翻訳 井上雅夫 2008.11.29; 09.01.29  ↑UP  RADER裁判官の反対意見<New 自然法則を争点とした知財高裁判決<New

Bilskiビジネスメソッド事件CAFC大法廷判決
2008.10.30判決
目    次
大法廷判決
 
I.
 II.
  A.
  B.
  C.
  D.
 III.
  A.
  B.
 IV.
 結論
 脚注
RADER巡回裁判官の反対意見<New
 
 II
 III
 IV



連邦巡回区合衆国控訴裁判所(CAFC)
 
2007-1130
(シリアルNo. 08/833,892)
 
BERNARD L. BILSKIおよびRAND A. WARSAWに関する事件

米国特許商標庁特許審判部からの出訴

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2008年10月30日判決
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MICHEL首席裁判官、NEWMAN、MAYER、LOURIE、RADER、SCHALL、BRYSON、GAJARSA、LINN、DYK, PROST、およびMOORE巡回裁判官

裁判所の意見がMICHEL首席裁判官によって登録され、これにLOURIE、SCHALL、BRYSON、GAJARSA、LINN、DYK、PROST、およびMOORE巡回裁判官が加わる。賛成意見がDYK巡回裁判官によって登録され、これにLINN巡回裁判官が加わる。反対意見がNEWMAN巡回裁判官によって登録される。反対意見がMAYER巡回裁判官によって登録される。反対意見がRADER裁判官によって登録される。
 
MICHEL首席裁判官。[訳注:裁判所の意見(多数意見)]

 Bernard L. BilskiおよびRand A. Warsaw(合わせて「出願人ら」)は彼らの米国特許出願08/833,892号(「892出願」)の全11クレームの拒絶を維持する特許審判部(「審判部」)の審決に対して審決取消訴訟を提起している。See Ex parte Bilski, No. 2002-2257, 2006 WL 5738364 (B.P.A.I. Sept. 26, 2006)(「審決」)。特に、出願人らは、審査官は米国特許法101条に基づく特許適格な<patent-eligible>発明特定事項< subject matter>に関するものではないとして誤ってクレームを拒絶し、審判部はその拒絶を誤って支持したと主張する。本件は最初に2007年10月1日に合議体の元で論じられた。しかし、合議体による処理の前に、我々は職権で大法廷審理を命じた。2008年5月8日に大法廷の元で口頭弁論が行われた。我々は、出願人らのクレームは特許適格な発明特定事項に関するものではないから審判部の審決を維持し、それにより、我々は、クレームされたメソッド<method>が米国特許法101条に規定する「プロセス<process>」を構成するかどうかを決定する場合に適用する基準を明確化する。

I.

 出願人らは1997年4月10日に、彼らの特許出願を行った。その出願は11クレームを含み、本件において出願人らはこれらを一括して論じている。クレーム1は次の通りである:
 商品供給者によって固定された価格で販売された商品の消費リスクコストを管理する方法<method>であって、
 (a)歴史的な平均値に基づき消費者のリスクポジションに対応する固定されたレートで前記消費者が前記商品を購入する前記商品の前記商品供給者と前記消費者との間の一連の取引を始めるステップ;
 (b)前記消費者に対するカウンターリスクポジションを持つ前記商品のマーケット参加者を確認するステップ;および
 (c)マーケット参加者の一連の取引が一連の消費者取引のリスクポジションをバランスさせる第2の固定されたレートで前記商品供給者と前記マーケット参加者の間の一連の取引を始めるステップ;
 を含む方法。
892出願のクレーム1。要するに、このクレームは、商品取引の分野におけるリスクをヘッジする方法に関する。例えば、石炭発電所(すなわち、「消費者」)は電気を供給するために石炭を購入するが、需要のスパイクが価格と彼らのコストを増加させるだろうから石炭の需要のスパイクのリスクを嫌っている。逆に言えば、石炭採鉱業者(すなわち、「マーケット参加者」)は彼らの販売を減少させ価格を低下させるであろうから石炭の需要の急激なドロップのリスクを嫌っている。クレームされた方法は、固定された価格で発電所に石炭を販売する仲介者すなわち「商品供給者」を想定しており、固定された価格より石炭の価格を増加させる需要のスパイクの可能性から発電所を隔離している。同じ供給者は第2の固定された価格で採鉱会社から石炭を購入する、それにより需要のドロップがその固定された価格より価格を低下させるであろう可能性から採鉱会社を隔離している。そして、それによりその供給者はそのリスクをヘッジしている;もし需要および価格が急騰した場合は、不利な価格で石炭を販売するが、有利な価格で石炭を購入する、もし需要および価格が落ちた場合は、逆である。しかしながら、重要なことには、そのクレームは現実の商品を含む取引に限定されておらず、列挙された取引が実にオプション(すなわち、特定の期間内に特定の価格で商品を購入または販売する権利)を含み得ることをその出願は開示している。See J.A. at 86-87.

 審査官は最終的にクレーム1−11を、「クレーム1−11…に関して、本発明は特定の装置<a specific apparatus>に実装されておらず、実際の応用に限定することなく単に抽象的なアイディアを操作し純粋に数学的問題を解決しているに過ぎない、したがって、本発明は技術<the technological arts>に関するものではない」として、米国特許法101条に基づいて拒絶した。See Board Decision, slip op. at 3. 審査官は、出願人らは彼らのクレームがコンピュータ上の動作に限定されないことを認めていると書き留め、クレームはいかなる具体的な装置によっても限定されていないと結論した。See id. at 4.

 審判において、審判部は、審査官は判例法により支持されない「技術」テスト<a "technological arts" test>に依存した点において誤ったと判示した。Id. at 41-42. さらに、審判部は、特定の装置を記述していないクレームでも「一つの状態から他の状態への物質界の<physical>発明特定事項の変換が存在すれば」特許適格な発明特定事項に関し得るから、
特定の装置<a specific apparatus>の要件も誤りであると判示した。Id. at 42. さらに念入りなことに、審判部は次のように述べている:「化学的物質または混合物を製造するために二つの成分または複合物を混ぜ合わせることは、そのステップを実行するいかなる装置もクレームされておらず、かつそのステップは手作業で実行可能であるが、明らかに法定の変換である。」Id. しかし、審判部は、「商品供給者、消費者、およびマーケット参加者の非物質界の<non-physical>財務上のリスクおよび法的義務」の変換は特許適格な発明特定事項ではないと判示して、出願人らのクレームはいかなる特許適格な変換も含んでいないと結論した。Id. at 43. また、審判部は、出願人らのクレームは、人間またはあらゆる種類の機械またはあらゆる組み合わせによる[クレームされたプロセス]のステップを実行するいかなるかつあらゆる可能な方法を[]占有している<preempt>」と判示し、そして、それゆえ、特許保護の資格のない抽象的なアイディアをクレームするのみであると結論した。Id. at 46-47. 最後に、審判部は、出願人らのクレームされたプロセスは「有用で具体的でかつ現実の結果<useful, concrete and tangible result>」を作り出しておらず、この理由でも特許適格な発明特定事項となっていないと判示した。Id. at 49-50.

 出願人らは、米国特許法141条に基づく期間内に本裁判所に審決取消訴訟を提起した。我々は、合衆国法律集28(司法および司法手続き)§ 1295(a)(4)(A)に基づく管轄権を有する。

II.

 クレームが101条に基づく特許適格な発明特定事項に関するかどうかは入り口の審理であり、101条の要件を満たさないあらゆる特許出願クレームは、仮に他の全ての特許性の法的要件を満たしていたとしても、拒絶されなければならない。In re Comiskey, 499 F.3d 1365, 1371 (Fed. Cir. 2007)[1](quoting Parker v. Flook, 437 U.S. 584, 593 (1978)); In re Bergy, 596 F.2d 952, 960 (CCPA 1979), vacated as moot sub nom. Diamond v. Chakrabarty, 444 U.S. 1028 (1980). クレームが101条に基づく特許適格な発明特定事項であるかどうかは、我々があらためて初めから<de novo>審理する法律問題である。Comiskey, 499 F.3d at 1373; AT&T Corp. v. Excel Commc'ns, Inc., 172 F.3d 1352, 1355 (Fed. Cir. 1998). クレーム解釈(これも我々があらためて初めから審理するものである)は101条における重要な最初のステップであるが、see State St. Bank & Trust Co. v. Signature Fin. Group, 149 F.3d 1368, 1370 (Fed. Cir. 1998)(クレームが101条に基づき無効かどうかは「クレーム解釈と法律解釈の両方の問題である」と書き留めている)、本件においてクレーム解釈に争いはない。我々は同様にあらためて初めから審理するものである法律解釈の問題を審理する。Id.

A.

 出願人らのクレームされた発明が101条において明らかにされた要件を満たしているかどうかを扱うので、我々は法律の文言から始める:
いかなる新規かつ有用なプロセス、機械、生産品、組成物、又はそれらのいかなる新規かつ有用な改良を発明又は発見した者は、本法の条件及び要件に基づいて、特許を受けることができる。
35 U.S.C. § 101. このように法律は特許適格な発明特定事項の4つのカテゴリー、プロセス、機械、生産品、組成物、を列挙している。出願人らのクレームが機械、生産品、組成物に関するものではないことは争いがない[2]。それゆえ、本件における問題は101条における用語「プロセス<process>」が何を意味するか、および与えられたクレーム(および特に出願人らのクレーム1)が「新規かつ有用なプロセス」であるかどうかである[3]

