2002.2.16−17 OBTメーリングリスト・スノーシューイングオフ会

スノーシューは、感覚を拡張してくれる道具なのです!

 2月16日、17日の両日、かねてから懸案だった第二回「OBTフィールドオフラインミーティング」を八ヶ岳山麓を舞台に開催しました。今回は、「スノーフィールドを気軽に、目一杯楽しむ!」をコンセプトに、TUBBSブランドのスノーシューを履いて、夏では踏み込むことのできない樹林の中や平原を、文字通りズンズン進み、斜面を転げ落ちて、全身雪まみれになって楽しんできました。

 16日は、午後に今回のベースとなる信州原村のペンション「まさかロッジ」に、東は東京、西は大阪のメンバーが集合。さっそく、近所の農場へとスノーシューを履いて繰り出しました。

 宿で農場までの道を聞きながら、途中でルートを外れて、樹林の中へ。道なんて関係無しに、雪のあるところならどこでも分け入っていけるスノーシューの機動性にさっそく感激です。「これは、感覚を拡張してくれる道具だな。いつもなら、とても踏み込めないフィールドへと、いともたやすく扉を開いてくれる」と、いきなり、学者らしい小難しい言い回しで、外見はメンバー最長老のまっちゃんがコメント。言葉一つ一つの意味はわからないけれど、まっちゃんのしみじみとした言い回しに、雰囲気を感じとった小前青年と、歩くよりは雪に埋まるほうが楽しそうな伊東女史が大きく頷く。

 道なんかわからなくなっても何のその。樹林帯をまっすぐに突き抜ける最短ルートで、夏は農場となる大雪原に出た我々は、夕焼けに染まる八ヶ岳の雄姿をバックに、スノーシューの足跡をつけまくって楽しんだのでした。後からやってきたクロカンスキーヤーの方、せっかくのバージンスノーを踏み荒らしてしまってごめんなさいm(__)m

 当然、夜は宴会となるわけですが、ここは、関西代表のG‐outfitter吉川、小前コンビの独壇場。去年の夏の牛窓シーカヤックミーティングのときも、賑やかでしたが、一人で、関東勢の10人分は賑やかでした。

 G‐outfitterは、夏は瀬戸内を中心にシーカヤックのツアーを、冬は比良山系を中心にスノーシューイングなどのツアーを主催しているアウトドアアクティビティの総合商社!? 単に、ガイドやサポートをするだけではなく、しっかりと笑いをプログラムに組み込んでいるところは、さすがに大阪芸人です(~_~;) 翌日、関東のアウトフィッター(総合商社じゃなくって、こっちの言い方が正しいんでしょうね)がガイドしている一団に出くわしましたが、みんな足元見つめて、ガイドの後ろにゾロゾロついていくだけの、まるで葬式行列。どんな状況にあろうとも、笑いを忘れない大阪勢を見習わなければいけません。

 

子供の頃の泥遊びを思い出して雪遊び

 さて、スノーシューイング本番の17日。朝食の席で、「今日は、どういう予定なんですか」と聞かれたぼくは、返答に困ってしまいました。これは、いつものことですが、OBTのオフ会は、参加者の自主性にすべてを委ねるのが恒例となっていて、とくに何がどうこうという予定はないのです...簡単にいえば、アバウト、いいかげん、無責任ということなわけですが(笑)。

 ぼくは、単に、機会を提供したいだけであって、楽しみ方は各人が自分の責任において見つけてもらいたいわけなのです。今回は、スノーシューという道具と八ヶ岳というフィールドは決まっているわけで、その中でどう楽しもうが自由というわけです。もちろん、冬山がフィールドになるわけですから、それ相応の装備は必要なわけで、今回は冬山がまったく始めてという人がだいぶいたので、基本的な装備については事前に紹介はしました。...とまあ、御託はそれくらいにして、話を元に戻して、結局、天気は下り坂とはいいながら、高曇りで遠くまで見渡せる空模様だったので、八ヶ岳の主稜線上の麦草峠へと登る国道299号線を行けるところまで行って、そこから歩こうということになりました。

 横岳のピラタスロープウェイが遠望できるメルヘン広場まで車で入り、そこからスタート。ここは北八ヶ岳の稜線に続くクロスカントリースキーのトレールがあるけれど、どんなにフカフカで深い雪でも関係ないスノーシューにとっては、トレールなんて何も関係ない。車から降りて、身支度とランチの用意をして、スノーシューを履いたぼくたちは、いきなり目の前の樹林帯の斜面に取りきました。

