一部仮訳 井上雅夫 2001.06.30-10.08     ↑UP 

マイクロソフト独禁法違反事件控訴審判決
2001.06.28

DC巡回区合衆国控訴裁判所
合衆国 v. MICROSOFT CORP

口頭弁論 2001年2月26,27日
判決 2001年6月28日
No. 00-5212
被控訴人 アメリカ合衆国
控訴人  Microsoft Coporation
00-5213併合
DC地区合衆国地方裁判所(No. 98cv01232)(No. 98cv01233)からの控訴

〔代理人〕
Richard J. Urowsky and Steven L. Holley argued the causes for appellant. With them on the briefs were John L.
Warden, Richard C. Pepperman, II, William H. Neukom, Thomas W. Burt, David A. Heiner, Jr., Charles F. Rule, Robert A. Long, Jr., and Carter G. Phillips. Christopher J. Meyers entered an appearance.
Lars H. Liebeler, Griffin B. Bell, Lloyd N. Cutler, Louis R. Cohen, C. Boyden Gray, William J. Kolasky, William F. Adkinson, Jr., Jeffrey D. Ayer, and Jay V. Prabhu were on the brief of amici curiae The Association for Competitive Technology and Computing Technology Industry Association in support of appellant.
David R. Burton was on the brief for amicus curiae Center for the Moral Defense of Capitalism in support of appellant.
Robert S. Getman was on the brief for amicus curiae Association for Objective Law in support of appellant.
Jeffrey P. Minear and David C. Frederick, Assistants to the Solicitor General, United States Department of Justice, and John G. Roberts, Jr., argued the causes for appellees. With them on the brief were A. Douglas Melamed, Acting Assistant Attorney General, United States Department of Justice, Jeffrey H. Blattner, Deputy Assistant Attorney Gen- eral, Catherine G. O'Sullivan, Robert B. Nicholson, Adam D. Hirsh, Andrea Limmer, David Seidman, and Christopher Sprigman, Attorneys, Eliot Spitzer, Attorney General, State of New York, Richard L. Schwartz, Assistant Attorney Gen- eral, and Kevin J. O'Connor, Office of the Attorney General, State of Wisconsin.
John Rogovin, Kenneth W. Starr, John F. Wood, Elizabeth Petrela, Robert H. Bork, Jason M. Mahler, Stephen M. Shapiro, Donald M. Falk, Mitchell S. Pettit, Kevin J. Arquit, and Michael C. Naughton were on the brief for amici curiae America Online, Inc., et al., in support of appellee. Paul T. Cappuccio entered an appearance.
Lee A. Hollaar, appearing pro se, was on the brief for amicus curiae Lee A. Hollaar.
Carl Lundgren, appearing pro se, was on the brief for amicus curiae Carl Lundgren.

目次
要約
I.イントロダクション
 A.バックグラウンド
 B.概観
II.独占
  A.独占力
   1.マーケットの構造
    a.マーケットの定義
    b.マーケット力
   2.直接証拠
  B.反競争的行為
   1.オリジナル機器製造業者に対するライセンス
    a.ライセンス制限の反競争的効果
    b.ライセンス制限に対するMicrosoftの弁明
   2.IEとWindowsの統合
    a.統合の反競争的効果
    b.統合に対するMicrosoftの弁明
   3.インターネットアクセスプロバイダとの契約
   4.インターネットコンテントプロバイダ、独立系ソフトウエアベンダー、及びApple Computerとの取引
   5.Java
    a.非互換JVM
    b.ファーストウエーブ契約
    c.Java開発者への詐欺
    d.Intelへの脅迫
   6.行為の経緯
   C.因果関係
III.独占未遂
 A.関連するマーケット
 B.参入障壁
IV.抱き合わせ
 A.それ自体テストに基づく独立した製品の調査 ここまで仮訳
 B.本件に不適当なそれ自体分析
 C.差戻審において
V.トライアル手続及び救済
 A.事実のバックグラウンド
 B.トライアル手続
 C.証拠審尋の不履行
 C.適切な説明の提供の不履行
 E.責任の修正
 F.差戻審において
 G.結論
VI.裁判所の不品行
 A.地裁裁判官の新聞とのコミュニケーション
 B.合衆国裁判官に対する品行規定違反
 C.公平らしさ
 D.裁判所の不品行と公平らしさに対する救済
  1.失格
  2.事実認定及び法的結論の再審理
VII.結論

Edwards首席裁判官、Williams、Ginsburg、Sentelle、Randolph、Rogers及びTatel巡回裁判官
合議体としての裁判所の意見

 合議体:Microsoft Corporationはシャーマン法1条及び2条違反を認定し様々な救済を命令した地裁判決に対して控訴している。

 Microsoftに対する訴訟は合衆国の訴状及び個別の州らの別々の訴状に従って提起された。地裁は、Microsoftが2条に違反してIntel互換PCオペレーティングシステムのマーケットにおける独占を維持した;2条に違反してインターネットブラウザのマーケットにおいて独占を得ることを試みた;及び1条に違反して言われるところによれば2つの別々の製品であるWindows及びExplorer(「IE」)を違法に抱き合わせたと、判決した。United States v. Microsoft Corp., 87 F. Supp. 2d 30 (D.D.C. 2000)(「法的結論」又は「Conclusions of Law」)。そして、地裁はシャーマン法1条及び2条に基づく責任を確立した事実と同じ事実によって類似した州の独禁条項に基づく責任を認定した。同。シャーマン法違反を救済するために、地裁は、Microsoftが会社をオペレーティングシステムビジネスとアプリケーションビジネスに分割する企業分割計画を提出するよう要求する終局判決を下した。United States v. Microsoft Corp., 97 F. Supp. 2d 59, 64-65 (D.D.C. 2000)(「終局判決」)。また、地裁の救済命令はMicrosoftの行為に多数の暫定的制限を含んでいる。同at 66-69。

 Microsoftの控訴は法的結論及びその結果の救済命令の両方を争う。本控訴には3つの主要な面がある。第1に、Microsoftは、3つ独禁法違反及びそれらの根拠となる多数の手続及び事実の根拠の全てに関して地裁の法的結論に異議を申し立てている。第2に、Microsoftは、地裁は争われた事実に関してその会社に証拠審尋を許さなかったから、及び、命令のかなりの条項に瑕疵があるから、救済命令は無効とされなければならないと主張する。最後に、Microsoftは、容認しがたい一方に偏った接触を行い、継続中の事件の本案訴訟に関して公衆に対する不適切なコメントを行うことによって、トライアル裁判官が倫理違反を犯したと主張する。Microsoftは、これらの倫理違反地裁裁判官が公平らしさを危うくており、それゆえ、地裁裁判官の失格、並びに、事実認定、法的結論、及び終局判決の無効が余儀なくされると主張する。

 地裁の事実認定及び法的結論、トライアルで提出された証言及び証拠、当事者らの書面、並びに、本裁判所における口頭弁論を含む膨大な記録を精査した後、我々は、Microsoftの責任に対する異議の全てではないがいくつかは価値があると認定する。したがって、我々は、Microsoftはオペレーティングシステムのマーケットにおいて独占を維持するために反競争的手段を行使したことによってシャーマン法2条に違反したとする地裁判決の一部を維持し、一部を取消す;我々は、Microsoftはインターネットブラウザマーケットを違法に独占することを試みることによってシャーマン法2条に違反したという地裁の判決を取消す;そして、Microsoftはオペレーティングシステムにブラウザを違法に抱き合わせることによってシャーマン法1条に違反したとする地裁の認定を差し戻す。我々の判決は、原告らのシャーマン法の請求に対応する州法に関する地裁の認定に及ぶ。

 また、我々は、地裁の救済命令を包含する終局判決に対するMicrosoftの異議に価値があると認定する。この結論を指示するいくつかの理由がある。第1に、地裁の終局判決は控訴審における再審理に耐えない多くの責任の決定に基づいている;それゆえ、現在のような救済命令は成り立たち得ない。更に、地裁は特定の事実の争点の救済を扱う証拠審尋を行わなかったから、我々は、仮に地裁の責任の決定を全体的に支持するとしたとしても、救済命令を取消し、差戻すであろう。

 最後に、地裁裁判官がマスコミとの秘密のインタビューを行い、法廷外で公衆に向けてのMicrosoftの役員に対する多くの攻撃的コメントを行うことによって、不公平らしさを生じさせる容認しがたい一方に偏った接触を行ったから、我々は、救済に関する終局判決を取消す。我々は実際に偏見があったという証拠は見いださないが、我々は、トライアル裁判官の行為が地裁における手続をひどく汚し、裁判手続の清廉潔白さに疑問を呼び起こしたと判示する。したがって、我々は、救済に関する終局判決を取消すことを強いられ、救済命令の再審理のために本件を差戻し、本件が差戻審において異なったトライアル裁判官に指定されることを要求する。我々はこの処置が引用された不品行を治癒するために適切であると信じる。

 要約すれば、以下でより完全に説明される理由により、我々は責任を評価する地裁判決を部分的に維持し、部分的に取消し、部分的に差戻す。我々は、救済命令を包含する終局判決を完全に取 消し、本件を本意見に整合する更なる手続のために異なったトライアル裁判官に差戻す。

I.イントロダクション

A.バックグラウンド
 1994年7月、司法省の官吏が合衆国を代理してMicrosoftを提訴し、ライセンス及びソフトウエア開発者契約における反競争的条件をとおしてオペレーティングシステムのマーケットにおいて違法に独占を維持したと告発した。その後、当事者らは同意判決を登録し、本案訴訟におけるトライアルを回避した。See United States v. Microsoft Corp., 56 F.3d 1448 (D.C. Cir. 1995)(「Microsoft I」). 3年後、司法省はMicrosoftが判決の条項の1つに違反したとして民事侮辱罪訴訟を提訴した。仮差止の認容からの控訴審において、本裁判所はMicrosoftのWindows 95へのIE 3.0及び4.0の技術的バンドルは同意判決の関連条項に違反しないと判示した。United States v. Microsoft Corp., 147 F.3d 935 (D.C. Cir. 1998)(「Microsoft II」). 我々はそのようなバンドルがシャーマン法1条又は2条に独立して違反するかどうかの疑問を明確に残しておいた。Id. at 950 n.14.

 1998年5月18日、Microsoft II判決より少し前に、合衆国及び州原告らのグループは個別の(そしてすぐに併合された)訴状を提出し、Microsoftによる独禁法違反を主張し、その会社の違法行為に対して仮差止及び永久的な差止を求めた。また、訴状は「Microsoftの違法行為によって影響されたマーケットにおける競争状態を取り戻すために必要かつ適切なあらゆる他の仮及び永久的な救済」を求めた。Gov't's Compl. at 53, United States v. Microsoft Corp., No. 98-1232 (D.D.C. 1999). 傑出したインターネットブラウザとしてのNetscape Navigatorをその地位から引きずり下ろすためのMicrosoftの様々な努力だけにほとんど依存して、原告らはサーマン法の4つの個別の違反を主張した:(1)1条違反の違法な排他的取引契約;(2)1条違反のWindows 95及びWindows 98への違法なIEの抱き合わせ;(3)2条違反のPCオペレーティングシステムのマーケットにおける独占の違法な維持;及び(4)2条違反のインターネットブラウザのマーケットの違法な独占未遂。また、州らはMicrosoftを様々な州独禁法違反で告発する未決の請求を行った。

 地裁はこの事件を「急行車線」にスケジュールした。仮差止に関する審尋及び本案訴訟のトライアルは連邦民事訴訟規則65(a)(2)条に基づいて併合された。トライアルは訴状が登録された後4ヶ月より少ない1998年9月8日に始めるようにスケジュールされた。一連のプレトライアル命令において、地裁は双方に最大で12名のトライアル証人プラス2名の反証証人に制限した。全てのトライアル証人の主尋問は宣言書の形で裁判所に提出されることが要求された。また、地裁は付随した問題を証明するためにトライアルで証言録取書の使用を許可した。3回の書面の許可に続いて、トライアルは1998年10月9日に始まった。

 76日間の裁判官によるトライアルの後に、地裁は事実認定を下した。United States v. Microsoft Corp., 84 F. Supp. 2d 9 (D.D.C. 1999)(「事実認定」又は「Findings of Fact」). これが二つの独立した訴訟経緯のきっかけになった。第1は、地裁は可能な法的結論に関する書面のスケジュールを行い、Lawrence Lessig教授を法廷助言者として参加することを求めた。第2に、地裁は相違点を解決するための機会を当事者らに与えるためにこの事件を仲裁に付した。Richard A. Posner第7巡回区合衆国控訴裁判所首席裁判官閣下が仲裁人として指名された。当事者らは仲裁への付託及び仲裁人の選定に同意した。

 ほぼ4ヶ月の当事者間での和解の話し合いの後に、仲裁は失敗した。2000年4月3日、当事者らの準備書面が提出され考慮され、地裁は法的結論を下した。地裁はMicrosoftは1条の抱き合わせ並びに2条独占維持及び独占未遂請求に責任があると認定し、Conclusions of Law at 35-51、一方、1条の排他的取引違反を支持する十分な証拠がない、Id. at 51- 54、と判示した。未決の州の訴訟に関しては、地裁は州独禁法はシャーマン法1条及び2条に隣接しており、それゆえ、更なる州特有の分析は不要であると認定した。Id. at 54-56. 州法が競争に対する州内の影響追の加的な証明が必要とされるわずかなケースにおいては、地裁は手元にある証拠で簡単に満たされる要件を認定した。Id. at 55.

 一つの争点を除き全てにおいてMicrosoftに責任があると認定した後、地裁は救済案の提出を原告らに求めた。原告らの救済命令案は6つの補充宣言書及び50を超える新しい証拠と共に4週間以内に登録された。原告らの案において、原告らは特定の行為救済にプラスしてMicrosoftをアプリケーション会社とオペレーティングシステム会社に分割する構造的救済を求めた。地裁は更なる証拠手続を求めたMicrosoftの要求を拒絶し、救済問題の本案訴訟の1回の審尋をおこない、2000年6月7日に終局判決を下した。地裁は原告らの救済案を実質的な変更なしに採用した。

 Microsoftは地裁が終局判決を下した後、一週間以内に控訴の通知を登録した。その後、本裁判所は本裁判所におけるあらゆる手続は大法廷で行われることを命令した。しかし、本裁判所によって実質的に扱われる前に、地裁は15 U.S.C. § 29(b)に基づいて本件を合衆国による最高裁への直接上告を認証し、一方、連邦及び州事件における終局判決命令を上訴継続中の延期を行った。州らはそれらの事件に関して最高裁に上告受理申立を行った。最高裁は政府事件の上告受理を拒絶し、本裁判所に差し戻した;最高裁は動揺に州らの上告受理申立を拒絶した。Microsoft Corp. v. United States, 530 U.S. 1301 (2000). その結果、本併合控訴事件が生じた。

B.概観
 Microsoftの様々な主張の本案事件に向かう前に、我々は一つは実務上で一つは理論上の二つの重要問題について簡単に思案する。

 実務上の問題は本件の時間的な面に関係する。本件における訴訟の時刻表は極めて問題となる。実際、この重大で複雑な事件がほんの3年間で訴状の登録からトライアルをとおして控訴新判決まで行われたことは注目すべきことである。See, e.g., Data Gen. Corp. v. Grumman Sys. Support Corp., 36 F.3d 1147, 1155 (1st Cir. 1994)(訴状の登録から控訴審判決まで6年間); Transamerica Computer Co., Inc. v. IBM, 698 F.2d 1377, 1381 (9th Cir. 1983)(トライアルのスタートから控訴審判決まで4年以上) ; United States v. United Shoe Mach. Corp., 110 F. Supp. 295, 298 (D. Mass. 1953)(訴状の登録からトライアル裁判所の判決まで5年以上).

 しかし、やや問題があるのは、原告らが反競争的と主張する最初の行為をMicrosoftが行ってから6年以上が経過している。本事件の記録が示すように、6年間はコンピュータ産業においては永遠のようにみえる。裁判所は裁判所が責任を評価することができる時間によって、会社、製品、及び市場は劇的に変化したようにみえる。今度は、これが衡平法上の執行事件で最初に差止救済を作り上げ次にこれらの救済を審理することの両方において救済の適切な手段を考慮する裁判所にとって大きな実務上の難しさとなる。行為救済はこのような事件において役に立たないかもしれない、なぜなら、イノベーションは既に相当な程度反競争行為を時代遅れにしているからである(決して無害であるわけではないが)。そして、広範囲な構造的救済はそれ自体、劇的に変化し常に変化している市場に競争を回復することを如何に取りかかるかを含む一組の問題を提出する。これが本件において(劇的な構造的救済の可能性を本気で考慮する前に利用可能な情報をアップデートし新しくする)救済に関する証拠審尋の地裁の拒絶が問題であると我々が認めるまさに一つの理由である。See infra Section V. 我々は、執行事件が技術的にダイナミックなマーケットにおいて独禁法の侵害を抑制する重要な役割をもはや演じないであろうと言っているのではなく、本件の本案訴訟を評価する上でこのように決めてかかっているわけでもない。将来に向けての救済が制限されているようにみえる事件においてさえも、政府は独禁法の輪郭を定義することに関心を持ち続け、その結果、遵法的な会社が許されるものとそうでないものの明確な分別を持つであろう。そして、私的損害賠償事件の脅威が方の限界をテストする傾向がある会社を思いとどまらせ続けるだろう。

 第2の重要な問題は本質的により理論的である。我々は、どの「オールドエコノミー」の2条独占論をネットワーク効果によって特徴づけられるダイナミックな技術的マーケットにおいて競争している会社に適用すべきかをめぐるアカデミックと専門家の間の重要なディベートを背景として本件を判断する。ネットワーク効果によって特徴づけられたマーケットにおいて、一つの製品又はスタンダードが支配的になる傾向がある、なぜなら、「商品の消費からユーザーが得る効用はその商品を消費している他の者の数と共に増大する」からである。Michael L. Katz & Carl Shapi- ro, Network Externalities, Competition, and Compatibility, 75 Am. Econ. Rev. 424, 424 (1985). 例えば、「電話ネットワークを使用する個別の消費者の需要(そしてこれゆえ彼女の利益)は・・・彼女が電話する又は彼女が電話を受けることができるそのネットワーク上の他のユーザーの数と共に増大する。」Howard A. Shelanski & J. Gregory Sidak, Antitrust Divestiture in Network Industries, 68 U. Chi. L. Rev. 1, 8 (2001). 一度、製品又はスタンダードが広範囲に受け入れられると、それは多かれ少なかれ塹壕で囲まれるようになる。そのような産業における競争は「その分野内」というよりむしろ「その分野のための」ものである。See Harold Demsetz, Why Regulate Utilities?, 11 J.L. & Econ. 55, 57 & n.7 (1968) (emphasis omitted).