 何人かの法廷助言者が論ずるように、用語「プロセス」は通常、少なくとも一般の専門的でない使用においては、広い意味を持つ。1952年、議会が101条を「プロセス」を含むように修正[4]した時、その用語の通常の意味は次のものであった:「意図的か無意識かにかかわらず明確にある結果に導く手順…一連の行動、動き、オペレーション」WEBSTER'S NEW INTERNATIONAL DICTIONARY OF THE ENGLISH LANGUAGE 1972 (2d ed. 1952)。出願人らのクレームがこの「プロセス」の定義を満たしているであろうことは争う必要はないだろう。しかし、最高裁は、101条で使用される「プロセス」の意味は通常の意味よりも狭いと判示している。See Flook, 437 U.S. at 588-89(「[Bensonにおける]判示は101条の純粋な文字通りの解釈を排除している」)。特に、最高裁は、クレームは、「自然法則、自然現象、[または]抽象的アイディア」をクレームする場合、特許適格な「プロセス」ではないと判示している。Diamond v. Diehr, 450 U.S. 175, 185 (1981) (citing Flook, 437 U.S. at 589, and Gottschalk v. Benson, 409 U.S. 63, 67 (1972)). そのような基本的原理<fundamental principles>[5]は「全ての人々が自由に利用できかつ誰も排他的に保持することができない全ての人々の知識の宝庫の一部」である。Funk Bros. Seed Co. v. Kalo Inoculant Co., 333 U.S. 127, 130 (1948); see also Le Roy v. Tatham, 55 U.S. (14 How.) 156, 175 (1852)(「抽象的な原理<A principle, in the abstract,>は基本的な真理<a fundamental truth>である;根源的な原因<an original cause>;目的<a motive>;これらは特許され得ない、誰もこれらのどれに対しても排他権をクレームできないからである。」)。「正に発見であるが、自然現象、メンタルプロセス、および抽象的な知的な概念は特許性がない、それらは科学技術製作品の基本的なツールであるからである。」Benson, 409 U.S. at 67; see also Comiskey, 499 F.3d at 1378-79(「メンタルプロセス」、「人間の思考プロセス」、および「人間の知性の働きに依存するシステム」はBensonに基づき特許適格な発明特定事項ではないと判示している)。

 本件における真の争点は、出願人らは(抽象的なアイディアのような)基本的原理<a fundamental principle>またはメンタルプロセスをクレームしようとしているのかどうかである。そして、このように提出された根本的な法律問題は、プロセスクレームが101条に基づく特許性を有するか、あるいは、逆に、基本的原理をクレームしているだけであり特許性のない発明特定事項であるのかどうかに関して、どのようなテストまたは一組の基準が、米国特許商標庁(「PTO」)または裁判所による決定を支配するのかである。

 最高裁は1981にDiehr(加硫合成ゴム製品を製造するためのプロセスをクレームすることを求める特許出願に関する)においてこの争点に関して最新の言及を行っている。450 U.S. at 177-79. クレームされたプロセスは加硫中に温度を計り加硫が完了するであろう時間を計算するために数学的アルゴリズム(Arrhenius方程式)を用いる。Id. 数学的関係は自然法則と類似しているから数学的アルゴリズムだけでは特許性がないと書き留めたが、それにもかかわらず、最高裁はクレームされたプロセスは特許適格な発明特定事項であると判示し、次のように述べている:
[発明者らは]数学的公式に特許を求めているのではない。その代わりに、彼らは加硫合成ゴムのプロセスに対して特許保護を求めている。彼らのプロセスはよく知られた数学的方程式を疑いもなく使用しているが、彼らはその方程式の使用を占有<pre-empt>しようとしているわけではない。むしろ、彼らはクレームされたプロセスの他のステップの全てと関連してその方程式を使用することから他者を排除することだけを求めている。
Id. at 187 (emphasis added)[6]。最高裁は、基本的原理に関するクレームは特許性がないが、「自然法則または数学的公式の知られた構造またはプロセスへの応用は十分に特許保護に値し得る」と断言している。Id. (emphasis in original); see also Mackay Radio & Tel. Co. v. Radio Corp. of Am., 306 U.S. 86, 94 (1939)(「科学的真実またはその数学的表現は特許性のある発明ではないが、科学的真実の知識の助けを得て創作した新規かつ有用な構造は特許性を有する発明であり得る。」)。

  このようにDiehrにおける最高裁は、一方における基本的原理「の使用の占有を求める」クレームと、他方における基本的原理の特定の「応用<application>」を使用することから他者を排除するクレームとの間に区別を設けている。450 U.S. at 187. 特許は、定義により、特許がクレームするものの実施から他者を排除する権限を与える。Diehrは、クレームが基本的原理だけに関するかどうかは本質的に排他権の範囲の審理である;すなわち、クレームを許す効果が特許権者にその基本的原理の実質的に全ての使用を占有することを許すことになるであろうかどうかである、と示唆していると理解することができる。そうであるなら、そのクレームは特許適格な発明特定事項に関するものではない。

 Diehrにおいて、最高裁は、争点のクレームはArrhenius方程式の全ての使用を占有してはおらず、むしろ「その中にその方程式のより効果的な解決策を組み入れる…ゴムを加硫するプロセス」のみをクレームしていると判示した。450 U.S. at 188. クレームされたプロセスはゴムの加硫をより精密にコントロールするいくつかの特定されたステップを含んでいる:「これらは、ゴムを圧縮機に据え付けること、型を閉じること、その型の温度を絶えず決定すること、その公式とデジタルコンピュータを使って適切な加硫時間を絶えず再計算すること、および適切な時間に圧縮機を自動的に開けることを含む。」Id. at 187. それゆえ、依然として、ゴムの加硫を含まないあらゆるプロセスにおいて、さらに重要なことには、「クレームされたプロセスの他の全てのステップ」を実行することを含まないあらゆるゴムの加硫プロセスにおいて、誰でもArrhenius方程式を使用することができる。See id.; see also Tilghman v. Proctor, 102 U.S. 707, 729 (1880)(知られたあるいは未だ知られていない水と脂肪分子の反応を使用する他のプロセスはクレームされていないから、高温および高圧の両方を特に必要とする脂肪分子を水中で脂肪酸およびグリセリンへ分解するプロセスは特許性があると判示している)。

 Diehrとは対照的に、より以前のBenson事件は、デジタルコンピュータ上にプログラムされたアルゴリズムによって2進化10進数(「BCD」)フォーマットのデータを純粋な2進数フォーマットに変換するプロセスを最高裁に提出した。Benson, 409 U.S. at 65. 最高裁は、そのクレームは特許性のない発明特定事項に関すると判示した:
アイディアが特許され得ないことは是認される。しかし、BCD数を純粋な2進数に変換する公式が本件において特許されるかどうかは事実上その結果であろう。本件に関する数学的公式はデジタルコンピュータに関連する以外の実質的な実際的な応用はない、これは、下級審の判決が維持されるとすれば、特許は数学的公式を完全に占有でき、実際的な効果としてアルゴリズムそれ自体が特許になることを意味する。
Id. at 71-72 (emphasis added). そのアルゴリズムはそれらのクレーム(すなわち、デジタルコンピュータ上でのBCDの純粋な2進数へのあらゆる変換)によってカバーされるであろうもの以外の使用を有しないから、それらのクレームはそのアルゴリズムの全ての使用を占有しており、それゆえそれらのクレームはアルゴリズムそれ自体に関する。See also O'Reilly v. Morse, 56 U.S. (15 How.) 62, 113 (1853)(隔たった場所で文字を印刷する電磁気学の全ての使用を占有するクレームを不適格と判示している)。

 それゆえ、本件における問題は、出願人らのクレームが基本的原理を列挙しているかどうかであり、もしそうなら、もし許されたとしたらその基本的原理の実質的に全ての使用を占有しているであろうかどうかである。残念ながら、この審理は簡単とは言い難い。与えられたクレームが基本的原理の全ての使用を占有しているかどうかをどうやって決定するのか? DiehrまたはBensonの事実への類似性は限られた有効性しかない、21世紀のより挑戦的なプロセスクレームはDiehrの極めて明確で明白な物質的な工業的製造プロセスのような範囲に明確に限定されることはめったになく;またそれらは概してBensonのアルゴリズムのように広くクレームされていたり純粋に抽象的で数学的であるというわけでもないからである


 しかしながら、最高裁は、プロセスクレームが、原理それ自体を占有するのではなく、基本的原理の特定の応用だけを包含するように狭く仕立てられているかどうかを決定するための決定的なテストを明確に述べている。クレームされたプロセスは次の場合は101条に基づき確実に特許適格である:(1)特定の機械または装置に結びつけられている、または(2)特定の物品<article>を異なった状態または物<a different state or thing
>に変換する。See Benson, 409 U.S. at 70(「物品の『異なった状態または物へ』の変換および変形はプロセスクレームの特許性への糸口である」); Diehr, 450 U.S. at 192(「物品を異なった状態または物へ変換または変形する」プロセスにおける数学的公式の使用は特許適格な発明特定要件を構成すると判示している); see also Flook, 437 U.S. at 589 n.9(「最高裁は、特定の装置に結びつけられているか、物<materials>を『異なった状態または物』へ変えるように作用するか、のいずれかの場合に法定の定義内のプロセスであると認めただけであるという議論がなされ得る」); Cochrane v. Deener, 94 U.S. 780, 788 (1876)(「プロセスは…異なった状態または物へ変換または変形する特許特定事項上で実行される行い<an act>、または一連の行いである。」)[7]。特定の機械または装置を使用する基本的原理に関連するクレームされたプロセスは、クレームされた方法で特定の機械または装置を使用しないその原理の使用を占有しないであろう。基本的原理を応用することによる特定な物品を特定な異なった状態または物へ変換するクレームされたプロセスは、何かの他の物品へ変換するために、そのクレームによりカバーされない方法で同じ物品を変換するために、またはその特定の物品を変換しないあらゆることをするために、その原理を使用することを占有しないであろう。

 例えば、Diehrでクレームされたプロセスは、両方の基準を明らかに満たしている。そのプロセスは、コンピュータ化されたゴム加硫装置上で動作し、原料のままの未加硫のゴムをモールドされた加硫ゴム製品に変換する。Diehr, 450 U.S. at 184, 187. 対照的に、Flookにおいて争点となったクレームは、「アラームリミット」(特定されていない化学反応の間に異常な条件を指示するであろう値)を計算する特定の数学的公式の使用に関する。437 U.S. at 586. 最高裁は、そのクレームは「安全に必要なマージン、ファクターの重み付け、または他の変数、…作用中の化学プロセス、プロセス変数のモニタリングのメカニズム、またはアラームをオフにするもしくはアラームシステムを調整する手段等をどのように選択するのか」を明示するいかなる限定も含んでいないから、そのクレームは公式それ自体に関するとして拒絶した。See id. at 586, 595. それゆえ、そのクレームはいかなる特定の化学的(または他の)変換にも限定されず、変数の選択もしくはモニタリングまたはオフにするもしくはアラームを調節するような、そのプロセスステップのためのいかなる特定の機械または装置にも結びつけられてもいない[8]。See id.