 スノーシューのいいところは、どこでも歩ける走破性と、誰でも、履いたその場で歩き始めることができる手軽さ。ほとんどの人がスノーシューは初体験でしたが、何の違和感もなく、普通に歩くままに雪の上を進んでいくことができます。ワカンのように潜らないので、走ることも簡単。ただし、油断していると、スノーシューの先が雪面に突き刺さって、頭から突っ込むことになります。こうなると、立ち上がるのに一苦労。手をついて上体を持ち上げようとすると、ついた手が肩まで、ズッポリと埋まってしまうのです。なんとか体を反転させて尻をつくと、今度は尻を支点に後ろ向きにズボッ。ようやく立ち上がれたときには、全身雪まみれ。だけど、これが、子供の頃の泥遊びのような感覚で、とても楽しいのです。

 子供のころは、公園の小さな砂場でも、けっこう広大なフィールドで、遊びがいがあったものです。だけど、大人になるにつれて、世界がだんだん狭くなってきて、身近な場所で無邪気に遊ぶことができなくなってしまいます。スノーシューイングは、砂遊びや泥遊びに夢中になっていた子供の頃を思い出させ、童心に返らせてくれます。

 普通なら、立ち入るのが容易でない深雪に覆われた樹林。その中を自在に泳ぐように進めるスノーシュー。足元を見ると、たくさんの動物の足跡があります。スノーシューの楽しみの中に、「アニマルトラッキング」がありますが、ねずみのような小さな動物をイタチかテンが追い掛け回している跡があったり、谷間の小川に向かって下りていくウサギの足跡が、行きは小幅で元気がなさそうなのに、水を飲んだ帰りは、元気よく飛び跳ねていたり、なぜか、一匹のカラスの足跡がまっすぐ続いていたり、動物たちの生態や気分を想像すると、それだけで楽しくなります。それも、普段、人の入らない樹林帯ならでは。今回は、雪を蹴立てて進軍してくる怪しい一団に、巣穴に隠れていたノウサギが我慢できなくなって飛び出してくるといった一幕もありました。

 

 

次は、スノーカヤック!?

 樹林の中を登りつつ、途中でランチ。ほんとうは、スペシャルな野外料理で盛り上がりたかったのですが、前日の深夜まで仕事やらスノーシューの手配やらに忙殺されていたため、ほとんど、着のみ着のままで出かけてきたぼくは、途中のコンビにで買った冷めたチャーハンという情けないメニュー。しかし、他の面々は、自作の弁当をちゃんと用意してきたり、おでんを温めたり、圧巻は、白ワインでチーズを溶かして、チーズフォンデュを楽しむYUZO氏。アウトドアでチーズフォンデュというのは、はじめて見ました(~_~;)

 当初、雪洞を掘って、その中で温まりながらランチにしようと思っていましたが、この北八ヶ岳の雪質はサラサラのパウダースノーで、かなり圧雪しないと崩れるばかりでまとまりません。次にここでスノーシューイングする際には、樹林の中で雪面を少し掘り下げ、周囲にタープをめぐらせて風避けを作って、ベース兼宴会場にしようと思います。ここなら、いざという時にはエスケープしやすいので、そのままスノーキャンプしても安心だし...といったことを話していたら、G‐outfitter吉川氏が、「そしたら、ここをG‐outfitter、冬期営業所にして、小前を常駐させますわ」とのこと。フィールドのど真ん中にベースがあって、その周りで、一人一人が好きなように遊ぶ。それは、案外、スノーシューにいちばん合った楽しみ方かもしれません。

 スノーシュー自体、新雪の急斜面をテレマーク風に滑り降りたりして、かなりスポーティな遊び方もできますが、せっかくだから、他にも様々なギアを持ち込んで、徹底的に雪山を遊び尽くしたいところです。スラロームカヤックを担いで登って、樹林の中をスノースラロームなんていうのもスリルがあって楽しそうだし、テレマークスキーや他のバックカントリースキーも試してみたいですね。

 そんなこんなも、フィールドのど真ん中にベースを置いておき、そこにいろいろなギアをプールしておけば、とっかえひっかえ遊べそうです。なにより、そういう遊びが、他に人のこない樹林帯の中なら、誰に気兼ねすることなく、仲間内だけで思う存分楽しめるというのが魅力です。

 なんだか、また行きたくなってきたなぁ...。今回参加して、病み付きになってしまったみなさん、また行きましょうね!! それから、スノーシューイングの楽しさをまだ知らないみなさん、これは経験しておかないと、損ですよ〜!! またの機会に、みなさんのご参加をお待ちしております。

スノーシュー関連リンク―
TUBBSスノーシュー 
  今回使用したスノーシューブランド
まさかロッジ
  今回ベースにした原村のペンション。オーナーは経験豊富な登山家
G‐Outfitter
  大阪をベースに、シーカヤックやスノーシューイング、トレッキングツアーを企画しているアウトフィッター


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