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ウォーリー

愛の嵐

これは嵐シリーズの最初の作品である。 脚本のもとになったのは、「嵐が丘」である。 ただし、その時代背景場所はかなり変えてある。 場所は日本の山梨県シラベ村。話の最初は昭和の一桁の時代である。 最終的には戦後10年ぐらいまでで完了することになる。 全体の話は3つの世代に別けられる。 それぞれで、主人公に近い登場人物の成長に合わせて 俳優が変えられていた。 その対象は、ひかる、猛、文彦(ひかるの兄)、おはな(三枝家の奉公人)である。

  1. 子供時代: 各人無名の俳優である。
  2. 青春時代: ひかるは****(後の小川範子) おはなはここで登場する。けっこうちょい太り系の体格で むちむちかんがある。
  3. 本編: 猛:渡辺裕之、 ひかる:田中美佐子、 おはなは引き続き出てくるが、骨格が変わったかのように スリムになって出てくる。
ほかの主な登場人物は、 三枝伝右衛門(ひかるの親父、地主):中尾彬、 おきぬ(伝右衛門の妻)****、 大河原勇作:長塚京三、 大河原の父:犬塚弘。ぐらいであろうか。

注目すべき点

  1. 善人ぶる伝右衛門(中尾彬)
  2. 青春時代の猛役のイメージされるべき人物像と配役のギャップ (通称「まぬたけ」とよんでいた若手俳優が演じる。 のちにその撮影現場での不人気ぶりをひかる役小川範子が 某トーク番組で告白。)
  3. 日系アメリカ軍人ウォーリーのすばらしいしゃべくり。
  4. 富田章次(猛の弟子)と、平野中尉殿(いつもは悪役の人)
  5. 猛と大河原の逆転取引第一号。 屋敷を大河原から取り戻した瞬間に発した言葉、 「たけし!」
  6. 和尚の「ボルドー」の聞き間違えギャグ「ボルト」

話の流れ

少年時代

(どういう経緯かは忘れたが) その村(山梨県シラベ村)の地主三枝家の娘ひかる (年のころは7、8才ぐらいだろうか?)の危機 (なたが落ちてくる??)から救った捨て子の少年猛(たけし:同い年)は、 奉公人として三枝家に住み込みで働くようになる。 それまでは、どうしようもないぐらいのやんちゃ坊主であったが、 三枝伝右衛門の肝いりで奉公人として雇われてからは、 その態度ががらりと変わり、まじめ人間としていきて行く。

青春時代

それから数年後を経て、猛とひかるは14才になった。 猛の働きぶりは奉公人として住まわせてもらってからのままであったが、 その出会いの経緯から、ひかるが猛を愛しているために そのアクションを書けてくることがしばしばであった。 思春期ゆえの称ダウが猛にも降り懸かり、 また奉公人が雇い主(の娘)のいう ことをきくという言い訳も立つため、身分を越えた行動が目立つようになる。 もちろんひかるがそれを要求したことが発端となっているが、 それを押さえきれない思春期の猛にも原因があろう。 また、同じ奉公人のおはな(ひかるは、可愛い系であるが、こちらは肉体派) が猛に思いを寄せるなどの三角関係を繰り広げ、 それを更に引っ掻き回すがごとくに要らぬ知恵をひかるに与えたりする ひかるの兄文彦(ふたりっこである。)の存在も見逃せない。 普段の仕事においては、三枝家が主催して行っている土木工事の 現場監督を事実上まかせられるなど、その才覚を発揮していた。 それにもめげず、思いの寄せあいが続くひかると猛であった。 この部の最後にこの困難を乗り越え将来結婚することを誓い 防波堤の中ほどできキスをするのであった。 文彦といえば、上の学校には進んだものの、その金にものをいわした女遊びが過ぎ ついに1年間修行に出されてしまう始末であった。