 背景となるより以前の最高裁の事件は、その判決の結果が、後にBensonにおいて明確に表現されDiehrで再確認された機械または変換テスト<the machine-or-transformation test>とも一貫していることを明らかにしている。See Tilghman, 102 U.S. at 729(脂肪を成分混合物に変換する特定のプロセスが特許性があると判示された); Cochrane, 94 U.S. at 785-88(穀物粗びき粉を精製された小麦粉へ変換するプロセスが特許性があると判示された); Morse, 56 U.S. (15 How.) at 113 (変換またはいかなる特定の装置にも結びつけられていない隔たった場所で文字を印刷する電磁気学を使用するプロセスは特許性がないと判示された)。興味深いことには、Bensonはそれ自身のテストに基づく異なった事件(クレームされたプロセスは機械(デジタルコンピュータ)上で動作するが、依然として不適格な発明特定事項であると判示された)を提出している[9]。しかしながら、Bensonにおいて、コンピュータへプロセスを結びつける限定は、争点となっている基本的原理(特定のアルゴリズム)がデジタルコンピュータ上で動作する以外に有用性がないから、本当に限定している
<actually limiting>ということはできない。Benson, 409 U.S. at 71-72. それゆえ、デジタルコンピュータへのクレームの結びつきは、そのアルゴリズムの全ての使用がそのクレームによって依然としてカバーされているから、クレームの占有の範囲<the pre-emptive footprint of the claim>を縮小させなかった。

B.

 出願人らおよび何人かの法廷助言者ら[10]は、機械または変換テストが101条分析を支配する唯一のテストであるとは最高裁は意図していないと主張する。しかしながら、既に述べたように、最高裁はBensonにおいて、「『異なった状態または物へ』の物品の変換および変形は特定の機械を含まないプロセスクレームの特許性の糸口<the clue
>であると明確に述べている」[11]。409 U.S. at 70 (emphasis added). そして、最高裁自身、後にFlookにおいて、少なくともこれまで最高裁は特定の装置に結びつけられているか物を『異なった状態または物』へ変えるように作用する場合だけ法定の定義内のプロセスであると認めていたと書き留めている。437 U.S. at 589 n.9. 最後に、Diehrにおいて最高裁は101条に基づくプロセスの特許性に関する最も最近の判決においてもう一度機械または変換テストを適用した。450 U.S. at 184.

 しかしながら、最高裁はBensonにおけるこのテストの最初の提唱において最初はどちらつかずであったと我々は認識している。出願人らおよび何人かの法廷助言者らが指摘するように、最高裁はそこにおいて次のように述べた:
プロセス特許は、特定の機械または装置に結びつけられるか、物品または物<articles or materials>を『異なった状態または物』に変えるために作用するか、のどちらかでなければならないと論じられている。我々は、我々の以前の先例の要件を満たさなければ、どんなプロセス特許も決して資格を与えることができないとは判示しない。
Benson, 409 U.S. at 71.  Flookにおいて、最高裁は、Bensonにおいてこれが述べられたことを書き留めたが、単に次のように述べている:「Bensonにおけるように、我々は、[機械または変換テスト]を満たさないとしても有効なプロセス特許が許可され得ることを当然のことと思う。」437 U.S. at 589 n.9 (emphasis added). そして、この注意書きはDiehrにおいて最高裁が機械または変換テストを再び是認した時には繰り返されなかった。See Diehr, 450 U.S. at 184 (quoting Benson, 409 U.S. at 70)(「物品の『異なった状態または物』への変換または変形は特定の機械を含まないプロセスクレームの特許性の糸口である。」)。それゆえ、我々は、プロセスクレームの101条分析に適用できるテストとして最高裁の機械または変換テストへの我々の信頼は正しいと信じている。

 それにもかかわらず、コンピュータの広範な使用およびインターネットの出現が過去10年間に挑戦を正に始めたように、将来の科学技術の発展が機械または変換テストに対する困難な挑戦を提出するかもしれないことに我々は同意する。それゆえ、最高裁が新興の技術に適応させるためにこのテストを最終的には変更または事によると捨てることを決定するかもしれないと我々は認識している。そして、我々は、本裁判所が将来このテストまたはそれの適用法を洗練させるまたは増加させるかもしれない可能性を確かに排除はしない。しかしながら、現時点では、そして確実に本件では、我々はそのような新しい試みの必要性は全くないと理解し、機械または変換テストは、正しく適用されれば、101条に基づくプロセスの特許適格性の決定を支配するテストであると再度断言する[12]

C.

 必然の結果として、Diehrにおける最高裁は、単なる使用分野の限定はそれがなければ不適格なプロセスクレームを特許適格にするには一般に不十分であるとも判示している。See 450 U.S. at 191-92(101条に基づく不適格性は「公式の使用を特定の技術的環境に限定する試みによって回避することはできない」と書き留めている。)。我々は、この考えと基本的原理の大規模な占有を防ぐ最高裁の全体的な目的の間に緊張関係が見られるかもしれないことを認める。クレームを特定の分野の使用に限定することにより広すぎる占有を避けることをなぜ特許権者に許さないのか? しかしながら、この緊張関係は、最高裁の占有の議論の後ろ隠れた目的、すなわち占有はクレームは基本的原理の特定な適用だけよりもむしろその原理それ自体をカバーすることを求めていることの単なる兆候であることを思い出すことによって和らげられる。See id. at 187; Benson, 409 U.S. at 71-72. 基本的原理の全ての分野における全ての使用の占有およびその原理の一つの分野だけの全ての使用の占有は両方ともそのクレームがその原理の特定の適用に限定されていないことの兆候である。See Diehr, 450 U.S. at 193 n.14(「抽象的な数学的公式は、その特許がその公式の全ての使用をカバーするように意図されているかあるいは一つに限定された使用をカバーするように意図されているかにかかわらず、法定の発明特定事項ではない。)(emphasis added)。対照的に、特定の機械に結びつけられたクレームまたは特定の物品の特定の変換をもたらすクレームは、あらゆる分野における基本的原理の全ての使用は占有しておらず、むしろ特定の使用、特定の応用に限定されている。それゆえ、それは抽象的な原理に関するものではない。

 Diehrにおける最高裁は、「取るに足らない解決後活動<postsolution activity>は特許性のない原理を特許性のあるプロセスへ変換しないだろう」と述べることによって、機械または変換テストへの第2の必然的結果を再度是認している。Id. at 191-92; see also Flook, 437 U.S. at 590(「解決後活動は、特許性のない原理を特許性のあるプロセスへ変換することができるという考えは、
型にはまったものであろうとそれ自体明らかなものであろうと、形式を実体の上に押し上げる。」)。Flookにおける最高裁は次のように推論している:
有能な起草者は、ほとんど全ての数学的公式に解決後活動の何かの形式を付け加えることができたであろう;ピタゴラスの原理は、特許出願がその公式が解決された時に存在した測量技術に有用に応用され得たことを示す最終的なステップを含むからといって、特許性または部分的な特許性を持つとはされてこなかったかったであろう
437 U.S. at 590[13]。それゆえ、クレームが特定の機械または特定の物品の特定な変換を列挙していても、その列挙された機械または変換は単なる『取るに足らない解決後活動』を構成していてはいけない[14]

D.

 我々は、最高裁の101条判例の2つの他の重要な面を理解している。第1に、最高裁は、クレームされたプロセスが新規であるか非自明であるかどうかは101条分析とは無関係であると判示した。Diehr, 450 U.S. at 188-91. むしろ、そのような考慮は102条(新規性)および103条(非自明性)によって決定される。Diehr, 450 U.S. at 188-91. 101条は「新規かつ有用な」プロセスと規定しているが、それは全体的に見れば「『本法の条件および要件に従う』特許保護に適格である発明特定事項の種類に関する一般的な規定である。」Diehr, 450 U.S. at 189 (quoting § 101). 101条の立法の沿革が示すように、議会は101条の「新規かつ有用な」の文言が、102条および103条それぞれのより明確で詳細な要件から独立した新規または非自明の独立した要件を構成することは意図していない。Diehr, 450 U.S. at 190-91[15]。そうであるから本件において、出願人らのクレームされたプロセスが新規または非自明であるかどうかは101条分析には無関係である。

 第2に、最高裁は、クレーム全体の特許適格性を、選ばれた限定が特許適格な発明特定事項を構成するかどうかに基づいて決定することは不適当であることを明確にした。Flook, 437 U.S. at 594(「しかしながら、被上告人の出願に対する我々のアプローチは特許クレームは全体として考えられなければならないという考え方に全く矛盾していない。」); Diehr, 450 U.S. at 188(「クレームを古い要素と新規な要素に分解してその後
[訳注:101条の]分析において古い要素の存在を無視することは不適当である。)。結局、基本的原理それ自体は特許適格ではないが、基本的原理を組み込んだプロセスは特許適格であり得る。したがって、そのようなプロセスの個々のステップまたは限定が単独で101条に基づく特許性を有さないであろうということは筋違いである。See In re Alappat, 33 F.3d 1526, 1543-44 (Fed. Cir. 1994) (en banc) (citing Diehr, 450 U.S. at 187).

III.

 Benson、Flook、およびDiehrにおける最高裁判決から長年にわたって、我々の前身の裁判所および本裁判所は、幅広く多様なプロセスクレームを提出する多数の事件(いくつかは大きな影響力を持つ最高裁の事件が審理された時には想像もできない技術分野におけるものである)を審理してきた[16]。これらの先例に注意しながら、我々はプロセスクレームの特許適格性を決定する方法における豊富な詳細なガイダンスおよび助けになる例題を見出した。

A.

