翻訳 井上雅夫 2003.07.20; 05.07.12    ↑UP  


Aimster暗号化P2P事件 控訴裁判決

2003.06.30


第7巡回区合衆国控訴裁判所

No. 02-4125
AIMSTER著作権事件
被告JOHN DEEPによる控訴

原審:イリノイ北部地区東支部合衆国地方裁判所
(No. 01 C 8933−Marvin E. Aspen裁判官)

2003年6月4日口頭弁論−2003年6月30日判決

 POSNER、RIPPLE、及びWILLIAMS巡回裁判官


 POSNER巡回裁判官。 ポピュラーミュージックの著作権者らが、John Deep及び彼によって管理されている会社に対して、別々に審理する必要のない、多数の極めて関連した訴訟を提起し、それらの訴訟は併合され、複数地区訴訟陪審団によるイリノイ北部地区地方裁判所に移送された。多数の原告ら(彼らはアメリカのポピュラーミュージックの実在するほとんどの著作権を有していると見られる)は、Deepの「Aimster」インターネットサービス(最近「Madster」に改名された)は原告らの著作権の寄与及び代位侵害者であると主張している。地裁裁判官は、本案訴訟が最終的に解決されるまでAimsterサービスを閉鎖する効果を有する幅広い仮差止を登録し、Deepは控訴した。Aimsterは、ポピュラーミュージック(そのほとんどが著作権で保護されている)のデジタル複製物をインターネット上で交換可能にしているとして訴えられた企業(以前のNapsterが最も知られている)の一つである。(For an illuminating discussion, see Tim Wu, “When Code Isn’t Law,” 89 Va. L. Rev. 679 (2003), esp. 723-41; and with special reference to Aimster, see Alec Klein, “Going Napster One Better; Aimster Says Its File-Sharing Software Skirts Legal Quagmire,” Wash. Post, Feb. 25, 2001, p. A1.) 説明を簡単にするために、我々は控訴人を「Aimster」と呼び、被控訴人ら(原告ら)をレコード産業と呼ぶ。

 インターネットにアクセスするティーンエージャー及び若者はポピュラーミュージックを含むコンピュータファイルを交換することが好きである。その音楽が著作権で保護されている場合は、その音楽のデジタル複製物を作り送信することを含むそのような交換は著作権を侵害する。著作権を無視し、より一般的には蔑視し、いずれにしても、著作権侵害で訴えられる可能性を度外視している交換者らは直接侵害者である。しかし、彼らの侵害を可能としている会社は、会社自体はシェアされている音楽の複製物を作っていないから侵害していないとしても、寄与侵害者として著作権者に対して責任を負うことになる。著作権者が多数の個々の侵害者を提訴することが実行不能又は無駄な努力であることを認識し(「個々の消費者を追いかけることは時間を食い、また、海のような問題に対する一さじ分の解決策である」、Randal C. Picker, “Copyright as Entry Policy: The Case of Digital Distribution,” 47 Antitrust Bull. 423, 442 (2002))、その代わとして、法は著作権者が侵害寄与者を補助者及び教唆者として訴えることを事実上許している。類似するもののもう一つは契約の故意の妨害、すなわち、契約違反惹起の不法行為である。See, e.g., Sufrin v. Hosier, 128 F.3d 594, 597 (7th Cir. 1997). もし、契約違反(著作権ライセンスは正に契約の一種である)が第三者によってなされる行為によって最も効果的に防ぐことができる場合は、契約違反をした当事者ばかりでなく、その第三者に対して、違反の結果に対する責任を課す法的メカニズムを有することは意味のあることである。

 地裁裁判官は、レコード産業は本案訴訟において本件がトライアルに進むべきかについて勝ちそうであることを証明したと判示した。寄与侵害ばかりでなく代位侵害についてもそのように判示した;我々はよりよく知られた責任である前者から始めることとする。

 Aimsterシステムは次の基本的な構成要素を有している;Aimsterのウェブサイトから無料でダウンロードできる所有権のあるソフトウェア;そのウェブサイトをホスティングしユーザから得られた情報を収集しまとめるが交換されるファイルを複製せず以下に示すマッチングサービスを提供するAimsterのサーバ(サーバは他のコンピュータ(本件においてはAimsterのユーザによって所有又は利用されるパソコン)にネットワークを介してサービスを提供するコンピュータである);コンピュータファイルを交換するためにソフトウェアを使用する方法をユーザに教えるコンピュータ化されたチュートリアル;及びDeepによって所有される関連するインターネットサービスである「クラブAimster」(Aimsterのソフトウェアのユーザが料金を払って加入でき「トップ40」ポピュラーミュージックファイルを無料の基本サービスよりも簡単にダウンロードできる)。「Aimster」においては、「AIM」はAOLインスタントメッセージサービスを表す。Aimsterユーザは両方がオンラインでインスタントメッセージサービスで利用できるチャットルームに接続している時だけファイルを交換できるから、Aimsterは(AOLの最も人気のある)そのサービスのユーザだけが利用できる。

