に出てから「小青龍湯」を買って飲んでみたのですが、たしかに、症状は改善されるものの、胸焼けがします。今の状態には「柴胡桂枝湯」のほうが合っているみたいです。

 痛風の治療に、柴胡剤をずっと飲んでいたので、これが体に合うようになったのでしょうか? 漢方の先生には、ぼくの証には「葛根湯」がぴったりと言われているのですが、こいつを飲むと、なぜかラリってしまうんです……仕事しなくていいのなら、一日、葛根湯でいい気分でいられるんですけどね(~_~;)。それにしても、ようやく動けるようになってよかった。

 そんなわけで、明日からまたガンガン、サイトリニューアルして行きます!

――― uchida

 

 
 

00/03/10
事故について

 一昨日の中目黒での事故は驚きました。

 人間が作ったものである以上、どんなに安全性を考慮しても、完璧なものはありえません。磐石だと思っている所、事に限って、突発的な事態に見舞われることがあるものです。

 あの光景を見た人が…政府部内も、はじめはそう思ったようですが…真っ先に爆弾テロを頭に思い描いたことは、なんだか、今の日本の世相を現していますね。

 今日は、あの東海村臨界事故で被曝したもう一人の方の重体が伝えられ、それに前後して、通産大臣の原発政策見直し発言が続きました。そういった、諸々のことから、いよいよ大規模集約型文明の終焉が近づきつつあるような気がしています。

 効率重視で集約されたシステムの中では、個々の人間はどんどん小さな歯車になっていきます。高度に分業されたシステムの中の歯車は、目先のことに集中するだけで精一杯で、ただ流れ来る仕事をこなすことしかできなくなってしまいますよね。

 分散型の文明モデルでは、人は歯車であることを止めて、もっといろんなことに責任を持って生きることを求められるでしょう。でも、それが結局、自然なのだと思います。

――― uchida

 

 
 

00/03/09
アップロード

 昨年の夏から何度もアナウンスをしてきて、なかなか手がつけられなかったページのリニューアルをついに開始しました。

 とりあえず、第一弾は、step1にビジュアルを追加して、よりわかりやすくしてみました。順次、ビジュアルの追加とともに、記事の見直しもしていきたいと思います。

――― uchida

 

 
 

00/03/07
再見西域

 ↓が効いたのか、かなり本格的に春の倦怠感に見舞われています。

 以前のような、激烈な花粉アレルギーとまではいかないまでも、全身がだるく、集中力はまるでなく、ゴロゴロしていてもしんどいという状態です。こんな調子で山へ行ったら、どうなってしまうのでしょう?

 この10日からトップページにバナー広告を入れることになりました。とりあえず試験的なものですが、今、デザインの処理などで苦労しています。

 もちろん、広告が入っても、内容には、なんか変わりがありませんので、ご安心を。これから、できれば、アウトドアグッズのメーカーさんなどを中心に、このサイトのカラーに賛同してくださるところから協力していただいて、ページを見てくださるみなさんに、より有益な情報をお伝えしていきたいと思っています。もっともっと取材して、ライブでもお伝えしていきますからね。

 来月から、古巣である月刊オートバイ誌(モーターマガジン社)で、『ツーリングどんどん』の取材を再開することになりました。

 今度は、ちょっと趣向を変えて、『電脳ツーリングどんどん』のタイトルで、最新モバイルグッズなどを携えて、珍道中を繰り広げるつもりです。何か面白いグッズや、たずねて欲しい土地、やってほしい企画などありましたら、どしどしお寄せください!

 ↓で石さんをご紹介しましたが、ぼくが『再見西域』のページを作ったら、そこをシルクロードに興味を持つ人のサロンにしようという打診をいただきました。

 ここで、ぼくができることは、なんでも試みよう! というのが、このサイトのコンセプトですから、ぜひ試みようと思います。熱砂のタクラマカンに点在するオアシス、どこまでも続くステップに遊牧する自由な民、パミールの峻厳な自然の中にひょっこりと現れるアレクサンダーの末裔の街……シルクロードの今と昔を立体的に表現できたら面白いでしょうね。石さん、よろしくお願いします。

――― uchida

 

 
 

00/03/04
ズブ濡れジョギング

 今日は、生憎の天気になってしまいました。

 ジョギングにでかけたのはいいものの、途中で雨に降られて、ズブ濡れになってしまいました。ぼくの定番のコースは、多摩川の左岸(川上から川下に向かって左側ですね)を5kmばかり遡り、折り返してくるのですが、ずっと対岸の方から強風が吹きつけていました。