 しかしながら、我々の先例に向かう前に、我々は最初に101条テストのいくつかの他の明瞭な表現と称されるものが有効で有用であるかどうかの問題を扱う。これらの最初のものは、そのテストを明確に述べその後洗練させた前身の裁判所の3つの判決にならってFreeman-Walter-Abeleテストとして知られている:In re Freeman, 573 F.2d 1237 (CCPA 1978); In re Walter, 618 F.2d 758 (CCPA 1980); and In re Abele, 684 F.2d 902 (CCPA 1982)。このテストは、その最後の形では、2つのステップを有する:(1)請求項がBensonの意味における「アルゴリズム」を列挙しているかどうかを決定する、その後(2)そのアルゴルズムが何らかの方法で「物質界の要素またはプロセスステップに適用されている」かどうかを決定する。Abele, 684 F.2d at 905-07.

 クレームの分断および特許適格性を個々の限定に基づいて評価することに対する最高裁の禁止と矛盾しているようにみえると主張して、このテストの継続する生存可能性に疑いをかける者がいるかもしれない。See Flook, 437 U.S. at 594(101条分析においてクレームを全体として分析することを求めている); see also AT&T, 172 F.3d at 1359; State St., 149 F.3d at 1374. 現在の意見に照らして、我々はFreeman-Walter-Abeleテストは不適切であると結論する。実際、我々は既に、このテストに不合格なクレームがそれでもなお特許適格であり得ることを認めた。See In re Grams, 888 F.2d 835, 838-39 (Fed. Cir. 1989). むしろ、機械または変換テストが特許適格な発明特定事項のための適用可能なテストである[17]

 今我々が再び取り上げる第2の明瞭な表現は、最初にAlappatで明らかにされたが、State Streetと関連する「有用で具体的でかつ現実の結果<useful, concrete, and tangible result>」の文言である。State St., 149 F.3d at 1373(今回、我々は、最終的な基準価格<a final share price>への一連の数学的計算を行う装置による個々の金額を表すデータの変換は[特許適格発明]を構成すると判示する。なぜなら、それが『有用で具体的でかつ現実の結果』…を生成するからである)[18]; Alappat, 33 F.3d at 1544(「これは『抽象的なアイディア』と特徴づけられる実体のない数学的概念ではない、むしろ有用で具体的かつ現実結果を作り出す特定の機械である。); see also AT&T, 172 F.3d at 1357(「クレームされたプロセスは、数学的原理の他の使用を占有することなく、ブール代数原理を有用で具体的かつ現実の結果を作り出すために適用するから、一見してクレームされたプロセスは101条の範囲内に十分に入る。」
)。State StreetおよびAlappatにおけるこの文言の基礎は、最高裁が「ある種類の数学的発明特定事項は、実際の応用の何かの種類に変えるまで、それだけでは抽象的アイディア以外のものではない。」と説示したことである。Alappat, 33 F.3d at 1543; see also State St., 149 F.3d at 1373. 確かに、特定の機械に結びつけられたプロセス、または特定の物品を異なった状態または物に変換または変えることは、我々の以前の判決においてこれらの用語が使用されたように、一般的に「具体的」かつ「現実」の結果を作り出すだろう。しかし、「有用で具体的でかつ現実の結果」を得ようと求めることは、クレームが基本的原理に関するかそのような原理の実際の応用に関するかどうかの有用な目安を提供することができるが、その審理はクレームが101条に基づく特許適格であるかどうかの決定には不十分である。そして、最高裁のテストに取って代わることは確かに決して意図されていない。したがって、我々は、「有用で具体的でかつ現実の結果」の審理も不適切であり、最高裁によって輪郭を描かれた機械または変換テストを適用するのが適切であることを再び是認する[19]

 次に我々は何人かの法廷助言者[20]が採用を進めるいわゆる「技術テスト<technological arts test>」について検討する。しかしながら、「技術<technological arts>」および「科学技術<technology>」の用語の意味は両方とも多義的であり常に変化しているから、このようなテストの輪郭は明確ではないであろうことに我々は気がついている[21]。そして、このようなテストは、審判合議体が本件において正しく認めたように、かつて最高裁、本裁判所、または前身の裁判所によってはっきりと採用されたことはない。それゆえ、我々はそうすることを断り、最高裁によって明確に述べられた機械または変換テストを信頼し続けることにする。

 さらに、我々は、最高裁によって既に確認された基本的な原則を超えるカテゴリーの除外への呼びかけを拒絶する[22]。我々は正にそのような除外を、State Street
において拒絶したが、そのState Streetにおいて、いわゆる「ビジネスメソッドの除外」は不合法であり、ビジネス(および実際全てのプロセスクレーム)は「他のあらゆるプロセスまたはメソッドに適用されるのと同じ特許性の法的な要件に従う」と書き留めている。149 F.3d at 1375-76. 我々はこの結論を再度是認する[23]

 最後に、我々はComiskeyにおける我々の判決について起こりそうな誤解について述べる。Comiskeyが新しい101条テスト(意味のある「物質界のステップ」を欠くメンタルプロセスを列挙するクレームを禁じるテスト)を暗黙に適用したと示唆する者もいるかもしれない。我々はComiskeyにおいてそのようには判示しておらず、またいかなる新しいテストも全く発表していない。むしろ、我々は、「正に発見であるが、自然現象、メンタルプロセス、および抽象的な知的な概念は…科学技術製作品の基本的なツールであるから」、メンタルプロセスは、基本的原理と同様に、101条によって排除されると最高裁が判示したことを、単に認識しているだけである。Comiskey, 499 F.3d at 1377 (quoting Benson, 409 U.S. at 67) (emphasis added). そして、我々は実際、争点となっている様々なクレームが特許適格な発明特定事項に関するものであるかどうかを決定するために機械または変換テストを適用した[24]。Id. at 1379(「Comiskeyは、これらのクレームは機械を必要とせず、これらのクレームは製造プロセスまたは物の組成物を変更するプロセスを記述していないことを認めた。」)。これらのクレームは機械または変換テストに合格しないから、我々はこれらのクレームが基本的原理、争いを仲裁するメンタルプロセスにのみ関し、それゆえ101条に基づく特許適格ではないと判示した。Id.

 さらに、我々はComiskeyにおいて「物質界のステップ」に依存しなかったばかりでなく、より以前の判決における101条分析へのそのようなアプローチを批判した。AT&Tにおいて、我々は「物質界の限定」テストを拒絶し、「クレームされた発明が数をインプットすること、数を計算すること、数を出力すること、および数を蓄積することを伴うという単なる事実によって、それ自体でそれだけで、法定でない発明特定事項になることはないであろう」と書き留めた。172 F.3d at 1359 (quoting State St., 149 F.3d at 1374). 争点となっているクレームが数学的アルゴリズム以外の基本的原理を列挙している場合も同じ論理付けが適用される。それゆえ、101条に基づく正しい審理は、プロセスクレームが意味のある「物質界のステップ」を列挙しているかどうかではなく、そのクレームが機械または変換テストに合格しているかどうかである[25]。その結果として、「物質界のステップ」を列挙していても、特定の機械または装置も物品の異なった状態または物への変換も列挙しないクレームは特許適格な発明特定事項ではない。逆に言えば、「物質界のステップ」を欠くと称されるが、それでも機械に結びつけられているまたは適格な変換を達成するクレームは101条に基づく資格を有することになる[26]

B.

 これらの予備的な問題が解決したので、次に我々は我々の判例法が最高裁によって明らかにされた101条分析に基づいていかに精巧に作り上げられているのかに移る。これらの判決における論理付けが、以上に説明したようにもはや有効でない「
有用で具体的でかつ現実の結果」のような考慮またはテストに依存する限りにおいて、それらの判決のこれらの見地はもはや依存されるべきではない。それゆえ、我々は、機械または変換テストを使用して101条分析を行う方法に関するより重要なガイダンスを収集するために正しいテストに基づく若干の事件の事実を再検討する。

 機械または変換テストは2つの枝のある審理である;出願人は、彼のクレームが特定の機械に結びつけられているか彼のクレームが物品を変換していることを証明することによってプロセスクレームが101条を満たすことを証明することができる。See Benson, 409 U.S. at 70. ある考慮が両方の枝に基づく分析に適用可能である。第1は、Bensonによって例証されたように、また以下に検討するように、特定の機械または物品の変換の使用が特許適格性を授けるためにはクレームの範囲に意味のある限定をしなければならない。See Benson, 409 U.S. at 71-72. 第2は、クレームされたプロセスにおける機械または変換の係わり方は単なる意味のない解決外活動<extra-solution activity
>であってはならない。See Flook, 437 U.S. at 590.

 機械実装に関しては、出願人らは自らクレーム1の文言はいかなるプロセスステップも特定の機械または装置に限定しないことを認めている。See Appellants' Br. at 11. その結果として、このテストの機械実装部分に特有な争点は現在の我々の審理の対象ではない。我々は、コンピュータの列挙がプロセスクレームを特定の機械へ結びつけるのに十分であるかどうかのような機械実装の正確な輪郭の詳細は将来の事件に残しておく。

 しかしながら、我々はこのテストの変換部分への洞察を得るために我々の過去の判例法のいくつかを検討する。クレームされたプロセスは、物品を異なった状態または物に変換する場合、特許適格である。この変換はクレームされたプロセスの目的にとって中核的<central
>でなくてはならない。しかし、ここで説明を必要とする変換テストの主な側面は、変換が101条に基づく特許適格性を授けるに十分な「物品<articles>」はどんな種類のものが構成するのかである。物質界の物体または物質<physical objects or substances>のためのプロセスが特許適格な発明特定事項であることは実質上自明である。Bensonにおいて最高裁は次のように述べている:
布をなめす、染める、防水する、インドゴムを加硫する、鉱石を製錬する技術は…実例である、しかしながら、そこにおいては、化学的物質の使用または温度制御のような物質界の行為は物品または材料を変化させる。化学的プロセスまたは原材料<the raw material>を変化させる物質界の行い<physical acts>は、しかしながら、むしろ明確な境界内に特許専有<the patent monopoly>を限定するために十分に明確である。
409 U.S. at 70 (quoting Corning v. Burden, 56 U.S. (15 How.) 252, 267-68 (1854)); see also Diehr, 450 U.S. at 184(ゴムを加硫するプロセス); Tilghman, 102 U.S. at 729(脂肪をその構成要素である酸およびグリセリンに変えるプロセス)。

 しかしながら、多くの情報時代のプロセスの原材料は電子的信号および電気的に操作されたデータである。そして、本件においてクレームされているような、いくつかのいわゆるビジネスメソッドは、法的義務、組織体の関係、およびビジネスリスクのような、より抽象的構成物の操作を伴う。もしあるとすれば、これらのプロセスのどれが特許適格な発明特定事項を構成する物品の異なった状態または物への変換または変形として適格性を与えられるだろうか?