 最初にファイルを交換するためにAimsterの基本サービスを使用する者はAimsterのウェブサイトからソフトウェアをダウンロードし、その後、ウェブサイトでユーザ名(実名である必要はない)とパスワードを入力することによってシステムに登録する。そうした後、彼は他の登録者を「仲間<buddy>」として指名することができ、彼の通信文(実際のeメールである)に仲間とシェアしたいファイルを貼り付けてオンライン状態の全ての仲間と直接通信することができる。全ての相互の通信はウェブサイトから無料でダウンロードできるソフトウェアパッケージの一部であるAimsterが供給する暗号化ソフトウェア手段により送信者によって暗号化され、同じAimsterが提供するソフトウェアパッケージを使用して受信者によって復号化される。そのユーザが仲間を指名しない場合は、Aimsterシステムの全ての利用者が彼の仲間になり、誰にでも送信し誰からでも受信することができる。

 ユーザは彼らのコンピュータにシェアしたいコンピュータファイルを登録する。(ユーザは個々に登録する必要はなく、コンピュータ内にシェアしようとするファイルを含むフォルダを指定するだけでよい。)ファイルをコピーしたいユーザはオンライン状態にして、彼の「検索」フィールドの中に彼が望むファイルの名前をタイプする。Aimsterのサーバが、オンライン状態でシェアファイルを検索できるユーザのコンピュータを検索し、要求されたファイルを見つけると、サーバはそのファイルを格納しているコンピュータにインターネットを介してそのファイルを
受信者に送信するよう指令する。一度彼がこれを行うと、彼は、もし望めば、そのファイルをAimsterシステムの他のユーザとシェアすることができる。それゆえ、原理的には、ただ1枚のCDの購入によって、数日あるいは数時間以内に、CDに記録された音楽の数百万の同一の、ほぼ完全な(使用された圧縮フォーマットに依存する)コピーを配布することができるだろう − このゆえにレコード産業のファイルシェアサービスに対する心配の種はポピュラーミュージックの消費者なのである。しかし、Aimster自身のサーバ上ではなく、ユーザのコンピュータ内の曲のコピーであるから、Aimsterはこれらの曲の著作権の直接侵害者ではない。Aimsterの機能は、交換されるもの(株式)の貯蔵所ではなくマッチングを提供する施設である株式取引所の機能に類似している。しかし、株式取引所における取引とは違い、音楽ファイルにおいては達成された「取引」はその設備、すなわち、Aimsterのサーバ内では行われない。

 我々がここまで述べてきたのは、ビジネス会社の従業員間の秘密のビジネスデータの迅速な交換のような無害の目的のために作られたかもしれないインターネット・ファイルシェアシステムの一種である。See Daniel Nasaw, “Instant Messages Are Popping Up All Over,” Wall St. J., June 12, 2003, p. B4; David A. Vise, “AOL Makes Instant-Messaging Deal,” Wash. Post, June 12, 2003, p. E5. 著作権者の許諾又はフェアユース特権なしに著作物がそのようなシステムのユーザ間でたまにシェアされているかもしれない事実はその会社を寄与侵害者にはしないであろう。他の状況では、Aimsterがその上に乗っているAOLのインスタントメッセージシステムは寄与侵害者と見なされるかもしれない。AOLの多数の利用者が転送する添付物のいくつかは著作権で保護されていることは疑いがなく、そのような配布は著作権者による許諾がなければ侵害であるからである。最高裁はSony判決において、実際にその製品(その事件においては、テレビ番組をテープに録画するための装置、現在のビデオカセットレコーダになる前の装置)でなされた使用のいくらか<some
>が侵害しているというだけで、かなりの非侵害使用<substantial noninfringing uses>を有する製品の製造者は寄与侵害者ということはできないことを明確にしている。Sony Corp. of America, Inc. v. Universal City Studios, Inc., 464 U.S. 417 (1984); see also Vault Corp. v. Quaid Software Ltd., 847 F.2d 255, 262-67 (5th Cir. 1988). 最高裁が判示したどれだけ多くが当事者らを分かつ主要な論点であろう;そして我々に、最高裁がその最後の言葉を述べなければならなかった過程を認識しながら、それを分析する試みをさせただろう<How much more the Court held is the principal issue that divides the parties; and let us try to resolve it, recognizing of course that the Court must have the last word.>。

 SonyのBetamaxビデオレコーダは、Sonyが十分に気づいていたように、3つの主要な目的のために使用された(4つ目は、コピーに関係ないホームムービーを上映すること)。第1は、多数意見が強調したが、タイムシフト、すなわち、Betamaxの所有者にとって都合の悪い時間に放送されるテレビ番組を後で都合の良い時間に見るために録画することである。第2は「ライブラリの作成」、すなわち、永久に保有するために番組をコピーすることである。第3はコマーシャルのスキップである。見る前に番組をテープにとり、その後、コマーシャルをスキップするために早送りボタンを使用してそのテープを見ることである。第1の使用は、番組の視聴者を増大させるから、フェアユースである(それゆえ侵害ではない)と最高裁は判示した。第2及び第3の使用に関係するコピーは、コピーされた番組が著作権で保護されていれば、テープにとることが著作権者によって許諾されていない限り、疑いもなく侵害である − しかし全てがどちらかのカテゴリーに入るわけではない。この条件に従うと、テープでとった番組のライブラリを作ることは、公共の図書館から著作権で保護された本を借り、自分の個人的なライブラリのためにそれをコピーし、オリジナルを公共の図書館に返すことと等価であるから、侵害である。第3の使用(コマーシャルのスキップ)は許諾されない派生作品を作ることになる、 see WGN Continental Broadcasting Co. v. United Video, Inc., 693 F.2d 622, 625 (7th Cir. 1982); Gilliam v. American Broadcasting Cos., 538 F.2d 14, 17-19, 23 (2d Cir. 1976); cf. Ty, Inc. v. GMA Accessories, Inc., 132 F.3d 1167, 1173 (7th Cir. 1997), すなわち、「無料の」テレビ番組は広告主によるコマーシャルの購入を財源としているから、コマーシャルなしのコピーは著作権者の収入を減少させるだろう。

