翻訳 井上雅夫 2000.06.08-13  事実認定 法的結論 6.20命令(地裁)   ↑UP 

  
マイクロソフト独禁法事件 終局判決〔是正措置〕
 
2000.06.07
  目  次
終局判決
 1.企業分割
 2.企業分割実施条項
 3.企業分割計画の完全な実施まで効力を有する条項
 4.内部的独禁法順守
 5.順守査察
 6.発効日、期間、裁判管轄権の維持、修正
 7.定義

メモランダム及び命令

  
  
COLUMBIA地区合衆国地方裁判所

原告 アメリカ合衆国
被告 MICROSOFT CORPORATION
民事訴訟 No. 98-1232 (TPJ)

原告 ニューヨーク州他
被告 MICROSOFT CORPORATION
民事訴訟 No. 98-1233 (TPJ)

反訴原告 MICROSOFT CORPORATION
反訴被告 ELIOT SPITZERニューヨーク州司法長官他

   
終  局  判  決

 
原告、アメリカ合衆国は1998年5月18日訴状を提出し;

原告州らは同日に訴状を提出し;

被告Microsoft Corporation(「マイクロソフト」)は応訴し、訴状に対する答弁書を提出し;

 本裁判所は当事者らに関する管轄権及びこれについての事物管轄権を有し、トライアルを行い、1999年11月5日に事実認定を登録し、2000年4月3日に法的結論を登録し;

 本裁判所は事実認定及び法的結論にしたがい2000年4月3日に、マイクロソフトはシャーマン法第1条及び第2条に違反した、同様に以下の州法の規定にも違反した:Cal Bus. & Prof. Code §§ 16720, 16726, 17200; Conn. Gen. Stat. §§ 35-26, 35-27, 35-29; D.C. Code §§ 28-4502, 28-4503; Fla. Stat. chs. 501.204(1), 542.18, 542.19; 740 Ill. Comp. Stat. ch. 10/3; Iowa Code §§ 553.4, 553.5; Kan. Stat. §§ 50-101 et seq.; Ky. Rev. Stat. §§ 367.170, 367.175; La. Rev. Stat. §§ 51:122, 51:123, 51:1405; Md. Com. Law II Code Ann. § 11-204; Mass. Gen. Laws ch. 93A, § 2; Mich. Comp. Laws §§ 445.772, 445.773; Minn. Stat. § 325D.52; N.M. Stat. §§ 57-1-1, 57-1-2; N.Y. Gen. Bus. Law § 340; N.C. Gen. Stat. §§ 75-1.1, 75-2.1; Ohio Rev. Code §§ 1331.01, 1331.02; Utah Code § 76-10-914; W.Va. Code §§ 47-18-3, 47-18-4; Wis. Stat. § 133.03(1)-(2)、と判決し;そして

 トライアルにおける記録及び本件の全ての手続きに基づき、本日、2000年6月 7 日、ここに;

 以下のように、命令され、判決され、宣言される:

 
1.企業分割

a.本終局判決の登録後4月以内に、マイクロソフトは本裁判所及び原告らに対し、企業分割計画案を提出するものとする。原告らはその企業分割計画案の受領後60日以内に本裁判所に異議を提出するものとし、マイクロソフトは原告らの異議の受領後30日以内に応答を提出するものとする。

b.企業分割最終計画(「計画」)の本裁判所の同意(及び6.a条に示される控訴継続中の猶予の満了)後に、マイクロソフトは計画を実施するものとする。

c.計画は6.a条で示される控訴継続中の猶予の満了後12月以内に次に示すステップを完了するものとする:

i.アプリケーション事業からのオペレーティングシステム事業の分離、並びに、(a)全ての社員、システム、及び開発、製造、配布、市販、推奨、売却、ライセンスするため、及び分離された事業の製品及びサービスを支えるために使用するその他の有形・無形資産(知的所有権を含む)、及び(b)分離された事業が独立した経済的に活動可能な会社として必要であるその他の資産を伴う、分離された事業から分離会社への資産の移転。

ii.2000年4月27日現在、アプリケーション事業によって開発、配布、又は販売された一つの製品において共に使用されている知的所有権、及びオペレーティングシステム事業によって開発、配布、又は販売された一つの製品において共に使用されている知的所有権はアプリケーション事業に帰属するものとする、そして、オペレーティングシステム事業はその製品における知的所有権をライセンス及び配布するため、及び、インターネットブラウザに関連する知的所有権に関するものを除き、知的所有権の修正又は翻案バージョンを、オペレーティングシステム事業がそのバージョンの権利をアプリケーション事業に許諾しない限り、開発、ライセンス配布するために、永久的なロイヤリティ不要のライセンスが許諾されるものとする。インターネットブラウザに関連する知的所有権の場合は、そのライセンスはインターネットブラウザの修正又は翻案バージョンを開発、ライセンス、又は配布する権利をオペレーティングシステム事業に許諾しないものとする。

iii.分離された事業の株式のマイクロソフトの非適用株主への配分<distribution>による移転、又は、分離された事業及び残存事業の両方の株式を所有する適用株主に帰着しないその他の処分による分離された事業の所有権の移転。

d.計画の実施までマイクロソフトは:
i.本終局判決の登録前にマイクロソフトによって提供されていた経理、管理、及び情報サービス又はその他の必要な支持機能を供給することを除き、2000年4月27日に互いに分離、区別、個別であった状態に維持された各々の事業の管理、販売、製品、及び経営をもって、オペレーティングシステム事業及びアプリケーション事業を継続的に、経済的に存続可能な事業として維持し、整備し、経営するものとする;

ii.計画の実施前にオペレーティングシステム事業によって作成又は販売されていた製品及びアプリケーション事業によって作成又は販売されていた製品の両方の販売額及び収入を維持増加するため、並びにオペレーティングシステム事業及びアプリケーション事業の両方の研究開発及び事業展開を維持するために、全ての合理的努力を行うものとする;