 我々の判例法はこの問題への熟慮したアプローチをとり続けてきた、そして、我々は特許適格な物品の変換を構成するものの境界を本件において拡張する理由は見いだせない。

 Abeleにおける我々の前身の裁判所のミックスされた結果がこのポイントを例証している。我々はそこにおいて、平均値からのデータのバリエーションをグラフィカルに表示するプロセスを列挙する広い独立クレームは特許性を有しないと判示した。Abele, 684 F.2d at 909. このクレームは、いかなるデータの特定のタイプまたは性質も明示しておらず;データがどこからいかに得られるのかまたはそのデータが何を表しているのかさえも明示していなかった。Id.; see also In re Meyer, 688 F.2d 789, 792-93 (CCPA 1982)(不明確な「複合システム」とあいまいな「要素」を伴うプロセスクレーム)。対照的に、我々は、「前記データはコンピュータトモグラフィースキャナによる2次元面で作成されたX線減衰データであると特定する」Abeleの独立クレームの一つは特許適格な発明特定事項に関すると判示した。Abele, 684 F.2d at 908-09. このデータは明瞭に物質界の現実の物体<physical and tangible objects>、すなわち骨、臓器、およびその他の体の組織を表している。それゆえ、この生データ<raw data>のディスプレイ上における物質界の物体の特定の視覚的描写への変換はこのより狭くクレームされたプロセスを特許適格にするに十分である。

 さらに我々は明確化のために、Abeleにおけるデータそれ自体の視覚的描写への電子的変換(クレームはデータが表す基礎となる物質界の物体のいかなる変換も伴うことを必要としない)は[訳注:特許適格にするに]十分であると書き留める。我々は、これが最高裁が機械または変換テストのための基礎として表現した事柄、すなわち基本的原理の占有の防止に忠実であると信じる
。クレームされたプロセスが明確なデータを変換する基本的原理の実際の応用<a practical application>に限定されている限り、またクレームが物質界の物体または物質を表す視覚的な描写に限定されている限り、そのクレームの範囲が原理の全ての使用を完全に占有する危険性はない。

 本裁判所および我々の前身の裁判所は、アルゴリズムへのデータ収集ステップの追加はそのアルゴリズムを特許適格なプロセスへ変換するには不十分であると何回も述べてきた。E.g., Grams, 888 F.2d at 840(そのアルゴリズムのためにデータを得るステップはクレームを適法とはしないだろう」); Meyer, 688 F.2d at 794(「[データ収集]ステップはその他では不適法なクレームを適法にすることはできない」。例えば、Gramsにおいて、我々は、臨床テストを実行しそのテストのデータに基づいて異常が存在するかどうかおよび異常に関するあり得そうな原因を決定するプロセスは特許性を有さないと判示した。888 F.2d at 837, 841. 我々はそのクレームを単にアルゴリズムにデータ収集ステップを組み合わせただけであるという理由で拒絶した。Id. at 839-41. 我々は、少なくともほとんどの事件において、データ収集はいかなる物品の変換も構成しないであろうと書き留める。単にデータインプットが収集されるという要件(その方法は明示されない)は、全てのアルゴリズムは本来データインプットの収集を必要とするから、アルゴリズムに対するクレーム上の意味のない限定である。Grams, 888 F.2d at 839-40. さらに、本来備わっているデータ収集ステップは当然に取るに足らない解決外活動としても特徴づけられ得る。See Flook, 437 U.S. at 590.

 同様に、In re Schraderにおいては、ウイニングビットが(各品目それぞれに対する個別の最も高いビットではなく)全ての品目の総額を最大にする方法で選択される多数の品目のオークションを行う方法に関するクレームが提出された。22 F.3d 290, 291 (Fed. Cir. 1994). 我々は、そのクレームは特許性を有さない発明特定事項、すなわち数学的最適化アルゴリズムに関すると判示した。Id. at 293-94. いかなる特定の機械または装置も列挙されていなかった。クレームされた方法は、特定の記録方法(例えば、紙、コンピュータ)が明示されない各品目へのビットを記録するステップを必要としていた。Id. しかし、Flookにより、我々はこのステップは取るに足らない解決後活動を構成すると判示した。Id. at 294.

IV.

 次に我々は本件の事実について検討する。以上で概説したように、本裁判所が効力を発生させる問題は、出願人らのクレーム1は機械または変換テストの変換の枝を満たすかどうかである。

 我々は、出願人らのクレームされたプロセスは何らかの物品を異なった状態または物へ変換しないと判示する。単なる公衆のまたは私的な法的義務もしくは関係、ビジネスリスク、またはその他のそのような抽象概念の変換または操作と称されるものは、それらが物質界の物体または物質ではなく、かつ物質界の物体または物質を表すものではないから、このテストを満たすことができない。出願人らのプロセスはせいぜいそのような不適格な変換だけを組み入れたものに過ぎない。See Appellants' Br. at 11(「[クレームされたプロセス]は商品供給者、消費者および参加者…の間の関係を変換する」)。前に検討したように、クレームされたこのプロセスは何かの商品を与えられた価格で与えられた期間に購入する法的権利に過ぎないオプションだけの交換を含んでいる。See J.A. at 86-87. そのクレームは「リスクポジションに対応した固定されたレート」でこれらの法的権利の交換を伴う「取引」に言及しているにすぎない。See ′892 application cl.1. したがって、クレーム1はいかなる物質界の物体または物質、またはいかなる物質界の物体または物質の電子信号表現<an electronic signal representative >の変換も含んでいない。そのテストの機械実装部分の不合格を自認していることが与えられていれば、そのクレームは機械または変換テストに完全に不合格であり、特許適格な発明特定事項に関するものではない。

 出願人らの主張は、不正確または不十分な検討に依存しており、彼らのクレームが最高裁の機械または変換テストに不合格であることを述べていないから、無益である。第1に、彼らはクレーム1は「有用で具体的でかつ現実の結果」を生み出すと主張する。しかし既に検討したように、これは101条に基づく特許適格性を確立するには不十分である。また出願人らは彼らのクレームされたプロセスは「全体的または実質的に心の中で実行されるだけでなく現実の結果を有する物質界の活動を明らかに必要とするステップ」からなるとも主張する。Appellants' Br. at 9. しかし既に検討したように、正しい分析はクレームが機械または変換テストを満たすかどうかであり、「物質界のステップ」を列挙しているかどうかではない。もし、出願人らのクレームが彼らが主張するように「一連の物質界の行いにより実行されることだけができる」としてさえも、see id. at 9、機械または変換テストにおける明確な不合格は致命的である。それゆえ、議会によって課された特許適格性の唯一の制限は、発明が101条に列挙された4つのカテゴリーの一つの中に入ることである点について我々は出願人らに同意するが、我々はプロセスクレームが101条の意味の中の法定の「プロセス」に関するかどうかを決定するために最高裁のテストを適用しなければならない。本件に適用すると、出願人らのクレームはそのテストに不合格であり、そうであるからその文言が解釈された101条に基づく「プロセス」に関するものではない。

 他方、我々は、機械または変換テストがプロセスクレームが101条に基づき特許適格であるかどうかを決定する際に適用する正しいテストであるという点でPTOに同意するが、既に検討したように、これが「技術<technological arts>」テストに帰するという点では同意しない。See Appellee's Br. at 24-28. PTOも裁判所も、「技術」要件のような均等物または近道と称されるものを使って、機械または変換テストを軽く扱うことはできない。むしろ、プロセスクレームの特許適格性を評価する場合、機械または変換テストが唯一の適用可能なテストであり、最高裁および本裁判所によって提供されたガイダンスに照らして適用されなければならない。しかしながら、我々が本件においてそうするとき、我々は、PTOが行ったように、出願人らのクレームはこのテストに不合格であると結論しなければならない。

 出願人らのクレームは我々がComiskeyにおいて101条に基づく特許性を有しないと判示したクレームと類似している。そこにおいては、出願人らは、一方的な文書と双方の「契約上の」文書に関する論争の委任を受けた仲裁のプロセスをクレームした。そのプロセスにおいては、仲裁が文書の文言によって必要とされ、その文書に関する論争が仲裁され、拘束力のある決定がその仲裁から生じる。Comiskey, 499 F.3d at 1368-69. 我々は、最も広いプロセスクレームは、「これらのクレームは機械を必要とせず、かつこれらのクレームは明白に製造プロセスまたは物質の組成の変更プロセスを記述していない」から、101条に基づく特許性がないと判示した。Id. at 1379. 我々は、このクレームはむしろ論争を仲裁する「メンタルプロセス」に関し、実際の問題の解決への人間の知性[だけ]の適用のようなクレームは基本的原理のクレーム以上のものではないと結論した。Id. at 1377-79 (quoting Benson, 409 U.S. at 67(「メンタルプロセス、および抽象的な知的な概念は、科学技術製作品の基本的なツールであるから、特許性がない。」))。

 Comiskeyのクレームが全体として最終決定を決めるために論争を仲裁するメンタルプロセスに関するのとちょうど同じように、本件におけるクレームされたプロセスは全体としてリスクをヘッジするであろう取引を確認するメンタルおよび数学的プロセスに関する。確認され取引が実際になされることをクレームが必要としているという事実は、Comiskeyにおいて仲裁において実際になされる決定がクレームに必要とされるという事実と同様に、全体としてのクレームの特徴を変えるものではない、すなわちどちらの事件でもクレームは何かの特定の機械を使用するまたは何かの適格な変換を達成することを必要としていない。

