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「ほたる、あなたにいいバイトを探してきてあげたわ」
…とみちるさんに言われたんです。
「えっ、知事閣下のお手伝い? あたしにできるかしら」
「大丈夫よ。やさしいオシゴトもあるそうよ。志を高く持ってお仕えするのよ」
……というお話だったのに……。
「ええがな、ええがな。オシゴトなんてええがな。な、こっちでいっしょにタコヤキ食べよ。な」
「いえ、結構です…」
「遠慮することないがな。ほれ、こっちのお部屋でくつろご、な」
…知事閣下の執務室の奥には、びっくり、寝室があったんです。しかもシュミの悪いシーツの
かかった大きなベッド…いやーな雰囲気なんです。
「なんでベッドがあるかって? 決まってるがな、疲れた時に休むんや。知事は激務やさかいな。
もっともひとりじゃよお寝えへんけどな、がはは。ほら、ここに座ってな、タコヤキ熱いうちに
食べよ」
「…ご、ごめんなさい、あたしタコヤキキライなんですっ!」
あたしは悪いとは思ったけど知事閣下を突き飛ばして逃げようとした…つもりだったんです。
でも、次の瞬間、足に何かが絡み付いてあたし、倒れてしまいました。足を見るとそれって……
「きゃあっ、なにこれっ!」
知事閣下のズボンから長いタコみたいな触手が伸びて、あたしの足に巻き付いているんです。
「なんやて、嬢ちゃん、ワイのタコヤキ、キライいうんか。そら許されんで。そやな、お仕置きや」
知事閣下はみるみるうちに大きなタコのお化けになってしまいました。これは、ダ、ダイモーン!
あたしはベッドの上に投げ出されてしまいました。タコの手がするすると伸びてきてセーラー服の
上着をまくりあげてしまいます。
「おお、初々しいなあ、ええがな、ええがな」
そして、スカートの中まで…! だめっ、ちょっと…っ…
「もう観念するこっちゃ、おっちゃんにまかしとき、ぼおいふれんどなんかよりよっぽどエエ思い、
させたるで、ほんまやでえ」
ああん、もういやっ! タコなんてキライなんだからっ!
…はて… これからどうなるんだろう…。
それはネタを考えた鳳天さんにおまかせしよっと。なんでタコで、しかも関西弁なのか…それも
全てナゾでございます。