iii.本裁判所の事前の許可なく、本終局判決によって要求される企業分割を傷つけ、挫折させ、妨害し、又は、より困難にする行動を行わないものとする;そして、

iv.本終局判決の登録の90日後に、マイクロソフトが本1.d条の要件に従うために取ったステップに関して、本裁判所に報告書を提出するものとする。

 
2.企業分割実施条項

a.計画の実施後、本終局判決の期間中、オペレーティングシステム事業もアプリケーション事業も、各々の取締役会のいかなるメンバーも、他方の事業の有価証券又は資産を取得しないものとする;オペレーティングシステム事業又はアプリケーション事業のどちらかの有価証券を保有する適用株主は、他方の事業の有価証券若しくは資産の取得をしないものとし、他方の事業の役員、管理者、若しくは雇用者であってはならない;そしてオペレーティングシステム事業又はアプリケーション事業の役員、管理者、若しくは雇用者である者は他方の事業の役員、管理者、若しくは雇用者であってはならない。

b.計画の実施後、本終局判決の期間中、オペレーティングシステム事業及びアプリケーション事業は以下のことを禁じられるものとする:

i.他方との合併若しくはその他の組み替え、又は合弁企業への参加;

ii.一方の事業によって開発、販売、ライセンス、又は配布されている製品若しくはサービス(後続の文で言及される技術を除く)を他方の事業が開発、販売、販売若しくは配布のライセンス、又は配布を行うことに関する相互の契約の締結;

iii.API、技術情報、コミュニケーション・インターフェース、又は同時に公開、開示せず、若しくはISV、IHV、及びOEMが既に利用可能でない技術情報の他方への提供;及び

iv.同様な立場のサードバーティよりも有利な条件での、製品若しくはサービスの他方の事業へのライセンス、販売又はその他の提供。

2.b.ii条は、技術が(i)製品として分離されて販売、ライセンス、又は提供されておらず、かつされたことがなく、かつ(ii)その他の点で本終局判決と矛盾のない条件でライセンスされていることを条件に、互いの製品若しくはサービスで使用するために、オペレーティングシステム事業及びアプリケーション事業が(ミドルウエア製品を除き)技術を互いにライセンスすることを禁じられないものとする。


c.計画の実施後3月、およびその後本終局判決の期間中3月に一度、オペレーティングシステム事業及びアプリケーション事業はそられの間に締結された契約書(及び口頭契約を記述したメモランダム)のコピーを原告らに提出するものとする。

d.本終局判決の期間中、マイクロソフト、オペレーティングシステム事業及びアプリケーション事業は、本事件において証拠を提供したことを理由に、いかなる者又は会社の全体若しくは一部に対して、敵対行為を行うことを禁じられるものとする。

e. 3及び4条で示される義務及び制限は、計画の実施後、オペレーティングシステム事業に対してだけ適用されるものとする。

 
3.企業分割計画の完全な実施まで効力を有する条項

 この3条の条項は計画の実施後3年又は本終局判決の期間の満了の早い方まで効力を有するものとする。

a.OEM関係
i.競合製品に対する敵対行為の禁止
 マイクロソフトは、全体的若しくは部分的に下記(1)(2)のOEMによる実際の若しくは熟考されている行為に直接的又は間接的に関係するOEMに対して、敵対行為の行使又は威嚇を行わないものとする(ライセンス条件;割引;技術、販売促進、及び販売サポート;プログラムを作動させること;製品情報;技術情報;将来の計画に関する情報;開発者ツール若しくは開発者サポート;ハードウエア証明;及び商標若しくはロゴを表示する許可を含む、ただし、これに限定されない):
(1)マイクロソフトの製品若しくはサービスと競合する製品若しくはサービスを使用、配布、推奨、ライセンス、開発、作成又は販売しているOEM;又は

(2)本終局判決に基づいて提供されるオプション又は選択肢を行使するOEM。

ii.適用OEMへライセンスされるWindowsオペレーティングシステム製品の均一な条件
 マイクロソフトはWindowsオペレーティングシステム製品を適用OEMに均一なライセンス契約に基づいて均一な条件でライセンスするものとし、Windowsオペレーティングシステム製品と関連して市場開発費又は割引を行わないものとする。上記を制限することなく、マイクロソフトは、Windowsオペレーティングシステムについて、マイクロソフトによって作成され原告ら及び全ての適用OEMがアクセス可能なウエブサイト上で公開されたスケジュールで明らかにされたように適用されるロイヤリティを適用OEMへ課すものとする。以下の(1)(2)を除き、均一なWindowsオペレーティングシステム製品のロイヤリティを提供する −
(1)スケジュールは異なった言語のバージョン用の異なったロイヤリティを明示することができる、及び

(2)スケジュールはWindowsオペレーティングシステムの実際の全出荷量に基づく合理的なボリューム割引を明示することができる。

上記を制限することなく、マイクロソフトは適用OEMにライセンス条件;割引;技術、販売促進、及び販売サポート;製品情報;技術情報;将来の計画に関する情報;開発者ツール若しくは開発者サポート;ハードウエア証明;及び商標若しくはロゴの表示許可への平等なアクセスを提供するものとする。技術情報及び将来の計画に関する情報へのアクセスに関する上記の要件はマイクロソフト及び適用OEMによる善意の共同開発努力については、その努力の範囲内の秘密事項に関しては、適用しないものとする。マイクロソフトはWindowsオペレーティングシステム製品の適用OEMのライセンスを、最初に終了案の理由を書面で通知し30日間以上の解決の機会を与えることなしに、終了しないものとする。マイクロソフトは適用OEMとの契約における本終局判決と矛盾する条項は行使しないものとする。

iii.OEMの製品コンフィギュレーションの柔軟性
 マイクロソフトはOEMがブートシークエンス、スタートアップフォルダ、インターネット接続ウイザード、デスクトップ、優先、お気に入り、スタートページ、最初のスクリーン、又は下記(1)〜(4)のWindowsオペレーティングシステム製品のその他の面を修正することを(報酬を与える又は留保することを含み、それには制限されない、契約又はその他の方法で)制限しないものとする −
(1)ユーザーから加入又はその他の情報を得るための登録シークエンスを含ませること;