 しかし、技術的にダイナミックなマーケットにおいて、そのような塹壕は一時的なものであるかもしれない、なぜなら、イノベーションがその分野を全く変えるかもしれないからである。See Joseph A. Schumpeter, Capitalism, Socialism and Democracy 81-90 (Harper Perennial 1976) (1942). 急速な技術的変化は会社が製品の進歩の次の波によって立ち退かされるかもしれないものから「会社がイノベーションをとおして一時的なマーケット支配を競う」マーケットへ導く。Shelanski & Sidak, at 11-12(「マーケット中で同時にというよりもむしろ時間的に連続して進むシュンペーター的競争を検討している). Microsoftはオペレーティングシステムのマーケットはまさにこのようなマーケットであると主張している。

 Microsoftのオペレーティングシステム・マーケットの特徴づけが正しいかどうかは現在の事件における独禁法違反を評価する際に我々の使命を明らかに変更するものではない。最初の問題として、我々は、ネットワーク効果によって特徴づけられる技術的にダイナミックなマーケットにおける競争を説明するために現在の独占論を修正すべきであるかどうか、そしてどの程度か、の問題に関して評釈者間にコンセンサスはないことを指摘する。Compare Ste- ven C. Salop & R. Craig Romaine, Preserving Monopoly: Economic Analysis, Legal Standards, and Microsoft, 7 Geo. Mason L. Rev. 617, 654-55, 663-64 (1999)(ハイテクなネットワーク化された産業における排他的行為は過去の高尚な独占の吟味を受けるに値すると検討している)、with Ronald A. Cass & Keith N. Hylton, Preserving Competition: Economic Analysis, Le- gal Standards and Microsoft, 8 Geo. Mason L. Rev. 1, 36-39 (1999)(ネットワーク効果の独禁法上の意味について言葉を濁し、ネットワーク外部性の存在は革新的な勝者により永続性のある独占を保証することによって実際にイノベーションを促進しているかもしれないと指摘している)。実際、ネットワーク効果及び技術的なダイナミズムの経済上の結果は互いに相殺するように働き、それによって、与えられたマーケットの詳細に述べられた分析なしに絶対的な独禁規則を定式化することは困難であるという多少の示唆がある。See Shelanski & Sidak, at 6-7(「シュンペーター派のフレームワークにおいては高収益は適法な投資リターンの良性で必要な回復であるようにみえるかもしれないだろうが、それらはネットワーク経済学のレンズをとおして見ると消費者の固定化及び独占力の搾取を示しているかもしれないであろう・・・。この問題は特に複雑である、なぜなら、急速なイノベーションによって特徴づけられるネットワーク産業においては両方の力が働いており分離するのは困難であるからである。」)。

 さらに、Microsoftが反競争行為は技術的にダイナミックなマーケットでは異なって評価されるべきであるという主張を行っていないことは明らかであろう。Microsoftは独占力の基準は異なっているべきであるとだけ主張している。以下に完全に検討される理由により、我々はMicrosoftの独占力の主張を拒絶する。II.A参照。
 この背景を心において、我々はMicrosoftの控訴において提起された特定の異議申し立てに向かう。

II.独占

 シャーマン法2上は「独占する」会社を違法としている。15 U.S.C. § 2. 独占化の違反は2つの要素を持つ:「(1)関連マーケットにおける独占力の保有及び(2)優れた製品、商才、又は歴史的出来事の結果としての成長又は発展から区別されるその力の意図的な獲得又は維持。」United States v. Grinnell Corp., 384 U.S. 563, 570-71 (1966). 地裁はこのテストを適用し、MicrosoftはIntel互換PCオペレーティングシステムのマーケットにおいて独占力を保有していると認定した。また、主としてオペレーティングシステム独占に対するNetscape Navigatorの脅威を抑圧するMicrosoftの努力に焦点を合わせて、地裁はMicrosoftが長所の競争をとおしてではなく違法な手段をとおしてその力を維持したと認定した。Microsoftは両方の結論に異議を申し立てる。我々は明確な誤りである場合だけを別として地裁の事実認定に従う。Fed R. Civ. P. 52(a). 我々は法的問題は初めから再審理する。United States ex rel. Modern Elec., Inc. v. Ideal Elec. Sec. Co., 81 F.3d 240, 244 (D.C. Cir. 1996).

 我々は始めにMicrosoftが独占力を保有しているかどうかを検討し、II.A参照、そうであることを認定し、次に我々はMicrosoftがこの力を反競争的手段をとおして維持したかどうかの問題に向かう。会社が反競争的に行動した点、II.B参照、及び、これらの行為は独占力の維持に貢献した点で地裁に同意し、II.C参照、我々は独占の責任に関する地裁の認定を支持する。

A.独占力
 単に独占力を保有しているだけではそれ自体は独禁法違反ではない、see Northeastern Tel. Co. v. AT & T, 651 F.2d 76, 84-85 (2d Cir. 1981)、それは独占違反に必要な要素である、see Grinnell, 384 U.S. at 570. 最高裁は独占力を「価格を支配する力又は競争を排除する力」であると定義する。United States v. E.I. du Pont de Nemours & Co., 351 U.S. 377, 391 (1956). より詳細には、もし、会社が利益を得て競争的レベルを超えて実質的に価格を上げることができれば、その会社は独占会社である。2A Phillip E. Areeda et al., Antitrust Law ¶ 501, at 85 (1995); cf. Ball Mem'l Hosp., Inc. v. Mut. Hosp. Ins., Inc., 784 F.2d 1325, 1335 (7th Cir. 1986)(「マーケットの全体の生産を減少させそれで価格を上げる能力」として独占力を定義している)。会社が実際に利益を得てそれを行っていることを証拠が示すときは、独占力の存在は明らかである。See Rebel Oil Co. v. Atl. Richfield Co., 51 F.3d 1421, 1434 (9th Cir. 1995); see also FTC v. Indiana Fed'n of Dentists, 476 U.S. 447, 460-61 (1986)(シャーマン法1条の取引行為の不合理な制限においてマーケット力を示すために直接証拠を使用している)。そのような直接証拠はまれな場合にだけ利用であるから、裁判所はより典型的には独占力の状況証拠の追求においてマーケットの構造を調べる。2A Areeda et al., Antitrust Law ¶ 531a, at 156; see also, e.g., Grinnell, 384 U.S. at 571. この構造アプローチに基づくと、独占力は参入障壁によって保護された関連マーケットの支配的なシェアを会社が保有していることから推論することができる。See Rebel Oil, 51 F.3d at 1434. 「参入障壁」は競争レベルを超える価格の上昇に新しいライバルがタイムリーに対応することを防ぐ(規制要件のような)要素である。See S. Pac. Communications Co. v. AT & T, 740 F.2d 980, 1001-02 (D.C. Cir. 1984).

 地裁はこのような構造的要素を考慮し、Microsoftは関連マーケットにおいて独占力を保有していると結論した。地裁は、Intel互換PCオペレーティングシステムとしてそのマーケットを定義し、Microsoftは95%を超えるシェアを有していると認定した。また、地裁はこの会社のマーケットのポジションは実質的な参入障壁によって守られていると認定した。Conclusions of Law at 36.

 Microsoftは、地裁は誤って関連マーケットを定義したと主張する。また、Microsoftはそのマーケットには参入障壁はないと主張する。あるいは、Microsoftはソフトウエア産業は比類なくダイナミックであるから、状況証拠よりも直接証拠がより適切に独占力を保有しているかどうかを示していると主張する。我々は、それぞれの主張を拒絶し、独占力の地裁の認定をそのまま支持する。

1.マーケットの構造
a.マーケットの定義
 「消費者が他の供給者に変える能力は会社が競争レベルを超えて価格を上げることを制限するから」、Rothery Storage & Van Co. v. Atlas Van Lines, Inc., 792 F.2d 210, 218 (D.C. Cir. 1986), 関連マーケットは同じ目的で消費者が合理的に取り替え可能な全ての製品を含まなければならない。」du Pont, 351 U.S. at 395. 本件においては、地裁は「全世界の全てのIntel互換PCオペレーティングシステムのライセンシングとしてマーケットを定義し、全世界のコンピュータユーザーの相当な割合が相当なコストを負担することなしに[これらのオペレーティングシステム]を取り替えることができる製品は現在存在しない(そして近い将来にも存在しそうもない)」と認定した。Conclusions of Law, at 36. Microsoftはこのマーケットの定義は「あまりにも狭い」と考え、Appellant's Opening Br. at 84, 地裁は誤って3つのタイプの製品、Intel非互換オペレーティングシステム(主にAppleのMacintoshオペレーティングシステム、Mac OS)、(ハンドヘルドコンピュータ及びポータルウエブサイトのような)非PC装置のためのオペレーティングシステム、及び「ミドルウエア」製品(オペレーティングシステムでは全くない)、を排除したと主張する。

 Mac OSから始める。Mac OSは関連マーケットに含まれるべきだというMicrosoftの主張はこの会社の独占力請求の多くに悪影響を及ぼす傷を欠点として持っている:この会社は地裁の事実認定に対する異議又はこれらの認定が地裁の結論を支持しないとう主張に失敗した。地裁は、Mac OSが走るために必要な新しいハードウエア(Appleコンピュータ及び周辺機器)及び互換ソフトウエアアプリケーションを得るコストのために、また、新しいシステムを学びそのフォーマットへファイルを変換することに関する努力のために、消費者は相当な価格の上昇に対応してWindowsからMac OSへ切り替えることはできないだろうと認定した。Findings of Fact ¶ 20. また、地裁は、Appleシステムはかなり高くより少ないアプリケーションしかサポートしていないから消費者にとってより魅力が少ないと認定した。Id. ¶ 21. Microsoftは次のように言うだけである:「地裁のマーケットの定義は狭く、数年間Windowsと競争したMac OSを異なったマイクロプロセッサ上で走るというだけの理由で排除している。」Appellant's Opening Br. at 84. この一般的な結論的主張は明確な誤りであるとして認定に異議を唱えるのに必要とされるものにはあまりにも不足している。Pendleton v. Rumsfeld, 628 F.2d 102, 106 (D.C. Cir. 1980); see also Terry v. Reno, 101 F.3d 1412, 1415 (D.C. Cir. 1996)(書面でなされたが議論されていない主張は放棄されていると判示している)。Microsoftは地裁の認定を否定する証拠を指摘しておらず、また、支持している記録上の証拠は不十分であるとも主張していない。そして、Microsoftは、仮にこれらの認定を認めるとしても、地裁の結論は支持されないと主張していないから、Mac OSを関連マーケットから排除するという地裁の判断を覆す根拠がない。

 情報家電(ハンドヘルドデバイス等)及びポータルウエブサイトのような非PCベースの競争者を地裁が排除したことに対するMicrosoftの異議にも同様な瑕疵がある:Microsoftは地裁のキーとなる事実認定に対する異議申立に失敗している。特に、地裁は情報家電はPCの全ての機能の実行には遙かに不足している、ほとんどの消費者は彼らのPCを補足するものとしてのみ情報家電を購入するだろう。Findings of Fact ¶ 23. また、地裁はポータルウエブサイトは現在消費者が切り替える気になるほどアプリケーションが十分ではなく、近い将来もそうであろうと認定している。Id. ¶ 27. 再び、Microsoftは情報家電及びポータルウエブサイトが関連マーケットの外にあるという地裁の認定が結論を支持しないと主張していないから、我々はその結論を支持する。

 そこで地裁のマーケットの定義に対するMicrosoftの主な異議申立、ミドルウエアの排除、に進む。本件に対するミドルウエアの重要性から、我々は、それが何か、及び、いかに本件に関係するか、について説明する。

 オペレーティングシステムはコンピュータメモリの割当て、プリンタ及びキーボードのような周辺機器を逝去することを含む様々な機能を実行する。See Direct Testimony of Frederick Warren-Boulton ¶ 20, reprinted in 5 J.A. at 3172-73. また、オペレーティングシステムはソフトウエアアプリケーションのためのプラットフォームとして機能する。オペレーティングシステムは、露出すること(すなわち広く使われている機能を実行するソフトウエア開発者ルーチン又はプロトコルを利用可能にすること)によってこれを行っている。これらはアプリケーションプログラミングインターフェース又は「API」として知られている。See Direct Testimony of James Barksdale ¶ 70, reprinted in 5 J.A. at 2895-96. 例えば、Windowsはユーザーが画面上にボックスを描くことができるようにするAPIを含んでいる。See Direct Testimony of Michael T. Devlin ¶ 12, reprinted in 5 J.A. at 3525. この機能をアプリケーションに含ませたいソフトウエア開発者は自分のコードの中にこれを複製する必要はない。その代わりに、彼らはWindowsのAPIを「呼ぶ」(すなわち、使う)ことができる。See Direct Testimony of James Barksdale ¶ ¶ 70-71, reprinted in 5 J.A. at 2895-97. Windowsはデータ保存からフォントの表示まで全てを制御する数千のAPIを含んでいる。See Direct Testimony of Mi- chael Devlin ¶ 12, reprinted in 5 J.A. at 3525.

 それぞれのオペレーティングシステムは異なったAPIを持っている。したがって、一つのオペレーティングシステムのためのアプリケーションを書き、他のオペレーティングシステムのユーザーにそのアプリケーションを販売したい開発者は第2のオペレーティングシステムにそのアプリケーションを修正又は「ポート」しなければならない。Findings of Fact ¶ 4. このプロセスは時間を消費すると共に費用もかかる。Id. ¶ 30.

 「ミドルウエア」はそれ自体のAPIを露出するソフトウエアを指す。Id. ¶ 28; Direct Testimony of Paul Maritz ¶ ¶ 234-36, reprinted in 6 J.A. at 3727-29. このため、Windowsのために書かれたミドルウエア製品はWindowsの価値あるプラットフォーム機能のいくつか又は全てを横取りする、すなわち、開発者はWindowsに含まれるAPIのセットに依存するよりも基本的なルーチンにためにミドルウエアによって露出されたAPIに依存し始めるであろう。ミドルウエアは多数のオペレーティングシステムのために書かれていれば、その衝撃はいっそう大きくなり得るであろう。より多くの開発者がそのようなミドルウエアによって露出されたAPIに依存すれば、異なったオペレーティングシステムに移る費用は少なくなるであろう。結局、もし開発者がミドルウエアによって露出されたAPIだけに依存してアプリケーションを書くことができたとすれば、彼らのアプリケーションはそのミドルウエアが存在するあらゆるオペレーティングシステム上で走るであろう。See Direct Testimony of Avadis Tevanian, Jr. ¶ 45, reprinted in 5 J.A. at 3113. Netscape Navigator及びJava(両方とも本件の争点となっている)は多数のオペレーティングシステムのためにかかればミドルウエア製品である。Findings of Fact ¶ 28.

 Microsoftは、オペレーティングシステムのプラットフォーム機能を奪い最終的には(例えば、周辺機器を逝去することによって)他のオペレーティングシステム機能を横取りするかもしれないから、地裁はNavigatorとJavaを関連マーケットから排除したことで誤ったと主張する。しかし、地裁は、NavigatorもJavaも他のミドルウエア製品も現在人気のあるアプリケーションのためのプラットフォームとして役割を果たすに十分なAPIを露出することができておらず、オペレーティングシステム機能の全部を横取りするより遙かに少なく、すぐにそうなることもないだろうと認定した。Id. ¶ ¶ 28-29. 再び、Microsoftはこれらの認定に対する異議申立に失敗し、その代わりに、ミドルウエアの「潜在力」が競争者であるとして主張するだけである。Br. at 86. しかし、合理的な交換可能性のテストは地裁が合理的に予測できる未来における価格づけを制約する代替品だけるを考慮することを要求し、比較的短期間にマーケットに参入することができる製品だけがこの機能を実行することができる。See Rothery, 792 F.2d at 218(「消費者が他の供給者に切り替える能力が会社を競争的レベルを超えて価格を上げることを制約するから、『関連マーケット』の定義は利用可能な代替品の決定に基づく。」); see also Findings of Fact ¶ 29 (「ミドルウエアがオペレーティングシステムの価格づけを制約することができる製品となるためには数年はかかるであろう」)。ミドルウエアの最終的な潜在力がなんであろうとも、地裁は、消費者が現在彼らのオペレーティングシステムを放棄して競争レベルを超えて維持されているWindowsの価格に反応してミドルウエアに切り替えることはできないであろうと地裁は認定した。Findings of Fact ¶ ¶ 28, 29. また、ミドルウエアが近い将来にソフトウエア開発者のための主張なプラットフォームをオペレーティングシステムから横取りしそうもない。Id.

 また、Microsoftは、原告らの2条の責任の主な焦点はオペレーティングシステム独占に対するミドルウエアの脅威を抑圧するMicrosoftの試みにあるのであるから、地裁はミドルウエアを関連マーケットから排除すべきではなかったと主張する。Microsoftによれば、その行為を「生じさせたまさに競争的な脅威を排除するように関連マーケットの定義することは矛盾、2/26/2001 Ct. Appeals Tr. at 20 」である。Appellant's Opening Br. at 84. 矛盾といわれるものは、原告の2条論(Windowsの存在可能な代替品となる脅威であるミドルウエア技術に対してMicrosoftが独占を保持している)と関連マーケット論(ミドルウエアは現在Windowsの存在可能な代替品ではない)の間にある。しかし、ミドルウエアの脅威は初期の段階のものでしかないから、矛盾は存在しない。シャーマン法2条には現在代替品として役割を十分に果たしている既に発現している脅威に対する行為の禁止を制限するものは何もない。See infra Section II.C. マーケットの定義は「消費者による合理的に交換可能性な」製品を特定することを意味しているから、du Pont, 351 U.S. at 395、そして、ミドルウエアは現在Windowsに交換可能ではないから、地裁は関連マーケットからミドルウエア製品を排除するよい根拠を有していた。

b.マーケット力
 地裁は、このように関連マーケットを適切に定義して、Windowsは95%以上のシェアを有すると認定した。Findings of Fact ¶ 35. また、地裁は、Mac OSが含まれるとしても、Windowsのシェアは80%を超えるだろうとも認定した。Id. Microsoftは認定に異議申立しておらず、このようなマーケットシェアが支配的とはいえないとも主張していない。Cf. Grinnell, 384 U.S. at 571 (87% is predominant); Eastman Kodak Co. v. Image Technical Servs., Inc., 504 U.S. 451, 481 (1992) (80%); du Pont, 351 U.S. at 379, 391 (75%).

 その代わりに、Microsoftは支配的なマーケットシェアはそれ自体では独占力を示すものではないと主張する。「独占力の存在はマーケットの支配的シェアから通常推論されるかもしれないが、」Grinnell, 384 U.S. at 571、我々は、参入者からの競争の可能性があるから、see Ball Mem'l Hosp., Inc., 784 F.2d at 1336、現在のマーケットシェアだけでみることは「誤解を引き起こす」可能性があるというMicrosoftの主張に同意する。Hunt-Wesson Foods, Inc. v. Ragu Foods, Inc., 627 F.2d 919, 924 (9th Cir. 1980); see also Ball Mem'l Hosp., Inc., 784 F.2d at 1336 (「マーケットシェアは現在の販売を反映しているが、今日の販売は常に販売における力及び明日の価格を示すとは限らない」。)

 しかし、本件においては、地裁は誤解しなかった。地裁は、新しいライバルの可能性を考慮して、Microsoftの現在のマーケットシェアだけでなく、Microsoftの将来の地位を守る構造的な障壁にも焦点を合わせた。Conclusions of Law at 36. その障壁(「アプリケーション参入障壁)はソフトウエアマーケットの二つの特徴に生じている:(1)ほとんどの消費者は多数のアプリケーションが既に書かれているオペレーティングシステムを好む;及び(2)ほとんどの開発者は既にかなりの消費者の基盤があるオペレーティングシステムために書くことを好む。See Findings of Fact ¶ ¶ 30, 36. この「卵が先か鶏が先か」状況はアプリケーションが既に支配的なWindowsのために書かれ続けるだろうことを保証し、消費者が他のオペレーティングシステムに対してそのオペレーティングシステムを好み続けるだろうことを保証する。Id.

