翻訳 井上雅夫 2000.04.04-16  06.07終局判決〔是正措置〕   ↑UP 

Microsoft独禁法事件 法的結論
2000.04.03
 目  次
法的結論
 I.シャーマン法第2条
  A.反競争的手段による独占力の維持
   1.独占力
   2.反競争的手段による独占力の維持
    a.ブラウザの脅威との戦い
     i.OEMチャネル
     ii.IAPチャネル
     iii.ICP、ISV及びApple
    b.Javaの脅威との戦い
    c.全体としてのMicrosoftの行為
  B.反競争的手段による第2のマーケットにおける独占力獲得の未遂
 II.シャーマン法第1条
  A.抱き合わせ
  B.排他的取引契約
 III.州法上の争点 《翻訳省略》
命令
脚注

是正措置の予想

COLUMBIA地区合衆国地方裁判所

原告 アメリカ合衆国
被告 MICROSOFT CORPORATION
民事訴訟 No. 98-1232 (TPJ)

原告 ニューヨーク州他
被告 MICROSOFT CORPORATION
民事訴訟 No. 98-1233 (TPJ)

反訴原告 MICROSOFT CORPORATION
反訴被告 ELIOT SPITZERニューヨーク州司法長官他

 
法 的 結 論

 合衆国、19州、及びコロンビア地区(「原告ら」)は、被告Microsoft Corporation (「Microsoft」)に対して、シャーマン法〔合衆国独禁法〕1条及び2条に基づく本件併合民事執行訴訟を提起する。原告らは、本質的に、MicrosoftがIntel互換パーソナルコンピュータ(「PC」)上で走るように設計されたオペレーティングシステムのマーケットにおける独占力を守るために不法な組織的活動行ったことを告訴している。特に、原告らは、Microsoftが独占力を維持するために一連の排他的、反競争的、及び略奪的行為を行うことによってシャーマン法2条に違反したと主張する。また、原告らは、Microsoftは、現在まで成功してはいないが、ウエブブラウザ・マーケットを独占することを試み、同様に2条に違反したと主張する。最後に、原告らは、独占力を保護する組織的活動の一部としてMicrosoftによってなされた処置、すなわち、オペレーティングシステムへのブラウザの結合及び排他的取引契約の締結が同法1条に違反したと主張した。

 1999年11月5日に登録され1999年12月21日に修正された本裁判所の事実認定(「認定」)、両当事者によって提出された法的結論案、法定助言者の書面、及び代理人の弁論を考慮し、本裁判所は、Microsoftは、反競争的手段によって独占力を維持し、ウエブブラウザ・マーケットの独占を試みており、どちらも2条違反であると結論する。また、Microsoftはオペレーティングシステムにウエブブラウザを不法に抱き合わせることによってシャーマン法1条に違反した。しかしながら、認定された事実は、他の会社とのMicrosoftのマーケッティング契約の結果が1条に基づく先導的な判例によって確立された基準に基づく不法な排他的取引を構成するという結論を支持するものではない。

 19州及びコロンビア地区(「原告州ら」)は追加的に各州の独禁法に基づく責任を根拠とすることを求めている。本裁判所は、シャーマン法違反を証明する記録中の証拠が各原告州らの法に基づく類似した訴因の要件も満たすことに納得した。この理由により、及び以下に述べる他の事項により、本裁判所は、Microsoftは各州法に基づいても責任があると判決する。

  
I.シャーマン法第2条

A.反競争的手段による独占力の維持

 シャーマン法2条は、「数州にまたがる又は外国との通商のいかなる部分をも・・・独占する」者又は会社は不法であると規定している。通商法〔シャーマン法〕2条(LII)。この規定は、会社が合法的に独占力を獲得し又は永続させる手段を制限するように作用する。特に、会社が反競争的行動をとおして独占力を獲得又は維持させるとき、その会社は2条に違反する。以下を参照、United States v. Grinnell Corp., 384 U.S. 563, 570-71 (1966) (「シャーマン法2条に基づく独占力の違反は二つの要件からなる:(1)関連するマーケットにおける独占力の保有及び(2)優れた製品、商才、又は歴史的出来事の結果としての成長又は発展から識別されたものとしての独占力の故意の獲得又は維持。」); Eastman Kodak Co. v. Image Technical Services, Inc., 504 U.S. 451, 488 (1992) (Scalia, J., dissenting)(「我々の独占論は・・・排他的又は反競争的行為と結合して被告が大きなマーケット力を保持し、それが競争の調整力を打ち破る又は出し抜く恐れがあるという個別的な状況に向けられている。」)。