 したがって、ビデオレコーダは侵害及び非侵害使用が入り混ざって使用されており、最高裁は、Sony が一度レコーダを売ってしまうと、レコーダの使用に対するあらゆる支配を失うから、Sonyがそれを分離することはできないと考えた。Sony Corp. of America, Inc. v. Universal City Studios, Inc., supra, 464 U.S at 438. 最高裁は次のように判示した、「コピー装置の販売は、その製品が適法で反対できない目的のために広く使用されていれば、他の主要商品の販売と同じように、寄与侵害を構成しない。実際に、かなりの非侵害使用ができることが必要であるに過ぎない。それゆえ、問題はBetamaxが商業的に相当な<significant>非侵害使用が可能であるかどうかである。この問題を解決するために、我々は、その装置の全ての異なった潜在的な使用を検討し、それらが侵害を構成するだろうかどうかを決定する必要はない。むしろ、我々は、地裁で認定された事実に基づき、それらの相当な数<significant number
>が非侵害であるかどうかを検討することだけを必要とする。さらに、本件を解決するために、我々は、どれだけ多くの使用が商業的に相当なものである<significant>かの問題に詳細な内容を与える必要はない。Betamaxの一つの潜在的な使用(どのように理解されるとしても、家庭内の私的、非商業的タイムシフト)がこの基準を満たすからである。」Id. at 441.

 本件において、レコード産業は、たった今引用された節及び最高裁の意見の他の節の中の「主要商品」への参照を強調し(see id. at 440; cf. 35 U.S.C. § 271(c))、著作権者がビデオレコーダに対する独占のために彼らの著作権の独占権をテコとして使用することを試みているという最高裁の明白な懸念も同様に強調し、Sony Corp. of America, Inc. v. Universal City Studios, Inc., supra, 464 U.S at 441-42 and n. 21、また、Sonyが一度売った後はそのレコーダの侵害使用をSonyが防ぐことができないことも述べて、サービスに対しては
Sony事件は当てはまらないと主張する。レコード産業は、サービスに関しては単にプロバイダが著作権を侵害するために使用されていることを知っているかどうかをテストするだけでよいと主張する。レコード産業は、サービスのプロバイダは、製品の販売者とは異なり、その消費者と継続的な関係を有しており、それゆえ、サービスの消費者の使用をモニタし消費者が侵害していることを発見した場合はサービスを終了することにより、消費者の著作権侵害を防ぐ、又は少なくとも制限することができるはずであると指摘する。早送り機能を除去することによって、又は、反対意見で提案されたように、id. at 494、Betamaxが番組を録画できないようにするために放送局が信号をスクランブルできるようにすることによって(そういうことならついでに、録画機能なしで、プレー機能だけを有するように設計することができただろう)、Sonyは侵害の可能性を減少させるであろう方法でビデオレコーダを設計することができただろうが、多数意見はこれらの可能性を審理しておらず、我々は、サービスプロバイダがその利用者の侵害を防ぐ能力はそのプロバイダが寄与侵害者であるかどうかを決定するために考慮されるべき要素である点で、レコード産業に同意する。本意見中で後述するように、議会はデジタルミレニアム著作権法においてそのように認識した。

 しかしながら、レコード産業が信じる管理要素は必要ではない。あるサービスが、AOLのインスタントメッセージサービスのように、侵害と非侵害の使用の両方を助長し、侵害使用の検知と防止が極めてやっかいである場合は、レコード産業が求める裁判所の決定は(Sony事件の明確な趣旨とは反対に)サービスの停止又は著作権者によるそのサービスの併合をもたらすことになるだろう、なぜなら、プロバイダにとって著作権者への潜在的な損害賠償責任を評価することは不可能に見えるかもしれず、とにかく差し止めされるリスクに直面するからである。レコード産業の主張が受け入れられるとすればAOLのインスタントメッセージサービスを危うくするであろう事実(そのサービスはデジタルミレニアム著作権法に基づくシェルタを見つけることができるかもしれない−しかし、問題はチャットルームのビジターに暗号化オプションを提供するAOLの意志(後述する)によって複雑となる)は驚くべきものであるだけでなく、逆説的である、なぜなら、Warner Brothers Records及びAtlantic Recording CorporationのようなAOLの親会社(AOL Time Warner)の子会社が本件の原告らに入っており、音楽チャットルームはAOLのインスタントメッセージサービスによって提供される機能であるからである。

 また、レコード産業の書面に記載されているように、「製品が侵害目的のために使用され得ることを単に証明する以上」のものがある場合は、Sony事件は寄与侵害の責任に対していかなる防御も提供しないというレコード産業の主張を、我々は拒絶する。多数意見においては、その事実は軽視されているが、Betamaxが非侵害目的ばかりでなく侵害目的のためにも使用されていることは明らかであるが(多数意見はBetamaxのユーザの25%がコマーシャルを早送りしていることを認識していた、id. at 452 n. 36)、それでもSonyは寄与侵害者とは認定されなかった。最高裁は、新しい技術手段によってなされる侵害を、非侵害消費者にその技術の利益を与えないという犠牲をはらって、防止することを著作権者に許すのを望んでいなかったのである。それゆえ、我々は、第9控訴裁がA&M Records, Inc. v. Napster, Inc., 239 F.3d 1004, 1020 (9th Cir. 2001)事件で特定の侵害使用を実際に知っていることが助力者を寄与侵害者とみなす十分な条件であることを提案している点で誤ったというGoldstein教授に同意する。2 Paul Goldstein, Copyright § 6.1.2, p. 6:12-1 (2d ed. 2003)