 実際、我々は現在の訴訟およびComiskeyにおけるクレームと類似するクレームを首尾一貫して拒絶してきた。例えば、Meyerにおいて、出願人らは、特定されていない多構成部分システム(数値「factor
」を各構成部分に割り当て各構成部分の診断テストに基づいてその値をアップデートする)における故障の位置を診断する方法に特許を得ようとした。688 F.2d at 792-93. それゆえ故障の位置はこれらの「factor」を調査することにより推論される。その診断テストは特定されておらず、その「factor」はいかなる特定の測定にも結びつけられてもいない;実際それらは任意であり得る。Id. at 790. 我々は、このクレームは「メンタルプロセスを表す数学的アルゴリズム」にのみ関すると判示し、101条の理由によるPTOの拒絶を維持した。Id. at 796. クレームの中にいかなる機械も列挙されておらず、実体のない「ファクター」を一つの数から他に潜在的に「変換」するだけである。それゆえ、このクレームは特定の構成部分の状態が変化したことを通知することによってシステムにおける故障の位置を診断する基本的なメンタルプロセスの占有を事実上得ようとするものである。そして、既に検討したように、同様なクレームがGramsにおいて拒絶されている[27]。See 888 F.2d at 839-40(体の異なった部分の特定されていない臨床テストの結果における不一致を特定し知らせることによって人間における「異常状態」を診断するプロセスのクレームを拒絶している)。

 MeyerおよびGramsにおける状況と同様に、本件の出願人らは、コンピュータや他の装置の助けなしに必要な数学的計算を実行し、その計算によりそれぞれ他のリスクをヘッジするであろう取引をメンタルに特定し、これらの取引を完成させる解決後ステップを実行するという純粋なメンタルプロセスを含む非変換プロセスをクレームすることを求めている。したがって、クレーム1はヘッジの基本的な概念およびヘッジに本来備わる数学的計算(特定の数学的公式に限定されてさえいない)のあらゆる応用の事実上の占有であろう。そして、出願人らはこの占有の範囲はヘッジが消費性商品の分野において応用されるように限定されていると主張するが、最高裁の理由付けは消費性商品の分野内だけのヘッジの全ての応用の事実上の占有は許されないことを明確にしている。See Diehr, 450 U.S. at 191-92(使用分野の限定は基本的原理に関して特許不適格なクレームに特許適格性を与えるには不十分であると判示している)。さらに、クレームのプロセスは物質界のステップ(始める、特定する)を含んでいるが、物品の異なった状態または物への変換を伴っていない。したがって、出願人らのクレームは101条に基づく特許適格な発明特定事項に関するものではない。

結論

 クレームが101条に基づく特許適格なプロセスに関するかどうかを決定する適用可能なテストは、最高裁によって明らかにされここにおいて明確に説明した機械または変換テストであり、出願人らの本件クレームはこのテストに明確に不合格であるから、審判部の審決は

維持される



脚注
[1]Comiskeyにおける我々の判決は、あらゆる事件において審査官は特許性の他の問題を評価する前に101条分析を行うことを命じているとして、誤解している者もいるかもしれないが、我々はそうは判示していない。他の特許性の要件と同様に、審査官は101条だけに基づいてクレームを拒絶することができる。あるいは、もし審査官が適切であると考えるのであれば、101条に言及することなく他の根拠に基づいてクレームを拒絶することができる。しかし、101条が入り口の要件であることを考えれば、明らかに特許性のない発明特定事項に関するクレームはこの根拠に基づいて認定され、拒絶されるべきである。それゆえ、審査官は一般に最初に、出願人のクレームが特許適格な発明特定事項に関するものであることを審査して納得すべきである。

[2]その結果として、我々はNuijtenを検討することを断る、なぜならその判決は主に電子信号へのクレームが特許適格な製品に関するかどうかに関連しているからである。500 F.3d 1346, 1356-57 (Fed. Cir. 2007). PTOはNuijtenにおけるプロセスクレームが101条に基づく特許適格な発明特定事項に関することを争わずに、プロセスクレームを許したと我々は書き留める。

[3]議会は、特許法100(b)条の中で「プロセス」の定義を行っている:「用語「プロセス<process
>」はプロセス、技法又はメソッド<process, art or method>を意味し、既知の方法、機械、生産品、組成物、又は材料の新規な用途を含む」しかしながら、この規定は、定義自体が用語「プロセス」を使用していることからして、助けにならない。

[4]1793年の特許法は「プロセス」ではなく最初は「技法<art>」を使用し、議会が現在の1952年の101条のバージョンを制定するまで、
それが変わらずに残っていた。しかし、最高裁は、「特許法の文言において、[プロセス]は技法<art>であるから、この修正はプロセスクレームに対する特許適格性の範囲を変更しないと判示した。Diamond v. Diehr, 450 U.S. 175, 182-84 (1981) (quoting Cochrane v. Deener, 94 U.S. 780, 787-88 (1877)); see also Comiskey, 499 F.3d at 1375.

[5]この意見において使用したように、「基本的原理」は「自然法則、自然現象、および抽象的アイディア」を意味する。

[6]数学的アルゴリズムは、他の事件では、自然法則よりもむしろ抽象的アイディアとして確認されてきた。See, e.g., State St., 149 F.3d at 1373. どちらかあるいは両方の見解が正しいかどうかは、自然法則および抽象的アイディアの両方が101条に基づく特許性を有しないから、重要ではない。Diehr, 450 U.S. at 185.

[7]最高裁は「結びつけられている<tied to>」、「変換する<transforms>」、または「物品<article>」のような用語のはっきりした定義は行っていないが、最高裁の意見およびそれに続くこれらの判決を適用する本裁判所の判例(後で検討する)の注意深い分析によって最高裁の機械または変換テストの我々の理解を知ることができる。

[8]FlookはBensonにおいて最初にはっきりと表現された機械または変換テストに明白には従っていないということが論じられるかもしれないから、我々はより最近のDiehrにおける判決が機械または変換テストを再度肯定したことを書き留める。See Diehr, 450 U.S. at 191-92. さらに、Diehrにおける最高裁は、FlookはBensonに
類似した状況を提出している」と説明しそれがDiehrとBensoの判示で首尾一貫していると考えている。Diehr at 186-87, 189, 191-92. それゆえ我々はDiehrにおける最高裁のFlookの理解に従う。

[9]
我々は、争点のクレームは「いかなる特定の装置または機械…にも限定されていない」とBensonにおける最高裁が述べていることを認める。409 U.S. at 64. しかしながら、最高裁はその後すぐに次のように述べている:「[そのクレームは]任意のタイプの汎用デジタルコンピュータにおけるクレームされた方法<method>の使用をカバーすることを意図している。Id. そして、そこにおいて検討されたように、最高裁は、唯一の可能性のある使用はデジタルコンピュータ上のものであるから、クレームされたプロセスが列挙されたアルゴリズムの全ての使用を占有しているという理解に頼って、その判示を行った。Id. at 71-72. Diehrにおける最高裁は、Bensonの検討において、Bensonのクレームのこの後者の理解だけに頼っている。See Diehr, 450 U.S. at 185-87. 我々は同じことをしなければならない。

[10]See, e.g., Br. of Amicus Curiae Am. Intellectual Prop. Law Ass'n at 17-21; Br. of Amicus Curiae Regulatory Datacorp, Inc. at 10-15.

[11]最高裁は、機械または変換テストについて、このテストはクレームが法定の「プロセス」(特許法自体は機械実装または変換をはっきりとは述べていない)に関するかどうかを決定するために使用するツールであるという理由で、特許適格性への「糸口<clue
>」として述べていると我々は信じている。我々は、言葉「糸口」を機械または変換テスト[訳注:原文はthe machine-or-implementation testであるが誤記と考える。]が選択的なまたは単なる助言であるとは考えていない。むしろ、最高裁はそれを単なる「一つの」糸口< "a" clue>ではなく、糸口<the clue>として記述している。See Benson, 409 U.S. at 70.

[12]Diehrにおける最高裁は次のように述べている:「数学的公式を含むクレームがその公式を、全体として考えた時、特許法が保護するために設計された機能(例えば<e.g.>物品を異なった状態またはものへ変換するまたは変える)を実行する構造またはプロセスに実装または応用する場合、そのクレームは101条の要件を満たす。」450 U.S at 192 (emphases added). 我々は、BensonとFlook(これにDiehrの最高裁がしっかりと頼っている)を一緒に読んだ場合、この説示は機械または変換テストと首尾一貫していると信じる。しかし、我々がAT&Tにおいて書き留めたように、「例えば<e.g.>」の使用のような文言が、機械または変換テストが将来において修正を必要とされるかもしれないという最高裁の認識を示しているのかもしれない。See AT&T, 172 F.3d at 1358-59.

[13]ピタゴラスの原理の測量技術への応用の例は単なる使用分野の限定の例としても考えることができる。

[14]最高裁は「解決後」活動について述べているが、最高裁の理由付けはクレームされたプロセスの中のどこに何時現れるのかにかかわらずあらゆる取るに足らない解決外活動に等しく適用できると我々は認識している。See In re Schrader, 22 F.3d 290, 294 (Fed. Cir. 1994)(101条に基づく特許適格性の授与ができないクレームされたプロセスの真ん中における単なる記録ステップと判示している。); In re Grams, 888 F.2d 835, 839-40 (Fed. Cir. 1989)(101条に基づく特許適格性の授与ができないデータ収集の解決後ステップと判示している)。

[15]同様に、適切な発明の詳細な説明、実施形態、ベストモード等の考慮も101条分析とは無関係である、なぜなら、それらもまた特許法の他の条文によって律せられているからである。しかしながら、101条は有用な発明に基づいてのみ特許を許す。Brenner v. Manson, 383 U.S. 519, 532-35 (1966).

[16]我々はPTOも101条の法理の分析において活躍してきたことを書き留める。See, e.g., Ex parte Lundgren, 76 USPQ2d 1385 (B.P.A.I. 2004); Interim Guidelines for Examination of Patent Applications for Patent Subject Matter Eligibility, Off. Gaz. Pat. & Trademark Office, Nov. 22, 2005.


[17]それゆえ、Abele、Meyer、Grams、Arrhythmia Research Technology, Inc. v. Corazonix Corp., 958 F.2d 1053 (Fed. Cir. 1992)、およびその他の判決における、Freeman-Walter-Abeleテストにのみ依存する部分はもやは依存されるべきではない。

[18]State Streetにおいて、しばしば忘れられるが、我々はプロセスではなく機械に関するクレームを扱った。149 F.3d at 1371-72(控訴されたクレームのミーンズプラスファンクション要素はすべて発明の詳細な説明に開示された支持する構造に対応していると判示している)。

[19]その結果として、「有用で具体的でかつ現実の結果」分析にのみ依存するState StreetおよびAT&Tにおける我々の意見はもはや依存されるべきではない。

[20]See, e.g., Br. of Amicus Curiae Consumers Union et al. at 6-10; Br. of Amicus Curiae William Mitchell Coll. of Law Intellectual Prop. Inst. at 14-15.