1.独占力
 2条独占違反のしきいとなる要件は「関連するマーケットにおける独占力の保有」であるから、Grinnell, 384 U.S. at 570、裁判所は最初に「関連するマーケット」と言い得る商業活動の境界を確認しなければならない。Walker Process Equip., Inc. v. Food Mach. & Chem. Corp., 382 U.S. 172, 177 (1965)(「[関連する]マーケットの定義なしには、競争を減少させ又は破壊する[被告]の能力を評価する方法はない。」)参照。次に、裁判所はそのマーケットにおける被告が価格をコントロールする実際の力、又はそのマーケットから被告が競争を排除する実際の力を評価しなければならない。United States v. E. I. du Pont de Nemours & Co., 351 U.S. 377, 391 (1956)(「独占力は価格をコントロール又は競争を排除する力である。」)参照。

 本件においては、原告らは関連するマーケットはIntel互換PCオペレーティングシステムの世界的なライセンシングであることを前提とした。商業活動のこの地域が「独占が不法であるかもしれない」マーケットとして資格を有するかどうかは、「同じ目的のために消費者が合理的に代替できる」全ての製品を含んでいるかどうかに依存する。du Pont, 351 U.S. at 395. SeeRothery Storage & Van Co. v. Atlas Van Lines, Inc., 792 F.2d 210, 218 (D.C. Cir. 1986)(「他の供給者へ変える消費者の能力は会社が競争的レベル以上に価格を上げることを抑制するから、『関連するマーケット』の定義は利用可能な代替品の決定に基づく」)。

 本裁判所は既に、本件記録における証拠に基づいて、世界中の相当なパーセントのコンピュータユーザがIntel互換PCオペレーティングシステムをかなりのコストを負担することなしに代替できる製品は現在のところ存在せず、近い将来においてもありそうもないと認定した。認定¶¶ 18-29。さらに本裁判所はIntel互換PCオペレーティングシステムを現在販売していない会社が、合理的な短時間のうちに、現存するIntel互換PCシステムの代替品をかなりのパーセントの消費者に提供する形で、販売を始めることはできないと認定した。同¶¶ 18, 30-32。これらの事実から、本裁判所は、一つの単独の会社又は企業連合が世界中の全てのIntel互換PCオペレーティングシステムのライセンシングをコントロールしている場合は、利益がなくなるほど多くの消費者を失うことなしに、競争的マーケットにおける価格より相当高くライセンシング価格を設定することができ、かなりの期間、価格をそこに保つことができると推論した。同 ¶ 18。この推論により本裁判所は、世界中の全てのIntel互換PCオペレーティングシステムのライセンシングが原告らの独占維持の請求との関係で実際に関連するマーケットを構成すると認定するように導かれた。同。

 原告らはトライアルにおいて、Microsoftが関連するマーケットの支配的で持続的で増大するシェアを保有していることを証明した。世界中のIntel互換PCオペレーティングシステムのマーケットにおけるMicrosoftのシェアは現在95%を超えており、その会社のシェアはMac OSを関連するマーケットに含めたとしても80%を大きく超えている。同 ¶ 35。また、原告らは、アプリケーション参入障壁がMicrosoftの支配的なマーケットシェアを保護していることを証明した。同 ¶¶ 36-52。この障壁はかなりの消費者需要を引きつけることができるWindows以外のIntel互換PCオペレーティングシステムが存在しないことを確実にし、競争的レベルよりかなり高い価格に長い期間維持したとしても、この障壁は同じ効果を奏するであろう。同。支配的なマーケットシェアの証明及び効果的な参入への実体のある障壁が合わさって、Microsoftが独占力を享受していることの推定を作り出す。United States v. AT&T Co., 524 F. Supp. 1336, 1347-48 (D.D.C. 1981)(「被告が様々な参入障壁をとおして・・・独占力を有していることの説得力のある証明は、・・・マーケットシェアの証拠と結びついて、少なくとも政府の最初の立証責任を満たすに十分であり、その後は、立証責任は参入障壁の存在及び重要性を反証するために被告が適切に負うことになる。」)、quoted with approval inSouthern Pac. Communications Co. v. AT&T Co., 740 F.2d 980, 1001-02 (D.C. Cir. 1984)。