 折り返し地点までは、ずっと体の左側に風が当たっていて、折り返すと、右側に変わりました。そのとき、左半身が急に温かくなったのを感じました。体感温度は、風速1m/sあたり1℃下がるといわれますが、それを実感しました。

 帰路は、風だけでなく雨に濡れたせいもあって、余計に体感温度が下がった感じです。雨の対策をなにもしていなかったので、20分くらい濡れたまま走りましたが、これは、ほんとに体力を奪われました……これで、たるんできた腹の肉が削げればいいんですけど……(^_^;)

――― uchida

 

 
 

00/03/01
西域紀行

 ぼくの写真の師匠(勝手にそう思っているだけですが……)である石嘉福さんからmailをいただきました。

 4月からスタートするNHKラジオ中国語テキストの口絵ページで、石さんの写真と文章で、新疆シルクロードが紹介されるそうです。4月号から1年間、タイトルは「西域紀行」です。「始まりはタシュクルガンのタジック族、つづいてはパミールのキルギス族、それからカシュガルに到り、バザール、名所旧跡、食べ物、手づくり、働く子供等6回位に分けて連載する予定でおります」。

 石さんは、NHKのシルクロードシリーズの企画にも参画された第一人者です。これを機に、以前途中で投げ出してしまった中国語の勉強を再開しようかなと思っています。石さんの写真が、見られるだけでも、テキスト買う価値ありますよ。

 それにしても、中央アジアは、今どんなふうに様変わりしているのでしょうか? かつて、西域南道上にある和田(ホータン)とい街で意気投合して盛り上がった日本語ガイドの亜熱氏は、今では中国旅行社の和田支社長だというし……。いろいろ懐かしい人にも再会したいなあ。

 石さんに刺激された、というわけでもありませんが、ぼくが87年に出版して、すでに絶版となっている『再見西域 −新疆シルクロード自動車旅行記−』(山海堂刊)をWEBで再構成しようと思っています。

――― uchida

 

 
 

00/02/28
お題目のベンチャー

 どうも、根を詰めてi-mode対応ページなんぞを作っていたせいで、忘れかけていた花粉症がぶり返したようです。

 背中から後頭部にかけてガチガチに凝っている上、意識朦朧です。去年は、20年以上付き合ってきた花粉症ときれいさっぱり別れられたと思ったのに……。でも、ここで、ひとふんばりして、堪えなければ。

 嫌なものに焦点を合わせるから、それを呼び込んでしまうんですよね、何事も。オフロードバイクのレースでも、「ああ、あの岩嫌らしいな」なんて意識した途端、そっちに吸い寄せられるようにしてドカン!といってしまうものです。「花粉症? 何それ? 春めいて、きもちいいからMTB乗ろう!」と、ポジティヴにまいります。

 先日、知り合いが亡くなりました。日本のSOHO支援の先駆けともいえる、杉原郁夫氏です。

 杉原氏は、消防法の制約からホテルとしての営業を中止し、長い間有効利用されていなかった横浜の老舗ホテル『シルクホテル』を、SOHO向けの賃貸ビルとして蘇らせ、そこからベンチャーが育っていけるインキュベーションセンターの機能を持たせて、世の注目を集めました。

 全国には、このシルクホテルのように休眠している器がたくさんあります。杉原氏は、それを活用し、有機的なネットワークを築くことで、全国に眠っているベンチャーの卵をインキュベート(孵化)させようと、精力的に活動されていました。

 高知に生まれ、郷土の誇りである坂本竜馬を師と仰ぎ、平成の坂本竜馬であろうとした氏は、師と同様、志半ばで倒れてしまったのです。SOHOやベンチャーといってもお題目ばかりで、実質を伴わない空疎なことばかりの中、杉原氏は、常に、具体的な目標を据えて、前進して行く人でした。

 ところが、この一年は、新しいプロジェクトに取り組んだものの、空回りすることが多く、身も心も疲れきっていらしたようです。今はただ、杉原郁夫氏のご冥福を静かにお祈りしたいと思います。

――― uchida

 

 
 