 レコード産業のSony判決への敵意は、インターネットにより可能とされた音楽著作権侵害の量を考えれば、理解できるし、明白でもある − レコード産業は書面において特定の事実についての判示を制限する5つの理由を提議している。しかし、それは誤った裁判所において述べられたことである。

 しかしながら、同時に、我々は、レコード産業が勝つためにはAimsterのサービスが促進しているコピーの結果として実際に金銭的損失を受けていることを証明しなければならないというAimsterの議論を拒絶する。Sony事件で最高裁が原告らはBetamaxからかなりの被害を受けていることを証明できなかったことを強調しているのは事実である。Id. at 450-54, 456. しかし、最高裁はテレビ番組のタイムシフトは侵害というよりもフェアユースであるという議論を評価する文脈でそうしたのである。タイムシフトがフェアユースであることの一つの理由は、最高裁によれば、著作権者の番組の視聴者を増加させるから、著作権者を傷つけないということである。しかし、侵害を証明することができる著作権者は侵害が金銭的損失を引き起こしていることを証明する必要はない。そのような証明なしに著作権者は補償的損害賠償金を得ることはできない;しかし、物の財産の所有者が侵害が金銭的損害を引き起こすことを証明することなしに侵害者に対して差止を得ることができるのと同じように、著作権者は制定法上の損害賠償金又は差止を得ることができる。

 真実であるのは、供給者が侵害使用ばかりでなく非侵害使用もある製品又はサービスを提供する場合は、これらの使用のそれぞれの大きさの評価が寄与侵害の認定に必要であるということである。費用−効果トレードオフをSonyに好意的に決めた最高裁の行動は、ビデオレコーダの主な使用がテープでとったテレビ番組よりも購入又はレンタルのホームムービーを人々が見ることができることであることが後にわかった時に、先見の明があるように見えるようになった。(Sony事件が判決された1984年には、産業界はタイムシフトと比較して録画済みテープのための需要がどれほど大きいかについて確信がもてなかった。最初のBetamaxは1時間テープをプレイできたが、それはほとんどのテレビ放送には十分であるが映画には短すぎた。Sonyの競争者はVHSフォーマットを使用した。VHSは遅れて発売されたがより長いプレイ時間であり、これにより最終的にVHSがBetamaxに置き換わった。)このように巨大な新しいマーケットが映画産業のために開けたのである − ついでながらこれが実際の非侵害使用ばかりでなく潜在的な使用に最高裁が重きを置いたことの肝心なところである。しかし、損益のバランスは現在又は将来におけるかなりの非侵害使用が証明される場合においてのみ必要である。

 また、最高裁がSony事件において侵害使用を「推論的に知っていること」だけでは寄与侵害には十分ではない(464 U.S. at 439)と述べており、かつAimsterのサービスの暗号化機能によってDeepが彼のシステムのユーザによってコピーされた曲が何かを知ることができないから、寄与侵害責任に必要とされる侵害使用を知っていることの要件をDeepは欠いているというAimsterの主張も拒絶する。一般の法におけるのと同様に、See, e.g., Louis Vuitton S.A. v. Lee, 875 F.2d 584, 590 (7th Cir. 1989)(寄与商標権侵害)、(被告が直接侵害を知っているべきであったことが実際に十分満たしている場合、Casella v. Morris, 820 F.2d 362, 365 (11th Cir. 1987); 2 Goldstein, supra, § 6.1, p. 6:6)、著作権法において意図的な無知は知っていることである。いかがわしい取引に関係していることを知っていて、又は強く感じていて、その取引の性質及び程度について完全又は正確には知らないようにする者は、犯罪的意図を有していると判断される、United States v. Giovannetti, 919 F.2d 1223, 1228 (7th Cir. 1990)、なぜならば、有罪であることを知るのを避ける故意の努力は、犯意<a guilty state of mind>を立証するために法が必要とすることそのものであるからである。United States v. Josefik, 753 F.2d 585, 589 (7th Cir. 1985); AMPAT/Midwest, Inc. v. Illinois Tool Works Inc., 896 F.2d 1035, 1042 (7th Cir. 1990)(「知っていることと、うすうす気づいているから知りたくないことは 、同じ精神状態<the same state of mind>ではないとしても、同程度の責任であろう」)。「United States v. Diaz, 864 F.2d 544, 550 (7th Cir. 1988)事件において、麻薬売買人である被告は」、時々は実際の引き渡しの現場にいないことによって、また、時々は彼の車のボンネットの下でやきもきしていることを装うことによって、実際の麻薬取引であることを知っていることを否定できるように麻薬取引から自分を遮断「しようとした」。彼はその策略によって責任から逃れることはできない;Deepも、事件があることを確実に強く感づいていること(彼のサービスの利用者、おそらく彼のサービスの利用者の全てが著作権侵害者であること)を暗号化ソフトウエアを使うことによって知ることを防ぐことによって、責任から逃れることはできない。