 トライアルで、Microsoftはそのような力を行使する能力の束縛及び独占力の保有と矛盾すると考えられるMicrosoft自身の行為の両方の証拠で、独占力の推定を反証することを試みた。しかし、主張された束縛のどれもが実際にMicrosoftから「(1)競争的レベルよりかなり高く価格をつけかつ(2)新しい参入又は発展による浸食なしにかなりの期間そうし続ける能力」を剥奪してはいない。IIA Phillip E. Areeda, Herbert Hovenkamp & John L. Solow, Antitrust Law ¶ 501, at 86 (1995) (emphasis in original);  認定 ¶¶ 57-60参照。さらに、Microsoftの技術イノベーションの努力も価格設定行動も独占力の保有と矛盾しない。同 ¶¶ 61-66。

 仮に、Microsoftの反証が独占力の一応の証明によって作られた推定を弱めるとしたとしても、独占力を裏付ける証拠は本件記録中に多数ある:MicrosoftもMicrosoftのOEM顧客も、OEMがWindowsのライセンスの代わりとなるPCにプレインストールするための商業的に存在し得る代替品をただの一つも持っておらず、近い将来も持たないだろうと信じている。同 ¶¶ 53-55; Rothery, 792 F.2d at 219 n.4(「我々は経済行為者は通常は経済的現実を正確に理解していることを当然のことと思う」)と比較せよ。さらに、過去数年以上にわたって、Microsoftは、独占力を保有していることを知っていたとすれば、また、独占力を保護する参入障壁を保存する欲望によって動機づけられていたとすれば、利益を最大化する会社としての合理的な行動と矛盾しないであろう方法でのみ振る舞ってきた。認定 ¶¶ 67, 99, 136, 141, 215-16, 241, 261-62, 286, 291, 330, 355, 393, 407。

 要するに、実体のある参入障壁によって保護されたMicrosoftの支配的で持続的なマーケットシェアの証拠からみて、一応の証明を効果的に反証することにMicrosoftが失敗したこと及び独占力の追加的な兆候を考え併せて、本裁判所はMicrosoftが関連するマーケットにおいて独占力を享受しているという事実を認定せざるを得なかった。同 ¶ 33。
  
2.反競争的手段による独占力の維持
 2条の事件において、一度、被告が関連するマーケットで独占力を保有していると証明されれば、独占の責任は被告がその地位を達成又は維持するために反競争的方法を使用したことの証明に依存する。以下を参照United States v. Grinnell, 384 U.S. 563, 570-71 (1966); Eastman Kodak Co. v. Image Technical Services, Inc., 504 U.S. 451, 488 (1992) (Scalia, J., dissenting); Intergraph Corp. v. Intel Corp., 195 F.3d 1346, 1353 (Fed. Cir. 1999)。これまでの判例により、訴えられた行為が独占維持の請求に関して反競争的であるとみなすべきであるかどうかを決定するための分析的なアプローチが確立されている。この分析におけるしきいとなる質問は被告の行為が「排他的」であるかどうか − すなわち、関連するマーケットで顧客に提供するものの長所で競争する他の会社の能力を明確に制限したか、又は明確に制限する恐れがあるかどうか − である。Eastman Kodak, 504 U.S. at 488 (Scalia, J., dissenting) (2条は「独占力を有する会社の行為が競争の調整力を打ち破る又は出し抜く恐れがある個別の状況に向けられている」)[1]

 関連するマーケットにおける実体のある排他的影響力を証拠が明らかにすれば、被告が排他的行為の全ての範囲を説明する明確な競争擁護的なビジネスの動機を提出しない限り、被告の行為は「反競争的」とラベルを貼られ、責任が付加されるだろう。Eastman Kodak, 504 U.S. at 483(被告が主張する根拠が排他的行為を説明するに十分であるのか、あるいは単なる口実であるのかに関する事実問題が残っているとして、被告が申し立てたサマリー判決の認容を断っている)参照;Aspen Skiing Co. v. Aspen Highlands Skiing Corp., 472 U.S. 585, 605 n.32 (1985)(独占維持の請求の第2の要件は「(1)ライバルの機会を害する傾向がある行為の証明ばかりでなく、(2)長所に関するさらなる競争をしない又は不必要な制限的方法で競争するかのどちらかの行為の証明でも」満足される。)(quoting III Phillip E. Areeda & Donald F. Turner, Antitrust Law ¶ 626b, at 78 (1978))も参照。