00/02/23
バテバテ

 昨日は読書三昧、今日は、このサイトのi-mode対応ページなんぞ作って、一日過ごしてしまいました。

 ……ああ、その前に、しっかり多摩川でトレーニングはしました。凝りだすと止まらない性格なもので、本編を一気にアレンジしたら、さすがにバテバテです。

 昨日はBBSをぼくが契約しているDTIのものに変えたのですが、なんだか、前の一覧で書き込みが読めるほうがいいですね。でも、しばらくこれで行ってみたいと思います。

――― uchida

 

 
 

00/02/22
ジョージ・ダイソン

 どうも、仕事の予定を一週間勘違いしていたようで、思わず時間ができてしまいました。

 そんなわけで、今日は一日仕事場で本を読んでいました。たまには、じっくり腰を据えて読書するのもいいですね。

 デジタルの世界は、「ドッグイヤー」なんて呼ばれて、常に背中を押されて全速力で走っているような感じですが、フッと息を抜いて、読書していると、アナログな時間が人間には必要なんだなあと、痛感します。

 今日読んでいたのは、コリン・ウィルソンの『世界超能力百科』という本でした。日本人受けにトンデモ本のような題名になっていますが、現代は“Super Natural”と、いたってプレーンです。同じニューエイジ系のライアル・ワトソンにも“Super Nature”という著作がありますが、文学的で洗練された雰囲気をもつワトソンに対して、徹底的に評論調で書かれています。

 もっとも、ちょっと乱暴なところがあって、前のほうで紹介していた人物のプロフィールが後のほうで変わったりしていますが、まあ、そのあたりはご愛嬌というところです。

 ウィルソンは人間の持つ未知の可能性をオカルトや魔術といったどちらかというとダークサイドの事象から探るという姿勢で一貫しています。『世界残酷物語』なんて著作は、世に言う暴君を並べて世界史を再構成した力作でした。

 ま、それはよしとして、最近、いろいろな人の刺激を受けて、今、自分が置かれたポジションを再認識できるような本が読みたい衝動に刈られています。で、今さらながら、J.E.ラヴロック『地球生命圏』とケネス・ブラウワー『宇宙船とカヌー』を読み始めています。両著ともナチュラリストにとっては古典中の古典といってもいいようなものですが、何故かきちんと読んでいなかったのです。

 以前、『地球交響曲3』の助監督を務めた友人にジョージ・ダイソンの話をいろいろ聞いていたところに持ってきて、最近、そのジョージ・ダイソン作のバイダルカを所蔵している方がいるという話を、とある方から聞いて、これは、いいかげんきちんと本を読まなければと思った次第です。……こりゃ、徹夜かな。

――― uchida

 

 
 

00/02/21
アグリッパのWEB

 昨日は、東京地方は雪の予報でしたが、ほんの少しちらついただけでしたね。

 今年は、雪が積もらずに終わるのかな? この二日あまり、どうも眠り病にとりつかれているみたいです。土曜日は、真昼間に四時間も昼寝してしまい、昨日は昼起き、今日も、昨日23時に寝たのに起きたのは12時近く……先祖がえりならぬ子供返りでもはじめてしまったのか、ちょっと不安です。寝すぎて体が固まってしまったので、仕事場でストレッチしています。

 先日は、BBSやメーリングリストでサイトを盛り上げてくださっているnuさんがお友達のWさんとお二人で、仕事場にいらしてくれました。

 サイトやメールでは、すでに、いろいろな話題を交換させていただいていたのですが、また実際にお会いしてお話すると違いますね。お二人は、アート系の世界にいらっしゃる方で、ぼくのほうはドロ臭い世界の住人ですから、今までだったら、知り合う機会なんてなかったでしょうから、まさに、ネットが取り持つ縁と申しましょうか……ほんとに、楽しい時間を過ごせて、サイトを立ち上げて、地道に運営してきてよかったと思いました。nuさん、Wさん、また遊びにいらしてくださいね!