 Microsoftは、アプリケーション参入障壁の存在に異議申立して、ソフトウエア開発者は他のオペレーティングシステムのためのアプリケーションを書くと見ており、IBMのOS/2はピーク時に役2500のアプリケーションをサポートしていたことを指摘している。Id. ¶ 46. これはポイントをはずしている。いくらかの開発者が他のオペレーティングシステムにためにアプリケーションを書いているということは、アプリケーション参入障壁が多くの開発者がより人気のないプラットフォームのために書くことを思いとどまらせているという認定と全く矛盾しない。実際、地裁は、IBMが多くのソフトウエア開発者をそのプラットフォームのために書くように誘う困難さがOS/2の成功をひどく妨げたと認定した。Id. ¶ 46.

 Microsoftは、Windowsが他のオペレーティングシステムよりも多くのアプリケーションをサポートしていることを争っていない。その代わりMicrosoftは、あるオペレーティングシステムが競争的であるためにはWindowsのように多くのアプリケーション(地裁によると70000以上mid. ¶ 40)をサポートしなければならないことを提案するのは「常識を無視している」と主張する。Microsoftは控訴人書面96頁で、これらのアプリケーションの極めてわずかなパーセントしか使用されていないことを指摘している。Id. しかし、地裁が説示するように、消費者がそのアプリケーションのために書かれた全てのアプリケーションを使用する必要がないとしても、アプリケーション参入障壁は支配的なオペレーティングシステムを選ぶ理由を消費者に与えている。:消費者は使用したいアプリケーションのタイプだけではなく、後に興味を抱くかもしれないタイムも走るオペレーティングシステムを望む。また、消費者は、各製品カテゴリーにおいて多数のアプリケーションをサポートするに十分な需要を持つオペレーティングシステムを選べば、後に失望するアプリケーションを使用しなければならないことによって困ることが少ないだろう。最後に、平均的なユーザーは一般的に後継バージョンをとおして改良されることを知っている。消費者はこれにより好みのアプリケーションの後継世代が急いでリリースされるオペレーティングシステムを望んでいる。膨大な数のアプリケーションがWindowsのために書かれている事実が消費者をWindowsに引きつける、なぜなら、それが彼らがMicrosoftの製品を使用する限り彼らの利益が満たされることが再度保証するからである。Findings of Fact ¶ 37. したがって、ライバルの限定的な成功にかかわらず、Microsoftはアプリケーション参入障壁から利益を得ている。

 もちろん、ミドルウエアが成功したとすれば、それはアプリケーション参入障壁を浸食するであろう。多数のオペレーティングシステムのために書かれたアプリケーションは、ミドルウエア製品が存在するあらゆるオペレーティングシステム上で走ることができるであろうから、オペレーティングシステムマーケットは競争的になるであろう。Id. ¶ ¶ 29, 72. しかし、地裁は、ミドルウエアは予測できる将来、アプリケーション参入障壁を浸食するに十分なAPIを露出することはないだろうと認定した。See id. ¶ ¶ 28-29.

 次に、Microsoftは、アプリケーション参入障壁は少しも参入障壁ではなく、Windowsが人気があることの反映であると主張する。Windowsがオペレーティングシステムのマーケットにおいて優れた先見性と品質をとおして競争によって最初の支配を得たかもしれないことは確かに真実である。しかし、本件はMicrosoftの最初の独占力の獲得に関するものではない。本件は長所による競争以外の手段をとおして独占的地位を維持するMicrosoftの努力に関するものである。アプリケーション参入障壁は品質にかかわりなく支配的なオペレーティングシステムを保護するから、優れた新しいライバルさえ寄せ付けない力をMicrosoftに与えている。したがって、この障壁はオペレーティングシステムのマーケットの特質であり、Microsoftの人気、あるいは、Microsoft側の証人が主張したように会社の能率ではない。See Direct Testimony of Richard Schmalensee ¶ 115, reprinted in 25 J.A. at 16153-14.

 最後に、Microsoftは、それは新規参入者に不相応に受けるコストの反映ではなく、全ての参加者が受けるコストの反映であるから、地裁はアプリケーション参入障壁を考慮すべきではなかったと主張する。Microsoftによれば、新しいオペレーティングシステムのために書くソフトウエア開発者を納得させるために大きな投資を行わなければならなかったのであり、現在もWindowsプラットフォームを「伝道」し続けている。マーケットの全ての参加者が受けるコストが参入障壁と考えられるべきであるかどうかは多くの論争のテーマである。Compare 2A Areeda & Hovenkamp, Antitrust Law § 420c, at 61(これらのコストが参集障壁であると議論している), and Joe S. Bain, Barriers to New Competi- tion: Their Character and Consequences in Manufacturing Industries 6-7 (1956) (これらのコストが参入障壁であると考えている), with L.A. Land Co. v. Brunswick Corp., 6 F.3d 1422, 1428 (9th Cir. 1993)(「現参加者と比べて新規参入者の不利益」に基づくコストを評価している), and George Stigler, The Organization of Industry 67 (1968)(これらのコストを排除している)。しかし、我々はこれらの問題を解決する必要がない、なぜなら、より狭い定義に基づいてさえ、障壁があることは明らかである。MicrosoftがMS-DOSとWindowsの最初のバージョンを持ってオペレーティングシステムのマーケットに参入したとき、Microsoftは、Windowsオペレーティングシステムがかつて享受したような巨大なインストールされた基盤及び膨大なアプリケーションを有する支配的なライバル・オペレーティングシステムに直面することはなかった。Findings of Fact ¶ ¶ 6, 7, 43. さらに、MicrosoftがWindows 95及び98を売り出したとき、その時点のWindowsを保護するアプリケーション参入障壁を、以前のバージョンからのAPIを新しいオペレーティングシステムに含ませることによって、バイパスすることができた。See id. ¶ 44. これが、その時点で存在したWindowsのアプリケーションをWindowsの新しいバージョンへ移植するコストを、その時点のWindowsからAPIを自由に含ませることができなかった他の参入者のオペレーティングシステムに移植するコストよりも、極めて小さなものとしたのである。

2.直接証拠
 我々は、状況証拠がMicrosoftが独占力を保有していることを証明しているという地裁の結論を維持し、Microsoftは独占者のように行動していないというMicrosoftの主張に向かう。ソフトウエアの競争は比類なく「ダイナミック」であると主張して、Appellant's Opening Br. at 84 (quoting Findings of Fact ¶ 59)、Microsoftは新しい規則を提案している:ソフトウエア産業における独占力は直接的に、すなわち、会社が独占力の存在を露わにしたしたかどうかを調べるために会社の実際の行動を調べることによって、証明すべきである。Microsoftによれば、独占力のそのような証拠が存在しないばかりでなく、記録上の証拠は独占力が存在しないことを証明している。Microsoftは、研究開発に大きく投資しており、id. at 88- 89 (citing Direct Testimony of Paul Maritz ¶ 155, reprinted in 6 J.A. at 3698(Microsoftは収入の約17%をR&Dに投資していると証言している))、Windowsに安い価格をつけている(Intel互換PCシステムの価格の中の小さな割合及びライバルの価格より安い(citing Findings of Fact ¶ ¶ 19, 21, 46))と主張している。

 Microsoftの主張は成り立たない、なぜなら、ソフトウエアマーケットが長期間に渡って比類なくダイナミックであると仮定してさえ、地裁は、短期間において会社が競争に直面したかどうかを決定するために構造的アプローチを正しく適用したからである。

 構造的マーケット力分析は、潜在的な代替品が競争的レベルを超えて会社が価格を上げる能力を制約しているかどうかを決定することを意味している;比較的近い将来に実現しそうな脅威だけが相当な程度でこの機能を果たすのである。Rothery, 792 F.2d at 218 (quoting Lawrence Sullivan, Antitrust § 12, at 41 (1977))(マーケットに「即座に」参入することができる代替品だけが考慮されるべきである)。地裁は、ハンドヘルド装置及びポータルウエブサイトのようなイノベーションがすぐにIntel互換PCオペレーティングシステムを超えて関連マーケットを拡大するであろうというMicrosoftの主張を明確に検討し拒絶した。Microsoftはこれらの認定に異議申立していないから、我々は即座の代替品が利用可能であると信じる理由を持たない。したがって、地裁で適用されたように、構造的アプローチは変化しつつあるマーケットにおいてもその目的を満たす能力を有している。Microsoftは、マーケットによって独占力を証明するために直接証拠が必要であるという判例を引用しておらず、我々は一つの判例も知らない。我々はそのような新しい規則を採用することを断る。

 さらに、我々が直接証拠を必要としたとしても、Microsoftの行為は独占力の存在を証明するに十分過ぎるかもしれない。Microsoftが指摘する行為(R&Dにおける投資及びWindowsの比較上の低価格)はどれも独占力の保有と矛盾しない。Conclusions of Law, at 37. Microsoftが指摘するR&D支出はWindowsのため岳のものではなく、会社全体のためのものであり、その製品全体について独占を保持していそうにない。さらに、イノベーションは既に支配的なマーケットシェアを増大させ、競争の出現をさらに遅らせることができるから、独占者でもR&Dに投資する理由を有している。Findings of Fact ¶ 61. Microsoftの価格づけの行動は同様にどちらともとれる。MicrosoftはWindowsのために短期的利益最大化価格をつけたことがないことだけを主張している。地裁は、矛盾する専門家証言に直面して、この価格が何であろうかを正確に決定することはできないと認定した。Id. ¶ 65. いづれにしても、地裁は、短期的利益最大化価格より低い価格は独占力の保有又は不適切な使用と矛盾しないと認定した。Id. ¶ ¶ 65-66. Cf. Berkey Photo, Inc. v. Eastman Kodak Co., 603 F.2d 263, 274 (2d Cir. 1979)(「もし、独占力が不適切な手段をとおして獲得され又は維持された場合は、その力が[独占価格]を引き出すために使われた事実は独占者に対していかなる救援も提供しない。」)。Microsoftは、長期的独占価格をつけていないとは決して主張していない。Microsoftは、Windowsの価格はIntel互換PCシステムの価格のほんの少しであり、ライバルのオペレーティングシステムよりも安いと主張しているが、これらの事実はMicrosoftが独占力を持っているという地裁の認定と矛盾しない。See Findings of Fact ¶ 36(「MicrosoftがWindowsの価格を競争的レベルを超えて相当高い価格をつけたとしても、Windows以外のIntel互換PCオペレーティングシステムは相当な需要を引き付け[ないであろう]」)。

 より印象的なのは、地裁が、Microsoftの行為のいくつかの面は、Windowsが独占的製品でなければ説明することが困難であると認定したことである。例えば、地裁によれば、Microsoftはライバルの価格を考慮することなしにWindowsの価格をセットした、Findings of Fact ¶ 62、独占していなければ行うことができないであろうものである。また、地裁は、Microsoftの排除行為のパターンは、「もし、Microsoftが独占力を保有していることを知っていた場合に」だけ合理的であり得ると認定した。Conclusions of Law, at 37. 我々がこれから向かうのはその行為である。

B.反競争的行為
 上述のとおり、独占を有していること自体は2条違反ではない。会社が「優れた製品、商才、又は歴史的出来事の結果としての成長又は発展から区別される」排他的行為を行ったことによって独占を獲得若しくは維持、又は獲得若しくは維持を試みた場合にだけ、その会社は2条に違反する。Grinnell, 384 U.S. at 571; see also United States v. Aluminum Co. of Am., 148 F.2d 416, 430 (2d Cir. 1945) (Hand, J.)("The successful competitor, having been urged to compete, must not be turned upon when he wins.").

 本件においては、地裁は、Microsoftが独占力を有していると結論した後、Microsoftが、独占を脅かしたかもしれない製品の効果的な配布及び使用を妨げることによって独占を維持するために様々な(略奪的価格づけを含まない)排他的行為を行うことによって2条に違反したと判示した。特に、地裁はMicrosoftが次の点で責任があると判示した:(1)IEをWindowsに統合する方法;(2)オリジナル機器製造業者(「OEM」)、インターネットアクセスプロバイダ(「IAP」)、インターネットコンテンツプロバイダ(「ICP」)、独立系ソフトウエアベンダー(「ISV」)、及びApple Computerとの様々な取引;(3)Javaテクノロジーを阻止し覆す努力;及び(4)全体としての行為の経過。控訴審において、Microsoftは、いかなる排他的行為も行わなかったと主張する。

 独占者の特定な行為が、単なる活発な競争の一つの形よりむしろ、排他的であるかどうかは、見分けるのが困難であり得る:不法な排他的手段は、適法な競争の手段のように、無数にある。独禁裁判に対する挑戦は社会的福祉を検証させる排他的行為とそれを増大させる競争行為とを識別する一般規則を述べることにある<The challenge for an antitrust court lies in stating a general rule for distinguishing between exclusionary acts, which reduce social welfare, and competitive acts, which increase it.>。

 しかし、1世紀にわたる2条に基づく独占に関する判例法から、いくつかの原理が現れた。第1は、排他的として非難されるためには、独占者の行為が「反競争的効果」を有さなければならない。すなわち、競争のプロセスに害を与えなければならない、そして、それゆえ、消費者に害を与えなければならない。対照的に、一又はそれ以上の競争者に害を与えることは十分ではない。「[シャーマン法]は、競争的な行為に対してではなく、競争自体を不公正に破壊する傾向のある行為に対して向けられている。」Spectrum Sports, Inc. v. McQuil- lan, 506 U.S. 447, 458 (1993); see also Brooke Group Ltd. v. Brown & Williamson Tobacco Corp., 509 U.S. 209, 225 (1993)(「一つのビジネス競争者による他の競争者に対する純粋に悪意の行為でさえ、それ以上のものがなければ、連邦独禁法に基づく請求を示さない・・・。」)。

 第2に、証明責任を負担する原告は、see, e.g., Monsanto Co. v. Spray-Rite Serv. Corp., 465 U.S. 752, 763 (1984); see also United States v. Arnold, Schwinn & Co., 388 U.S. 365, 374 n.5 (1967), over- ruled on other grounds, Cont'l T.V., Inc. v. GTE Sylvania Inc., 433 U.S. 36 (1977)、独占者の行為が実際に必須の反競争的効果を有することを証明しなければならない。See generally Brooke Group, 509 U.S. at 225-26. 私訴においては、原告はその被害が「『制定法が未然に防ぐことを目指しているタイプ』の」ものあることを証明しなければならない、Brunswick Corp. v. Pueblo Bowl-O-Mat, Inc., 429 U.S. 477, 487-88 (1977) (quoting Wyandotte Transp. v. United States, 389 U.S. 191, 202 (1967));同様に、政府による事件においては、政府は独占者の行為が、単なる一競争者ではなく、競争に害を与えたことを証明しなければならない。

 第3に、もし、原告が反競争的効果を証明することによって2条に基づく一応の証明をなすことに成功したのならば、独占者はその行為に対して「競争擁護の弁明」を提出することができる。See Eastman Kodak, 504 U.S. at 483. その独占者がその行為が実際に長所による競争の一つの形であるという競争擁護の弁明(その行為が、例えば、より高い効率又は強化された消費者へのアピールに関係するから、実際に長所による競争の一つの形であるという口実でない主張)を主張したとすれば、その主張を反駁するために立証責任は原告に戻る。Cf. Capital Imaging Assocs., P.C. v. Mohawk Valley Med. Assocs., Inc., 996 F.2d 537, 543 (2d Cir. 1993).

 第4に、もし、独占者の競争擁護の弁明が反駁されずに成り立つとすれば、原告はその行為の反競争的被害が競争擁護の利益より重大であることを証明しなければならない。シャーマン法1条に基づく事件において、裁判所は決まって「理由の規則」の慣例に基づいて同様な均衡をとるアプローチを適用する。理由の規則の源はStandard Oil Co. v. United States, 221 U.S. 1 (1911)、であり、そこにおいて、最高裁は本法の両条に基づく適正な調査を記述するためにその用語を使用した。See id. at 61-62(「シャーマン法2条がこのように1条と調和する場合、与えられた事件においてその条の違反がなされたかどうかを確認する目的のために頼られる基準は定着した法によって導かれた理由の規則であることは明らかになる」)。第5巡回区控訴裁判所がより現在に近い時点で次のように説示したように:「理由の規則ラベルが適用されるかどうかにかかわりなく、2条に基づく分析が1条に基づく分析に類似していることは明らかである。」Mid-Texas Communications Sys., Inc. v. AT & T, 615 F.2d 1372, 1389 n.13 (5th Cir. 1980) (citing Byars v. Bluff City News Co., 609 F.2d 843, 860 (6th Cir. 1979)); see also Cal. Computer Prods., Inc. v. IBM Corp., 613 F.2d 727, 737 (9th Cir. 1979).

 最後に、全てを考慮した独占者の行為が競争に害を与えるかどうか、そして、それゆえ2条の目的で排他的であると宣告するかどうかを考慮する場合に、我々は、その行為の背後にある意図ではなく、その行為の効果に焦点を合わせる。独占者の行為の背後にある意図の証拠が関連があるのは独占者の行為のありそうな効果を我々が理解するのを助ける範囲だけにおいてある。See, e.g., Chicago Bd. of Trade v. United States, 246 U.S. 231, 238 (1918)(「意図を知ることは裁判所が事実を解釈し結果を予言するのに助けになるかもしれない。」); Aspen Skiing Co. v. Aspen Highlands Skiing Corp., 472 U.S. 585, 603 (1985).