 独占力を有する被告が製品をより魅力的でなくすることによって消費者を意識的に敵に回すならば、又は開発資本の経費のような他のコストを負いかつ同程度に効率的な会社による競争に対して障壁を立てる又は保持する以外の代償の見込みなしにそれからの収入を得る機会を失うならば、裁判所は被告の行為は「略奪的」であるとみなすことができる。Neumann v. Reinforced Earth Co.事件でD.C.巡回区〔控訴裁判所〕が述べたように、

略奪行為は、(1)現実のライバルがそのマーケットから追い出され、又は潜在的なライバルの参入が阻止又は遅延させられ、その結果、その略奪者が十分なマーケットシェアを獲得又は維持し独占的利益を意のままにする期待、又は(2)ライバルが十分控えめになりその略奪者が独占利益の実現に脅威を感じる競争的行為を放棄する期待の他に利益を最大化しないと考えられるビジネス慣行の行使をとおしたビジネス・ライバルに対する攻撃を含む。
786 F.2d 424, 427 (D.C. Cir. 1986)。

 利益を最大化する会社が略奪的行為をとることの証明は実体のある排他的効果の恐れを証明することで十分であるべきである;他の方法で判決するとすれば被告の行為が不合理に帰してしまうだろう<Proof that a profit-maximizing firm took predatory action should suffice to demonstrate the threat of substantial exclusionary effect; to hold otherwise would be to ascribe irrational behavior to the defendant>。さらに、略奪行為は、本質によるだけでなく定義により、競争擁護的なビジネスの動機を欠いている。Aspen Skiing, 472 U.S. at 610-11(被告の行為が「ライバルへの一切の利益の補給を避ける判断によって完全に動機づけされていた」ことを示す証拠が、被告の行為が「効率性の関心によって動機づけれていなかった」という推定を支持した。)参照。他の言葉で言えば、略奪行為は明らかに反競争的である。したがって、独占力を有する会社がそのような行為を行ったという証明は2条に基づく責任の認定を余儀なくさせる。

 本件において、Microsoftは早くから、ミドルウエアは、一度受け入れると、事実上アプリケーション障壁を浸透し、ライバルのオペレーティングシステムがIntel互換PCオペレーティングシステムのマーケットにスムーズに参入できるトロイの木馬であると認識した。簡単にいうと、ミドルウエアウエアがMicrosoftが切望する独占力を粉砕する恐れがあった。この脅威を警戒して、Microsoftはミドルウエア技術がアプリケーション障壁を浸食するに十分な特徴を有するクロスプラットフォーム・アプリケーションの開発を促進するのを防ぐために、ほぼ4年間戦った。このゴールの追求において、Microsoftは、開発者がWindows特有APIに集中し最大の脅威をもたらす2つのミドルウエア、すなわち、NetscapeのNavigatorウエブブラウザ及びSunのJavaテクノロジーのインプリメンテーションによって露出されたインターフェースを無視するように納得させようとした。Microsoftの組織的活動は、数年間、そして恐らく永久に、Navigator及びJavaがIntel互換PCオペレーティングシステムのマーケットを長所での競争に開放する潜在力を実現するのを防ぐことに成功した。認定 ¶¶ 133, 378。Microsoftは競争擁護の正当性を欠く排他的行為をとおしてこの結果を獲得したから、本裁判所はMicrosoftの行為は反競争的手段による独占力の維持であると考える。

a.ブラウザの脅威との戦い
 Intel、Apple、RealNetworks及びIBMに対して技術的なイノベーション及びビジネス・イニシアティブを止めるように誘導したMicrosoftの野心と同じ野心、すなわち、アプリケーション参入障壁を維持する野心が、NetscapeがWindowsの32ビットバージョン用のプラットフォームレベルのブラウザのリリースを止める旨の1995年6月のMicrosoftの提案の動機となった。同 ¶¶ 79-80, 93-132参照。この提案は、Netscapeがその提案を拒絶した時にMicrosoftがNetscapeに課した処罰処置と共に、背景を照らし出しており、その背景の中にはPC製造業者(「OEM」)、インターネット・アクセス・プロバイダ(「IAP」)及び他の会社に対してMicrosoftが続いて起こした行為を見ることができる。