 これは、暗号化インスタントメッセージサービス又は暗号化ソフトウェアが、その買い手が著作権を侵害するためにそのサービスを使用するとすれば、一般的な秘密と同様に暗号化は不法な取引を促進するというだけで、それ自体によって寄与侵害であるということではない。(「暗号化<Encryption>」はギリシャ語の隠蔽<concealment>からきている。)暗号化はプライバシーを促進し、プライバシーは、社会的なコストの源にもなるが、社会的に利益のあることである。「AOLはAIM [AOL Instant Messaging]の暗号化バージョンのテストを始めた。暗号化はいくつかの産業又は連邦機関においてIMの広範囲な採用のために重要であると考えられている。」Vise, supra. 我々のポイントは、そのサービスが使用される不法な目的を実際に知ることから自分自身を遮蔽するために暗号化を使用することによって、
そうでなければ寄与侵害者になるであろうサービスプロバイダが、責任の免除を受けることはできないということだけである。

 また、我々は、最高裁が、我々がすでに引用したSony事件の意見の長い一節の中で、実際と潜在的な非侵害使用とを区別しているから、Aimsterが寄与侵害責任を逃れるために立証しなければならないことはファイルシェアシステムが非侵害の方法で使用することができることだけであるというAimsterの主張にも同意しない
(非侵害の方法で使用することができることは明らかである)。その法に基づくとしたならば、原理的に非侵害使用はできるが、著作権侵害を促進するためだけに使用される製品又はサービスの販売者は寄与侵害責任から免責されるであろう。それは極端な結果であり、Sony事件の多数意見によって描かれたものではないであろう。そうでなければ、多数意見が、Sonyは著作権を侵害することをBetamaxの使用を広告で奨励していないという事実(少なくとも多数意見はそれを事実と考えたが、反対意見は同意しなかった、464 U.S. at 458-59)を強調する必要はなかったであろう。Id. at 438. また、最高裁は、Betamaxは「主に」タイムシフト(最高裁がフェアユースと考えた例のもの)のために使用されていると述べることも重要であるとは考えなかったであろうし、id. at 421; see also id. at 423、原告らは著作権で保護されたテレビ番組の全体の量の中のわずかな割合だけを所有し、どれだけ多くの他の著作権者が家庭での録画に異議を唱えるかどうか明らかでないと述べることも重要であるとは考えなかったであろう。Id. at 443; see also id. at 446.

 寄与侵害の刑事的な対応物である幇助と教唆の法の中に類似物がある。セクシーなドレスの商人は、彼の顧客の何人かが売春をしていることを知っている(誰かさえ知っているかもしれない)としても、売春の幇助及び教唆について有罪ではない。See United States v. Giovannetti, supra, 919 F.2d at 1227; People v. Lauria, 59 Cal. Rptr. 628 (App. 1967); Rollin M. Perkins & Ronald N. Boyce, Criminal Law 746-47 (3d ed. 1982). 彼の行為及び同様な販売者の行為が実際に売春を奨励している程度は、彼に売春のリスクを課す社会的なコストにわずかにしか関係していないように思われる。しかし、マッサージはできるが、実際はセックスだけを売り客にマッサージを行わないことを知って女性を雇っているマッサージ店のオーナーは、売春の幇助者及び教唆者である(ぽん引き又は売春宿経営でも有罪である)。See United States v. Sigalow, 812 F.2d 783, 784, 785 (2d Cir. 1987); State v. Carpenter, 701 N.E.2d 10, 13, 18-19 (Ohio App. 1997); cf. United States v. Luciano-Mosquera, 63 F.3d 1142, 1149-50 (1st Cir. 1995). セクシーなドレス事件は、Sony事件に対応し、Sony事件と同様に、非侵害使用ができるが実際は侵害だけに使用される製品又はサービスの販売者に責任を課すマッサージ店事件のような事件と矛盾するものではない。レコード産業とっては、一つの知られた侵害使用は寄与侵害者の烙印である。この業界のAimsterにとっては、一つの非侵害使用が責任の完全な免除を提供する。どちらも正しくない。

 これらの受け入れがたい両極の間にAimsterのサービスを位置づけるために、我々はもう少し述べる必要がある。Aimsterソフトウェアの使い方の説明として、チュートリアルはファイルシェアの唯一の例として著作権で保護された音楽(Aimsterのユーザによって侵害されているとレコード産業がAimsterに指摘した著作権で保護された音楽を含む)のシェアを記載している。そのチュートリアルは、Sony事件では見あたらないと最高裁が認定した侵害の勧誘である。加えて、クラブAimsterの会員になると、会員は1月4.95ドルの会費で、Aimsterユーザによって最もよくシェアされている音楽を1クリックでダウンロードでき、それらの音楽は原告らが著作権を有する音楽であることが分かる。Aimsterのソフトウェアは無料で利用でき、Aimsterはそのウェブサイトで広告を販売していないから、クラブAimsterの月会費はAimsterが資金を調達する唯一の手段であり、そうであるから、そのクラブをフリーソフトウェアの提供から分離することはできない。そのクラブの会員がクラブのウェブサイト上の曲名の次の「プレイ」の上でクリックすると、AimsterのサービスはオンラインのAimsterユーザのコンピュータをその曲をシェア可能であるとリストした者を見つけるまでサーチし、その後、そのファイルをそれを選択したクラブ会員のコンピュータに転送させる。クラブAimsterは会員の中で現在最も人気のある40曲だけをリストする;いつも、これらは著作権で保護されたものである。