 デジタルの仕事の関連で、WEBの可能性について説明するとき、ぼくはよく通勤通学の電車を例に出します。通勤通学の電車では、多くの人が、同じ電車の同じ車両に乗りますよね。そこで顔見知りになって、恋が生まれて……なんてこともあります。だけど、出会いの可能性としては、狭い限られた人数しかありません。

 いっぽうWEBは、世界中の人が何千万人も同時に電車の同じ車両に乗り合わせているようなものだと思うんです。WEBであたりを見回せば(ネットサーフィンしてみれば)、自分のフィーリングにピピッと会うページや人にたちどころに出会えます。そして、メールを通してすぐに交流できて、ほんとに気が合えば、オフラインで実際にお会いできる……まさに出会いの無限の可能性を秘めているのがWEBだと思うのです。

 ぼくが学生の頃、ポストモダンやニューアカブームで、盛んに『学際性』ということがうたわれていました。

 学部や学科の壁を取り払い、象牙の塔に閉じこもっていないで、どんどん交流して、知識を有効に使っていこうということです。そのための試みもいろいろと成されましたが、目に見えた成果は結局生み出せないで、そのうち掛け声も萎んでしまいました。

 そこへ登場したのが、WEBです。中世の哲学者で魔術師でもあったコルネリウス・アグリッパは、全ての事象は一種の巨大なくもの巣によって絡み合っていると主張しました。「魔術師は、自らの思考を正しく方向づけするなら、このくもの巣を振動させ、遠い場所においても結果が出せることを知っている」と言います。WEBは、まさにアグリッパがイメージしたくもの巣であり、真の学際性を実現するツールのような気がします。

――― uchida

 

 
 

00/02/15
XRとMGF

 今日は寒かったですねえ。

 冬型の気圧配置が強烈に強まって、東京は、身も凍る季節風が吹き荒れました。よりによって、こんな日に洗車をしたりオートバイのオイル交換とブレーキシューの交換なんか始めるぼくは、いったい何なんでしょうか? 

 ブリティッシュレーシンググリーンに黄色い砂が万遍なくついて、黄粉を振った蓬餅状態の我がMGF君は、洗車したてはまだ良かったものの、すぐにまた蓬餅に戻ってしまいました。

 この二ヶ月ノーメンテナンスで酷使していたXR600君は、先日の寒い夜にストライキ寸前まで臍を曲げたので、そろそろかまってやらなければと思い、まずはオイル交換。ついこの前交換して、まだ1000kmほどしか走っていないのに、もうドロドロのヘドロ状態でした。そもそもデザートレース用のマシンを普段の足代わりにするのが間違っているのでしょうか? 

 ブレーキシューは、もうあと1mmというところまで減っていました。もう少しずぼらしてると、ディスクまで交換する羽目になるところでした。そこまで使っていたので、厚みが5mmある新しいシューをその隙間にはめ込めるはずもなく、ブレーキオイルを恐る恐る抜いて、ブレーキピストンを押し戻したまでは良かったのですが、やっぱりやってしまいました……エア混入。新しいシューが入ったのはいいものの、レバーを握ってもスカスカ状態。寒風吹きすさぶ中、オイルを足しながら、ひたすらレバーをカクカク。いつぞやのタイヤ交換に続いて、またまた半日仕事と相成ってしまいました(>_<)。

 でも、新品のオイルにエアクリーナーを掃除してもらい、さらに新品のブレーキシューになったXR君は、まるで生まれ変わったように快調です。思わず、近所のダートで遊んでしまいました。……チマチマした日本じゃなくて、またBAJAでも走りたいなぁ〜!

 カラッ風に髪が痛めつけられて、レゲエのおじさんみたいになってしまいました。レゲエの髪に髭面で、いよいよ怪しい奴になってしまいました。

 そういえば、昨日は、国営放送の政治部の記者さんが事務所に取材に来ました。昨年末に出した『ドラッグ』という本を読んで、覚醒剤の密売ルートについて教えてほしいとのこと。ぼくの事務所はDCL、Digital Contents lab.というのが正式なのですが、この本の編集を担当したカメさんが、ジョークでDCL(Drug Culture lab.)編なんて付けたもので、すっかり、その筋の怪しい人間と思われていたのでした。そこへ持ってきて、風体が極めて怪しいんだから、下手すりゃ、ぼくが密売人に思われかねないですよ、ほんと。

 言い訳するわけじゃありませんが、『ドラッグ』は、警察庁全面協力の元で書いたもので、怪しい本ではありません。もちろん、ぼくも、コーヒーの飲みすぎとランニングハイ気味なところはありますが、ジャンキーではありませんので、念のため。