(2)アイコン若しくは特徴のサイズ若しくは形状にかかわらず、他の製品若しくはサービスのアイコン若しくは特徴を表示すること、又は、マイクロソフト製品若しくはサービスのアイコン、フォルダ、スタートメニューエントリ、若しくはお気に入りを取り除くこと;

(3)Windowsユーザーインターフェースをユーザーにアクセス可能とするアイコンも表示される限り、ユーザーインターフェースを表示すること;又は

(4)非マイクロソフト・ミドルウエアウエア、オペレーティングシステム又はアプリケーションを自動的に立ち上げること、独自のインターネットアクセスプロバイダ若しくは他のスタートアップ・シークエンスを提供すること、又は非マイクロソフト・ミドルウエアをデフォルト・ミドルウエアとするオプションを提供すること及びマイクロソフトのミドルウエア製品のエンドユーザー・アクセス手段を取り除くこと。

b.API、コミュニケーション・インターフェース及び技術情報の開示
 マイクロソフトが情報を自社の社員へ広めるメディアが何であろうとも、マイクロソフトはタイムリーな方法でISV、IHV及びOEMへ、以下のi〜iiiを可能とするためにマイクロソフトが使用する全てのAPI、技術情報及びコミュニケーション・インターフェースを開示するものとする −
i.マイクロソフトのアプリケーションが同じパソコン上にインストールされたマイクロソフトのプラットフォームソフトウエアと相互に作動すること、又は

ii.マイクロソフトのミドルウエア製品が同じパソコン上にインストールされたWindowsオペレーティングシステムソフトウエア(又はオペレーティングシステムと共に配布するミドルウエア)と相互に動作すること、又は

iii.一つのコンピュータにインストールされたマイクロソフトのソフトウエア(サーバーオペレーティングシステム及びハンドヘルドデバイス用オペレーティングシステムを含み、それに限定されない)があるパソコンにインストールされたWindowsオペレーティングシステム(又はオペレーティングシステムと共に配布されるミドルウエア)と相互に作動すること。

 上記への順守、及び順守の監視、を容易にするために、マイクロソフトは保証施設を創設するものとする、そこにおいてOEM、ISV、及びIHVの資格を与えられた代表者が、彼らの製品(3.a.iii条のオプションの行使を含む)がマイクロソフトのプラットフォームと効果的に相互に動作することができるようにすることだけを目的として、マイクロソフトのプラットフォームソフトウエアのソースコード及び関連文書の関連した必要な部分を研究、調査及び相互に作用させることを、許可されるものとする。

c.パフォーマンスへの妨害の意図
 マイクロソフトはマイクロソフトのオペレーティングシステム製品と相互に動作するときに非マイクロソフト・ミドルウエアのパフォーマンスを妨害又は低下させる行為を、マイクロソフトがそのような行為を取る意図、その行為を取るマイクロソフトの理由及びサプライヤーのミドルウエアのパフォーマンスへの妨害をサプライヤーが避ける又は低減又は低下させるためのマイクロソフトが知る方法を非マイクロソフト・ミドルウエアのサプライヤーに書面で知らせることなく、意図的に行わないものとする。

d.開発者関係
 マイクロソフトは、全体的若しくは部分的に下記i〜iiiのISV又はIHVによる実際の若しくは熟考されている行為に直接的又は間接的に関係するISV又はIHVに対して、敵対行為の行使又は威嚇を行わないものとする(ライセンス条件;割引;技術、販売促進、及び販売サポート;プログラムを作動させること;製品情報;技術情報;将来の計画に関する情報;開発者ツール若しくは開発者サポート;ハードウエア証明;及び商標若しくはロゴを表示する許可を含み、これに限定されない) −

i.マイクロソフトの製品若しくはサービスを使用、配布、推奨、又はサポートしているISV又はIHV、又は

ii.非マイクロソフト・ミドルウエア若しくは非マイクロソフト・オペレーティングシステム上で走る又はマイクロソフトの製品若しくはサービスと競合するソフトウエアを開発、使用、配布、推奨又はサポートしているISV又はIHV、又は

iii.本終局判決に基づくオプション又は選択肢を行使するISV又はIHV。

e.排他的取引の禁止
 マイクロソフトはサードパーティが下記のi〜iiiに合意する又は報酬を提供若しくは許可する契約を締結又は行使しないものとする −
i.非マイクロソフト・プラットフォームソフトウエアの開発、作成、配布、推奨若しくは使用、又は支払いを制限すること、

ii.排他的にマイクロソフトのプラットフォームソフトウエアを配布、推奨又は使用すること、

iii.非マイクロソフト・プラットフォームソフトウエアのパフォーマンスを低下させること、又は

iv.インターネットアクセスプロバイダ又はインターネットコンテンツプロバイダとの契約において、Windowsオペレーティングシステム製品のあらゆる面に関する配置との交換で、マイクロソフトのソフトウエアを配布、推奨又は使用すること。

f.契約による抱き合わせの禁止
 マイクロソフトはOEM若しくはその他のライセンシーに対して、マイクロソフトが、別個若しくは正の価格であろうとなかろうと、小売りチャネルで、又はインターネットアクセスプロバイダ、インターネットコンテンツプロバイダ、ISV若しくはOEMをとおして、Windowsオペレーティングシステム製品とは別個に配布している他のマイクロソフトのソフトウエア製品のライセンス、推奨、又は配布に合意することを、Windowsオペレーティングシステム製品ライセンスの許諾、又はライセンスの条件若しくは管理の条件としないものとする。