 我々が要約した証拠は、Aimsterシステムのかなりの非侵害使用の可能性を排除するものではないが、証拠は、特に即決の性質を有する仮差止手続きにおいては、Aimsterのサービスがかなりの非侵害使用を有していることを証明する立証責任をAimsterに転換するに十分である。(仮差止手続きにおける立証責任の転換に関しては、see FTC v. University Health, Inc., 938 F.2d 1206, 1218-19 (11th Cir. 1991); cf. Johnson v. Cambridge Industries, Inc., 325 F.3d 892, 897 (7th Cir. 2003); SEC v. Lipson, 278 F.3d 656, 661 (7th Cir. 2002); Liu v. T & H Machine, Inc., 191 F.3d 790, 795 (7th Cir. 1999).) 証拠の要約は以下のようになるであろう:
1.全てのポピュラーミュージックが著作権で保護されているわけではない。著作権が満了した音楽(音楽交換に興味をもつティーンエージャーや若者が興味をもつものは多くはないが)は別にして、新しく始めたバンドやパフォーマーは、彼らの音楽がプレイされるのを促進し、後に作る作品では顧客にすることができることを希望して、著作権を放棄するかもしれない。

2.ダウンロードだけでアップロードしない者(それゆえ純粋のフリーライダーとして行動している者)はあまり評判のよいものではないだろうから、音楽ファイル交換サービスは、レコードを音楽交換コミュニティにおける通貨として使用されることを可能とすることによって、レコードの価値を増大させるかもしれないであろう、。

3.Aimsterのソフトウェアのユーザは、ポピュラーミュージックについての著作権で保護されていない情報を交換するため、あるいは、仲間が親密になるに従い完全に無関係なことについてアイディアや意見を交換することのために、(全ての者と区別して)選択した「仲間」グループを構成するかもしれないであろう。提供又は要求する音楽ファイルのリストを伴うチャットルームのメッセージのいくつかは音楽に関する情報や意見を含んでいる;その限りで、当事者らによって指摘されていないが、侵害に付随したものではあるが、いくらかの非侵害使用がAimsterのサービスでなされている。

4.Aimsterのユーザは、著作権で保護された音楽ではなく、友情が深まるにつれて、いかがわしいが著作権で保護されていない写真、又はわいせつなジョーク、又は秘密にしておきたいその他の表現形式を交換したいと判断するかもしれないから、暗号化機能をありがたく思うかもしれないであろう。

5.特に気に入ったポピュラーミュージックCDを持っているが、それを彼のコンピュータにダウンロードしてはいない者が、町の外でそのCDを聞きたいがラップトップだけしか持っていないことに気づき、Aimsterのサービスを使ってコピーをダウンロードするかもしれないであろう。これは、Sony事件でフェアユースと認められたタイムシフトと類推することによって、著作権侵害というよりもフェアユースであるかもしれないであろう。Recording Industry Ass’n of America v. Diamond Multimedia Systems, Inc., 180 F.3d 1072, 1079 (9th Cir. 1999); cf. Vault Corp. v. Quaid Software Ltd., supra, 847 F.2d at 266-67. A&M Records, Inc. v. Napster, Inc., supra, 239 F.3d at 1019事件では、Napsterのシステムはダウンロードする者がCDを所有している音楽のダウンロードだけに制限していないから、この類推は回避された。UMG Recordings v. MP3.com, Inc., 92 F. Supp. 2d 349 (S.D.N.Y. 2000)事件では、この類推は拒絶された、その根拠は、被告のサーバ上のコピーは許諾されていない二次的な作品であるということである;よりしっかりした根拠は、Sony事件におけるタイムシフトに関する対応する主張の拒絶に照らして、顧客がダウンロードしたい音楽を含むCDを持っていることをその顧客が「証明」することを要求する被告の方法があまりにもいい加減であったことであろう。
 Aimsterのサービスの実際の又は疑わしい非侵害使用に関する我々の5つの例示の全ては起こりうることではあるが、我々の前述の検討から明らかであるように、問題はそれらがどれだけありそうかということである。我々がすでに述べたように、製品又はサービスが、Aimsterがそうであるように、非侵害使用を物理的に可能とするものであることでは、十分ではない。Aimsterは、そのサービスがいつも<ever>非侵害使用のために使用されてきたことの証拠を提示することができず、もちろん、そのような使用の頻度に関する証拠も提示できなかった。地裁裁判官の言葉によれば、「本件の被告らは、Aimsterが実際にはっきりした非侵害目的の何かのために使用されているという証拠は(Deepの実証されていない陳述書のほかには)全く提出していない。現実のAimsterユーザのそのシステムの主な使用が、彼らの友達に非著作物ファイルを転送すること、あるいは、同じような興味をもつユーザを見つけ情報を共有すること、であることを示すものがないのである。一人のネットワーク管理者を除き、一つの会社でさえDeepが提案するようにAimsterを会社の記録の交換のために使用していることを示すものはないのである。」In re Aimster Copyright Litigation, 252 F. Supp. 2d 634, 653 (N.D. Ill. 2002) (emphasis in original). 我々はそのような証拠は存在しないことを本控訴を判断する目的で事実であると考えなければならない。;その不存在は、レコード産業が提出した証拠と合わせて、レコード産業が正式なトライアルにおいて寄与侵害の争点で勝つであろうという地裁裁判官の結論を支持している。Aimsterは、そのサービスが原告らの著作権を侵害する以外の目的のためにいつも使用されていることを証明できなかったから、Napsterのようなサービスによるレコード産業の収入への最終的な結果の問題(今までのところは未解決である、see Wu, supra, at 708 and nn. 95 and 98)は本件には無関係である。もし、寄与侵害を疑われるサービスの唯一の結果が著作権侵害を可能とすることであるとすれば、結果として生じる損失の程度は、最終的な損失があるかどうかさえ、責任とは無関係となる。