 お勧めサイトに情報を追加しました。OBTメーリングリストにも参加くださって、アウトドアの本場ニュージーランドから、楽しいメッセージをたくさんくださるRyuさんのサイト『Aotearoa Mail』。南島のNelsonという町で、シーカヤックのガイドをされているRyuさんは、まさに仕事も遊びもアウトドア三昧。ため息が出るほど、羨ましいライフスタイルを実践されています。さあ、みなさんも、Ryuさんのサイトを訪ねて、ため息つきましょう(^^ゞ

――― uchida

 

 
 

00/02/12
10年ぶりの髭

 ほぼ10年ぶりに髭を伸ばしてみました。

 20代の頃に伸ばしていて、あの頃は40代に見られていたのですが、30代に入って髭を落としたら、ずっと20代にみられてました。最近、実年齢が40間近になって、なんだか子ども扱いされているような気がして、久しぶりに伸ばしてみたのですが、なんだか、ぼくに対する人の接し方が今までと違うような気がします……ようやく、実年齢で遇してもらえるような。

 その昔、髭を落としたときに、床屋のオヤジさんに、「それにしても、旦那さん、髭がないと締まらないねぇ」と本気で言われて、ショックを受けましたが、やっぱり髭が必要だったのかなあ? 

 そういえば、髭があると、日本人離れして見えるようで、メキシコや中央アジアで地元の人からも現地の人に見られて、誰も日本人だと信じてもらえなかったっけ……アリゾナのメキシコ国境近くでは、深夜フリーウェイを走っていて、ハイウェイパトロールに止められ、メキシコからの密入国者と間違われて、ホールドアップくらったっけなぁ……。

 これからは、国内では髭を生やしていて、外国へ行くときには、剃るようにします。今の時期は、スギ花粉のフィルターになって、ちょうどいいし……。

――― uchida

 

 
 

00/02/11
ネスケファン

 8日は、てっきり大雪になるかと思ったら、通り雪でした。でも、東京は、これからが大雪の季節だから、油断できないですね。

 ここ数日、サイトの不具合がいろいろ発覚して、その対応で大童でした。ぼくは、オープンソース信奉者で、根っからのNetscape党なので、普段のブラウズ環境はNetscapeオンリーなのです。

 それで、自分のサイトもNetscapeで観て、「ああ、問題ないな」と安心していたのですが、なんと、Internet Explorerでブラウズすると、リンク切れしていたり、ページ表示がおかしかったりしていたのです。それを指摘していただいて、自分でも確かめたところ、IEで観ると、なんと中途半端なサイトではありませんか! 

 「これでは沽券にかかわる!」と、ガシガシとバクフィックスしました。それで、ようやく、IEでも観られるページになりました。今まで、IEでブラウズされて、「なんだこのページは、まだ工事中か」と諦めておられた方々、どうぞ、隅から隅までご覧になってみてください。

 今日から新たに『news』のページを設けました。アウトドア関連の製品やイベントなどの情報をどんど掲載していきたいと思います。OBTサイトを通じて情報発信したいという方、どしどしと情報をお寄せください。

 そろそろアウトドアシーズン始動ですね。去年の夏からアナウンスばかりで実現できなかったサイトのリニューアルに着手するつもりです。

――― uchida

 

 
 

00/02/08
春雷と雪

 メーリングリストで、「昨日今日と東京は穏やかな陽気です」なんて書いたら、春雷とともにすごい雪が降り出しました。

 太平洋上の低気圧が台風並に発達するとは聞いてましたが、どうやら、この冬最初の本格的な雪になりそうな気配です。こうなっては、オートバイで走ることもできないし、仕事場に泊まりかな……。

 だけど、雪が降り出すときって、独特の気配がありますよね。仕事場で資料を読んでいて、なんとなく、表が静かだなと思って窓を開けてみると、吹雪いておりました。しかし、この調子で二時間も降り続いたら、東京は例によって大混乱でしょうね。

――― uchida

 

 
 

00/02/07
痛風一直線

 えらく背中が痛くて参っております。昨日、MTBでウィリーの真似事なんぞに挑戦していたのですが、どうやら、腕とか背筋に力を入れすぎたみたいです。ほんのちょっと遊んだだけなのに屈むのが辛いほど痛むとは……しかも、それが翌日の夕方に出でくるんですから……やっぱ、歳を感じてしまいますね。

 ああ、10代後半から20代なんて、地の果てまでも休まずに走っていけそうなほど、体力有り余っていたのに……。

 しっかりトレーニングしたら、少しは若さを取り戻せるかなあ? 昼間は暖かだったのに、今時分になると、冷えてきますね。デスクワークしていると、足が冷たくなってしまいます。今日は走るの辛いから、少し原宿界隈を散歩してこようかな。