g.オペレーティングシステム製品へのミドルウエア製品の結合の制限
 マイクロソフトは、本終局判決の発効日の6月以上後に配布されたオペレーティングシステム製品において、以下のi、iiでない限り、Windowsオペレーティングシステムへいかなるミドルウエア製品も結合しないものとする:

i.そのミドルウエア製品へのエンドユーザー・アクセスの全ての手段が、(a)標準的なOEMプレインストールキットの一部としてOEMによって容易に削除でき、かつ(b)イニシャルブート・プロセスのなかで及びWindowsデスクトップから容易にアクセスできる追加−削除ユーティリティを使用してエンドユーザーが容易に削除でき、その他の点で同一なオペレーティングシステム製品のバージョンも、マイクロソフトが提供する場合;及び

ii.OEMがWindowsがプレインストールされたパソコンからミドルウエア製品へのエンドユーザーアクセスを削除したとき、そのOEMによって支払われるWindowsのコピーに対するロイヤリティは、その他の点で適用可能なロイヤリティ及び(b)Windowsの適用可能バージョンに対する(a)Windowsオペレーティングシステム製品とは別個に配布されているミドルウエア製品のバイナリコードのバイト数の比の製品を下らない金額が減額される。

h.競争を制限する契約
 マイクロソフトは、競争者がWindowsオペレーティングシステム製品若しくはミドルウエア製品と競合するオペレーティングシステム製品若しくはミドルウエア製品を開発、ライセンス、推奨又は配布することを全体的又は部分的に控えることを合意すること又は控えることと交換して、実際の又は潜在的なプラットフォーム競争者へ報酬の提案、供給の提供、又は提供を行わないものとする。

i.以前のバージョンのライセンスの継続
 マイクロソフトは、(Windows 95、OSR 2.0、OSR 2.5、Windows 98、Windows 2000 Professional、Windows「Millennium」、「Whistler」、「Blackcomb」、及びこれらの後継品のような)主要なWindowsオペレーティングシステム製品のリリースを行ったときに、そのリリース後3年間は、以前のWindowsオペレーティングシステム製品のライセンスを望むOEMに対して、同一条件でのライセンスを継続するものとする。以前のWindowsオペレーティングシステム製品の正味のロイヤリティ率は上記リリース前にその製品のためにOEMが支払った平均的なロイヤリティを上まわらないものとする。OEMは、他のWindowsオペレーティングシステム製品をプレインストールしたパソコンを市販するのと同じ方法で、そのようなオペレーティングシステム製品をプレインストールしたパソコンを市販する自由を有するものとする。

 
4.内部的独禁法順守

 本条は、2.e条と矛盾なく、本条が計画の実施後にはアプリケーション事業には適用されないことを条件として、本終局判決の期間をとおして効力を有するものとする。

a.本終局判決の発効日後90日以内に、マイクロソフトは会社の取締役会の順守委員会を設立するものとし、順守委員会は現在又は以前のマイクロソフトの従業員ではない取締役会の3名のメンバーを下らない者で構成するものとする。

b.順守委員会は、順守委員会及びマイクロソフトの最高経営責任者に直接報告する最高順守責任者を雇用するものとする。

c.最高順守責任者は独禁法及び本終局判決への順守を保証するためのマイクロソフトの内部的プログラムの開発及び監督の責任を有するものとする。

d.マイクロソフトは最高順守責任者に十分な権限及びここにリストされる責任を果たすためのリソースを与えるものとする。

e.最高順守責任者は以下のi〜viを行うものとする:

i.本終局判決の登録後90日以内に、マイクロソフトの各役員、管理職、管理者、並びに各プラットフォームソフトウエア開発者及びOEM、ISV、若しくはIHVと関係のある従業員に、本終局判決によって禁止され要求される行為を記述した付加的な資料と共に、本終局判決のコピーを配布させること;

ii.タイムリーな方法で、本終局判決のコピー及びそのような付加的な資料を、役員、管理職、若しくは管理者、又はプラットフォームソフトウエア開発者若しくはOEM、ISV、若しくはIHVと関係のある従業員の後を継ぐ者に、本終局判決によって禁止され要求される行為を記述した付加的な資料と共に、本終局判決のコピーを配布すること;

ii.各役員、管理職、及び管理者、並びにプラットフォームソフトウエア開発者及びOEM、ISV、若しくはIHVと関係のある従業員から、本終局判決の登録後90日以内に、そのような地位を引き継ぐ者の場合は引継の5日以内に、以下の(1)(2)を記載した書面による証明を得ること:

(1)読み、理解し、本終局判決の条項を守ることに合意すること;及び

(2)本終局判決に従うことに失敗した者は刑事裁判所侮辱罪で有罪になり得ることを助言され理解したこと;

iv.本終局判決が配布され、4.e.iii条に従う証明書を得た者の記録を保管すること;

v.従業員が本終局判決又は独禁法の潜在的な違反を秘密裏に報告することができる手段を確立し維持すること;及び

vi.本終局判決のいかなる違反も原告ら及び本裁判所に直ちに報告すること。

f.最高順守責任者は順守委員会と一致している最高経営責任者によってのみ解任させることができる。

g.マイクロソフトは、最高順守責任者の監督のもとに、全てのマイクロソフトの役員、ソフトウエア開発、販売促進、販売及びプラットフォームソフトウエアに関連する開発者関係に従事した管理職及び管理者のeメールを少なくとも4年間保管するものとする。

 
5.順守査察

 本条は本終局判決の期間中効力を有するものとする。

a.企業分割計画を命ずる条項を含む、本終局判決の実施又は順守を確定又は保証し、又は本終局判決が修正又は無効にすべきかどうかを決定する目的で、及び、時々、法的に認められた特権に従い:
i.合衆国司法省の独禁局担当次官又は原告州の司法長官の書面の請求に基づき、かつ、本社におけるマイクロソフトに対する合理的な通知に基づき、原告の正式に権限を有する代表者は以下の(1)(2)を認められるものとする:
(1)勤務時間中に、本終局判決に含まれる事項に関連する、マイクロソフトが保有又はコントロールする全ての本、元帳、計算書、書状、覚え書き、ソースコード、及びその他の記録及び文書を、査察し、コピーし又は原告らの選択でマイクロソフトに提供させること(弁護士が立ち会うことができる);及び

