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パーティがあります。あなたも一緒に行きますので、ドレスを選んでください。
朝食のときにさらりと言われた言葉に、え、いつですかと聞いたら今日ですって言われて、今日パーティですか!?と返したら、ドレスを選ぶのが、ですよ?とあきれた声。
ですよね、すみません、と頭をかいて。

好きなものを選んでください。どれでもどうぞ。小物も、すべてプレゼントしますので。
そういい残して仕事にでかけてしまった彼に、ううむ。と考える。

「というか…パーティの内容だけでも教えてもらわないと…。」
どういう雰囲気にするべきか悩むんですけど。
その上選択肢がかーなーり幅広い!!
部屋いっぱいのドレスの数に、でも、パーティまであんまり日もないし、今日中に選ばないと間に合わないわよねえ、と考えて。

まず、そう、雰囲気。…あまりに派手なのは、なし。どちらかというとシックな。暗い目の色の方がいいだろう。なんにでも対応できるように。
あとあんまり短いのもダメよねえ。でもかわいい方が好きなんだけど…うーんと。
お店の人に相談しながら、あれでもないこれでもないとうろうろ。
ある程度しぼれたところで、時計を見上げて、げ、とつぶやき、オーストリアさんいなくてよかったかも、と、苦笑した。


残ったのは、2着のドレス。
ワインレッドのドレスと、コバルトブルーのドレス。
デザインが似てる…のは好みだろうなあ。
どっちも綺麗なドレスだ。
オーストリアさんは、…黒の燕尾服だろうし。どっちでもきっと、いいと思うんだけど…。
「どちらにしようかな。」
前に並べて考えて。

どっちがいい?

コバルトブルーのドレス
ワインレッドのドレス