 これらの原理を心に置いて、これから我々はMicrosoftが様々な方法でシャーマン法2条に違反したとする地裁の判示に対するMicrosoftの異議を検討する。

1.オリジナル機器製造業者に対するライセンス
 地裁は、MicrosoftのOEMに対するWindowsをライセンスする契約のかなりの条項を有罪とした、これらの条項のMicrosoftの賦課が(本件の争点となっているMicrosoftの他の行為の多くと同様に)Netscapeのブラウザの使用シェアを減少させるために役割を果たし、このゆえにMicrosoftのオペレーティングシステム独占を保護したと認定したからである。ブラウザマーケットにおけるマーケットシェアがオペレーティングシステムのマーケットにおけるマーケット力に影響を及ぼす理由は複雑であり、何かの釈明を正当化する。

 ブラウザ使用シェアは重要である、なぜなら、上記セクションII.Aで説明したように、ブラウザ(又はいかなるミドルウエア製品)はWindowsによって露出されたAPIから離れてそれが露出するAPIに依存するアプリケーションを書くようにソフトウエア開発者を引き付けるために臨界的なユーザーの数を有さなければならない。しかし、特定のブラウザに対して書かれたアプリケーションは基礎をなすオペレーティングシステムにかかわりなくそのブラウザを有するあらゆるコンピュータ上で走るであろう。「大多数の消費者は既に多数の様々なアプリケーションが存在し、新しいタイプのアプリケーション及び現存するアプリケーションの新しいバージョンが市販され続けるだろうことが比較的確かにみえるPCオペレーティングシステムだけを使うだろう・・・。」Findings of Fact ¶ 30. 消費者が彼のコンピュータ上に特定のブラウザがインストールされていることだけによって(彼が使用しているオペレーティングシステムにかかわらず)彼が望むアプリケーションにアクセスできるのであれば、彼はもはやこれらのアプリケーションにアクセスするためにWindowsを選択せざるを得ないとは感じないであろう;彼はWindows以外のオペレーティングシステムを品質及び価格だけに基づいて選択することができるであろう。言い換えれば、オペレーティングシステムのためのマーケットは競争的になるであろう。

 したがって、一つのマーケット(ブラウザ)におけるマーケットシェアを得るためのMicrosoftの努力は、ソフトウエア開発のためのプラットフォームとして、Windowsから開発者の注意を引き付けるに必要な臨界的に多数のユーザーをライバルのブラウザが得ないようにすることにより、他のマーケット(オペレーティングシステム)におけるMicrosoftの独占に対する脅威に対抗するために役割を果たした。また、原告らは、Microsoftの行為はブラウザマーケットにおける競争を傷つけたと主張する?Microsoftがブラウザマーケットの独占を試みた、及び、ブラウザマーケットにおける競争を排除するために違法にブラウザをオペレーティングシステムに抱き合わせたという原告らの特定の主張に関連して我々が後に検討するであろう議論。しかし、2条の独占維持の主張を評価する場合、我々の直接の関心事はオペレーティングシステムのマーケットにおける独占を維持するMicrosoftの行為の反競争的効果である。

 OEMに対するMicrosoftのWindowsライセンス契約における制限を強化する場合、第1に我々は原告らが制限が反競争的効果を有していることを証明することによって一応の証明をなしたかどうかを考慮する。次のサブセクションにおいて、我々は、原告らが全ての制限に関してこの立証責任を果たしたと結論する。その後、我々は制限に関してMicrosoftが提出した弁明を考慮する、そして、ほとんどの部分で、我々は弁明は不十分であると判示する。

a.ライセンス制限の反競争的効果
 Microsoftがオリジナル機器製造業者に対して課している制限はブラウザの使用シェアを決定する点において特に重要なものである、なぜなら、あるOEMがコンピュータにブラウザをプレインストールすることはブラウザソフトウエアを配布する二つの抜群に費用効果がある方法の内の一つであるからである。(もう一つはIAPによって配布されるインターネット・アクセス・ソフトウエアにブラウザをバンドルすることである。)Findings of Fact ¶ 145. 地裁は、MicrosoftがWindowsのライセンスにおいてOEMに課した制限はOEMがIE以外のブラウザを配布するのを禁じたと認定した。 Conclusions of Law, at 39-40. 特に、地裁は、OEMに次のことを禁じる条項を非難した:(1)デスクトップアイコン、フォルダ、又は「スマート」メニューエントリを削除すること;(2)イニシャルブートシークエンスを変更すること;及び(3)その他のWindowsのデスクトップの外見を変更すること。 Findings of Fact ¶ 213.

 地裁は、最初のライセンス制限(デスクトップアイコン、フォルダ、又は「スマート」メニューエントリの削除の禁止)はOEMがIEへのユーザーアクセスの目に見える手段を削除することを妨げることによってライバルのブラウザの配布を妨害していると結論した。Id. ¶ 203. 特にOEMはIEに追加して第2のブラウザをインストールすることができない、その理由の一つは「与えられたカテゴリにおいて一つの製品以上をプレインストールすることは初心者ユーザーの混乱を導く可能性がありOEMのサポートコストを相当増大させる」からである。Id. ¶ 159; see also id. ¶ 217. すなわち、初心者のコンピュータユーザーは二つのブラウザアイコンを見て、不思議に思い、OEMのサポートラインに電話するだろう。サポート電話は極めて費用がかかり、また、極めて競争が激しいオリジナル機器マーケットにおいて会社はコストを最小化することに強いインセンティブを持っている。Id. ¶ 210.

 Microsoftは「消費者が混乱する」という話を否定している:MicrosoftはいくつかのOEMが複数のブラウザをインストールし、そうしている2社のOEMの役員が複数のアイコンによって消費者が混乱することを否定していると述べる。See 11/5/98 pm Tr. at 41-42 (trial testimony of Avadis Tevanian of Apple), reprinted in 9 J.A. at 5493-94; 11/18/99 am Tr. at 69 (trial testimony of John Soyring of IBM), reprinted in 10 J.A. at 6222.

 しかし、その他の証言はそのような混乱に対する恐怖によって多くのOEMが複数のブラウザをプレインストールすることを思いとどまっているという地裁の認定を支持している。See, e.g., 01/13/99 pm Tr. at 614-15 (deposition of Microsoft's Gayle McClain played to the court) (explaining that redundancy of icons may be confusing to end users); 02/18/99 pm Tr. at 46-47 (trial testimony of John Rose of Compaq), reprinted in 21 J.A. at 14237-38 (same); 11/17/98 am Tr. at 68 (deposition of John Kies of Packard Bell-NEC played to the court), reprinted in 9 J.A. at 6016 (same); 11/17/98 am Tr. at 67-72 (trial testimony of Glenn Weadock), reprinted in 9 J.A. at 6015-20 (same). OEMが述べた中で最も印象的なのは、Microsoft自身が特定のカテゴリにおいて一つのアイコンだけとしていることは「エンドユーザーのためにより混乱を起こしにくい」であろうと述べたことである。See Government's Trial Exhibit ("GX") 319 at MS98 0109453. したがって、我々は地裁の混乱に関係した地裁の事実認定159を取り消すべきだというMicrosoftの主張を拒絶する。

 上述のように、OEMチャネルはブラウザ配布の二つの主要なチャネルの一つである。OEMがIEへのユーザーアクセスの目に見える手段を削除するのを妨げることによって、ライセンス制限は多くのOEMがライバルのブラウザをプレインストールすることを妨げ、それゆえ、Microsoftの独占を競争から保護している。したがって、我々は争点のライセンス制限は反競争的であると結論する。我々は反競争的効果がMicrosoftが主張する弁明に勝っているかどうかは後で述べる。

 争点となっている第2のライセンス条項は消費者がコンピュータを最初にONする時に実行されるイニシャルブートシークエンスをOEMが修正するのを禁じている。この制限を課す以前は、「多くのOEMがブートシークエンス中に挿入したプログラムにOEMによるIAPリストからユーザーが選ぶのを奨励するインターネットサインアップ手続があった。Findings of Fact ¶ 210. したがって、ブートシークエンスのあらゆる修正に対するMicrosoftの制限は(少なくともMicrosoftがこの制限を課していた当時)インターネットアクセスソフトウエアにおいてIEよりもNavigatorを使用していた多くのOEMがIAPのサービスを奨励するプロセスを使用することを妨げた。See id. ¶ 212; GX 295, reprinted in 12 J.A. at 14533(Microsoft会長Bill Gatesは、ブートシークエンスの修正を含むOEMの慣行を知った上で、次のように書いている:「ブラウザのシェアで勝つことは我々にとって非常に非常に重要なゴールだ。明らかに、多くのOEMが、MSNと我々のブラウザよりも遙かに目立つように、非Microsoftブラウザをバンドルし、インターネット・サービス・プロバイダと一緒に表示している。」)。Microsoftはブートシークセンスの修正の禁止がライバルのブラウザをOEMが奨励するのを防ぐことによってIEに対する競争を減少させる効果を有していることを否定していない。この禁止はMicrosoftのマーケット力を保護する相当な効果を有しており、かつ、長所による競争以外の手段をとうしてそうしているから、反競争的である。再び、この条項がそれでもなお正当化されるかどうかの問題は後に言及する。

 最後に、Microsoftはアイコンの削除の禁止のようなOEMがデスクトップを様々に修正することを防ぐいくつかの追加的な条項を課している:MicrosoftはOEMに、自動的に立ち上がるWindowsデスクトップ以外のユーザーインターフェースの原因になることを禁止し、Microsoftが提供したもののサイズ又は形とは異なるアイコン又はフォルダを追加することを禁止し、「アクティブデスクトップ」をサードパーティの奨励に使用することを禁止した。これらの制限は相当なコストをOEMに課した;この慣行をMicrosoftが禁止する前は、多くのOEMは彼らが利益になると考える方法でデスクトップの概観を変更していたであろう。See, e.g., Findings of Fact ¶ 214; GX 309, reprinted in 22 J.A. at 14551(1997年3月のHewlett-PackardからMicrosoftへの手紙:「我々の消費者の技術サポートのコストは、貴社の製品によって引き起こされた品質の欠如あるいは混乱に関係した33%の電話を含めて、我々が責任を引き受けています。・・・我々は我々のシステムをどのようにエンドユーザーに提供するのかを決める能力を持っていなければなりません。もし、我々が他の供給者を選択できれば、この領域における貴社の行動からすれば、我々は供給者として貴社を選択しないだろうと断言できます。」)。

 OEM顧客の不満足はもちろんその制限が反競争的であることを意味している。ライセンス制限の反競争的効果は、Microsoft自身が認識しているように、OEMがライバルのブラウザを奨励することができないものであり、開発者がWindowsのAPIに焦点を合わせ続けさせるものである。Findings of Fact ¶ 212(MicrosoftのGatesが「ブラウザのシェアで勝つことは我々にとって非常に非常に重要なゴールだ、」と書いて、OEMがライバルのブラウザとライバルのブラウザを使っているかもしれないIAPの両方を奨励することを防ぐ必要性を強調していることを引用している。); see also 01/13/99 Tr. at 305-06 (excerpts from deposition of James Von Holle of Gateway)(制限の前は、Gatewayは他のデスクトップアイコンより大きい非IEインターネット登録アイコンをプレインストールしていた。)この種の奨励はゼロサムゲームではない;Windowsを使用するライセンスにおける制限がなかったら、OEMは複数のIAP及びブラウザを奨励することができたであろう。このライセンス制限は、OEMがそうすることを妨げることによって、上述の2つの制限と同様に、反競争的である:Microsoftは、自社の製品を改良することによらずにむしろOEMがライバルの利用シェアを増加させたであろう行動をとることを妨げることによって、ライバルのブラウザの利用シェアを減少させた。

b.ライセンス制限に対するMicrosoftの弁明
 Microsoftはライセンス制限は、それらを課すことにおいて、Microsoftは「正当な著作権者としての権利を単に行使している」に過ぎないから、法的に正当であると主張する。Appellant's Opening Br. at 102. また、Microsoftはライセンスはいずれにしても「NetscapeがNavigatorを配布する機会を不当に制限していない」と主張する。Id.

 Microsoftの主要な著作権の主張は馬鹿げたことに近い。Microsoftはその知的所有権を望むままに使用する絶対的かつ拘束をうけない権利を主張する:「知的所有権が適法に取得されたならば、その後の行使が独占禁止の責任を引き起こすことはない」と主張する。Appellant's Opening Br. at 105. 野球のバットのような個人的な所有権の使用が不法行為責任を引き起こすことはないという主張以上には正しさはない。連邦巡回区控訴裁判所が簡潔に述べたように:「知的所有権は独禁法に違反する特権を授与するものではない。」In re Indep. Serv. Orgs. Antitrust Litig., 203 F.3d 1322, 1325 (Fed. Cir. 2000).

 Microsoftは法的に奔放で不穏当な立場から決して撤退しないが、Microsoftは上述のライセンス制限の反競争的結果にもかかわらず不合理な方法で著作権を行使していないという効果に対する二つの主張を行っている。不適当な著作権の第1の抗弁において、Microsoftは著作権者はライセンシーが著作物の実質的かつ有害な修正を行う能力を制限できることを示す二つの判例を引用している。See Gilliam v. ABC, 538 F.2d 14, 21 (2d Cir. 1976); WGN Cont'l Broad. Co. v. United Video, Inc., 693 F.2d 622, 625 (7th Cir. 1982). しかし、本件についてこれらの二つの判例の関連性は限定されている、これらの事件は両方とも著作物の実質的な修正が関係しており、see Gilliam, 538 F.2d at 18, かつ、どちらの事件にもいても、著作権者がその権利の主張において独禁法に違反しているといういかなる主張もないからであるsee WGN Cont'l Broad., 693 F.2d at 626; see also Cmty. for Creative Non- Violence v. Reid, 846 F.2d 1485, 1498 (D.C. Cir. 1988) (独禁法と関連なしの文脈において、「作者は著作物を著しく内容を骨抜きにしたあるいは変更したライセンシーに対して権利を有することができる」と指摘している)。

 Microsoftがその著作物の「実質的な変更」を防ぐために必要であるとして本気で抗弁している唯一のライセンス制限はOEMがブートプロセスの終了時に代替ユーザーインターフェースを自動的に立ち上げるのを禁止することである。See Findings of Fact ¶ 211(「少数の大企業のOEMは新しいPCシステムの最初のブートシークエンスの終了時に自動的に走るプログラムを開発した。これらのプログラムはWindowsのデスクトップをOEMによって設計されたユーザーインターフェース又はNavigatorのユーザーインターフェースのどちらかに置き換えるものである。」)。我々は、自動的にWindowsのデスクトップをユーザーが見えないようにするシェルはMicrosoftの著作物の徹底的な修正であり、最初のブートプロセスの終了時に、自動的に異なったインターフェースに置き換えることをOEMに禁止することの周辺的な反競争的効果に勝っていることに同意する。したがって、我々はこの特定な制限はシャーマン法2条を違反する排他的行為ではないと判示する。

 著作権の第2の抗弁において、Microsoftはライセンス制限はOEMがMicrosoftの著作物の価値を実質的に減少させるだろう行為を取ることを単に防いでいるに過ぎない:すなわち、Microsoftは、争点となっている各ライセンス制限はOEMが「幅広い範囲のアプリケーションをサポートしユーザーに親しまれている安定し首尾一貫したプラットフォームとしてのWindowsの主要な価値」を傷つけるWindowsの修正をOEMが行うのを防ぐために必要であると主張する。Appellant's Opening Br. at 102. しかし、Microsoftはこの主張を全く実証しておらず、また、OEMのデスクトップの外見の変更又はブートシークエンスにおけるプログラムの推奨が既に製品の中にあるコードに変更を加えることはないから、この行為はプラットフォームの「安定性」又は「首尾一貫性」のどちらにも影響を与えないことは自明である。See Conclusions of Law, at 41; Findings of Fact ¶ 227. MicrosoftはOEMの変更がWindowsの価値を低下させているという主張を支持する証拠として引用しているのは一つだけである。Defendant's Trial Exhibit ("DX") 2395 at MSV0009378A, re- printed in 19 J.A. at 12575. Microsoft自身によって作られたその文書は次のように述べている:「プレインストールプロセスにあまりにも寛大なOEMによってなされた品質問題がある。」OEMが彼らのPCにWindows及び追加的ソフトウエアをインストールしていることについて言及しているこの文書が述べていることは「ユーザーの懸念と混乱」における結果かもしれない。OEMの修正が消費者の混乱の原因になる限度で、もちろん、OEMは追加的なサポートコストを負担する。See Findings of Fact ¶ 159. したがって、我々は、ライバルのブラウザの推奨がMicrosoftの独占を傷つけるという意味を除き、OEMの寛大さがWindowsの価値を低下させたことをMicrosoftが証明したと結論する、すなわちこれはライセンス制限のために許容される弁明ではない。

 著作権から離れて、MicrosoftはOEMライセンス契約のもう一つの抗弁を提起する:MicrosoftはOEMライセンスにおける制限にもかかわらず、Netscapeはその製品の配布から完全に妨げられているわけではないと主張する。この主張はこれらの制限の責任からMicrosoftを遮蔽するには不十分である、なぜなら、Microsoftはライバルの全ての配布手段を禁じてはいないが、Microsoftは費用効果のある配布手段を禁じた。

 要するに、我々は、代替インターフェースを自動的に立ち上げることを禁じる一つの制限を除き、争点になっている全てのOEMライセンス制限は、あらゆる弁明によっても和らげられておらず、独占を保護するためのMicrosoftのマーケット力の使用を示していると判示する。したがって、この制限はシャーマン法2条に違反している。

2.IEとWindowsの統合
 Microsoftのライセンス制限はライバルのブラウザを二つの主要な配布チャネルから閉め出す相当な効果を有しているが、地裁は、「Microsoftの役員らはOEMに課した契約上の制限がNavigatorの使用シェアの方向を逆転するには十分ではないであろうと信じていた。その結果、1995年遅く又は1996年の早くに、Microsoftは技術的問題として[IE]をWindows 95によりしっかりと結びつけることに乗り出した。」と認定した。Findings of Fact ¶ 160.

 技術的にIEをWindowsに結びつけることは、OEMが他のブラウザをプレインストールすることを防ぐと共に消費者がそれらを使うことを思いとどまらせる、と地裁は認定した。特に、IEのソフトウエアコードをWindowsの削除不可能な部分とすることは、第2のブラウザをプレインストールすることは「OEMの製品のテストコストを増大させる」であろう、なぜなら、OEMはそのマシンにプレインストールされたすべてのソフトウエア製品に関係した電話に答えるためにテストしサポートスタッフを訓練しなければならず;さらに、IEに加えてブラウザをプレインストールすることは多くのOEMにとって「PCのハードドライブ上の少なく貴重なスペースの問題のある使用」あったであろう。Id. ¶ 159.

 地裁が、法的結論において、「Internet ExplorerをWindowsに手錠で」結びつけるMicrosoftの決定を広範に非難したが、その結論を支持する事実認定はMicrosoftがIEをWindowsに溶接するために取った3つの特定の行為に中心を置いている:「アプリケーションの追加と削除」ユーティリティからIEを排除すること;ユーザーが選択したIE以外のデフォルトブラウザをある状況においてオーバーライドするようにWindowsを設計したこと;及びブラウズすることに関連したコードと他のコードを同じファイルに混合したこと;その結果、IEを含むファイルを削除するいかなる試みも同時にオペレーティングシステムをぶち壊すであろう。ライセンス制限と同様に、我々は最初に最初に疑わしい行為が反競争的効果を有しているかどうかを考慮し、その後、Microsoftがそれらに対して競争擁護の弁明を提出したかどうかを考慮する。

a.統合の反競争的効果
 一般に、裁判所は競争が支配的な会社の製品設計の変更によって競争が損なわれたという請求に対して当然のことながら極めて懐疑的である。See, e.g., Foremost Pro Color, Inc. v. Eastman Kodak Co., 703 F.2d 534, 544-45 (9th Cir. 1983). 競争的なマーケットにおいて、会社は消費者にアピールすることを期待して、時にはライバルのものと非互換な製品をつくる過程において、日常的にイノベーションを行っている;独占者が同じことを行ったときに責任を賦課すればイノベーションを必然的に妨げるだろう。これは本件のような製品自体が急速に変化しているマーケットにおいてより真実である。See Findings of Fact ¶ 59. しかし、製品のイノベーションに対する司法の敬意は独占者の製品設計の決定がそれ自体適法であることを意味しない。See Foremost Pro Color, 703 F.2d at 545; see also Cal. Computer Prods., 613 F.2d at 739, 744; In re IBM Peripheral EDP Devices Antitrust Litig., 481 F. Supp. 965, 1007-08 (N.D. Cal. 1979).