(2)マイクロソフトの合理的な都合に従い、マイクロソフトによる制限又は干渉なしに、非公式又は記録に留めるかのどちらかで、そのような事項に関して役員、従業員、及び代理人にインタビューすること(個人的な弁護士が立ち会うことができる)。

ii.本社でマイクロソフトに対してなされた、合衆国司法省の独禁局担当次官又は原告州の司法長官の書面の請求に基づき、マイクロソフトは、本終局判決に含まれる事項に関して要求されたように、求められた時は宣誓付きで、書面による報告書を提出するものとする。

iii.本条の手段によって得た情報又は文書は原告の代表者によって原告の正式に権限を与えられた代表者以外の者に漏らされないものとする、ただし、原告が一当事者である法的手続き(大陪審手続きを含む)の過程、又は本終局判決の順守を確実にする目的、又はその他の法によって要求される時を除く。

iv.情報又は文書がマイクロソフトから原告に供給されたときは、マイクロソフトはその情報又は文書に連邦民事訴訟規則26(c)(7)条に基づいて保護を要求し得る資料を書面で指摘及び特定する、そしてマイクロソフトはそのような資料の各関連ページに「民事訴訟規則26(c)(7)条に基づく保護要求に従う」というマークを付ける、その後は、マイクロソフトが一当事者でない(大陪審手続き以外の)法的手続きにおいてそのような資料を漏らす前10カレンダー日の通知が原告によりマイクロソフトに対してなされるものとする。

 
6.発効日、期間、裁判管轄権の維持、修正
a.本終局判決は登録の日の90日後に発効するものとする;ただし、1.b条及び2条(2.d条を除く)は本終局判決からの控訴の満了の間、猶予されるものとする。

b. 2.e条で規定されたことを除き、本終局判決の条項は本終局判決の7.o条〔訳注:7.p条の誤記ではないかと考えられる〕で定義されたようにマイクロソフトに適用される。

c.本終局判決は発効日から10年の末で満了するものとする。

d.本裁判所は本終局判決の解釈又は遂行のために、それの順守の行使のために、及びそれについての違反の懲罰のために、命令又は指示を発するために職権で<sua sponte>活動することができる。

e.裁判管轄権は、本終局判決の解釈又は遂行のために必要又は適切であり得るように本終局判決の当事者がいつでも本裁判所に更なる命令又指示を請求する目的のために、これについての条項の修正のために、これの順守の執行のため、及びこれについての違反の処罰のために、本裁判所に維持される。

f.本裁判所の法的結論に従い、本終局判決の登録後45日以内に、必要があれば証拠となる文献と共に、原告州らは訴訟費用の申立を提出するものとする。

 
7.定義
a.「契約」は、口頭あるいは書面にかかわらず、あらゆる契約、取り決め、同盟、合意又は合弁事業を意味する。

b.「アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)」は、ハードウエア・デバイス又はアプリケーション、ミドルウエア、若しくはサーバーオペレーティングシステムが、パソコンのプラットフォーム・ソフトウエアからサービスを得る(又は、プラットフォーム・ソフトウエアからの要求に応答してサービスを提供する)ことができるようにし、並びに、プラットフォーム・ソフトウエアのリソース、機能、及び能力を使用すること、それから便宜を得ること、及びそれに依存することができるようにするインターフェース、サービスプロバイダ・インターフェース、及びプロトコルを意味する。

c.「アプリケーション事業<Applications Business>」は、本終局判決の発効日にMicrosoft Corporationによって経営されているオペレーティングシステム事業を除く全ての事業を意味する。アプリケーション事業は、クライアント及びサーバーアプリケーション及びミドルウエア(例えば、Office、BackOffice、Internet Information Server、SQL Server等)、Internet Explorer、Mobile Explorer 及びその他のブラウザ、Streaming Audio及びVideoクライアント及びサーバーソフトウエア、トランザクション・サーバーソフトウエア、SNAサーバーソフトウエア、インデキシング・サーバーソフトウエア、XMLサーバー及びパーサー、Microsoft Management Server、Java仮想マシン、Frontpage Express(及びその他のウエブ・オーサリング・ツール)、Outlook Express(及びその他のeメール・クライアント)、Media player、音声認識ソフト、Net Meeting(及びその他のコラボレーション・ソフトウエア)、開発者ツール、ハードウエア、MSN、MSNBC、Slate、Expediaの開発、ライセンス、推奨、及びサポート、並びにパートナー若しくは合弁事業、又はISV、IHV、OEM若しくはその他マイクロソフト製品の配布者、開発者、及び奨励者、又はその他の情報技術若しくはコミュニケーション事業においてマイクロソフトによって所有されている全ての投資物を含む、ただし、それに限定されない。

d.「結合」は、OEM又はエンドユーザーが容易に取り除くことができないか、又はその製品をアンインストールできないかのどちらかの方法で、ある製品をオペレーティングシステム製品に含ませることを意味する。

e.「事業<Business>」はオペレーティングシステム事業又はアプリケーション事業を意味する。

f.「コミュニケーション・インターフェース」は、他のコンピュータ(サーバー及びハンドヘルドデバイスを含む)にインストールされたソフトウエアがパソコン上のマイクロソフトのプラットフォームソフトウエアと相互に作動することができるようにするインターフェース及びプロトコルを意味する。

g.「適用OEM<Covered OEM>」は、本終局判決の発効日に先行するカレンダー年にマイクロソフトからのWindowsオペレーティングシステム製品のライセンスが最も多い上位20社のOEMの1社を意味する。2002年1月1日から始まる各年の初めに、マイクロソフトは先行するカレンダー年の販売数に基づいて新しいカレンダー年のための適用OEMを再決定するものとする。