[21]Compare Appellee's Br. at 24-28(特許は「科学または数学の応用に関する」「技術的」発明のためだけに取っておかれ、それにより「クレームされた目的を達成する能力が契約の成立のみに依存する活動」のような「非技術的発明」を排除すべきではないと論じている), with Br. of Amicus Curiae Regulatory Datacorp, Inc. at 19-24(「技術的<technological>の正当な定義は『ある特定の分野における知識の実際の応用によって特徴付けられる』」から、そして、現代の経済学は英文学のような教養科目<liberal arts>よりも物理学およびエンジニアリングに「ごく近い類似性を有しているから、「ビジネス、ファイナンス、およびその他の応用経済学分野における発明は明白に『技術的<technological>』としての資格がある」と論じている)。

[22]See, e.g., Br. of Amicus Curiae Fin. Servs. Indus. at 20(「ビジネスを行う純粋な方法に特許保護を拡張することは…特許専有<patent monopolies
>を許可するための憲法および特許法の原理に反する」)。

[23]したがって、何人かの法廷助言者によってそうするように誘われたが、我々は最高裁によって明らかにされた基本的原理に関するクレームの除外を超えてソフトウェアまたはその他のそのようなカテゴリーの発明特定事項に幅広い除外を採用することを断る。See, e.g., Br. of Amicus Curiae End Software Patents; Br. of Amicus Curiae Red Hat, Inc. at 4-7. 我々は、本件の争点となっているプロセスクレームは、いずれにしても、ソフトウェアクレームではないとも書き留める。それゆえ、本件における事実は特許適格なソフトウェアクレームと特許不適格なソフトウェアクレームとの区別を明らかにするには概ね役に立たないであろう。

[24]「そのプロセスの中で使用されるように、その他の法定の発明特定事項の種類(例えば、機械、製造、または物の組成)の中に実装される、そこで動作する、変換する、または別の方法で関連する場合だけ、アルゴリズムまたは抽象的アイディアを列挙するクレームは法定の発明特定事項であり得る」499 F.3d at 1376と我々がComiskeyにおいて述べたことは最高裁の機械または変換テストの要約に過ぎず、そのテストを変更するものとして解釈されるべきではない。

[25]それゆえ、コンピュータ上のソフトウェアによって実行されるプロセスステップが十分に「物質界<physical>」のものであるかどうかは101条分析にはまったく不適切である。

[26]もちろん、全てのプロセスステップが完全に人間の心の中で実行され得るクレームされたプロセスは、明らかにいかなる機械にも結びつけられておらず、かついかなる物品を異なった状態または物へ変換しない。その結果として、それは101条に基づく特許適格性を有さないであろう。

[27]最高裁の何人かの裁判官が、上告受理申立の却下に対する反対意見において、Laboratory Corp. of America Holdings v. Metabolite Laboratories, Inc.における同様なクレームが特許性のない発明特定事項に関するという彼らの見解を述べていることを我々は書き留める。126 S. Ct. 2921, 2927-28 (2006) (Breyer, J., dissenting; joined by Stevens, J., and Souter, J.). その事件では、クレームされたプロセスは、(1)「高レベルの全ホモシステインに関して体液を分析する」、および(2)「前記体液中の高レベルのホモシステインをビタミンB12または葉酸の欠乏と関係づける」のステップだけからなる。Id. at 2924.



連邦巡回区合衆国控訴裁判所(CAFC)

 
2007-1130
(シリアルNo. 08/833,892)
 
BERNARD L. BILSKIおよびRAND A. WARSAWに関する事件

米国特許商標庁特許審判部からの出訴

RADER巡回裁判官の反対意見。

 「Bilskiは単に抽象的アイディアをクレームしているから、本裁判所は特許庁審判部の拒絶を維持する」と一文で述べられることを言うために、本裁判所は、頁に次ぐ頁、パラグラフに次ぐパラグラフ、説明に次ぐ説明に精を出している。もしこの膨大な裁判所の大作の唯一の問題が回りくどい道筋であるとすれば、私は反対しなかったであろう。しかし、この冒険的企ては確立した思慮深い法の原理も崩壊させる。

 裁判所の[訳注:多数意見の]困難性の多くは過去の技術を扱った多数の最高裁の意見から文脈を取り出した見解に信頼を置いていることである。別の言葉で言えば、イノベータが次の技術革命への道を探しているときに、本裁判所は我々の特許制度を血の出る思いの先端から数十年間隔たった工業時代の見解に結びつけているのである。特許適格性に関する最高裁の原則および判例を直接読めば、上記の一文による解決策を生み出せるであろう。しかしながら、原子より小さな粒子とテラバイトの時代に本裁判所は特許適格性を鉄と鋼の時代へ結びつけているから、私は謹んで反対する。



 合衆国の特許法は常に「発明の才はおしみのない奨励を受ける」という哲学を体現してきた。Writings of Thomas Jefferson 75-76 (Washington ed. 1871); see also Diamond v. Chakrabarty, 447 U.S. 303, 308-09 (1980). この原理に忠実に、最初の特許法は「いかなる<any>新規かつ有用な技法<art>、機械、生産品、組成物」も特許適格であるとした。Act of Feb. 21, 1793, ch. 11, § 1, 1 Stat. 318 (emphasis supplied). 特許法が改正された時でさえ、その岩盤の原則はその基礎として残った。それゆえ、特許法はその発端から特許性をクレームされた発明の特定の性質(新規および有用)に焦点を合わせたのであり、特定の発明特定事項のカテゴリーに焦点を合わせたのではない。

 101条の現代の形はこの原則をしっかりと有しており、特許適格な発明特定事項の幅広いカテゴリーを明らかにし、クレームされた発明の、カテゴリーではなく、性質を特許性の要件としているのである:
いかなる<any>新規かつ有用なプロセス、機械、生産品、組成物、又はそれらのいかなる<any>新規かつ有用な改良を発明又は発見した者は、本法の条件および要件に基づいて、特許を受けることができる。
35 U.S.C. § 101 (2006) (emphases supplied). 私が示したように、最高裁はこれらの言葉の「通常の、同時代の、普通の意味」に頼るように本裁判所に要求している。Diamond v. Diehr, 450 U.S. 175, 182 (1981). もし本裁判所が最高裁のルールに従うのであれば、列挙されたカテゴリーに含まれ他の特許要件を満たす新規かつ有用な発明に幅広い特許保護を与えるであろう。結局、これが正確に特許法が述べていることである。

 Diehrにおいて、最高裁は特許可能な発明特定事項を決定するための非常に有用なアルゴリズム、すなわち、特許法自体に従う、を採用した。最高裁は、その事件の経過を明らかにした後、次のように述べている:「制定法解釈の場合、我々は制定法の文言から始める。」Diehr, 450 U.S. at 182. (裁判所[訳注:多数意見]の論法の中心をなす)「物品の『異なった状態または物へ』の変換および変形は機械を含まないプロセスクレームの特許性への糸口である」というBensonの文言(Gottschalk v. Benson, 409 U.S. 63, 72 (1972))に関連して、最高裁はその時、次のように書き留めている:
特許法を扱う場合、「裁判所は『特許法に議会が表現していない制限や要件を読み込むべきではない』」と我々は一度以上警告した。
Diehr, 450 U.S. at 182 (citations omitted). 実際、101条の用語「プロセス」は方法<methods>のあるタイプを排除するヒントは含んでいない。それにもかかわらず、今日、本裁判所は、「プロセス」のある部分集合に含まれるものだけが適格であると判示した。皮肉にも、特許法自体は、このような司法の新機軸<judicial innovations>は全くなしに、「プロセス」を定義している。35 U.S.C. § 100(b). それゆえ、Diehrが命じるように、裁判所は新しい回りくどい裁判官作成のテストの創作は控えるべきである。

 文脈中で読むと、101条は新機軸なしに解釈する更なる理由を与えている。明確に、101条自体が、特許性の要件から特許適格性を区別している(特許適格性を寛大に規定する一方で、特許性[訳注:新規性、進歩性等]が実質的により多くのものを要求していることを書き留めている)。その文言は、「いかなる新規かつ有用なプロセス…[および]いかなる改良」の中に見渡せる。35 U.S.C. § 101 (emphasis supplied). 例えば、拡張的な修飾子として、「いかなる」は用語「プロセス」の広い普通の意味を包含している。101条の文言は、特許法がいくつかのプロセスのサブカテゴリーに保護を及ぼし、他のサブカテゴリーには保護を及ぼさないという言外の意味は伝えてない。それは「いくらか<some>」または「たいてい<most>」を意味せず、全てを意味するのである。ソフトウェアおよび他の方法特許に関するヨーロッパの制限(see European Patent Convention of 1973, Art. 52(2)(c) and (3))、および公衆道徳に反すると思われる特許に対する禁止(see id. at Art. 53(a))のような特許適格な発明特定事項に対する幅広い除外を含む他の国の法律とは違い、合衆国の法律およびポリシーは彼らの[訳注:ヨーロッパ等の]発明特定事項にかまわずに進歩しているのである。その保護の約束が、今度は、この国を少なくとも今のところ世界的なイノベーションのリーダーにする研究に燃料をくべてきたのである。

II

 今日の本裁判所の適格性の新しいテストは、その法哲学の全てと共に、最も基本的な問題の全てに答えていない:なぜ101条の拡張的文言が、変形されないまたは機械に適切に結びつけられていない(これは一体何を意味するのか)という理由だけで、イノベーションの保護を排除するのであろうか? より簡単に述べれば、なぜ、イノベーションの何かのカテゴリーは保護に値しないとすべきなのか?