本編

更に数年が過ぎ、ひかると猛は二十歳を回るぐらいの年になる。 時代は既に日米戦争が始まり社会に暗雲が立ち込めてくる時代であったが、 すでに伝右衛門から結婚を許され将来の期待にむね踊るひかると猛であったが、 思わぬ出来事が彼らをまっていた。 それは、ヒョンなことから始まる。 三枝伝右衛門が招待されたある華族の結婚披露宴の会場の世話をしていた、 旅館経営兼実業家の大河原勇作が、ひかるを連れ立った伝右衛門が連れ立って 挨拶しに来たときに人目惚れをしてしまったのである。 身分の違いはあった(大河原の父親(婿養子)が三枝家の小作人だった)が そのときに事業拡大の勢いが相当なものだった勇作はそれが ほとんど問題のないことに思えていた。金で何とかできるという自信があった のである。あとは、チャンスを伺うだけであったのだ。 そのチャンスはそれほど待たずに訪れた。 それは、南方に移民をする計画に三枝家が参与するということである。 当時、小作人の働き手が次々と兵役にとられていたせいもあるが、 三枝家の収入が伸ず、かつ、小作人に貧困を味わわせたくない伝右衛門は 経済的に追い込まれていたときであった。 そこにあらわれた共同での南方移民の話である。 船の調達に大きな資金がいるが、もし成功すれば小作人が南方の豊かな 収穫に恵まれ小作人自信も豊かになり、さらに本土に送り返してくる その作物で三枝家も豊かになるという非常に良い結果が返ってくるはずの計画 であった。ただし問題は、資金である。資金を調達する必要があった。 しかし、すでに担保となる物件は三枝家には限られていた。 田畑と屋敷ぐらいしかなかったのである。伝右衛門は 計画の成功を信じてそれを担保に金を借りるのであるが、 当時の戦局が相当悪かったこともあって(もちろん伝右衛門は良く知らなかった) その船は小作人とともに沈んでしまう。それに泣き叫んで悲しむ伝右衛門 であったが、それに追い討ちをかけるように借金返済、もしくは、 担保の明け渡しの請求が来る・・。しかし、借用書がなぜか大河原の手に わたっていたのである。既に計画を知って、三枝家の資金繰りが悪い ことをふまえた上の用意周到な計画に三枝家がまんまとはまったわけである。 あとは、それをねたに、つまり田畑屋敷を明け渡してもらう代わりに 嫁としてひかるをもらおうという要求を突きつける。 幾らかの抵抗があったが、結局それをのむ伝右衛門、 しかし、それまでの失敗に加えての最後の意図が切れるようなこの出来事で、 ついに彼はいきる気力を無くしてしまい、自殺してしまう。 その事実を知り、今までの正攻法的な生き方ではその敵(大河原)に対抗でき ないと悟った猛は、金儲けをしようと決意するが・・ その矢先に召集令状が届けられる。
大河原に嫁に行ったひかるは、その1年後に大本営発表のラジオで ついに猛のいるはずの部隊が玉砕したことを聞かされるのだ。