 そういえば、原宿界隈では、キックボードをよく見かけるようになりました。小型のスケボーみたいなのに、ハンドルをつけたやつですね。あれ、便利そうですね。

 けっこう仕事場の近所に出かけることが多いので、気になってます。ほんとは、ビアンキのATBが欲しいんですけどね……とりあえずビアンキが買えるまで、キックボードを黄緑に塗ってつなぎにしようかな。

 仕事場に泊まることが多くなると、運動不足で、お頭の回転も落ちてしまうので、近所のスポーツクラブに入ろうかななんて思っているのですが、ちと予算的に厳しいものがあったりして、二の足を踏んでます。

 そこで、ハタと思い当たったのが、自宅で休眠状態にあるロードレーサーです。トレーニング用のローラーの上に載せっぱなしなんですが、そいつをローラーごと仕事場に運び込もうと思ったのです。通風持ちになる前は、こいつを40分みっちり漕いで、一気に体重を2kg落とし、おもむろにビールで元の体重に戻すということをやってました(医者に言わせると、「そりゃあ、痛風一直線だ」ってことですが)。そこまではやらないにしても、泊り込みの運動不足解消にはなりそうなんだけどなあ……。

――― uchida

 

 
 

00/02/05
Q&Aのページ

 気がついてみれば、もう2月5日、そろそろ確定申告のことを考えねばいけない時期ですね。

 日ごろずぼらに過ごしている身には、領収書の山を前にして、しばし呆然とする季節であります。だけど、ここできっちり税務署と攻防しておかないと、あとでえらい目に遭うんですよね。頑張って整理しようっと!

 さて、話はぜんぜん違いますが、実用情報をまとめようと思いまして、これまで、ぼくのところに寄せられた、アウトドアに関する疑問とそれに対する答えをまとめて、Q&Aというページを作って見ました。道具選びの参考などになさってみてください。

 また、BBS、メーリングリスト、そしてぼく個人宛の私信、いずれの方法でもかまいませんから、アウトドアに関する疑問などありましたら、遠慮なく投げかけてください。ちなみに、今回Q&Aで使わせていただいたのは、すべてぼく個人宛の私信でした。お寄せいただいた方々の名前は匿名にしてあります。事後承諾で恐縮ですが、もし、不都合がおありでしたら、ご連絡ください。

――― uchida

 

 
 

00/01/27
フーコーの振り子

 「生命が経験の表皮で何重にも覆われたとき、その最後の瞬間にすべてを知ることになる。秘密も力も栄光も、生まれてきた理由も死んでいく理由も、そして何もかもが違った成り行きになりうることも。おまえは賢者だ。しかし、最大の聡明さというのは、その最後の瞬間において、おまえがそれを知るのが遅すぎたということを知ることなのだ。つまり、何も理解することがなくなった時点で、はじめておまえはすべてを理解するのだ。<王国の掟>がどういうものか今は知っている。<知恵>が自分の失った明晰さを再発見するために手探りで逃げ込んだ、引き裂かれたマルクートの掟。マルクートの真実、セフィロトの夜に輝く唯一の真実とは、その<知恵>がマルクートにおいて赤裸々に暴かれ、そしてその<知恵>が、自分の神秘が存在の瞬間になかではなく、最後の瞬間の無のなかにあることを悟ることなのだ。それからまた<他者>が同じように最初から始める」

ウンベルト・エーコ『フーコーの振り子』の終盤に出てくる一文です。

 ……アーティフィシャルライフ、AI、複雑系、遺伝的アルゴリズム、ニューラルネットワーク、メモリーベースアーキテクチュア、人ゲノム、遺伝子組み替え……今、人間は、恐ろしい勢いで、新たな知識と技術を増やし、情報を蓄積・集約しつつあります。

 それは、神秘主義者たちが夢想した過去と未来の全ての事象を記録した『アーカシックレコード』をマイクロチップ一個で実現してしまいそうな勢いです。でも、人が自分の頭で考えはじめてから、つねにつきまとってきた疑問『人は何を求めて、何故生きるのか』という答えには、まだあまり近づいていないような気がします。でも、もしかしたら、エーコが言うように、それは、最後の瞬間に悟ることなのかもしれません。

 昨夜、ある人と話をしていて、「ゲーテの最後の言葉、もっと光をって、いったいどういう意味だったんだろうね?」なんて話になって、なんだか、そんなことを考えてしまいました。……それで、結論は、「人生の意味は、最後にわかればいいことだから、とりあえず、今を精一杯楽しもう!」つてんですから、根っから楽天的なようです。

 100gで120円という破格の安さに逆上して、2.5kgもマンデリンを買ってしまい、どっぷりとコーヒー中毒に陥っております。

――― uchida

 

 
 

00/01/25
社会は崩壊した?