 NetscapeがNavigatorをアプリケーション開発のための実質的なプラットフォームとして開発する努力の放棄を拒否したとき、Microsoftはそのプラットフォームによって露出されたインターフェースを開発者が利用する程度を最小化する努力に焦点を絞った。Microsoftは、Netscapeのブラウザ・プラットフォームに開発者が依存する程度はブラウザ利用におけるNavigatorのシェアの規模及び予測曲線に大部分依存するであろうことを認識した。同 ¶¶ 133, 359-61。この戦略の核心はブラウザ利用を生じせしめる最も効果的なチャネルを構成している会社がNavigatorよりもInternet Explorerの配布及び推奨に努力するのを確実にすることであった。その産業において他のことを実践するよりも、OEMによるプレインストール及びIAPが所有するソフトウエアにバンドルすることが、より直接的により効率的にブラウザ利用に導くことを認識して、Microsoftはこれらの2つのチャネルを奪うことに主要な努力を向けた。Id.同 ¶ 143。

i.OEMチャネル
 OEM〔PC製造業者〕に関して、Microsoftの組織的活動は3つの前線で進展した。第1に、Microsoftは、それぞれのWindowsユーザーのPCシステム上でInternet Explorerが目立った(そして究極には永久的な)存在であることを確保するために、そしてWindowsを走らせているPC上でNavigatorをインストール及び使用することに伴うコストを増大させるために、Internet Explorerを契約上、及び、後には技術的な束縛でWindowsに縛り付けた。同 ¶¶ 155-74。第2に、Internet ExplorerをWindowsに結合する契約上及び技術上の方策にもかかわらず、Navigatorの利用を生じせしめるかもしれないOEMによるWindows 95及びWindows 98の変更又は修正の自由に対して、Microsoftは厳重な制限を課した。同 ¶¶ 202-29。最後に、Microsoftは特に主要なOEMに対して配布、推奨及び技術における努力をNavigatorを排除しInternet Explorerをひいきするように立案するように誘うためにインセンティブ及び脅しを使用した。同 ¶¶ 230-38。

 Microsoftの行動はWindows上でのNavigatorのプレインストールがユーザーの混乱とシステムの劣化の原因となる可能性を増大させ、そのため、より高額のサポートコスト及びOEMの販売の減少を招いた。同 ¶¶ 159, 172。既に貧弱なものとなっていたOEMの利ざやを危険にさらす行動をとりたくなかったので、OEMはMicrosoftの行為によってNavigatorの配布及び推奨を劇的に減少させることを強いられた。同 ¶¶ 239, 241。主要なOEMに対してなされた実のある誘引物はOEMチャネルにおけるNavigatorの配布及び推奨をさらに減少させるだけであった。同 ¶¶ 230, 233。Microsoftの努力に対するOEMの対応はNavigatorの利用シェアに劇的な負のインパクトを与えた。同 ¶ 376。利用シェアが低下したことにより、Navigatorが関連するマーケットを長所による競争に開放する媒介物であることを妨げられた。同 ¶¶ 377-78, 383。

 Microsoftはこの重要な排他的インパクトの全ての範囲を実際に説明する適法なビジネスの目標を提出することに失敗した。本裁判所は既に、Internet Explorerのバージョン1.0〜4.0なしのWindows 95をOEMにライセンスすることをMicrosoftが拒否することを完全に説明する品質に関連した又は技術的な根拠はないと認定した。同 ¶¶ 175-76。Windows 98のブラウザなしのバージョンを顧客及びOEMに提供しないMicrosoftの決断は同様に根拠を欠いている、同 ¶ 177、Microsoftがウエブブラウザ機能の「最良品種」インプリメンテーションを提供できたというMicrosoftの主張も同様に根拠がない。後者に関しては、Internet Explorerは現在の「最良品種」ウエブブラウザであることは明らかではなく、中期的な将来のある時点でもそうでありそうでもない。Microsoft自身がこの現実を知っているという事実は、Internet ExplorerをWindowsに結びつけるMicrosoftの決断が真に消費者に利益となり、一般のソフトウエア・マーケットの効率を改善する試みとして説明することはできず、むしろ、独占的立場に脅威を与えるイノベーションを鎮圧するためのより大きな組織的活動の一部として説明できるという結論をさらに強めるだけである。同 ¶¶ 195, 198。