 地裁は最初に、Windows 98においてIEを「アプリケーションの追加と削除」ユーティリティから排除するMicrosoftの決定を反競争的であるとして非難した。Findings of Fact ¶ 170. MicrosoftはWindows 95においてアプリケーションの追加と削除ユーティリティの中にIEを含ませた、see id. ¶ ¶ 175-76、しかし、Windows 98を作成するためにWindows 95を修正したときに、Microsoftはアプリケーションの追加と削除ユーティリティからIEを取り除いた。この変更は、Microsoft自身のブラウザを消費者により魅力的にすることによってではなく、OEMがライバルの製品を配布するのを思いとどまらせることによって、ライバルのブラウザの利用シェアを減少させる。See id. ¶ 159. Microsoftの行為は、長所における競争以外の何かをとおして、ライバルの製品の使用を著しく減少させる効果を有しており、このゆえにMicrosoft自身のオペレーティングシステム独占を守るから、反競争的である;我々はそれにもかかわらず弁明できるかどうかの問題はしばらく後に行う。

 第2に、地裁は、Microsoftは、ユーザーがデフォルトブラウザとして選択したIE以外のブラウザをいくつかの状況においてオーバーライドにすることによって「Windows 98上でNavigatorを使用するとユーザーにとって不愉快な結果になるだろうように」Windows 98を設計したと認定した。Id. ¶ ¶ 171-72. 原告らは、このオーバーライドは消費者がIE以外のブラウザを使用することを思いとどまらせ、それによってライバルのブラウザの利用シェアを減少させ、これによりライバルブラウザがWindowsによって露出されたAPIから開発者の注意を引き付ける能力を減少させることによって、競争プロセスを傷つけると主張する。もちろん、Microsoftはユーザーの好みのオーバーライドはいくらかの人々が他のブラウザを使用することを妨げることを否定しない。このオーバーライドはライバルの利用シェアを減少させ、Microsoftの独占を保護するから、これも反競争的である。

 最後に、地裁は、「ウエブブラウズに特有のコードをオペレーティングシステム機能を提供するコードと同じファイルの中に置くことによって」、IEをWindows 98に結合したMicrosoftの決定を非難した。Id. ¶ 161; see also id. ¶ ¶ 174, 192. ブラウザ機能を提供するコードをオペレーティングシステム機能を提供するコードと共に同じファイルに置くことによって「ブラウザ特有ルーチンを含むファイルの削除すれば極めて重要なオペレーティングシステムルーチンも削除することになり、それゆえWindowsをぶち壊すであろう。」Id. ¶ 164. 上述のように、OEMがIEを削除することを防ぐことによって、OEMが第2のブラウザをインストールすることを思いとどまらせることになる、なぜなら、そうすればOEMの製品テスト及びサポートコストを増大させるからである;対照的に、OEMがIEを削除できるとすれば、OEMはNavigatorだけをプレインストールすることを選ぶことができたであろう。See id. ¶ 159.

 Microsoftは、事実問題として、ブラウザと非ブラウザコードを混ぜ合わせたことを否定し、逆に、地裁の認定は明らかな誤りであると主張する。Microsoftによれば、Microsoftの専門家が「Windows 98におけるウエブブラウザ機能を提供するまさに同じコード(同じファイル内のコードではなくまさに同じソフトウエアコード)が必須のオペレーティングシステム機能コードも実行していることを矛盾なく証言した。」Appellant's Opening Br. at 79 (citing 5 J.A. 3291-92).

 しかし、Microsoftの専門家はその効果を「矛盾なく」は証言していない。政府の専門家Glenn Weadockは、MicrosoftはIEをそれが使用するコードをWindowsに必要な他のコードと同じライブラリファイルの中に共存するように設計していると証言した。Direct Testimony ¶ 30. もう一人の政府の専門家は同様に、一つのライブラリファイルSHDOCVW.DLLは「実際に別々の機能の束である」と証言した。そのファイルはウエブブラウザに特有の機能を含み、かつ、一般的なユーザーインターフェース機能も同様に含んでいる。」12/14/98 am Tr. at 60-61 (trial testimony of Edward Felten), reprinted in 11 J.A. at 6953-54. Microsoft自身の文書の一つが同様に示唆している。See Plaintiffs' Proposed Findings of Fact ¶ 131.2.vii (citing GX 1686 (under seal)(Microsoftの文書が、SHDOCVW.DLLにおけるいくつかの機能が「IEだけ」として記述可能であり、その他は「シェルだけ」として記述可能であり、それにもかかわらず、その他は「IE」及び「シェル」機能の両方を提供するために記述可能であることを示している))。

 記録における矛盾する証言からみて、そのいくつかはMicrosoftがブラウザ及び非ブラウザコードを混ぜ合わせたという地裁の認定を支持しており、我々は地裁の認定が明らかに誤っていると結論することはできない。See Anderson v. City of Bessemer City, 470 U.S. 564, 573-74 (1985)(「地裁の証拠の評価が記録全体からみてもっともらしい場合は、控訴裁判所は、事実認定者として臨席しているとすれば証拠を異なって評価したであろうとしても、それを取り消すことはできない。」)したがって、我々はコードの混ぜ合わせに関した事実認定159を取り消すべきであるというMicrosoftの主張を拒絶し、我々はそのような混ぜ合わせは反競争的効果を有すると結論する;上述のように、混ぜ合わせはOEMがライバルのブラウザをプレインストールすることを思いとどまらせ、これにより、ライバルの利用シェアを減少させ、それにより、Microsoftのオペレーティングシステムによって露出されたAPIの代替としてのライバルのAPIへの開発者の興味を減少させる。

b.統合に対するMicrosoftの弁明
 MicrosoftはWindowsにIEを統合するときに行った3つの訴えられた行為の2つに対する弁明(アプリケーションの追加と削除ユーティリティからのIEの排除及びブラウザ及びオペレーティングシステムコードの混ぜ合わせ)を提出していない。Microsoftは、ブラウザとオペレーティングシステムを統合することに関するいくつかの一般的な主張を行っているが、see, e.g., Direct Testimony of James Allchin ¶ 94, reprinted in 5 J.A. at 3321 (「技術的統合についての我々のより深いビジョンは極めて効率できで、消費者及び開発者にかなりの利益を提供する。」)、これらの主張を詳細に主張しておらず、実証もしていない。Microsoftはアプリケーションの追加と削除ユーティリティからのIEの排除及びブラウザ及びオペレーティングシステムコードの混ぜ合わせが何かの統合による利益を達成したとも主張しない。原告らは、Microsoftの行為がブラウザMicrosoftのブラウザ使用シェアを増大させ、従って、オペレーティングシステム独占をミドルウエアの脅威から保護したことを証明することによってオペレーティングシステムマーケットにおける競争を傷つけたことの一応の証明をなしたのはあきらかである、そして、Microsoftとしては、その行為がオペレーティングシステム独占を保護する以外の目的を果たしたことを証明する責任を満たすことに失敗した。したがって、我々はMicrosoftのアプリケーションの追加と削除ユーティリティからのIEの排除及びブラウザ及びオペレーティングシステムコードの混ぜ合わせは2条違反における排他的行為を構成する。

 Microsoftが行った他の訴えられた行為(ある状況においてユーザーのデフォルトブラウザの選択をWindowsがオーバーライドする原因となる行為)に関しては、Microsoftは「有効な技術的理由」があるとMicrosoftは主張する。特に、Microsoftは、ユーザーがほとんど30のインターネットアクセス手段から「わずかのもの」の一つを呼び出す時にユーザーの好みをオーバーライドするようにWindowsを設計することは必要であったと主張する。Appellant's Opening Br. at 82. Microsoftによれば:

Windows 98ヘルプシステム及びWindowsアップデートはNavigatorがサポートしていないActiveXコントロール及びNavigatorがサポートしていないMicrosoftのチャネル定義フォーマットを利用可能としている現在は使用されていないチャネルバーに依存している。最後に、ユーザーが「マイコンピュータ」又は「Windowsエクスプローラ」をとおしてインターネットをアクセスするなら、Windows 98はNavigatorを呼び出さない、なぜなら、そうするとこれらの目的の一つ(ユーザーが同じブラウザのウインドウのなかでローカル記憶装置からウエブへシームレスに移動することが可能にさせること)を挫折させたであろう。
Id. (internal citations omitted). 原告らは、提出された弁明に反駁する立証責任を負担するばかりでなく、訴えられた行為の反競争的効果がそれを上まわっていることを証明する責任を負担する。地裁において、原告らは、両方は言うまでもなく、どちらも行っていないように見える;ともかく、控訴審において、原告らは何も反駁を提出していない。したがって、Microsoftはその製品設計のこの点に関して責任があると判示されることはできない。

3.インターネットアクセスプロバイダとの契約
 地裁は様々なIAP(インターネットアクセスプロバイダ)とのMicrosoftの契約も排他的であるとして非難した。IAPは消費者にインターネットアクセスを提供するインターネットサービスプロバイダ、並びにインターネットアクセス及びその他のサービスに加えて所有するコンテンツを提供するアメリカンオンライン(「AOL」)のようなオンラインサービス(「OLS」)を含む。Findings of Fact ¶ 15. 地裁はMicrosoftのIAPとの契約は不法であるとみなした、なぜなら:

Microsoftは[IE]及び[IE]アクセスキットを数百のIAPに無料でライセンスすた。[Findings of Fact] ¶ ¶ 250-51. その後、Microsoftは10の最も重要なIAPに、[IE]を奨励及び配布しNavigatorをデスクトップから追放する約束と引き替えに、価値のある販売促進待遇を差し出した。Id. ¶ ¶ 255-58, 261, 272, 288-90, 305-06. 最後には、現在のユーザーがNavigatorの代わりにIEをバンドルしたクライアントソフトウエアにアップグレードする努力と引き替えに、MicrosoftはこれらのIAPにリベート(いくつかのケースでは無条件の支払いを行った)を与えた。Id. ¶ ¶ 259-60, 295.
Conclusions of Law, at 41.

 地裁はMicrosoftの行為を以下の点で非難した(1)IEをIAPに無料で提供した、そして(2)IEブラウザを使用してIAPにサインアップした各顧客についてIAPに対して報奨金を与えた。要するに、地裁は、MicrosoftがIEをIAPに魅力的な価格で提供することによって独占を維持するために行動したと非難した。同様に、地裁は、Microsoftが(3)[IE]タイトルバー、アイコン、スタート及びサーチページをカスタマイズすることによってIAPが数時間でそのサービスのための特色のある独自性を作ることができる、IEアクセスキット(「IAEAK」)を開発し、(4)IEAKを無料でIAPに提供し、これらの行為がMicrosoftが独占を維持することも助けたという根拠で、責任があると判示した。Conclusions of Law, at 41-42. 最後に、地裁は、(5)MicrosoftはIEを排他的に推奨する契約をIAPが行い、Navigatorを使用したインターネットアクセスソフトウエアの配布を特定の%、典型的には25%以下に維持することの見返りに、WindowsのデスクトップからIAPサービスへの簡単アクセスを提供することに合意した。See Conclusions of Law, at 42 (citing Findings of Fact ¶ ¶ 258, 262, 289). 我々は最初に4つの事項を扱い、その後、IAPとの排他的契約を扱う。

 顧客に魅力的な取引を申し出ることは折り紙付きの競争であるが、最高裁は極めてまれな状況においては価格は不法に安い、又は「略奪的」であり得ると述べている。See generally Brooke Group, 509 U.S. at 220-27. 原告らは原審において、Microsoftの値決めは実際に略奪的であったと主張した;しかし、通常の略奪的値決め論の代わりに(略奪者は特定の製品をコスト以下に値決めすることによってライバルを追い出すであろう、そしてその後、将来のいつか、以前の損失を取り戻すために競争レベル以上にその製品の値段を上げるであろう)、原告らはMicrosoftはIEにコスト以下の値段(実際、それを得る人々に支払いさえした)をつけても投資を取り戻す以上のことができたと同時にWindowsに独占利益の傾向を保つことができと主張した。しかし、地裁は略奪的値決めの責任を認めなかった、そして、原告らは控訴審でこの論理を強く主張してはいない。

 値決め略奪のまれなケースは別として、独禁法は魅力的な価格でその製品を提供する独占者でさえ非難しない、そして、それゆえ我々はMicrosoftがIE又はIEAKを無料又は負の価格でさえ提供したことを非難することを是認することはできない。同様に、上述のように、独占者は単に魅力的な製品を開発することだけによってシャーマン法に違反することはない。See Grinnell, 384 U.S. at 571 (「優れた製品又は商才の結果としての成長又は発展」は違反ではない。)。それゆえ、MicrosoftのIEAKの開発はシャーマン法に違反しない。

 次に、我々はデスクトップの配置に関連したMicrosoftのIAPとの取引に向かう。Microsoftは全ての「主要なIAP」(大規模なOLSを含む。 Id. ¶ 245)とこれらの排他的契約を結んだ、Findings of Fact ¶ 244、; see also id. ¶ ¶ 305, 306. OLSとの取引で最も重要なのはAOL(取引がなされたとき、「全ての現在のインターネットアクセスユーザーの相当な部分の口座を得ていて新しいIAPユーザーの極めて多くの割合を引き付けていた)とのものである。Id. ¶ 272. その契約に基づき、MicrosoftはWindowsのデスクトップ上のOSLフォルダ内にAOLのアイコンをおいた、そして、AOLは非Microsoftブラウザを推奨せず、顧客が要求した時を除き非Microsoftブラウザを使用するソフトウエアを提供しない、AOLはIE以外のブラウザをユーザーの15%以上提供することさえしない。Id. ¶ 289.

 最高裁は最も近くTampa Electric Co. v. Nashville Coal Co., 365 U.S. 320 (1961)事件で排他的な契約に対する独禁訴訟を審理した。必要条件契約に対する訴えに関するその事件はクレイトン法3条並びにシャーマン法1条及び2条に基づくものである。最高裁は排他的契約は、起こりそうな結果が「影響を受ける商業の種類の相当なシェアの競争を閉め出す」ものでなければ、クレイトン法に違反しないと判示した。Id. at 327. 閉め出されたマーケットのシェアは重要である、なぜなら、競争とは逆の結果を持つ契約であるためには「他の取引者がそのマーケットに参入する又は残留する機会が著しく制限されたものでなければならないからである」。Id. at 328.「控訴裁も地裁も関連マーケットの問題を詳細に審理してはいない」が、id. at 330、Tampa Electric事件において、最高裁は記録を調べ、関連マーケットを定義した後、契約はそのマーケットの1パーセントより少ない影響を与えると決定した。Id. at 333. クレイトン法に基づいて、このシェアは「控えめに述べても、全く実質的でない」と結論した後、id. 最高裁はシャーマン法の請求を直ちに拒絶した。Id. at 335([契約]がクレイトン法3条のより広い規定に当てはまらないのであれば、[シャーマン法]の規定によって禁止されることはない。」)。

 Tampa Electric事件に従い、排他的契約に対する独禁訴訟を審理する裁判所は閉め出されたマーケットのシェアを特定することをしなければならない。いくつかの裁判所がクレイトン法3条とシャーマン法1条とは排他的契約を禁止するためには同じ程度の締め出しが要求されることを示してきた。See, e.g., Roland Mach. Co. v. Dresser Indus., Inc., 749 F.2d 380, 393 (7th Cir. 1984) (Posner, J.). しかし、他の裁判所はシャーマン法違反が成り立つためにはクレイトン法と比較して締め出しのより高いマーケットシェアがなければならないと判示している。See, e.g., Barr Labs. v. Abbott Labs., 978 F.2d 98, 110 (3d Cir.1992); 11 Herbert Hovenkamp, Antitrust Law ¶ 1800c4 (1998)(「判例法は分かれているが、クレイトン法は反競争的効果のより少ない証明でよいという方が多数である。」)。

 「相当な」が何かは排他的取引が訴えられている独禁法の条文に依存して変わるかもしれないが、全ての事件において、原告は関連マーケットを証明すること及び締め出しの程度を証明することの両方を行うことが必要である。これは慎重な要件である;契約の排他的条項は多くの役に立つ目的を果たすかもしれない。See, e.g., Omega Envtl., Inc. v. Gilbarco, Inc., 127 F.3d 1157, 1162 (9th Cir. 1997)(「しかし、排他的取引契約にはブランド間競争を促進することを含むよく知られた経済的利益がある。」);Barry Wright Corp. v. ITT Grinnell Corp., 724 F.2d 227, 236 (1st Cir. 1983) (Breyer, J.)(「事実上、全ての購入契約はマーケットのある部分(すなわち購入されるものを構成する部分)から代替販売者を『閉め出す』又は『排除する』。」)。排他的取引を締結する会社をいつでも訴えるべき独禁行為を許すことは、適法なビジネス慣行を挫き、犠牲の多い独禁行為を勇気づけることになるだろう。明らかに小さなマーケットに影響する排他的取引は競争に対して必要な害のある効果を有することはないから、締め出しの相当な程度の要件は役に立つスクリーニング機能を果たす。Cf. Frank H. Easterbrook, The Limits of Antitrust, 63 Tex. L. Rev. 1, 21- 23 (1984)(消費者及び経済に対する損失より取り調べのコストの方が多く、かつ競争擁護的行動をやめさせるリスクがありがちな事件を、ふるいにかけるために独禁法において推定の使用を議論している)。

 本件においては、原告らはMicrosoftのIAPとの排他的取引契約をサーマン法1条及び2条に基づいて訴えた。地裁は、1条請求を分析し、「Microsoftの契約は全てを合わせてブラウザマーケットのおよそ40パーセントにアクセスすることからNetscapeを排除しているのでなければ、裁判所はそのような契約を1条違反と認定することを拒絶すべきであると説示している。Conclusions of Law, at 52. 地裁は、Microsoftが「Navigatorがブラウザ使用シェアを達成する最も効果的なチャネル」からNetscapeを実質的に排除したと認定した、id. at 53; see also Findings of Fact ¶ 145(どんなブラウザのための配布チャネルもOEMのプレインストール及びIAPのバンドルに及びさえしない。」)、そして、よりコストがかかりより効果のない方法(ブラウザをディスクに入れて大量に郵送したり、インターネットを介してダウンロードすることを提案したりのような方法)に追いやる;しかし、Microsoftは、非効率であったとしても何かの配布手段によって潜在的なユーザーに達することから「Netscapeを完全には排除」していないから、裁判所はその契約は1条違反ではないと結論した。Conclu- sions of Law, at 53. 原告らはこの判示に対して控訴していない。

 2条については、地裁は次のように説示した:「様々な[IAP及びその他の]会社とのMicrosoftの契約は関連マーケットを1条違反を構成するに十分なだけ締め出した、同契約に対する2条に基づく責任の認定を決して減ずることがない。・・・非排他的なものも含めてMicrosoftの全ての契約はブラウザ利用シェアの獲得に最も効率的に導くこれらの配布チャネルへのNetscapeのアクセスを極めて制限した。Conclusions of Law, at 53.