 今日の東京は、とっても寒いです。

 午前中は、自宅のある調布のほうで雪がぱらつきました。しかし、寒さに負けてはおれん! と気合いを入れて、10kmのジョギングを敢行しました。さすがに全行程を走り通すには、長期のデスクワークで萎えた足には酷だったので、とりあえず半分は休まずに走り、復路はインターバルで戻ってきました。

 それでも、さすがに、足がガクガク……情けないかぎりです。心肺のほうは、MTBでそこそこ鍛えてるので、息があがることはないんですが、やっぱりランニングとなると、筋肉と関節にきますね。今、ちょっとオーバーウェイトなのも祟っているかな。でも、体を使うのは、気持ちいいです。

 今、仕事が一段落ついているので、本でも読もうかななどと、書棚を漁っていて、新田次郎の『孤高の人』なぞを取り出しました。

 学生時代、この主人公の加藤文太郎の山にかけるピュアな心情にひかれて、自分を彼に投影するように、山に登っていた時期がありました。ひたむきで、不器用で、優しくて、そして逞しくて、常に自分に忠実であった加藤文太郎。『孤高』といえるほどカッコよくはないけれど、どことなく僕自身が似たような個性のような気がしていたのです。もう加藤文太郎の享年よりも、自分のほうが歳をとってしまったなんて、ちょっと信じられない気がします。相変わらず『孤高』には程遠い未熟者である自分が、哀しいです。もっと、しっかり生きなければね。

 ある本に、デジタル社会を象徴するような次のような一節がありました。

 曰く、「どんな時代にも、健全な精神のメタファはその時代独自のものが形成されるものだ。それほど昔のことではないが、かつては安定が社会的に価値のあることとされ、文化的に強調された。厳密な性別役割(ジェンダー・ロール)、反復される労働、一種類の職に徹することやひとつの町で生涯暮らすことが当然という思い込み、そういうことをひとまとめにしたものが、一貫して健全という定義の核にあった。だが、こういう安定した社会は崩壊した。この時代、健全さは、安定性ではなく流動性という観点から表現される。今、もっとも重要なのは柔軟に変化、新しい性別役割に、新しいテクノロジーに……

 じつは、最近のぼくは、まさにこの通りのことを盲信していました。でも、ちょっと考え方が変わりつつあります。新しいテクノロジーが、新しい知見をもたらし、価値観や感性を変化させていくのも確かです。

 でも、反面、今まで人類が営々として築いてきた『普遍性』というものも大切にしなければいけないのではないかと思うのです。例えば、長い時間をかけて醸成されてきた文化は、やはり守らなければならないもののような気がします。……そんなふうに考えはじめたのは、やっぱり歳のせいなのかな?

 『孤高の人』を読み返したせいで、「やっぱり、男は男らしく、女は女らしくあるのが美しい」なんて一人ごちている、今日の私でありました。

――― uchida

 

 
 

00/01/22
奇妙な雲

 ↓で、「あけましておめでとう」なんて言ってから、一月も早終盤に差し掛かってしまいました。

 昨日深夜に、この四ヶ月引っ張っていた仕事がようやく一区切りついて、ぼくにとっては、今日が本当の正月一日のような感じです。年明け早々、7日よりDDIポケットのPメールDXで、『超常現象事件ファイルVOL2−ドッペルゲンガー−』が公開されました。

 昨日仕上げたのは、その第三弾で『迷い里』です。今、巷では、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』が興行成績トップを突っ走っていますが、ちょうど、同じようなプロットで、ちと後塵を拝した感じで悔しいところです。

 でも、映画と違って、ストーリーを自分で選択していくゲームですので、楽しみと怖さは、勝っているんじゃないか、なんて、ちょっと自負してます。こちらの公開は来月になります。『ドッペルゲンガー』と、シリーズ最初の『ポルターガイスト』は、おかげさまで好評をいただいております。DDIポケットをお使いの方は、ぜひともチャレンジしてみてください。また、他の携帯電話のキャリアのほうへの進出や、WEBでの展開も考えてますので、そちらもご期待ください!