 Microsoftが依然として、OEMへの様々な制限の根拠として連邦著作権法に依存して、著作権による抗弁を主張する点については、その抗弁はシャーマン法に関してMicrosoftの行為を免疫にするとは説明しないし、作用もしない。一般的な提議として、Microsoftは連邦著作権法第101条以降が有効なソフトウエアの著作権者にライセンシー、本件の場合OEM、が明確な許可なしにその製品の修正されたバージョンを出荷することを防ぐ絶対的な権利を与えていると主張する。実際、Windows 95及びWindows 98は著作権登録によってカバーされている。認定¶ 228、そのことは「有効な著作権の一応の証拠を構成する」。著作権法410(c)条。しかし、Microsoftの著作権の有効性は問題になったことはない;問題は著作権が保護するものが、正確に、何であるのかである。
 
 MicrosoftがOEMがWindowsを変更する能力に課した契約上の(又は技術上の)制限が著作権法に基づき著作権者に明示的に与えたれた列挙された権利の何から導かれるのかについての証拠を、Microsoftは全く提出しなかった。そのかわり、Microsoftはその制限が著作権で保護されたソフトウエアの「完全性」をあらゆる「歪曲」、「裁断」、又は「変更」から守る拡張的な権利を「単にリステイト」したものであると主張するが、著作権法第106条の排他的権利のリストのどこにも述べられていない権利であり、したがって、その存在に関して疑問が生じる。Twentieth Century Music Corp. v. Aiken, 422 U.S. 151, 155 (1973)(「製品の全てのユーザーが著作権者のコントロール内にあるのではない;権利は具体的に許された「排他的権利に制限されている」)参照;著作権法第501(a)条(侵害は具体的に列挙された権利を犯すことを意味する)と比較せよ。[2]

 また、著作権者は直接的に競争に脅威を与える方法で特権を用いることはその理由によっては権利を与えられていないことは十分に定着している<It is also well settled that a copyright holder is not by reason thereof entitled to employ the perquisites in ways that directly threaten competition>。例えば、以下を参照、Eastman Kodak, 504 U.S. at 479 n.29(「最高裁は何回も・・・著作権・・・のような何かの生来の及び法的な利点をとおして得た力は、『販売者が一つのマーケットにおけるその支配的な地位をその帝国を次へ拡張するために利用した』ときは、責任を伴うと判示してきた。」)(quoting Times-Picayune Pub. Co. v. United States, 345 U.S. 594, 611 (1953)); Square D Co. v. Niagara Frontier Tariff Bureau, Inc., 476 U.S. 409, 421 (1986); Data General Corp. v. Grumman Systems Support Corp., 36 F.3d 1147, 1186 n.63 (1st Cir. 1994)(著作権は、独占するための計画の一部として使用されたとき、権利者から独禁調査を免除しない。);以下も参照、 Image Technical Services, Inc. v. Eastman Kodak Co., 125 F.3d 1195, 1219 (9th Cir. 1997), cert. denied, 523 U.S. 1094 (1998)(「知的所有権法の目的も、独禁法の目的も、どちらも、独占者が反競争的行為を覆うための口実であるビジネスの根拠に頼ることを許すのを正当化しない。」)。憲法上の特権でさえ反競争的目的のために乱用されたとき免除を与えられない。Lorain Journal Co. v. United States, 342 U.S. 143, 155-56 (1951)参照。本裁判所は既に、MicrosoftのOEMへの制限の背後にある本当の衝動はWindowsプラットフォームの「完全性」として言及されたやや無定形の品質を維持する欲求ではなく、アプリケーション開発のための均一で安定したプラットフォームを与えることを確実にすることでさえもないと認定した。Microsoft自身、デスクトップ及びブートシークエンスへのMicrosoftに友好的な修正を許すことによって、及び、Windowsの新しいバージョンのリリースよりも頻繁にInternet Explorerのアップデートをリリースすることによって、不安定性及び不一致を発生させ、又は少なくとも黙認した。認定 ¶ 226。これに、OEMが行おうとした修正はいかなるWindows APIも削除又は変更しないであろうし、それゆえ、Windowsのいかなる機能も混乱させないだろう事実を加えると、Microsoftの行為が、OEMがアプリケーション参入障壁を弱めるに十分な開発者の注目を引くことができるNavigatorのようなミドルウエアをプレインストールし目立った場所に置くことを禁止することによって、効果的に説明されることが明らかである。同 ¶ 227。要するに、仮に、Microsoftが消費者の満足を最大化させることや一つの価値のある製品における相当な投資を保護することへの心からの関心によって本当に鼓舞されていたとすれば、Microsoftは、OEMが消費者が望まない修正をすることを妨げるために、まさに競争的なPCマーケットの力により多く依存し、自らのマーケット力により少なく依存したであろう。同 ¶¶ 225, 228-29。