 控訴審において、Microsoftは、「裁判所は1条及び2条の両方に基づく排他的取引契約に対して同じ基準を適用した」と主張する、Appellant's Opening Br. at 109、そして、Microsoftは、1条に基づく責任がないという地裁の判示が2条に基づく判示を不可能にしていると主張する。地裁は、判例法から引用した40%基準よりも「全排除テスト」を1条に関する判示の基礎にしたようにみえる。しかし、判示が正しいと仮定したとしても、それにもかかわらず我々はMicrosoftの主張を拒絶する。

 1条及び2条に関連した基本的に慎重な関わり方は明白に同じである:排他的契約はわが国の競争的市場経済において(特に配布の分野において)ありふれたものである、そして、そのような契約を締結するときは、その効果がいかに小さくても、いつでも独禁訴訟のリスクを会社に課すとすれば、そのような会社に受け入れがたい不当な重荷を作り出すことになるであろう。しかし、同時に我々は特定な状況における独占者の排他的契約の使用は、その契約が、1条条違反が成り立つために通常必要とされるおよそ40%又は50%のシェアより少ない範囲でしか閉め出ださないとしても、2条違反を引き起こすという点で原告らに同意する。See generally Dennis W. Carlton, A General Analysis of Exclu- sionary Conduct and Refusal to Deal-Why Aspen and Kodak Are Misguided, 68 Antitrust L.J. 659 (2001)(特に支配的な会社による排他的取引が競争に対する害について道理にかなった懸念を引き起こし得る様々なシナリオを説明している)。

 本件において、原告らは、ブラウザ配布の利用可能な機会の相当なパーセントからライバルを閉め出すことによって、Microsoftはオペレーティングシステムのマーケットにおいて独占を維持することを行っていると主張する。IAPはブラウザを配布できる二つの主要なチャネルの一つを構成する。Findings of Fact ¶ 242. Microsoftは「世界のこの部分の全てのインターネットアクセス利用の大多数を占める北米における上位15社のアクセスプロバイダの14社」と排他的取引を持った。Id. ¶ 308. 全てのIAP利用者の「大多数」にデフォルトブラウザ又は唯一のブラウザとしてIEがオファーされることを確実にすることによって、MicrosoftのIAPとの取引は独占の維持において相当な効果を有したことは明らかである;その取引はNavigator又はMicrosoftの独占に対する真の脅威となる他のライバルに必要な臨界レベル以下にNavigatorの使用を保つのに役立っている。See, e.g., id. ¶ 143(Microsoftは「Navigatorからそれがプラットフォームとしての効力を消すために十分なブラウザの利用を転じさせる」ことを追求した。);see also Carlton, at 670.

 原告らは競争に対する害を立証したから、Microsoftが競争擁護の弁明を提出することによってIAPとの排他的取引契約を防御する立証責任を負う。重要なのは、Microsoftの排他的取引についての唯一の説明が開発者がMicrosoftのAPIに焦点を合わせ続けることをMicrosoftが望んだことである、つまり、Microsoftがオペレーティングシステムマーケットにおいてその力の維持を望んだ。02/26/01 Ct. Appeals Tr. at 45-47. これは不法な目的ではないが、どちらもこの問題、すなわちIAPとの排他的取引契約、における競争擁護の弁明ではない。したがって、我々はMicrosoftのIAPとの排他的契約はシャーマン法2条違反の排他的策略であるという地裁の決定を維持する。

4.インターネットコンテントプロバイダ、独立系ソフトウエアベンダー、及びApple Computerとの取引
 地裁は、Microsoftはウエブサイトを開発するICP(インターネットコンテントプロバイダ);及びソフトウエアを開発するISV(独立系ソフトウエアベンダー);及びOEMでありソフトウエア開発者でもあるAppleとの取引において排他的行為に従事したと判示した。See Conclusions of Law, at 42-43 (ICP、ISV、及びAppleとの取引が「OEM及びIAPチャネルにおけるMicrosoftの努力を補足した」)。地裁は、次のように述べてMicrosoftのICP及びISVとの取引を非難した:「ICP及びISVに[IE]をバンドルするライセンスを無料で許諾することによって、及びNavigatorよりも[IE]を配布し、推奨し、依存する契約と他の価値ある誘因物と交換することによって、MicrosoftはNavigatorが露出するAPIよりも自分自身のAPIに開発者が焦点を合わせるように直接的に誘った。」Id. (citing Findings of Fact ¶ ¶ 334-35, 340).

 ICPとの取引に関しては、地裁の認定は責任を支持していない。ICPの契約を審理した後、地裁は、「Microsoftの販売促進の制限が実際にNavigatorの使用シェアに実質的で有害なインパクトを与えたという認定を支持する十分な証拠はない」と明確に述べた。Findings of Fact ¶ 332. 原告らはMicrosoftのICPとの取引が競争に対して実質的な効果を有したことを証明することにしっぱんしたから、原告らはシャーマン法違反を証明しなかった。

 しかし、MicrosoftのISVとの契約に関しては、地裁は実質的な効果がないという同様な認定は行っていない。地裁はMicrosoftのISVとの取引を次のように記述している:
1997年秋から1998年春の間にサインされた数十の「ファーストウエーブ」契約において、Microsoftはある条件に同意した重要なISVに対して早期Windows 98及びWindows NTベータ版、その他の技術情報、及びMicrosoftの推奨シールの権利の形で優先サポートを与えると約束した。これらの条件の一つはISVがハイパーテキストベースのユーザーインターフェースを有するソフトウエアウエアを開発するときにInternet Explorerをデフォルトブラウザとして使用することである。もう一つの条件は、ISVがアプリケーションのヘルプシステムをインプリメントするためにInternet ExplorerでだけアクセスできるMicrosoftの「HTLMヘルプ」を使用することである。
Id. ¶ 339. 更に地裁は、これらの取引の効果は「最も人気のあるウエブアプリケーションの多くがWindowsだけにおいて見られるブラウザ技術に依存することを確実にすることであり、id. ¶ 340、それゆえ、MicrosoftのISVとの取引は「[Microsoftと契約を締結したISVによって設計されたアプリケーションを]使用する数百万の消費者がNavigatorではなくInternet Explorerを使用する可能性を増大させることであると認定した。Id. ¶ 340.

 地裁は、ISVとの排他的取引がどれだけのブラウザ配布のマーケットのシェアを閉ざしたのかは明確には確認しなかった。ISVはブラウザ配布の比較的小さなチャネルではあるが、上述のように、Microsoftはライバルへの二つの主要なチャネルを大きく閉め出したから、より大きな重要性がある。それに照らして、記録から、「数百万の」消費者によって使用されるアプリケーションに影響を与えることによって、MicrosoftのISVとの排他的契約はライバルブラウザのマーケットからの更なる締め出しにおいて、相当な効果を有した。(Data introduced by Microsoft, see Direct Testimony of Cameron Myhr- vold ¶ 84, reprinted in 6 J.A. at 3922-23, and subsequently relied upon by the District Court in its findings, see, e.g., Findings of Fact ¶ 270, 、Microsoftがファーストウエーブ契約を締結していた1997?98の2年間のインターネットの新しいユーザーは4千万人である。)ライバルブラウザが広範に配布されること(そして開発者の注目をWindowsのAPIから離してライバルブラウザのAPIに潜在的に引き付けること)を防ぐことによって、その取引はMicrosoftの独占を維持する実質的な効果を有しているから、我々は、原告らがその取引が反競争的効果を有することを一応証明したと判示する。

 もちろん、Microsoftの排他的取引がMicrosoftの独占を維持する反競争的効果を有することはそれ自体違法ではない。独占者は、競争的な会社のように、配布業者との排他的契約を望む完全に適法な理由を有することができる。従って、Microsoftは地裁に排他的条項が競争擁護の弁明のようなものを有していることを証明する証拠を提出する機会があったが、それを行わなかった。See Conclusions of Law, at 43 (citing Findings of Fact ¶ ¶ 339-40)(「ISV契約に関しては、Microsoftはその排他的条件を正当化するための競争擁護的なビジネスの目的を全く唱えなかった。」)。控訴審において、Microsoftは同様にその取引が要求する排他性が何らかの適法な目的の役に立つとは主張せず、その代わり、そのISV契約は「ISVにNavigatorよりもWindowsのインターネット関連システムサービスを利用するように説得するための」試みを反映したものであると述べるだけである。Appellant's Opening Br. at 114. しかし、前述のように、開発者をWindowsに焦点を合わせさせ続けること(すなわち、Windowsの独占を維持すること)は競争上の中立的な目的である。MicrosoftはISVとの排他的取引契約の競争擁護の弁明を提出していないから、我々はこれらの契約はシャーマン法2条に違反すると判示する。

 最後に、地裁は、MicrosoftのAppleとの取引がサーマン法に違反すると判示した。See Conclusions of Law, at 42-43. Appleは垂直的に統合されている:Appleはソフトウエア(オペレーティングシステム、Mac OS)及びハードウエア(一連のMacintoshコンピュータ)の両方を製造している。Microsoftは主としてオペレーティングシステムに加えて多数の人気のあるアプリケーションを含むソフトウエアを製造している。「Office」と呼ばれるものはMicrosoftがMac OSにポートした一組のビジネスアプリケーションである。地裁は、「一組のオフィスアプリケーションを走らせているMac OSユーザーの90%はMicrosoftのMac Officeを使用している」と認定した。Findings of Fact ¶ 344. 更に、地裁は次のように認定した:
1997年、Appleのビジネスは急激に傾いていた、そして、多くの者はその会社がもはや生き残るのは疑わしいと思っていた・・・・多くのISVはMac OSのためのアプリケーションを開発するために時間と資金を費やし続けることに疑問を持っていた。Microsoftがこの状況の中でMac Officeの新バージョンの開発をやめると発表したとすれば、多くのISV、顧客、開発者、及び投資家はAppleの死亡通知としてその発表を解釈したであろう。
Id. ¶ 344. MicrosoftはMac Officeの継続したサポートがAppleに取って重要であることを認識していた。See id. ¶ 347 (quoting internal Microsoft e-mail)(「[我々には]やつら[すなわちApple]を押す方法が必要だそして[Mac Officeをキャンセルする脅し]は彼らを動かすただ一つの方法だ。」);see also id. (「[Microsoft会長Bill] GatesはMicrosoftがMac Office 97の開発をほとんど終わっている事実を来月中Appleに隠すことができるかどうかを質問した。」)id. at ¶ 354 (「Appleは[IE]をどこでも使うべきだ、もし彼らがそうしないなら、我々はOfficeをこん棒として使うことができる・・・と思う。」)。

 1997年6月、Microsoft会長Bill Gatesは、Appleとの交渉は「『全くうまく行っていない・・・AppleはNetscapeを標準インストールさせることによって我々をそのブラウザの下に置いている。』と決意した。その後GatesはAppleのCEOに既に電話し・・・『どうやって我々はMac Officeの中止を発表すべきかどうか』を尋ねたことを報告した。」Id. at ¶ 349. 更に地裁は、Gatesの電話の1ヶ月以内に、AppleとMicrosoftは契約に至った、それによると、
Microsoftの主な義務は少なくとも5年間Mac Office のアップデートバージョンをリリースし続けることである・・・[そして]Appleは・・・「[IE]の最も新しいバージョンを[Mac OS]にバンドルし、[IE]をデフォルト[ブラウザ]とすること・・・(ほとんどのユーザーが選択するインストールのタイプである)デフォルトインストールの間コンピュータのハードドライブ上にNavigatorをインストールしないことに合意した・・・[その]契約は更に・・・Appleは非Microsoftブラウザを新しいMacintoshPCシステム又はMac OSアップグレードのデスクトップ上にアイコンを置くことができない・・・と規定する。
Id. ¶ ¶ 350-52. また、この契約はAppleがIEを他のブラウザに入れ替えるのを推奨することを禁じており、Appleは「[IE]を使用するよう従業員に奨励することを規定している。」Id. ¶ 352.

 MicrosoftとAppleとのこの排他的取引はライバルのブラウザの配布に相当な効果を有している。もし、ブラウザの開発者がその製品をMac OSのような第2のオペレーティングシステムにポートするときに、共通のAPIを露出し続けることができる。したがって、使用シェア(基礎となるオペレーティングシステムではない)はブラウザができるかもしれないプラットフォームの挑戦の主要な決定要因である。ブラウザのプレインストール(オペレーティングシステムにブラウザを含めることによって又はブラウザをインストールするOEMによってのどちらによっても行うことができる)がはブラウザ配布の最も重要な二つの方法のうちの一つである、そしてAppleはオペレーティングシステムの世界の販売シェアの少なくないシェアを有している。See id. ¶ 35(MicrosoftはAppleを計算に入れないでマーケットの95%を有している、関連マーケットにAppleを含めても80%を「十分に超えている」。MicrosoftのAppleとの排他的契約はライバルのブラウザの配布を制限する上で実質的な効果を有している、そして(我々が既に何回も述べたように)ライバルのブラウザの使用シェアを低下させることはMicrosoftの独占を保護するために役に立つから、Appleとの取引は反競争的であるとみなされなければならない。See Conclusions of Law, at 42 (citing Findings of Fact ¶ 356)(「Mac OS上のNavigatorの使用を著しく減少させる条件をAppleから引き出すことによって、Microsoftは開発者がNavigatorが事実上クロスプラットフォームミドルウエアとして見ることがないであろうことを確実にすることを助長した。」)。

 Microsoftは排他的取引契約に対する競争擁護の弁明を全く提出していない。MicrosoftはIE対Mac Officeの取引はAppleとの多方面に渡る一揃いの契約の一部であるという関連する主張を行うだけである、see Appellant's Opening Br. at 61(「Appleの『ブラウザソフトウエア』の義務はMicrosoftのMac Officeの義務に対する報酬では[なかった][;]・・・様々な義務の全ては・・・2社の間の『全部の契約』の一部であった。」);これは競争擁護の弁明を意味するものではない。したがって、我々はAppleとの排他的取引はシャーマン法2条に違反する排他性があると判示する。

5.Java
 JavaはSun Microsystemsによって開発されたテクノロジーであり、ソフトウエア開発のためのユビキタスなプラットフォームとしてWindowsの立場に潜在的な脅威を持ち出すミドルウエアのもう一つのタイプである。Findings of Fact ¶ 28. Javaテクノロジーは次のものを含む:(1)プログラミング言語;(2)その言語で記述されたAPIを露出する「Javaクラスライブラリ」と呼ばれるプログラム;(3)開発者によって書かれたコードを「バイトコード」に翻訳するコンパイラ;及び(4)バイトコードをそのオペレーティングシステムに翻訳するJavaバーチャルマシン(「JVM」)。Id. ¶ 73. Java APIを呼び出すプログラムは「Javaランタイム環境」(すなわち、Javaクラスライブラリ及びJVM)を有するあらゆるマシン上で走るだろう。Id. ¶ ¶ 73, 74.

 1995年5月、NetscapeはNavigatorの全てのコピーと一緒にJavaランタイム環境のコピーを配布することに合意した、そして、「Navigatorは急速にSunがWindowsユーザーのPCシステム上にJavaランタイム環境のコピーを置くための主要な手段になった。」Id. ¶ 76. MicrosoftもJavaテクノロジーを奨励することに合意したようにみえた。なぜなら、同時に、Microsoftは「Javaで書かれたアプリケーションがWindowsから他のプラットフォームへポートする及びその逆をする困難性を最大化するための」ステップを取ったからである。Conclusions of Law, at 43. 特に、地裁は、MicrosoftはJavaが存続可能なクロスプラットフォームの脅威として発展するのを防ぐ4つのステップを取ったと認定した:(a)Sunによって開発されたものとは互換性のないJVMを設計した;(b)いわゆる「ファーストウェーブ契約」を締結し、主要なISVにMicrosoftのJVMを排他的に推奨することを要求した;(c)Microsoftが開発者に配布したツールのWindows特有の特徴に関してJava開発者を欺いた;及び(d)IntelがJavaテクノロジーの改良に関してSunを助けるのを止めるよう強制した。

a.非互換JVM
 地裁は、Microsoftが独自のJVMを開発し推奨することによって排他的行為を行ったと判示した。Conclusions of Law, at 43-44. Microsoftがそのバージョンの仕事を始めるとき、Sunは既にWindowsオペレーティングシステム用JVMを開発していた。Microsoftによって開発されたJVMを使えばWindows上でJavaアプリケーションはSunのJVMより速く走ることができた、Findings of Fact ¶ 389、しかし、MicrosoftのJVM用に設計されたJavaアプリケーションはSunのJVMでは走らなかった、また、逆の場合も走らなかった。Id. ¶ 390. 地裁は、Microsoftが「ハイパフォーマンスなWindows JVMを開発するために巨大な技術的リソースの投資を行った」と認定した、id. ¶ 396、そして、「[IE]の全てのコピーに自社のJVMをバンドルすることによって・・・Microsoftは自社のJavaランタイム環境に巨大なWindowsがインストールされた基盤をとおして保証された永久的な唯一の属性を与えた」、id. ¶ 397. しかし、前述のように、独占者はライバルと非互換な製品を開発するだけでは独禁法に違反しない。See supra Section II.B.1. 独禁法に違反するためには、非互換製品がその設計に関して競争擁護の弁明に優る反競争的効果を有していなければならない。MicrosoftのJVMはSunとは非互換であるだけでなく、Windows上でSunのJVMよりも早くJavaアプリケーションを走らせることができる。Microsoftのより早いJVMはJava開発者をMicrosoftの開発ツールを使うように引き付けた、そしてMicrosoftはこれらのツールを後述するように欺くように提供した。しかし、そのJVMはアプリケーションがより早く走らせることができ、それ自体は反競争的効果を有していない。したがって、我々は地裁が行ったMicrosoftが自社のJVMの開発及び推奨を行ったことに対する責任の賦課を取り消す。

b.ファーストウェーブ契約
 地裁は、Microsoftが数十のISVとMicrosoftのJVMを使用するファーストウェーブ契約を締結したとも認定した。See Findings of Fact ¶ 401(「高価な技術的サポートとその他の甘言と引き替えに、Microsoftは重要なISVがWindows特有テクノロジーに依存するJavaアプリケーションを作り、Sunの基準に従うJVMをWindowsユーザーに配布するのをやめるように誘導した。」)。再び、我々はMicrosoftによる安いが非略奪的値付けに対する地裁の非難を拒絶する。

 MicrosoftのISVとのファーストウェーブ契約が、ISVがWindowsの技術情報を受けるためにMicrosoftのJVMを排他的に推奨することに合意することを条件とした範囲で、異なった競争上の懸念が持ち上がる。地裁は、文字通りに排他的であるとはいえないが、その取引は開発者がソフトウエアを開発する際にMicrosoftのJVMをデフォルトにするよう要求しているから、実際問題として排他的であると認定した。Id. ¶ 401.

 地裁はライバルのJVMの全体の配布におけるファーストウェーブ契約の効果に関して詳細な認定を行ってはいないが、記録はMicrosoftの主要なISVとの取引はJVMの奨励に重要な効果を持っていたことを示している。前述のように、ファーストウェーブ契約ISVの製品は数百万の消費者に及ぶ。Id. ¶ 340. ファーストウェーブ契約ISVには、ソフトウエア開発ツールの「世界のリーダー」であるRational Software、see Direct Testimony of Michael Devlin ¶ 2, reprinted in 5 J.A. at 3520、see GX 970, reprinted in 15 J.A. at 9994- 10000、及びMicrosoft自身によれば「アンチウイルスソフトウエアのようなユーティリティの主要な供給者であるSymantec、Defendant's Proposed Findings of Fact ¶ 276, reprinted in 3 J.A. at 1689、see GX 2071, reprinted in 22 J.A. at 14960-66 (sealed)のような傑出した開発者が含まれていた。さらに、Microsoftの主要なISVとの排他的契約は次のことを背景としてなされていた:地裁は「Netscapeが1995年5月[Microsoftのファーストウェーブ契約の実行の前]にSunの基準に従うWindows用JVMのコピーをNavigatorの全てのコピーに含ませると発表したとき、SunのJavaインプリメンテーションがWindows上における必要なユビキタス性を達成するであろうと見られていた。」と認定した。Findings of Fact ¶ 394. しかし、前述のように、Navigatorの配布を著しく減少させる多くの反競争的行為に取りかり、地裁はこれらの行為はそれゆえSunのJVMの配布を著しく妨げたと認定した。Conclusions of Law, at 43-44. Microsoftの契約はJVM配布の分野で相当な部分を閉め出し、かつ、そうすることで、Microsoftの独占をミドルウエアの脅威から保護するから、それらの契約は反競争的である。

 Microsoftは実際問題としてファーストウェーブ契約を排他的にしているデフォルト条項に対して競争擁護の弁明を提出しなかった。See Findings of Fact ¶ 401.