戦後、戦中にもまして勢いをました大河原家は山梨県内で実力のある企業家と なっていた。ひかるはその妻として日々過ごしていたのであるが、 戦地から引き上げてくる兵隊をみてその中に猛がいないものかと思う日々を 過ごすのである。形式的には死んだことになっている猛だが、 うわさによればそういった人たちの中にも生存者がいる、というのである。 一方、ひかるの兄文彦は東京の大学を出てから詩人を目指して 売れない出版者の仕事についていた。その中で伴侶を得ていた。 しかし、その生活は相当悪く、完全に妻のひも状態であったのだ。 精神安定剤としての酒の量も増えそれゆえに借金もするようになる。 その借金の返済の話が主なわれていたある喫茶店で、 その話がこじれ喧嘩を起こしそうになる。それを迷惑がった店主およびその雇い主 が、文彦に金を渡すのだが、どうも見覚えのある人物であった(雇い主)。 猛である。文彦に三枝家に戻ってひかるを取り戻すようにいわれるのだが、 最初猛は、それをこばむ。しかし、心底に流れる思いがそれに突っ走らせたの である。三枝家に自分の会社の事務所を構えることにした猛は、 ついに大河原に対する反逆をはじめる。 手始めに大河原勇作の妹(芦川よしみ)に近づき、相手を惚れさせ その内部情報を手にいれようとする。彼は戦争の間で知った 生き方を実践する人間になってしまっているので、冷酷にその愛情も利用するのだ。 (後に結婚までしてしまう2人であるが、最終的には別れてしまう。) その情報を利用して、彼は三枝家が戦中に大河原にされたことを逆にすることに なる。彼の資金源を立つのである。 手始めに、米軍からの物資の取引を猛の会社川端カンパニーを通す形に 変更させようとする。これは、猛の米軍将校らの人脈を使って実現した。 (この将校というのがウォーリー軍曹である。2回の放送にしか登場してないが そのインパクトは絶大である。) あとは、山梨県内の銀行筋からの資金源であるが、 これは、スキャンダルを暴露することで実現する。 大河原のやり方が暴力団を使って何とかすることが多かったことに目をつけたの である。この事実をなんとかマスコミによって報じさせることによってこれを なしとげた。その中では右腕のショウジを半殺しにされるなど犠牲者も多かったが なんとか実現する。それで、ついには大河原が降参することになる。 田畑屋敷を猛に譲り渡すことになったのである。 (この最後の書類のやり取りが、「たけし!」のシーンである。)
このあいだに、大河原家ではひかるへの風当たりが強くなっていた。 大河原勇作もその愛情が意地で維持はされていたが次第に 憎悪も増えて行く。そのような意地がない母親は、完全に憎悪だけしかなく、 いみきらうようになって行く。その中で、ひかるは勇作の子を宿すのだが、 その子供を産みことが許せなく思うようになるのだ。 それで、階段に仕掛けをつくりついに階段から転げ落ちさせることに成功する。 それでひかるは流産してしまった。 それから猛の最終計画がすすんでゆく。 それは、ひかるをとりもどすことである。問題は、勇作の意地をどう覆すかで あった。 既にそのとき勇作はほとんど首が回らなくなっていた。 事業もほぼストップし、旅館の方もほとんど倒産寸前である。 そんなおりに、猛がついに最後の手段に出る。 現なまとひかる、のどちらをとるかを迫ったのである。 大河原の家へ猛自らが出向き、500万円の現なまをおいて、 その資金を提供する代わりに、ひかると離婚することを迫るのだ。 そしてその返事を一晩待つというのである。 大河原勇作はそのとき猛の前で最後の意地を見せる。 しかし、猛が返ったあと眠りもせずぞの現なまを見つめているとその心は揺らぐ。 そんなときに、重大なことおこる。 大河原の母親がその精神的な病から新興宗教にはしっていたのだが、 その日にその儀式に入り込んでしまい、弾みで倒したろうそくの火に気付かずに 火事を起こしてしまう。 深夜ゆえにあと3人の家族は寝ていたのであるが、2人はなんとか助かった。 しかし、ひかるは寝ていた場所の関係から、自力で抜け出せないところにいる。 そこから一番近い人間といえば勇作であった。しかし、彼の目の前には 喉から手が出るほどほしい資金がある。 ほおっておけばもえて灰になってしまうだろう。 妻をとるか資金をとるか、改めて選択が迫られたのである。 彼は何をしたか。資金を鞄に詰め込んでそれを先の持ち出したのである。 それから妻を助けに行こうとしたが既に遅かった。 三枝家に帰る途中のの猛が大河原家の方が騒がし子とに気付いて 引き換えして、水を染み込ませた羽織を頭からかぶって 燃える大河原家に飛込んだのである。そこで、ひかると、大河原の母親を ついに助け出したのだった。もちろん猛はかなりのやけどの傷を負ったが。
大河原の意地はついにそれで立ちきられた。 ひかるに対する思いが既に愛情でなく、意地に過ぎなかったこということを 思い知らされたのである。 彼は、最後に猛の入院している病院にあらわれ敗北宣言をして持ち出した資金を 持って去った。もちろん敗北とはいいつつこれから先にまた会う機会があれば それはまた企業家としての敵だ、という言葉を残して。
猛が退院してから、猛とひかるはふたりしてフランスにわたることを決意する。 猛が昔夢見ていた、シラベ村を日本のボルドーにする計画の勉強をしにいこう というのである。(ここで、和尚がそれを「ボルト」と聞き間違える。) 彼らの前途を祝うように**の木が一面の花を咲き誇っていたのである。


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