 さらに、インターネット・ファイルシェアサービスの非侵害使用が存在する場合であっても、侵害使用がかなりのものであるなら、寄与侵害者としての責任を回避するためには、そのサービスのプロバイダは、侵害使用を実質的に除去又は少なくとも減少させることが不相応なほど費用がかかることを立証しなければならない。Aimsterは、サービスプロバイダ自身に対して効力のある暗号化機能の提供がそのサービスに重要な価値を加えている、あるいは、著しく費用を節約していることを示す証拠を提出していないから、その立証もできていない。Aimsterは、そうすることによってSony判決の判示のなかに入ることを希望して、目をつぶっているのである。

 Aimsterは地裁裁判官が証拠調べ審尋<an evidentiary hearing>を開くことを拒絶したことについて不服を申し立てている。しかし、その拒絶はTy, Inc. v. GMA Accessories, Inc., supra, 132 F.3d at 1171 (citations omitted)事件における我々の判断と一致している。その事件において、我々は、「もし重要な事実についての本物の争点が仮差止申立に対する答弁によって作り出されたものであるのであれば、証拠調べ審尋は実際に必要とされる。しかし、一方の当事者が証拠調べ審尋を求めるあらゆる事件と同様に、その当事者はその争点が実際に本物で重要であり、そうであるから審尋が実りあるものであることについて裁判所を説得することができなければならない − 換言すれば、もし本当だとすれば、差止を行うかどうかに関する裁判官の判断に影響があるほど、差止の申立人の立場を弱めることを示す証拠を保有し、提出を意図していることをしめさなければならない。」と説示した。Aimsterは、暗号化を提供することによって証拠を得るためのサーチを妨害した。Aimsterは自分が加えた損害に対して責任を取らなければならない。

 本控訴で提出された第2の争点については、我々は、本件においてトライアルが行われるとすればレコード産業は代位侵害の争点においても勝ちそうである点について地裁裁判官ほど確信していないが、我々は本控訴を判断するために我々の疑念を解決しなければならないというわけではない。一般に、「代位侵害」は使用者のように上に立つ者がその代理人<his agent>、例えば従業者が仕事の過程でなした不法行為のために取る責任に関するものである。Aimsterのシステムを著作権を侵害するために使用するティーンエージャー及び若者はもちろんAimsterの従業者ではない。しかし、代位責任の主な論理的根拠の一つ、すなわち金のなさそうな従業者から効果的な救済を得ることの困難性(Alan O. Sykes, “The Economics of Vicarious Liability,” 93 Yale L.J. 1231, 1241-42, 1272 (1984))によって、著作権の分野では、唯一の効果的な救済が直接侵害者に関係を持ち従業者の上に立つ者の関係に類似する者から得られる場合に拡張された。See 2 Goldstein, supra, § 6.2, pp. 6:17 to 6:18. 標準的な例証は、著作権で保護された音楽を許諾を得ずに時折演奏するダンスバンドを雇ったダンスホールのオーナーである。そのバンドはダンスホールの従業者ではないが、実際上の問題として、著作権者が侵害しているバンドを特定し法的救済を得るのは不可能であり得るのに対して、ダンスホールが侵害演奏を防ぐ又は少なくとも制限することは完全に実行できる得ることである。そしてそうであるから、これを行うために合理的な努力をしないダンスホールは代位侵害者として責任を有する。
Dreamland Ball Room v. Shapiro, Bernstein & Co., 36 F.2d 354, 355 (7th Cir. 1929), and other cases cited in Sony Corp. of America, Inc. v. Universal City Studios, Inc., supra, 464 U.S. at 437 n. 18; 2 Goldstein, supra, § 6.2, pp. 6:18 to 6:20. 恐らく、ダンスホールは寄与侵害者として記述することができるであろう。しかし、寄与侵害者は、彼が奨励した侵害から直接的に利益を得る者と考えられており、バンドが著作権ロイヤリティを支払わず、他より安い費用しかかからないとすれば、ダンスバンドは競争上より安い演奏料をダンスホールに請求するという範囲で利益を得るてはいるが、ダンスホールは奨励した侵害から直接的に利益を得ている者であるというのは適切な記述であるようには見えない。

 代位責任論がどこまで拡張するのかは明確ではない。Sony事件自体の中で、著作権で保護されたテレビ番組のプロデューサがコマーシャルを消すためにSonyのビデオレコーダの早送りボタンを使用し著作権者の収入を減少させた視聴者を訴えるのは実行不可能であるが、Sonyは、我々がすでに指摘したように、設計変更によって侵害の起こりやすさを減少させることができたであろうという理由で、代位責任論はたぶん適用され得たであろう。しかし、最高裁は、代位及び寄与侵害を交換可能に扱い(see id. at 435 and n. 17)、Sonyは代位侵害者でもないと判示した。暗号化機能を除去し、システムでなされている使用をモニタすることによって、AimsterはSonyのように侵害の量を制限することができたであろう。Sony事件の結果にかかわらず、そうしなことがAimsterを代位侵害者とするかどうかについては判断を示す必要がない<academic>[訳注:academic question:抽象的問題、仮定の問題、moot になった(争訟性を喪失した)問題など、具体的事件の解決に関係がないとして、裁判所が判断を示す必要がないとされる論点((財)東京大学出版会、英米法辞典、Systemsoft)];そのシステムが著作権を侵害するために使用されている程度を知ることを現実逃避者のように拒絶することは[代位侵害者ではなく]寄与侵害者であることのもう一つの証拠であるに過ぎない。