h.「適用株主<Covered Shareholder>」は、本終局判決の登録日における、マイクロソフトの現在又は以前の雇用者、役員若しくは管理者、及び会社の議決権株の5%以上の直接の所有者又は受益的所有者であるマイクロソフトの株主を意味する。

i.「デフォルトミドルウエア」は、同じ目的のために他のミドルウエアが選択されなかったときに自動的に立ち上がるように設定された(すなわち、「デフォルト」で)特定の機能を提供するミドルウエアを意味する。例えば、デフォルトブラウザは同じ目的のために他のソフトウエアが選択されなかったときにインターネット又はイントラネットで伝達される拡張子.htmを有するウエブページを表示する自動的に立ち上がるように設定されたミドルウエアである。

j.「エンドユーザー・アクセス」は、パソコンのエンドユーザーによる直接的若しくは間接的なミドルウエアの呼び出し又はエンドユーザーがミドルウエアを呼び出す能力を意味する。「エンドユーザー・アクセス」はオペレーティングシステム製品の設計によって強いられるエンドユーザーによるミドルウエアの呼び出しを含む。

k.「IHV」は、パソコンに含まれる又はパソコンで使用されるハードウエアを開発する独立系ハードウエアベンダーを意味する。

l.「計画の実施」は1.c条で記述された全てのステップの完全な完了を意味する。

m.「知的所有権」はマイクロソフトによって使用されている又はマイクロソフトによってサードパーティにライセンスされている著作権、特許権、商標権及びトレードシークレットを意味する。

n.「ISV」はマイクロソフトのプラットフォームソフトウエアと互いに作動することを意図したソフトウエア製品の開発及びライセンシング(又はその他の市場取引)に従事しているマイクロソフト(又は子会社、部門、若しくはその他の営業ユニット)以外の会社を意味する。

o.「管理者<Manager>」は100名以上の従業員の直接的又は間接的な管理に責任を有しているマイクロソフトの従業員を意味する。

p.「マイクロソフト」はMicrosoft Corporation、分離された事業<the Separated Business>、残存事業<Remaining Business>、それらの後継会社及び譲渡会社(本終局判決の中で言及された特許の所有権、管理又はライセンス能力の譲請人を含む)、それらの子会社、支店、取締役、責任者、管理者、代理人、及び従業員、及び送達又はその他の方法で本終局判決の実際の通知を受けた者と連携又は関与して活動中のあらゆる者を意味する。

q.「ミドルウエア」は、API又はコミュニケーション・インターフェースを介して他のソフトウエアにサービスを提供することによって、オペレーティングシステムと(アプリケーション、サーバーオペレーティングシステム、又はデータベース・マネージメントシステムのような)その他のタイプのソフトウエアの間で、直接的又はその他のソフトウエアをとおして、作動するソフトウエアであり、マルチプル・オペレーティングシステムにポート又は互いに作動する場合は、そのミドルウエアのために記述されたソフトウエア製品がマルチプル・オペレーティングシステム製品上で走ることができるようにすることができるソフトウエアを意味する。本終局判決の意味におけるミドルウエアは、例えば、インターネットブラウザ、eメールクライアント・ソフトウエア、マルチメディア視聴ソフトウエア、オフィス、及びJava仮想マシンを含む。本終局判決の意味においてミドルウエアでないソフトウエアは、例えば、ディスク圧縮及びメモリ管理である。

r.「ミドルウエア製品」は次のものを意味する

i.インターネットブラウザ、eメールクライアント・ソフトウエア、マルチメディア視聴ソフトウエア、インスタント・メッセージ・ソフトウエア、及び音声認識ソフト、又は

ii.マイクロソフトによって配布される以下のソフトウエア −

(1)小売りチャネル又はインターネットアクセスプロバイダ、インターネットコンテンツプロバイダ、ISV若しくはOEMをとおしてオペレーティングシステム製品と分離されて配布されている、又は適用可能な先行する年にそうであった、ソフトウエア、及び

(2)マイクロソフトの競争者のミドルウエアによって提供されているのと同様な機能を提供するソフトウエア。


s.「非適用株主<Non-Covered Shareholder>」は、1.c.iii条に基づく分離された事業の所有権の移転をもたらす取引が記録された日における、本終局判決の登録日に適用株主でない、マイクロソフトの株主である。

t.「OEM」はパソコンの製造業者又はアセンブリ業者を意味する。

u.「オペレーティングシステム」は、コンピュータの(メモリ、CPUタイム、ディスクスペース、及び周辺デバイスのような)ハードウエア・リソースの割当及び利用を制御し、アプリケーションが機能を実行するためにオペレーティングシステムの基礎をなすソフトウエア・ルーチンを「呼び出す」ために使用するAPIを露出することにより「プラットフォーム」を提供するソフトウエアを意味する。

v.「オペレーティングシステム製品」は、オペレーティングシステム、及び付加的なソフトウエアが正の価格で市販されていようといまいとオペレーティングシステムと共に出荷される付加的なソフトウエアを意味する。オペレーティングシステム製品はオペレーティングシステム製品と別個に頒布され得るオペレーティングシステム製品アップグレードを含む。

w.「オペレーティングシステム事業<Operating Systems Business>は、(i)パソコン、(ii)サーバーのような、Intel x86又は競合マイクロプロセッサを基礎とするその他のコンピュータ、(iii)パーソナル・デジタル・アシスタント及び携帯電話のようなハンドヘルドデバイス、及び(iv)テレビ・セットトップ・ボックスを含む(だたし、それに限定されない)コンピュータデバイスのためのオペレーティングシステム製品の開発、ライセンシング、推奨、及びサポートを意味する。

x.「パソコン」は、主要な目的が同じ時に一人によって使用され、(ビデオディスプレイ及びキーボードが実際に含まれていようといまいと)ビデオディスプレイ及びキーボードを使用し、かつ、Intel x86、後継品、又は競合マイクロプロセッサを含むように設計されたあらゆるコンピュータ、並びにそのようなコンピュータの商業的な代替品であるコンピュータを意味する。