 その取引の累積した効果は反競争的であり、かつ、Microsoftがそれらについての競争擁護の弁明を提出しないから、我々はMicrosoftのJVMの使用を要求するファーストウェーブ契約におけるその条項は排他的であり、サーマン法違反であると判示する。

c.Java開発者への詐欺
 Microsoftの「Javaインプリメンテーション」は、JVMに加えて、ISVがJavaアプリケーションを設計するのを助けるために作られたソフトウエア開発ツールも含んでいた。地裁は、Sunのクロスプラットフォームの目標と非互換なツールばかりではなく(違反ではない、確かに)、MicrosoftはそのツールのWindows特有の性質に関してもJava開発者を欺いた。Microsoftのツールは「MicrosoftのWindows用Javaランタイム環境によってだけ正しく実行できる『キーワード』及び『コンパイラ指令』を含んでいた。」Id. ¶ 394; see also Direct Testimony of James Gosling ¶ 58, reprinted in 21 J.A. at 13959(Microsoftは「そのコードの性質を変更する・・・プログラミング指令」を加えた。)。結局、「パフォーマンスよりもポータビリティを選択するJava開発者でさえ・・・Windows上だけで[走る]Javaアプリケーションを知らず知らずに[書いた]。」Conclusions of Law, at 43. すなわち、Sunと協力するMicrosoftの公約を信頼し、Microsoftがクロスプラットフォームアプリケーションであると信用させたものを開発するためにMicrosoftのツールを使用した開発者はWindowsオペレーティングシステム上だけで走るアプリケーションを作成することに終わった。

 PC WeekのレポーターによってJava基準の断片化がクロスプラットフォームの使用を防ぐと非難された時に、Microsoftはその非難を否定し、クロスプラットフォームインプリメンテーションが取り残したものへ「豊富なプラットフォームサポートを追加している」にすぎないと指摘した。そのレポーターとの会話のすぐ後に書かれたMicrosoftの内部のeメールのメッセージは、違ったことを示している:
OK、フォローアップの電話をしたところだ・・・[レポーターは]私が顧客をW3C基準[(インターネットプロトコルで普通にみられる)]に引き付け続けたことを好んでいた・・・[しかし]彼は私が言ったこれ対我々のJavaアプローチに精神分裂があると我々を非難した。

彼は誤解した?[Javaで]我々は単に豊富なプラットフォームサポートを相互運用レイヤへ追加することを試みているだけだ・・・これはうまくいっている・・・この点では我々のwin32Javaクラスの周りにより多くのノイズを作り出すためにはよくない。その代わりに我々はj(Microsoftの開発ツール)のシェアをまさに静かに伸ばし、これまで人々がwin32だけのJavaアプリケーションを作ることが実現できていない我々のクラスの利点を人々がもっと取り入れることを考えるべきだ。
GX 1332, reprinted in 22 J.A. at 14922-23.

 最後に、その他のMicrosoftの文書が、MicrosoftがJava開発者を欺こうとしていたことを確証しており、その行為の効果は開発者がクロスプラットフォームだろうと信じるWindows依存Javaアプリケーションを作成することであろうことを予言している;これらの文書はMicrosoftの究極の目的はオペレーティングシステムのマーケットにおけるMicrosoftの独占に対するJavaの脅威を妨害することであったことも示している。例えば、一つのMicrosoftの文書は戦略的ゴールとして「汚染されたJavaマーケットを伸ばすことによりクロスプラットフォームのJavaを殺せ」と述べている。GX 259, reprinted in 22 J.A. at 14514; see also id.(「クロスプラットフォームの能力がJavaを選び/使用するためのナンバーワンの理由である。」)(emphasis in original).

 Java開発ツールに関連したMicrosoftの行為はオペレーティングシステムの優越又はそのマーケットにおける商才に帰すことができない形でオペレーティングシステムの独占を守るために役に立った、そしてそれゆえ反競争的である。驚くことではないが、Microsoftは開発者を欺くためのキャンペーンに対して競争擁護の説明を全く提出していない、我々はこの行為は排他的であり、シャーマン法2条に違反すると結論する。

d.Intelに対する脅迫
 地裁は、Microsoftは「Intelのような会社がクロスプラットフォームインターフェースの作成を助けることを妨げるためにその独占力を」使用することによってJavaに関しても不法に行動したと判示した。Conclusions of Law, at 43.1995年、IntelはハイパフォーマンスなWindows互換JVMの開発の過程にあった。MicrosoftはIntelがその努力を放棄することを望んだ、なぜなら、高速でクロスプラットフォームなJVMがオペレーティングシステムマーケットにおけるMicrosoftの独占に脅威を与えるであろうからである。1995年8月の会議で、MicrosoftのGatesはIntelに対して、「Javaランタイム環境を開発するためのSun及びNetscapeとの提携は・・・IntelとMicrosoftの間の提携を傷つける恐れのある問題の一つである」と述べた。Findings of Fact ¶ 396.3ヶ月後、「MicrosoftのPaul MaritzはIntelの上級役員に対して、IntelのSunのJava基準[に準拠するマルチメディアソフトウエアの採用]は、Microsoftの非IntelマイクロプロセッサのためのサポートがIntelに対して敵対するのと同様に、Microsoftに対して敵対している、と述べた。」Id. ¶ 405.

 それにもかかわらず、IntelはJavaに関したイニシアティブをとり続けた。1996年までに、「Intelは・・・Sunのクロスプラットフォーム基準に準拠し、良く走るように設計されたJVMを開発した。」Id. ¶ 396. その年の4月、Microsoftは再び、Intelの高速Sun準拠JVMを配布することによってSunを助けないようにIntelに促した。Id. そして、MicrosoftはIntelに対して、マルチメディアの最前線でSunを助けるのをやめなければ、MicrosoftはWindowsにバンドルしてIntelの技術を配布することを拒絶するだろう、と脅した。Id. ¶ 404.

 結局、Microsoftがとどめの一撃を与えた後、Intelは1997年中に屈服した。

Intelに競合する会社の一つであるAMDと呼ばれる会社がその「3DX」テクノロジーにMicrosoftからのサポートを懇願した・・・MicrosoftのAllchinはGatesに対して、Intelがそれに反対するだろうにもかかわらずMicrosoftは3DXをサポートするべきかどうか尋ねた。Gatesは答えた:「我々がこれをサポートすることが本当に問題なら、彼らは彼らがやっているJavaマルチメディアをサポートするのをやめなければならない。彼らがJAVAの仕事から手を引くなら、私は喜んでこれの支持をあきらめる。」
Id. ¶ 406.

 Microsoftの内部文書及び禄取証言は反競争的効果及びその行為の意図の両方を確証している。See, e.g., GX 235, reprinted in 22 J.A. at 14502(Microsoftの役員Eric EngstromはMicrosoftのIntelに対する目的の中に次のものを含めた:「IntelはSunがJavaマルチメディアAPI・・・特に・・・Windows上で良く走るもの・・・を作るのを助けるのをやめるべき。」); Deposition of Eric Engstrom at 179(「我々はある期間[IntelがSunを助けるのをやめるように説得することに]成功した。」)。

 Microsoftは地裁が認定した事実を否定していない、IntelがクロスプラットフォームJavaをサポートしないようち圧力を加えたことに対する競争擁護の弁明も提出していない。MicrosoftはIntelに対する脅迫を「助言」として不十分に特徴づけた。しかし、地裁はMicrosoftのIntelがクロスプラットフォームJavaを助けるのをやめさせる「助言」は報復の脅迫によって後押しされていると認定しており、この結論は上述の証拠によって支持されている。したがって、我々はMicrosoftのIntelに対する脅迫は排他的であり、シャーマン法2条に違反するという結論を支持する。

6.行為の経緯
 地裁は、Microsoftの特定の行為から離れて、Microsoftは一般的な「行為の経緯」に基づいて2条に違反していると判示した。この結論に到達する上で、地裁はContinental Ore Co. v. Union Carbide & Carbon Corp., 370 U.S. 690, 699 (1962)事件に依存した、この事件において最高裁は「サーマン法事件において、原告らは様々な事実の要素をきちんと区分することなしに、そして、それぞれの精査の後に水に流すことなしに証明の利益を完全に与えられるべきである」と判示した。

 Microsoftは原告らが「行為の経緯」の責任を支持するために引用したContinental Ore事件及び他の事件は全て複数の会社の共謀に関するものであり、一つの会社の行為に関するものではない;「行為の経緯」を成り立たせるのは共謀自体である、なぜなら全ての関係者が責任があると判示できるからである。See Appellant's Opening Br. at 112-13. 原告らは、ポリシー問題として、その行為が個々には競争に対する重要な効果が不足しているため合法的であると見られるとしても、全体として必須な衝撃を持つ独占者の一方の側の「[ライバルを排除することを意図した行為]のキャンペーンは全体として責任の根拠となる。」と反論した。Appellees' Br. at 82- 83.

 しかし、我々は原告らの議論を進める必要がない、なぜなら地裁は、各々は競争をほとんど傷つけていないがその累積効果が責任の独立した基礎を形成するに十分なほど重要である一連の行為を指摘していないからである。地裁の意見の「行為の経緯」セクションは、一つの例外があるが、広範な要約的な結論を含むだけである。See, e.g., Conclusions of Law, at 44(「Microsoftは競争運の秤を抑圧するように親指を置いた・・・。」)。地裁が言及した特定の行為だけがそのブラウザを推奨する上でのMicrosoftの出費である、see id.(「Microsoftは・・・より多くを実現するために費用を費やし機会を捨てた。」)、我々が説明したものはそれ自体は不法ではない。地裁は「行為の経緯」責任についての基礎としてその他の特定の行為を特定していないから、我々はMicrosoftの行為の経緯が独立してシャーマン法2条に違反するという結論を取り消す。

C.因果関係
 最後のごまかしとしてMicrosoftは、原告らはMicrosoftの反競争的行為(特にNapster及びJavaの配布チャネルの締め出し)とMicrosoftのオペレーティングシステム独占の維持との間の因果関係を全く立証していないから、本裁判所が独占維持の請求を取り消すよう主張する。See Findings of Fact ¶ 411 (「Microsoftの行為がなければ、Navigator及びJavaがIntel互換PCオペレーティングシステムのマーケットにおいて本当の競争を巻き起こしたであろうことを認定する十分な証拠がない。」)。これは、地裁は関連マーケットにミドルウエアを含めるべきであったというMicrosoftの初期の主張の裏返しである。Microsoftによれば、地裁はミドルウエアが合理的な代替品でないことと、Microsoftの排他的行為がオペレーティングシステムのマーケットにおける独占力の維持に寄与していることを、同時には認定できない。Microsoftは、第1の認定はミドルウエアがWindowsへの重大な脅威ではないという裁判所の見解に依存しているが、see supra Section II.A、第2の認定は裁判所がNavigator及びJavaがアプリケーション参入障壁を浸食するに十分なクロスプラットフォームが開発されていると認定することを必要としているとMicrosoftは主張する。我々は合意しない。

 Microsoftは判例を全く指摘していない、そして、我々も、衡平法上の強制行為における2条責任に関して被告の継続する独占力が反競争行為に正確に帰すという直接証拠を原告らが提出しなければならないという主張を支持する判例を全く見つけることができない。ただ一つの根拠として、MicrosoftはAreeda教授の独占禁止の論文からの次の節を引用している:「原告は立証責任を負担し、証拠を提出し、非難される行為が独占の維持に著しく寄与したという証拠の優越によって証明するだろう。」3 Phillip E. Areeda & Herbert Hovenkamp, Anti- trust Law ¶ 650c, at 69 (1996) (emphasis added).

 しかし、差止救済を求める訴訟に関して、その論文の著者は、「被告が独占力を維持することに著しく寄与することができると合理的にみえる反競争的行為を行ったという事実から裁判所が「因果関係」を推論する必要性も認識している。Id. ¶ 651c, at 78; see also Morgan v. Ponder, 892 F.2d 1355, 1363 (8th Cir. 1989); Barry Wright, 724 F.2d at 230. 2条責任が発生するために被告の反競争的行為のない架空のマーケットを原告が再現することが必要であるとすると、独占者がより多くより早期に反競争的行為を行うことを勇気づけるだけである。

 我々は、排他的行為が定着した代替品の生産者に向けられた場合と同様に生まれつつある競争技術の生産者に向けられた場合も因果関係を推論できる。疑いもなく、以前の事件において生まれつつある脅威が単なる潜在的な代替品である限りは確実とはいえない。しかし、基礎をなす証明問題は同じである、原告らも裁判所も被告の排他的行為がない世界における製品の架空の技術的発展を自身を持って再現することはできない。同じ程度に、「被告は自分自身の望ましくない行為の不確実な成り行きに苦しむことになる。」3 Areeda & Hovenkamp, Anti- trust Law ¶ 651c, at 78.

 因果関係に関するこの歯の欠けたテストが与えられたとすると、本件における問題はJava又はNavigatorが実際に生存可能なプラットフォームの代替品になるであるかどうかではなく、(1)一般問題として生まれつつある脅威の排除が被告の継続する独占力に著しく寄与する合理的な可能性を有する行為の種類であるかどうかである、そして(2)Java及びNavigatorがMicrosoftが本件の反競争的行為を行った時に合理的に生まれつつある脅威であったかどうかである。第1に、独占者に(特に急速な技術的進歩及び頻繁なパラダイムシフトによって特徴づけられる産業において)証明されていないとしても、生まれつつある競争者を望むままに押しつぶす自由な支配を許すことはシャーマン法の目的に対して有害であろうと言えば十分であろう。Findings of Fact ¶ ¶ 59-60. 第2に、地裁はNavigator及びJavaの両方がミドルウエアプラットフォームの潜在的な脅威であることを十分に認定した。Findings of Fact ¶ ¶ 68-77. Microsoftの代理人は口頭弁論で多くを認めた。02/26/01 Ct. Appeals Tr. at 27(「生産高に制約はありません。限界費用は実質的にゼロです。そしてある程度のネットワーク効果があります。それで、1994年創業のNetscapeのような会社は1995年の中頃まで明らかにWindowsに対して潜在的に死を招く競争者でありえます、これらのマーケットの特徴によりマーケットにおけるその立場をとって代わることができるからです。」)。

 因果関係についてのMicrosoftの関心事は適切な救済問題、すなわち、裁判所が構造的救済を課すべきか、本件の不快な行為を単に禁じるのかどうか、に関連してより多くの得るものがある。本意見のなかで我々が後述するように、企業分割は大きな注意を持ってのみ課される救済である、その理由の一つは長期の効果が確実なのはめったにないからである。セクションV.E.参照。回復される必要のある競争への実際の損失があるという一定の確信なしでは、知恵が過激な構造的救済の採用をしないように勧める。See 3 Areeda & Hovenkamp, Antitrust Law ¶ 653b, at 91-92(「独占を完全に消滅させるように設計された特に企業分割のようなより広範囲な衡平法上の救済は、より重大な問題を引き起こす、そして、その行為とマーケット力の形成又は維持の間の意味のある因果関係のより明確なしるしを必要とする。」)。しかし、これらは救済の問題であり、責任の問題ではない。要するに、因果関係はオペレーティングシステムマーケットにおける独占維持を行った不法行為の責任に関してMicrosoftにいかなる防御も与えない。

III.独占未遂

 Microsoftは更に地裁の「州間の取引又は商業の一部の独占未遂」の責任の決定に対して異議を申し立てている。15 U.S.C. § 2 (1997). 独占未遂の2条違反を立証するためには、、「原告は(1)被告が略奪的又は反競争的行為を行ったこと、(2)独占する特定の意図及び(3)独占力を達成する危険な可能性、を証明しなければならない。Spectrum Sports, Inc. v. McQuillan, 506 U.S. 447, 456 (1993); see also Times- Picayune Pub. Co. v. United States, 345 U.S. 594, 626 (1953); Lorain Journal Co. v. United States, 342 U.S. 143, 153-55 (1951). この3つの要件の一つが欠けているから、我々は原告らが推測上のブラウザマーケットにおいて独占力を達成した危険な可能性の証明に失敗したこと以上に検討することはしない。

 成功の危険な可能性が存在したかどうかは特に事実に集中する調査である。サーマン法は独占未遂違反を構成する活動を特定したいないから、裁判所は「それぞれの事件の事実を、未遂を構成するものの決定がJustice Holmesが説明するように『近さと程度の問題であることを心において』、調査しなければならない。」United States v. Am. Airlines, Inc., 743 F.2d 1114, 1118 (5th Cir. 1984) (quoting Swift & Co. v. United States, 196 U.S. 375, 402 (1904)). 地裁は、「Microsoftの行為がそのような危険を持ち出したという結論を証拠が支持している」と決定した。Conclusions of Law, at 45. 特に、地裁は、「Microsoftのマーケット分割提案のNetscapeの同意は、即座に、Microsoftの第2のマーケットにおける独占力の獲得となるであろう」と結論した。Conclusions of Law, at 46 (citation omitted). 地裁は更に「Microsoftが1995年6月以来追い求めてきた略奪的行為はMicrosoftが第2のマーケットにおいて独占力を獲得するだろう危険な可能性をよみがえらせた」と結論した。Id.