 本裁判所は、あっぱれな正確さをもって工業時代の最高裁判決の小さな活字を読み、これらの判決の真の重要性を見逃している。最高裁は多くの時代を超えて基本的な問題に解答してきた。最高裁は、適格性の唯一の境界は自然法則、自然現象、および抽象的アイディアと等価な発明であると助言してきたのである。See, e.g., Diehr, 450 U.S. at 185(「本最高は、101条への制限を疑いもなく認めており、あらゆる発見は特許法の用語の中に含まれない。そのような特許保護から排除されているのは、自然法則、自然現象、および抽象的アイディアである。」)。「プロセス」の適格性に関する最高裁の最も近い判決であるDiehrにおいて、最高裁は、特許法の文言からの唯一の排除はこれらの3つのコモンローの排除であると直接的に述べている:「我々の最近の判示は…長い間確立されている原則以上のものを表してはいない。」Id. at 185.

 この点は繰り返す価値がある。最高裁は、変換および機械の結びつきの表現の全ては抽象的なもの<abstractness>のルールを単に言い換えたものであることを述べている。本裁判所は、Diehrが非法定な変換または占有テストを示していると解釈するときに、最近の複数の判示の全てが自然法則および抽象的なものの排除を言い換えた以上のものではないという最高裁の警告を無視している。Id.; see also Chakrabarty, 447 U.S. at 310(「対照的に、本件においては、特許権者は、天然のものとは著しく異なり、重要な有用な可能性を持つ新しいバクテリアを製造した。彼の発見は天然の製作物ではなく、彼自身の製作物である;したがって、101条に基づき特許可能な発明特定事項である。」); Parker v. Flook, 437 U.S. 584, 591-594 (1978)(「自然現象または数学的公式はよく知られているかもしれないとしても、その原理の発明的応用は特許され得る。逆に、そのような現象の発見は、その応用において何かの他の発明的概念が存在しないのであれば、特許を支持しない。); In re Taner, 681 F.2d 787, 791 (C.C.P.A 1982)(「Diehrにおいて、最高裁は、Bensonは自然法則、自然現象、および抽象的アイディアが特許保護から排除されるという長い間確立されている原則以上のものは表していないことを明確にした。」)。

 抽象的なものおよび自然法則の排除は道理にかなうだけでなく、それらは101条の拡張的な文言の目的を説明している。自然法則および現象は、それらは決して発明され得ないから、特許保護の資格はあり得ない。結局、創造主またはアラーまたはヤハウェ[訳注:ユダヤ教の神]またはビシュヌ[訳注:ヒンズー教の神]またはグレートスピリット[訳注:アメリカンインディアンの部族主神]がこれらの法則および現象を人類共通の財産として与えたのである。さらに、101条が説明するように特許法は「有用な」技術を提供することを意図しているから、抽象的アイディアは決して特許保護の資格を有しない。抽象的アイディアは、保護の資格を得る前に、実際的な使用(に変換する)ために応用されなければならない。最高裁の意見の小さな活字は基本的な原則以上の何ものも伝えていない。それにもかかわらず、本裁判所は何かの最高裁の文言を最高裁自身のルールを無視するルールへと拡張(変換?)しているのである。

 「プロセス」の適格性を考えるとき、本裁判所は抽象的なクレームの素質<potential>に焦点を合わせるべきである。そのような抽象的なクレームは、特許性の伝統的テストに基づく従来技術に対する審査においても影響を受けやすくないという姿で現れるであろう。それゆえ、本裁判所はクレームが審査のために何かの具体的で現実の技術を提供することを保証することを望むであろう。実際、本訴訟において問題になっているヘッジするクレームは抽象的なものの古典的な例である。商品取引においてリスクをヘッジするBilskiの方法はぼんやりした経済概念または一見して自明のいずれかである。ヘッジすることは我々の商業システムにおいて長い間一般的に行われ、入門的なファイナンスクラスにおいて教えられる基本的な経済慣習である。ともかく、この表面上抽象的なクレームは新しい適格性の排除を作り出すことを正当化するものではない。

III

 特許法から離れることを大胆にやろうとする本裁判所のやる気は、Lab. Corp. of Am. Holdings v. Metabolite Labs., Inc., 548 U.S. 124 (2006)における上告受理申立の最高裁の却下におけるしばしば議論された反対意見のすぐ後に続くものである。その反対意見は自然現象と特許可能なプロセスの間の区別の基本的な誤解に基づいている。

 「自然現象」、「メンタルプロセス」、および「抽象的な知的な概念」の間の区別は線引きするのが難しくない。Lab Corp. の反対意見における基本的な誤りは、特許不適格な関係(すなわち、高ホモシステインレベルと葉酸とコバラミン欠乏の間の関係)と有用で具体的でかつ現実の結果を成し遂げるためにその関係を適用する特許適格なプロセス(すなわち、患者の潜在的に致命的な条件の診断)との間の相違を認識できなかったことである。この事件においては抽象性は全くない。その上、危険な条件の血液検査は自然現象ではなく、人間の発明である。

 この区別は単純であるが重要である:患者は特許できない自然現象(すなわち高ホモシステインレベルと低コバラミン)を経験するかもしれない。しかし、その発明はその自然現象をクレームしようとしてはいない。その代わりに、その特許は患者の血液を評価し、その後命にかかわる条件を検知する新しいプロセスによりその結果を分析するプロセスをクレームしているのである。その上、病気の患者は特許された発明を実行しない。その代わりに、その特許は有用で具体的でかつ現実の結果(命を救う明白な診断に役に立つ証拠)をもたらす血液検査のプロセスをカバーしているのである。その特許は、葉酸とホモシステインの間の特許不適格な関係もクレームしておらず、より良い装置または異なったプロセスへその関係を使用することから将来の発明者を閉め出してもいない。反対意見の文言とは逆に、ホモシステインとビタミン欠乏の間の相関関係だけを体現するのはその病気の患者である。

 ポリシーの立場から、Lab Corp.の反対意見はCAFCが今日尋ねないまたは答えない同じ基本的な問題を避けている:発明特定事項のこの全体の分野が発明のインセンティブに値しないのか? もしそうなら、それはなぜ? Lab. Corp.の状況においてその問題は極めて多くを物語っている:その発明によって診断される自然の条件は衰弱であり致命的でさえある。See U.S. Patent No. 4,940,658, col. 1, ll. 32-40(「コバラミンおよび葉酸欠乏の正確で早期の診断は…、これらの欠乏が命にかかわる血液学上の異常をもたらし得るから、重要である。コバラミン欠乏の正確で早期の診断は、無能力にする命にかかわる神経精神病学上の異常ももたらし得るから、特に重要である。Lab Corp.で特徴づけられた発明の前には、医学はこの衰弱条件を検出するための入手可能で信頼でき素早い手段を欠いていたのである。このイノベーションに対する特許保護の否定(正確にはその簡潔さと単純さ(全ての優秀な科学の主要な目的)による)は、診断ツールの将来の研究を傷つけ水を差すであろう。他の述べ方をすれば、乳ガンや免疫不全病を予知し診断する簡単な血液テストや尿テストを見つける研究者たちを励ますことを特許法は望まないのか? その状況においてなら、本裁判所は 、その判決が治療または他の重要な技術的進歩のための研究にインセンティブを与えるかどうかという有益な問をし得たかもしれない。そのような注意を行うことなしに、本裁判所は、不注意にも、乳ガンやルー・ゲーリッグ病やパーキンソン病などを診断する体内の「科学的関係」の発見から離れた保護できない投資を転換すべきであると発明者にアドバイスしているのである。

IV

 要するに、本裁判所は今日いくつかの回りくどく不必要なテストを発明した。本裁判所はBilskiは抽象的アイディアを特許化することを試みたと単に書き留めるべきである。それ以上のものは全く必要がない。その代わりに、本意見は答えられない問題を蔓延させている:どんな形または量の「変換」が必要か? どんな場合に物質界の物体の「代理物」が変換テストを満たすその物体に十分に結びつけられるのか?(例えば、患者から直接採取された生体兆候データだけが資格を有するのか?あるいは統計および推定から一部導かれた人口データは使用できるのか?) 機械へのどんな結びつきが「または機械」の枝を呼び出すに十分なのか? Bensonの「特定の」機械は必要とされるのか、あるいは汎用コンピュータは資格を得られるのか? 何が「解決外活動<extra-solution activity>」を構成するのか? プロセスが「機械」として招集される適格性を満たし得るとすれば、なぜ特許法は適格性を示すために「プロセス」に結びつけられる機械を「必要とする」のか? 101条の文言によって恐らく「必要とされる」この複雑な蜘蛛の巣のテストの中に冗長自体に対するルールは不適当を示すのか?

 一つの決定的な点は、101条の文言通りの解釈は軽薄で無用な発明を許さないだろう。抽象的なものの除外を超えてさえ、101条の最後の句「本法の条件および要件に基づいて」が、クレームされた発明は依然として特許法の他の条文で明らかにされた「条件および要件」を満たさなければならないことを保証している。Id. 特許法の条件および要件は、あいまいな「変換」または「適切な機械の結びつき」テストより、特許できない発明を排除する機能をより良く果たす。

 簡単な言葉を使えば、特許法は本裁判所が今日過度の重要性を持って与える「変換」または発明特定事項のカテゴリーの他の工業時代の記述の何かを規定してはいない。特許法は、用語プロセス、機械、生産品、および組成物の広い通常の意味を超えて、特許適格な発明特定事項に制限を課すように裁判所に権限を与えていない。その代わりに、特許法は未だ知られていない分野の発明に特許保護の約束を維持してきたのである。

 イノベーションはレンガとモルタルの世界を超えて進んできたのである。本裁判所のテストでさえ、補足説明および曲がりくねった表現と共に、これを認識しているようにみえる。今日のソフトウェアは物質界の支えなしに我々の生活を変容させている。この裁判所のテストはこれらの進歩を妨げる危険があるだけでなく、明日の技術のための特許保護を排除しているのである。「我々はまだ自然が我々に明らかにしたものの1パーセントの1/1000しか知らない。」Attributed to Albert Einstein. もし、本裁判所がこの方法をとるのであれば、特許法は自然の広大な秘密に向けての我々の研究にインセンティブを与えず、紛糾させてしまうかもしれないのである。他の全てのものが失敗したとき、制定法を調べよ。

 


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