 今日、夕方、自宅のある調布で、奇妙な雲を見ました。子供が描く太陽の光のように、真中から放射したような形に雲が並んでいたのです。

 今日は冬型の気圧配置が強かったので、西からの吹き出しの雲は見られるはずですが、それなら、不規則に並んでいるはずです。ところが、これはきれいに長さや形が整って、放射状に並んでいたのです。阪神大震災の時に、その数日前に観測された異常な気象の写真集なんてのがありましたが、ちょっと、それでも調べて掲載されている雲の形を見てみようかななんて思っています。

――― uchida

 

 
 

2000/01/08
3rdミレニアム
のキーワード

 あけましておめでとうございます。

 今年は、新年早々に法事があったりして、ようやく今ごろになって、新年を実感しています。それにしても、ついに2000年になりましたね。

 キューブリックのあの名作が描いたのは来年のことですが、あの叡智の源であるモノリスが、再び人類に光臨するのは、間近のような気がします。やっぱり、新しい千年紀に入ったという意識が強烈にありますものね。2ndミレニアムは物質と戦いの1000年でしたが、3rdミレニアムは精神と調和の1000年になりそうな予感がしています。

 バラバラだった人の心が一つになる。その軸となるのは、やはり『自然』ですね。このサイトもメーリングリストをスタートして、よりインタラクティヴに盛り上がってきました。これから、どんどん上り調子でいきたいと思いますので、よろしくお願いします!

 正月の間、実家に帰省していて、寒々しい話を聞きました。

 ぼくの実家は、茨城県の海岸沿いのほうで、例の東海村からもさほど遠くないところにあります。原子力施設に勤めている知り合いもかなりいます。その関係の人間から聞いたのですが、例のJCOの臨界の事故があったとき、他の原子力施設で働いている人たちは、「JCOで事故」と聞いて、「あそこの事故なら臨界に違いない」とすぐに判断して、自分の家族たちを警報が出る前にいちはやく疎開させたそうです。

 どうも、JCOに対して発注をかけていた側では、無理な操業を強いていて、それがどんな結果に結びつくか予想していたようなんです。これは、ほとんど未必の故意による殺人といえないでしょうか? 

 一方で、原子力産業と関係ない人たちは、見捨てられたも同然で、公式発表などより二桁も三桁も多い人たちが深刻な被爆をしたようです。ぼくの母親は、「あんたが前に言っていたようなことがほんとに起こってしまったね。もう、ほんとならこのあたりは人の住めるところじゃなくなってしまったんだね」と、いつもながらの長閑な風景を見渡しながら、寂しそうにつぶやいていました。

 今回、あの事故以来初めての帰省だったのですが、いつもなら騒がしいほど鳥の声がするのに、まったく聞こえないのが、心底不気味でした。母親は、あの日、たまたま用事があって、水戸のほうへ向かったのですが、途中、国道51号線が封鎖されていて、目的地に行き着けなかったそうです。「戦争中だって、あんな戒厳令みたいなことはなかったよ。みんな息を潜めて家に篭って、何を信用したらいいのか、何をどうすればいいのかもわからなくて、こんな不安なことはなかった……」。

 たまたま特攻隊が施した処置が効を奏して、臨界は収まりましたが、あのまま続いていたら、まさに周辺の住民は、自宅軟禁されたまま死を待つようなものでした。新しい千年紀に人類が健康に生き残るためには、まずは、原子力という十字架をなんとかしなければいけないのかもしれません。あの事故で亡くなった大内さんのDNAはズタズタだったそうです。何も知らずに痛ましい犠牲者となった大内さんのご冥福を謹んでお祈りしたいと思います。もう、同じような犠牲者をけして出してはいけません。

 オランダでは、新時代に人類が自然と共生していくために、太陽光や風力といったクリーンエネルギーを普及させるための専門の省を作ったそうです。

 ぼくたちも、何が本当に必要なことなのか? 人間らしい生活とは何か? といったことを徹底的に考え、それを実現するためにどうすればいいのかを真剣に問なおさなければいけないですね。

――― uchida

 

 

  


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