 次に我々はオンライン著作権侵害責任制限法、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)第2編、17 U.S.C. § 512; see 2 Goldstein, supra, § 6.3、に基づくAimsterの抗弁について検討する。DMCAはいわゆるデジタル革命によって引き起こされた特別な問題を扱おうとする試みである。問題の一つはAOLのようなインターネットサービスプロバイダは、利用者間のファイル交換の結果として著作権侵害責任を追及されやすいことである。DMCAはNapster型サービスを念頭において可決されたものではないが、サービスプロバイダの定義は広く(「オンラインサービス若しくはネットワークアクセスのプロバイダ」、又はそれらの設備の管理者」、17 U.S.C. § 512(k)(1)(B))、地裁裁判官が判示したように、Aimsterはそれに当てはまる。See 2 Goldstein, supra, § 6.3.1, p. 6:27. 本法はインターネットサービスプロバイダと関連企業の一連のセーフハーバーを提供するが、Aimsterが停泊するところはない。本法は寄与侵害を廃止してはいない。そのセーフハーバーの共通の要素はサービスプロバイダが「侵害常習者」によってそのサービスが使用されるのを防ぐために合理的に要求され得ることを行わなければならないということである。17 U.S.C. § 512(i)(1)(A). Aimsterは、原告らの著作権の侵害常習者に思いとどまらせるために何かを行うことを少しもせず、彼らにそうするように誘い、そのシステムを使用して如何に簡単にそうできるかを彼らに示し、著作物の不法な配布を暗号化する方法をユーザに教えることによって侵害を防ぐために何かをすることを不可能にした。

 これでAimsterの控訴の実体上の事項に対する我々の審理は終わりである。しかし、もしいつかトライアルが行われるとすればレコード産業が本件において勝つ可能性が高いという事実はそれ自体では仮差止の十分な根拠ではない。そのような差止を求められた裁判所は差止命令又は却下の結果によってどちらの当事者がより多く被害を受けるだろうかについても審理しなければならない。Aimsterは、仮差止はAimsterをビジネスからはじき飛ばすと指摘する;レコード産業は、Aimsterは、推定2から3百万人のユーザと共に、ビジネスから追い出されるまで、疑いもなく音楽著作権のかなりの侵害を促進し続けると反撃する − そして、Aimsterが相殺する非侵害使用の証拠を全く提出しなかったことを覚えている。それゆえ、本件記録に基づき、差止命令によるAimsterの被害はレコード産業が仮差止の却下により被るであろう被害と比較して算出されなければならない。

 仮差止を命令する決定に関連する唯一の被害は回復不能の被害である、なぜなら、もしトライアルの終わりに損害賠償によって償えるのであれば、仮差止救済の必要はないからである。レコード産業の被害は、仮差止が却下されたとすると、疑う余地のないほど回復不能であるであろう。Aimsterの寄与侵害によるレコード産業の被害については信頼できる見積もりを行うことができず、いずれにしてもAimsterはそれらを支払う財源を有していそうもない。レコード産業が積立を要求されAimsterが不十分であると主張しなかった5百万ドルの差止保証金により、差止命令によるAimsterの回復不能な被害は、もしあるとしても、わずかである。(保証金なしでさえ、レコード産業は疑いもなくAimsterが一時的に閉鎖され続けることによる損害を支払えるであろう、ただし、保証金のあるなしにかかわらず、依然として金額の問題は残る。)仮に回復不能な被害が同じであるとしても、原告らはAimsterよりも本案訴訟において強い立場を有しているから、地裁裁判官が差止を認容したのは正当である。

 Aimsterは差止の範囲に反対している。しかし、地裁でも本裁判所においても代替案を提案していないから、Aimsterはその反対を放棄した。我々は、この点を明確にする判例を見いださないが、議論はなされたが進展しなかった場合は控訴裁の審理においては争点として存続しないという一般原則に事実上含まれている。E.g., Jones Motor Co. v. Holtkamp, Liese, 197 F.3d 1190, 1192 (7th Cir. 1999). インターネット上の通信に対する差止のインパクトが、レコード産業に本件が決着するまでの間に与えられる法的保護を提供することが完全に必要であることよりも、重要ではないことを確認するという修正1条の言論の自由条項に根ざした独立した義務を地裁は有している、というAimsterの主張に我々は感銘を受けない。著作権法及び衡平法上の救済の原則はそれらに関する修正1条の判例法を重ね合わせないとしても十分に複雑である;そして、最近、最高裁は我々に次のように述べている「著作権法は作り付けの修正1条適応を含んでいる」ばかりでなく、ともかく、修正1条は「言論者が他の人々が言論する権利を主張する場合は、重要性が、より少ない」。Eldred v. Ashcroft, 123 S. Ct. 769, 788-89 (2003). 又は、他の人々の音楽をコピーする権利、若しくはそのコピーを可能とする権利を主張する場合は、重要性が、より少ない、と我々は付け加える。

仮差止命令支持

認証謄本:
  認証官:
                                  
第7巡回区合衆国控訴裁判所書記官

   

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