y.「原告」は合衆国又は本件訴訟における原告州らのどれかを意味する。

z.「計画」は本裁判所によって裁可された企業分割の最終的な計画を意味する。

aa.「プラットフォームソフトウエア」はオペレーティングシステム又はミドルウエア又はオペレーティングシステムとミドルウエアの結合体を意味する。

bb.「残存事業<Remaining Business>」は、計画に従い分離される会社に移転されないオペレーティングシステム事業及びアプリケーション事業のどちらも意味する。

cc.「分離された事業<Separated Business>」は、計画に従って分離する会社に移転されるオペレーティングシステム事業及びアプリケーション事業のどちらも意味する。

dd.「技術情報」は、能力があるソフトウエア開発者が何らかのコンピュータ上で走る彼らの製品がパソコン上で走るマイクロソフトのプラットフォームソフトウエアと効果的に互い作動するようにするために必要とするAPI及びコミュニケーションインターフェースを使用するときの確認及び方法に関する全ての情報を意味する。技術情報は参考インプリメンテーション、コミュニケーションプロトコル、ファイルフォーマット、データフォーマット、シンタックス及び文法、データ構造定義及びレイアウト、エラーコード、メモリアロケーション及びデアロケーション規約、スレッド及びシンクロナイズ規約、機能スペシフィケーション及び説明書、データトランスファ又は再フォーマットのためのアルゴリズム(圧縮/解凍アルゴリズム及び暗号化/解読アルゴリズムを含む)、レジストリ設定、及びフィールド・コンテンツを含む、ただしこれに限定されない。

ee.「タイムリーな方法」:API、技術情報及びコミュニケーションインターフェースのタイムリーな方法での開示は、最低限、ISV、IHV、及びOEMによってアクセス可能なウエブサイト上で以下の(1)〜(4)の時の最も早い時に公表することを意味する。API、技術情報、又はコミュニケーションインターフェースが、(1)マイクロソフトのアプリケーション開発者に開示された時、(2)アルファ、ベータ、デルタ、リリース候補、ファイナル又はその他の形で、マイクロソフトによってリリースされたソフトウエアの中でマイクロソフト自身のプラットフォームソフトウエア開発者によって使われている時、(3)いずれかのサードパーティに開示される時、又は(4)Windowsオペレーティングシステム製品のファイナルリリースの90日以内で、最も最近のベータ若しくはリリース候補バージョンとファイナルリリースの間に重要な変更がなされた後5日より少なくない時。

ff.「Windowsオペレーティングシステム製品」は、Windows 95、Windows 98、Windows 2000 Professional、及びそれらの後継品(コードネーム「Millennium」、「Whistler」、及び「Blackcomb」として呼ばれるパソコン用Windowsオペレーティングシステム、及びそれらの後継品を含む)のソフトウエアコード(ソースコード及びバイナリコード、並びにマイクロソフトがパソコン用Windowsオペレーティングシステムを配布するその他の形式を含む)を意味する。

Thomas Penfield Jackson
合衆国地方裁判官



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


  
COLUMBIA地区合衆国地方裁判所

原告 アメリカ合衆国
被告 MICROSOFT CORPORATION
民事訴訟 No. 98-1232 (TPJ)

原告 ニューヨーク州他
被告 MICROSOFT CORPORATION
民事訴訟 No. 98-1233 (TPJ)

反訴原告 MICROSOFT CORPORATION
反訴被告 ELIOT SPITZERニューヨーク州司法長官他
 

メモランダム及び命令

 これらの事件は、トライアル裁判所による判決に現在残っている唯一の問題の決着のために、すなわち、事実認定及び法的結論にしたがい本裁判所によって認定されたように被告Microsoft Corporationが犯したシャーマン法1条及び2条及び様々な州法違反の適切な救済の登録のために、本裁判所に係属している。終局判決はこれ共に同時に登録されるであろう。更なる手続きは必要とされないであろう。

 本裁判所には原告らによる終局判決案が提出されており、この終局判決案は完全に実施された時には被告による行為の修正及び構造的再編成を命じるものである。マイクロソフトは構造的再編成のサマリー却下の申立を行い及び全てのその他の細目において請求された救済に反対するために数ヶ月の追加的な時間を要求して応酬した。マイクロソフトは、事実上、「過酷な執行官」及び原告らが促す「先例のない」救済によって不意打ちを食わされたと主張する。提案されたものはディスカバリのなおいっそうのもう一つの段階であり、第2のトライアルによってなされるべきものである − 本質的には事後のもの<ex post>であり、既に本裁判所によって検討され拒否された事件の事実上の分岐である。
  
 マイクロソフトの不意打ちの告白は信用できない[1]。本事件の発端からマイクロソフトは、前世紀の初めから始まる良く確立された最高裁判例によって、トライアルで不利な結果となった場合は、企業分割の命令の可能性(蓋然性ではないとしても)があることを知っていた。トライアルの結論で本裁判所の事実認定はマイクロソフトに結果が不利である可能性が高いという明確な警告を与えた、その上、本裁判所は法的結論の登録を5ヶ月間遅らせた、そして、マイクロソフトと原告らがマイクロソフトが避けられないと知っていた種類の救済に合意するのを援助するために、高名な調停者の奉仕を求めた。マイクロソフトが調停の過程で最高信義で交渉したと仮定したとしても、仲裁が失敗したとすれば、優勢な原告らが本裁判所に原告らが最も好みマイクロソフトが最も受け入れられない救済を提案するであろうという見通しを熟考していなければならなかった。そのような起こりうる事柄を予期し準備するのに失敗したことは、今となってそうする機会を与える理由とはならない。