 最初に、我々は地裁及び原告らの独占未遂の議論にしみとおった欠陥を指摘する。簡単に言えば、原告らは独占維持及び独占未遂という2つの異なった見出しに基づいて同じ議論を行った。原告らは全く異なったマーケットの独占未遂を推定するものとしてオペレーティングシステムマーケットの独占に関する2条責任に依存した。地裁は暗黙的にこのアプローチを受け入れた:地裁は、2条独占請求の基礎を構成する出来事は「『ブラウザマーケット』における独占力を蓄積する違法な試みとして追加的な責任の根拠となる」という点で原告らに同意した。Id. at 45 (emphasis added). したがって、原告ら及び地裁は独占維持に関する結論及び認定と完全に独立した分析の必要性を認識できなかった。

 成功の危険な可能性を立証するためには、原告らは入り口の問題としてブラウザマーケットが独占され得る、すなわち、そのマーケットにおける架空の独占者がマーケット力を享受することができたであろうことを証明しなければならない。これは次に原告らに次のことを要求する、(1)関連マーケットを定義すること及び(2)そのマーケットを守る実体のある参入障壁を立証すること。原告らは、どちらの立証責任も果たしていないから、我々は差戻しなしに取消す。

《「A.関連するマーケット」「B.参入障壁」は翻訳省略》

IV.抱き合わせ

 Microsoftは地裁がシャーマン法1条責任の決定についても争う。地裁は、MicrosoftのWindowsオペレーティングシステム(「OS」)(「抱いている」製品)とIEウェブブラウザ(「抱かれた」製品)の契約上及び技術的バンドルはそれ自体不法である抱き合わせ契約を結果として生じると結論した。Conclusions of Law, at 47-51. 我々はそれ自体分析よりも理由の規則<the rule of reason>がプラットフォームソフトウエア製品に関連した抱き合わせ契約の適法性を左右すると判示する。最高裁は「『裁判所がそれ自体違反と分類するものは特定のビジネス関係と一緒に後で考慮する経験に過ぎない』」と警告した。Broad. Music, Inc. v. CBS, 441 U.S. 1, 9 (1979) (quoting United States v. Topco Assocs., 405 U.S. 596, 607-08 (1972)). 全ての「ビジネス関係」はある意味で特有の特徴を持っているが、いくつかは全く新しい取引のカテゴリーを表している。後述するように、本件の契約は後者の例であり、サードパーティのアプリケーションのためのプラットフォームとして役割を果たすソフトウエアに追加的な機能の技術的統合についての最初の詳細な調査を提供している。これまでの独禁判例のなかには近いものは存在せず、最も単純なそれ自体抱き合わせ規則は害となる重大なリスクを有している。したがって、我々は地裁のそれ自体抱き合わせ違反の認定を取り消し、本件を差し戻す。原告らは差戻審において理由の規則に基づいて抱き合わせの請求を続行することができる。

 抱き合わせ請求の基礎となる事実は2条独占維持請求に関連したセクションII.Bにおいて明らかになったものと実質的にオーバーラップしている。キーとなる地裁の認定は、(1)MicrosoftはWindows 95及び98のライセンシーに一つの価格で一つのバンドルとしてIEもライセンスすることを要求した、Findings of Fact ¶ ¶ 137, 155, 158; (2)MicrosoftはWindowsデスクトップからOEMがIEをアンインストール又は削除することを許さなかった、¶ ¶ 158, 203, 213; (3)Microsoftはアプリケーションの追加と削除ユーティリティを使用することによってIEを削除する能力を消費者に与えないようにWindows 98を設計した、id. ¶ 170; cf. id. ¶ 165 (IEはWindows 95においてアプリケーションの追加と削除ユーティリティに従っていたと説示している);及び(4)Microsoftはを特定の環境においてデフォルトウェブブラウザのユーザーの選択をオーバーライドするようにWindows 98を設計した、id. ¶ ¶ 171, 172. 地裁はこれらの行為はそれ自体抱き合わせ違反を構成すると認定した。Conclusions of Law, at 47-51. 地裁は、Microsoftはオペレーティングシステムだけ及びブラウザだけのルーチンを同じライブラリファイルの中に混ぜ合わせたとも認定したが、Findings of Fact ¶ ¶ 161, 164、地裁は原告らがそうするように要求したにもかかわらず抱き合わせの責任の基礎としてこれを含めなかった、Plaintiffs' Proposed Findings of Fact, ¶ ¶ 131-32, reprinted in 2 J.A. at 941-47.

 それ自体抱き合わせ違反には4つの要素がある:(1)抱いている商品及び抱かれた商品は二つの別個の製品である;(2)被告が抱いている製品マーケットでマーケット力を有している;(3)被告が抱かれた製品を購入することしか消費者に選択させない;及び(4)抱き合わせ契約が取引の相当な量を閉め出している。See Eastman Kodak Co. v. Image Tech. Servs., Inc., 504 U.S. 451, 461-62 (1992); Jefferson Parish Hosp. Dist. No. 2 v. Hyde, 466 U.S. 2, 12-18 (1984).

 Microsoftは地裁が引用した4つの方法でWindowsとIEを結合したことを争っていない。その代わりに、Microsoftは、Windows(抱いている製品)とIEブラウザ(抱かれた製品)は「別個の製品」ではない、Appellant's Opening Br. at 69-79、Microsoftは抱かれた製品のマーケットから競合ブラウザを相当程度閉め出さなかった、id. at 79-83. (Microsoftは抱いている製品のマーケットにおいて独占力を有していないとも主張する、id. at 84-96、しかし、それとは逆に、セクションII.Aにおいて述べた理由により、我々は地裁の認定を維持する。)

 我々は最初に、本件における当事者間の多くの議論と混乱の源である、別個の製品について検討する。我々の目的は、別個の製品テストと本件の事実の間に適合する証拠にハイライトを当てることである。その後、我々は更に抱いている製品がプラットフォームソフトウエアの場合にそれ自体規則に対して例外として切り取る理由を提示する。我々は、最後のセクションで、原告らが差戻審において理由の規則を続行する場合の地裁の調査について検討する。

A.それ自体テストに基づく独立した製品の調査
 ある行為が、違法な抱き合わせであると告発されている以前は2つの別個の製品であった製品に、関連していることの要件は、純粋に言葉上の要件から始まる:製品が別個でなければ、他方と「抱き合わせる」ことができない。実際、初期の抱き合わせ事件(映写機及びフィルムのような直感的に区別できる品目、Motion Picture Patents Co. v. Universal Film Mfg. Co., 243 U.S. 502 (1917))に関連した製品の性質から、裁判所は別個の製品の問題を無視するか、see, e.g., United Shoe Mach. Corp. v. United States, 258 U.S. 451 (1922)、ついでに検討するだけ、see, e.g., Motion Picture Patents, 243 U.S. at 508, 512, 518、でよかった。Times-Picayune Publishing Co. v. United States, 345 U.S. 594 (1953)事件までは、別個の製品の問題が違法な抱き合わせのためのテストのはっきりとした要素ではなかった。Id. at 614. その事件でさえ朝刊の広告が夕刊の広告と別個の製品かどうかというむしろぞんざいな調査であった。

 別個の製品テストに内容を与えた最初の事件はJefferson Parish, 466 U.S. 2事件であった。その事件は病院が系列の医療グループからの麻酔サービスの購入をその施設における外科的なケアの条件とした抱き合わせ契約を扱った。その事実は抱き合わされたサービス(麻酔)が抱いているサービス(外科的なケア)とはっきり区別できずはっきりと含まれてもいないから別個の製品への挑戦であった。更なる混乱は、最高裁がInternational Salt Co. v. United States, 332 U.S. 392, 396 (1947)事件及びNorthern Pacific Railway Co. v. United States, 356 U.S. 1, 5- 7 (1958)事件のためにそれ自体規則をはっきり述べたすぐ後に、最高裁が『抱き合わせ契約は競争の抑圧を超えてあらゆる目的にほとんど役割を果たさない』、id. at 6 (quoting Standard Oil of Cal. v. United States, 337 U.S. 293, 305-06 (1949)); see also Jefferson Parish, 466 U.S. at 15 n.23 (citing materials); Fortner Enters. v. U.S. Steel Corp., 394 U.S. 495, 524-25 (1969) (Fortas, J., dissenting) ("Fortner I")、という規則を確立したときに表明した判断に対して、ニューエコノミックスの研究がその判断に対して疑問を投げかけたことである。

 Jefferson Parish事件で、最高裁は問題を二つのステップに分けた。第1は、「1つ又は2つの製品が関連しているかどうかの問題に対する解凍」はこれらの間に機能的な関係をオンにしない」Jefferson Parish, 466 U.S. at 19; see also id. at 19 n.30. 他の言葉で言えば、2つの品目が補足物である(「一方は他方がなければ役に立たない」ということ、id.)という事実だけでは抱き合わせ法の目的において一つの「製品」とすることはない。Accord Eastman Kodak, 504 U.S. at 463. 第2に、「定義問題[2つの区別できる製品が関係しているかどうか]はその契約が[抱き合わせに対する]規則によって述べられた競争的結果の種類を有し得るかどうかによる」、Jefferson Parish, 466 U.S. at 21、ことを理由づけて、最高裁は、「病院サービスから分離した麻酔サービスを特定するに十分な別個の製品マーケットを特定するために、病院サービスから分離した麻酔サービスの購入に対して十分な需要がない限り、抱き合わせ契約は存在し得ない」と判決した、id. at 21-22 (emphasis added); accord Eastman Kodak, 504 U.S. at 462.

 最高裁は、抱いている製品から分離した抱かれた製品の消費者需要の直接及び間接証拠の調査に進んだ。直接証拠は、選択が与えられた時、消費者が抱いている商品メーカー又は他の会社から抱かれた商品を購入するかどうかの問題を述べている。最高裁は、例えば、患者と病院に関係せず特定の麻酔医を時々要求する外科医の証言を指摘した。Jefferson Parish, 466 U.S. at 22. 間接証拠は、(競争的)供給が需要に追随するという考えに基づいていると思うが、抱いている商品のマーケットにおけるマーケット力のない会社の行動を含んでいる。競争的会社が常に抱いている商品と抱かれている商品をバンドルしているなら、それらは一つの製品である。See id. at 22 n.36; see also Eastman Kodak, 504 U.S. at 462; Fortner I, 394 U.S. at 525 (Fortas, J., dissenting), cited in Jefferson Parish, 466 U.S. at 12, 22 n.35; United States v. Jerrold Elecs. Corp., 187 F. Supp. 545, 559 (E.D. Pa. 1960), aff'd per curiam, 365 U.S. 567 (1961); 10 Phillip E. Areeda et al., Antitrust Law ¶ 1744, at 197-201 (1996). ここに最高裁は被告を除きマーケットの麻酔医の27%だけが病院と財務的な関係を持っており、放射線医師及び病理医とは異なり、麻酔医は通常病院によって雇用されていない、すなわち、病院サービスとバンドルされていない、と指摘した。Jefferson Par- ish, 466 U.S. at 22 n.36. 直接及び間接証拠が一致し、最高裁は病院の外科及び麻酔サービスは別個の商品であると決定した。

 最高裁の消費者需要テストの裏にある論理を理解するために、抱き合わせの仮定された害を最初に考える。懸念の核心は抱き合わせが、長所で商品を選択する消費者に対して競争すること、すなわち、「買い手の独立した判断」の結果として商品が選択されるを妨げることである、id. at 13 (internal quotes omitted). 抱き合わせがあれば、買い手の「第2のマーケットにおける最も良い取引を選択する自由が、抱いている製品を購入する必要によって、そして多分どちらかの製品の真実の価格を評価することができなくなることによって、害され[得るであろう]」。Id. at 15. 抱いている製品が抱かれた製品をバンドルしてのみ販売されるか、別々に提供されるとしても、バンドル価格で販売され、その結果、買い手は抱かれた製品を得ても得なくても同じ価格を支払うとき、抱かれた製品の長所に基づく直接的競争は閉め出される。両方の場合で、抱いている製品を購入する消費者は抱かれた製品を得ることになる;それゆえ、消費者は(価格/品質評価をして、より望ましいであろうものであるとしても)抱かれた製品の競合者のバージョンの購入に気が進まなくなりやすい。

 しかし、全ての抱き合わせが悪であるわけではない。バンドルは明らかに配布及び消費者売買コストを削減する。9 Phillip E. Areeda, Antitrust Law ¶ 1703g2, at 51-52 (1991). これは真実でありそうである、コンピュータ産業からいくつかの例を挙げると、算術コプロセッサ及びメモリをマイクロプロセッサチップに統合する、ワープロにスペルチェッカーを含める等である。11/10/98 pm Tr. at 18-19 (trial testimony of Steven McGeady of Intel), reprinted in 9 J.A. at 5581-82 (math co-processor); Cal. Computer Prods., Inc. v. IBM Corp., 613 F.2d 727, 744 & n.29 (9th Cir. 1979) (memory). バンドルは規模の経済を利用することもできる。例としては「シェアされた」ライブラリファイルである、コードの同じ行のプラットフォームOSとブラウザ機能を実行し、したがって、散らかされた冗長ルーティンからドライブのスペースを削減し、消費者がOSとブラウザを同時に使用するときにメモリを削減する。11/16/98 pm Tr. at 44 (trial testimony of Glenn Weadock), reprinted in 9 J.A. at 5892; Direct Testimony of Microsoft's James Allchin ¶ ¶ 10, 97, 100, 106-116, app. A (excluding ¶ ¶ f, g.vi), reprinted in 5 J.A. at 3292, 3322-30, 3412-17. 実際、(選択に関係する時間と努力のような消費者売買コストを節約することを含め)抱き合わせに全く効率性がないのなら、我々は各商品の各個別の部分のためのはっきりした消費者需要を期待するだろう。売買コストがゼロである競争的マーケットにおいて、この意見が書かれているコンピュータは、キーボード、モニタ、マウス、CPU、ディスクドライブ、及びメモリ、別個の売買で及び多分異なった製造業者によって販売されたもの全てを一つづつ販売されるだけであろう。

 抱き合わせによる潜在的な利益を認識して、see Jefferson Parish, 466 U.S. at 21 n.33、Jefferson Parish事件で、最高裁はそれ自体分析に基づく誤った陽性をふるいにかけることを試みる(マーケット力及び相当な締め出しのような)別個の製品テストを案出した。消費者需要テストは抱き合わせ契約が全てを考慮して福祉の増大かどうか、それ自体の根拠に不適切であるかどうかの粗っぽい代用となる。理論上は、もちろん、常に製品に対する直接の別個の需要が存在する:選択がゼロのコストで利用できると仮定すると、消費者は選択の余地なしにそれを選ぶだろう。バンドルからの効率より十分な消費者が選択する利益が優位を占める時だけ、我々は消費者が独立した購入をすることを実際に見るだろう。言葉を換えれば、知覚できる別個の需要は正味の効率に反比例する。供給側では、マーケット力のない会社は組み合わせ販売で節約できるコストが消費者が別々に選択することに置く価値にまさっている時だけ、2つの商品をバンドルするだろう。このように、全ての競争的な会社によるバンドルは正味の効率を強く示唆する。もし、裁判所が抱かれた製品に対する顕著な別個の需要がないか、別個の需要の説得力のある直接証拠がないかのどちからを認定すれば、10 Areeda et al., Antitrust Law ¶ 1744c4, at 200、抱いている製品及び抱かれた製品は一つの製品であると宣言され、それ自体責任は拒絶されるべきである。

 Jefferson Parish事件の別個の製品テストの我々の注釈を結論する前に、我々は2つのものを明確化すべきである。第1に、Jefferson Parish事件はバンドルの効率に対する直接的な調査を是認していない。むしろ、管理しやすい代用として正味の効率を提案している。我々は、別個の製品テストについて述べるときに、消費者需要調査の背後にある理論的根拠を説明するためだけに効率を検討した。別個の製品テストを考えられる福祉の重要性に対する詳細な調査となるようにすることはスクリーニングテストを不必要にすると期待される正にそのプロセスに向かわせるだろう。10 Areeda et al., Antitrust Law ¶ ¶ 1741b & c, at 180-85; see also Jefferson Parish, 466 U.S. at 34-35 (O'Connor, J., con- curring).

  第2に、別個の製品テストはバンドルから節約されるコストに対するワンサイドの調査ではない。Jefferson Parish事件は以前の下級審の事件が別個の製品を決定するためにコスト節約に注目していることを認識していたが、see id. at 22 n.35、最高裁はその事件における抱き合わせ契約の処理においそのアプローチを明らかに採用しなかった。その代わりに、最高裁は消費者の選択の減少に対してコスト節約をバランスさせる代用を選択した。

 このバックグラウンドに基づき、我々は本件における別個の製品調査に向かう。地裁は、多くの消費者が、選択権を与えられれば、OSから分離したブラウザを選択するであろうと認定した。Findings of Fact ¶ 151(「企業消費者は・・・異なった[OS]を通して同じブラウザで標準化することを好むと指摘している)。事業顧客に関して、地裁は、全ての主要なOSベンダーが彼らのOSにブラウザをバンドルしているが、これらの会社はブラウザなしのバージョンを販売するか、OEM若しくはエンドユーザがバンドルされたブラウザをインストールしないか、とにかくそれを「アンインストール」することができるようにしていると認定した。Id. ¶ 153. 地裁は、たぶん記録内の証拠が矛盾しているから、Microsoft以外のOSベンダーがブラウザなしのOSに対する割引なしにバンドルされた価格で販売しているのかについて記録内の証拠を議論しなかった。Compare, e.g., Direct Testimony of Richard Schmalensee ¶ 241, reprinted in 7 J.A. at 4315(「全ての主要なオペレーティングシステムベンダーはウェブブラウザをオペレーティングシステムに追加の料金なしに含ませている。」)(emphasis added), with, e.g., 1/6/99 pm Tr. at 42 (trial testimony of Franklin Fisher of MIT)(Microsoft以外の全てのOSは割引を提供している)。

 Microsoftは、多くの消費者が代替ブラウザを要求していることを争っていない。しかし、事業顧客に関して、Microsoftは、どの他の会社もMicrosoftが行っているようにOSに深くウエブブラウザを統合するために投資していないから、どの他の会社も削除しないことを要求していないと主張する。Appellant's Opening Br. at 25; cf. Direct Testimony of James Allchin ¶ ¶ 262-72, reprinted in 5 J.A. at 3385-89 (Apple, IBM); 11/5/98 pm Tr. at 55-58 (trial testimony of Apple's Avadis Tevanian, Jr.), reprinted in 9 J.A. at 5507-10 (Apple). (我々はここで「統合」の用語を、統合が望ましい若しくは特別の利点を達成するというような規範的な含蓄なしに、個々の商品を一つの物理的対象の部分に改造するという単純な意味で使用している。Cf. United States v. Microsoft Corp., 147 F.3d 935, 950 (D.C. Cir. 1998) ("Microsoft II").) Microsoftは、IEのWindowsへの統合は革新的であり、利益があるものであるということばかりでなく、IEを削除できないことを要求することも主張している。独占維持の議論において、我々はこれらの主張はその文脈において適用可能な均衡のとれた効率に欠けていると認定した。しかし、別個の製品分析は、効率の直接の分析を行うことなしに、代用としてその機能を達成することが想定されている。したがって、Microsoftの暗黙の議論(この事件において競争の周辺に注意を向けることは潜在的な革新的技術的統合を完全に評価するには不適切である、そのような比較はリンゴとオレンジについてのものである)はそれ自体規則に関するJefferson Parish事件の別個の製品テストの実施に対する適法な異議申立を提出する。

 実際、Jefferson Parish事件の消費者需要テストが「以前にはスタンドアローン製品によって提供されていた(それゆえ、定義により、別個の消費者需要に従う)新しい機能を、企業が製品に統合するのを妨げることによって革新を抑え、消費者の害となる」であろうというMicrosoftのより広い議論に価値が認められる。Appellant's Opening Br. at 69. それ自体規則の直接的な消費者需要及び間接的な事業顧客調査は、一般問題として、回顧的なものであり、それゆえ、新しい革新的統合の存在における総体的な効率に対して貧弱な代用である。See 10 Areeda et al., Antitrust Law ¶ 1746, at 224-29; Amicus Brief of Lawrence Lessig at 24-25, and sources cited therein (brief submitted regarding Conclusions of Law). 直接消費者需要テストはおそらく統合以前の歴史的な消費者行動に焦点を当てる、そして、間接的な事業顧客テストは、被告とはちがって、抱いている商品及び抱かれた商品を統合しないだろう会社を見ている。どちらのテストも比較できないもの(一方において統合がある状態で被告のバンドルの決定と他方において統合がない状態で消費者及び競争者の計算)を比較している。もし、統合が効率の利益を有しているなら、それはJefferson Parishの代用によって無視されるかもしれない。利益のある統合がそれ自体規則の他の要素によって保護されるだろうことを確信できないから、この規則の別個の製品テストの単純な適用は消費者をより不利にするかもしれない。

 独占維持セクションから明らかなように、我々は、Microsoftの統合が福祉増大である、あるいは、Microsoftが抱き合わせ責任から放免されるべきであると認定しているわけではない。むしろ、我々は、それ自体規則の別個の製品要素は新しく統合された製品に公正な扱いを与えていないというMicrosoftの警告に用心しているのである。
 
 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

  トップページhttp://www.venus.dti.ne.jp/~inoue-m/ 独禁法・契約違反 著作権 特許権 利用条件 参考文献   

since 2001.06.30