 これらの事件は、先行する手続きを計算に入れないとすると過去2年間、本裁判所に係属され、注目を集めてきた。マイクロソフトが独禁法違反の有罪を認定された完全なトライアルに続いて、それにもかかわらず、マイクロソフトは全く犯していないと今日に至るまで抗議している。本裁判所はいくつかの理由から、終局 − そして控訴可能な − 判決が迅速に登録されなければならないと確信している。また、マイクロソフトは、同じ理由から、構造的救済が是非とも必要であるという結論に達するのが不本意であった:マイクロソフトは法を破ったという通知を受領し、その行為を修正する命令に同意するのに気が進まない。

 第一に、本裁判所の事実認定及び法的判断にもかかわらず、マイクロソフトは自社のビジネス慣行がシャーマン法に違反したことをまだ認めていない。マイクロソフトの役員は最近おおやけに、会社は「何も悪いことをしていない」そして控訴審で嫌疑がはれるだろうという意味のことを引用されていた。本裁判所は同じような意見を持つかなりの世論の存在を十分知っている。その主張をテストにかけるときである。もし正しければ、上訴裁判所がそれを確認し実際問題として取り返しがつかなくなる前に救済処置を中止する早期の機会が可能な限り早く与えられるべきである。

 第二に、マイクロソフトは、無実であることを信じており、過去において行ったビジネスを行い続け、PCオペレーティングシステム及びブラウザマーケットにおいて既に行ったことを他のマーケットに行うかもしれないことを示唆する信用できる証拠が記録中に存在する。マイクロソフトはあらゆる重要な点でそのビジネス・プロトコルを自発的に変更する傾向を示していない。実際、マイクロソフトは、原告らが求める救済の非構造的な代案としてマイクロソフト自身が提案している控えめな行為救済を課すことにさえ控訴の意志を表明している。

 第三に、マイクロソフトは信頼できないことを過去に証明している。仮差止が出された先行する手続きにおいて、控訴中のマイクロソフトのうわさになっている仮差止の順守は人を惑わすものであったのであり、その説明は不誠実である。もし、マイクロソフトが本件において差止救済に同様なやり方で答えるとすると、処置を実施する必要性が明らかになるのが早ければ早いほど、より効果的でありそうである。

 最後に、本裁判所は、救済がなされるべき形における延長された手続きは、最適の救済と一般的にみなされ得たかもしれないものを確認できることに著しく大きな保証を与えそうにもないと信じている。マイクロソフトの有罪に関する事件であるから、適切な救済に関するオプションははっきりと分かれている。これらの異なる意見が僅かの実際の経験によって調停できるチャンスはほとんどない。現在、本裁判所に提出されているおびただしい潜在的な証人からの宣言(及び「証拠の提出」)は、もし終局判決案が登録されたとしたら起こるかもしれず起こらないかもしれない影響に関する見識があると称する人々の単なる予言でしかないほとんどの部分を除き、その様々な条項がどのような影響を及ぼすかについて洞察を提供している。本裁判所は将来の出来事の証拠上の予言は一般的に歴史的事実に関する証言さえよりも信頼しにくく、反対尋問はその正確性を高める又は低めることにほとんど役に立たないことを経験から見いだしている。

 相当多数の反対に加えて、終局判決案はマイクロソフトによっても曖昧で多義的であると酷評されている。原告らは、詳細を欠いているかもしれない範囲で、原告らが必要となり裁判所にそれを求めることがない場合には、マイクロソフト自身が事業の混乱の最も少ない詳細を提供することができるように、わざとそうしていると返答している。
  
 原告らは本件において勝訴した、そして、上述の理由だけで原告らが選択した救済を得る何らかの資格がある。更に、原告らの終局判決案は多数の顧問と共に合衆国司法省と19州らの司法長官の上級独禁法執行官の共同の努力の成果である[2]。これらの執行官は公衆の利益を考慮 − 及び公衆の利益に中で行動 − する義務があり期待される公職であるが;マイクロソフトはそうではない。終局判決案は過去に成功裏に用いられた条項の結合したものとして本裁判所には表現されており、そのような事件における救済の主要な異議の全てを検討し、不法な行為を終結させ、将来における繰り返しを防ぎ、関連するマーケットにおいて競争を復活させるように本裁判所にはみえる。マイクロソフトの代替判決は三つの点の全てにおいて明らかに不適切である。

 原告らの終局判決案は、調停が成功し同意判決で終わったときの結果よりも恐らく過激である。終局判決案は4名の私心のない法廷助言者によって提唱されたものより過激ではない。更に、終局判決案はいくつかのステージで実施されるように設計されており、その効果は控訴の進行中で完全には実施されていない間に正確に測定することができる。そして、もちろん、本裁判所は控訴後の裁判管轄権を維持し、必要ならば上訴裁判所からの命令に従い、また時間の経過によって変化した条件に適応させるために判決を修正することができるだろう。

 それゆえ、本日、2000年6月 7 日、

 被告Microsoft Corporationによる原告ら提案の構造的再編成のサマリー拒絶の申立は却下されることが命令され、そして

 更に、救済の発布のための将来の手続きに関する被告Microsoft Corporationの「占有<position>」は拒絶されることが命令される、そして

 更に、原告らの終局判決案は、2000年5月24日の手続き及びマイクロソフトのそれに対するコメントに従って改定されたものとして、ここに終局判決として登録されることが命令される。

Thomas Penfield Jackson
合衆国地方裁判官




1.原告らの不意打ちにもかかわらず、この問題に関するディスカバリ及び証言聴取の許可についての本裁判所の5月24日の拒絶によって疑いもなく作られたものだが、マイクロソフトの弁護士は35頁の「証拠の提出」を即座に提出することができ、16名の証人が、なぜ原告らの救済案はことごとく悪いアイディアであるのかの説明を与えるであろう証言を詳細に要約している。1週間のうちに更に7名が追加された。

2.2州は構造的救済の賦課に異議を唱えているが、救済案のその他の部分は完全に支持している。完全な全員一致でないことは終局判決案がまとめられた過程の共同作業の性質を単に確認させるだけである。
 


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