ii.IAPチャネル
 MicrosoftはIAPチャネルがNavigatorよりもInternet Explorerのために利用シェアを作り出すことを確実にするために同様に攻撃的な処置を採用した。手始めに、Microsoftは数百のIAP〔インターネット・アクセス・プロバイダ〕にInternet Explorer及びInternet Explorerアクセスキットを無料でライセンスした。同 ¶¶ 250-51。その後、Microsoftは10の最も重要なIAPに対してNavigatorをデスクトップから追放しInternet Explorerを推奨及び配布する約束と引き替えに価値ある販売促進の待遇を差し出した。同 ¶¶ 255-58, 261, 272, 288-90, 305-06。最後に、既存の利用者に対してNavigatorではなくInternet Explorerをバンドルしたクライアント・ソフトウエアにアップグレードさせる努力と引き替えに、これらの同じIAPにリベートを与え、いくつかのケースでは即金で支払った。同 ¶¶ 259-60, 295。ブラウザの利用シェアにとってIAPチャネルは重要であるから、これらの誘引物及び制限が劇的な変化、実際にInternet Explorer及びNavigatorのそれぞれの利用シェアにおいて起こった変化に重要な貢献をしたと結論するのが妥当である。同 ¶¶ 144-47, 309-10。それゆえIAPチャネルにおけるMicrosoftの行為はアプリケーション参入障壁を維持するために大きく貢献した。

 IAPチャネルにおけるMicrosoftの排他的行動の全てを正当化する有効な根拠は存在しない。参照サーバーやオンラインサービス・フォルダにような顧客志向の特徴についてのMicrosoftの投資へのフリーライドを制限する欲求は、ある状況のもとでは、競争擁護のビジネスの動機として適格であり得る;しかし、その動機はMicrosoftが実際にIAPに課した制限を完全には説明しない。契約の条項に基づき、Navigatorのダウンロードを特定のパーセント以下にすることにIAPが失敗した場合は、参照サーバー又はオンラインサービス・フォルダにおける好ましい場所からそのIAPを放逐するMicrosoftの契約上の権利が準備された。IAPがWindowsに含まれるクライアント・ソフトウエアにおいてNavigatorを推奨することを控え、参照サーバーに直接接続されたウエブサイトからNavigatorについての全ての記載を一掃し、かつWindowsデスクトップから集められた新しい利用者にInternet Explorer以外のブラウザを配布しないとしてさえ、これが真実であった。同 ¶¶ 258, 262, 289。したがって、Microsoftの制限はNavigatorによるフリーライドを構成しないであろう相当な量の配布を堰き止めた。

 「ブランドの連想を育成する」ことへの表面上の競争擁護の欲望はMicrosoftの制限の全ての範囲を説明することはできない。もし、Microsoftの唯一の関心がブランドの連想であったとしたら、Navigatorを推奨するIAPの能力への制限で十分であったろう。Navigatorを脅威として排除する欲望によって動機づけられていない限り、Microsoftが現存する利用者がInternet Explorerの方を選んでNavigatorを捨てるように誘導するためにIAPに支払ったかどうか疑わしい。同¶¶ 259, 295参照。より一般的にいうと、Microsoftが、利益を得る機会を譲り、Microsoft自身のOLS(オンラインサービス)の競争において不利益を被り、かつ、むき出しの報奨金を与えて、IAPの忠誠に対して彼らの利益のためにソフトウエア開発における大きな投資を支払ったことを認識することが、Microsoftの意図を理解するためには重要である。同 ¶¶ 259-60, 277, 284-86, 295。MicrosoftはInternet Explorerから直接的に適切な収入を得ることを決して意図していなかったことを考慮すると、同 ¶¶ 136-37、これらの犠牲はNavigatorの利用シェアを減少させることを保証し、それによりアプリケーション参入障壁の脅威を消滅させるために十分に貢献する範囲で合理的なビジネス判断を意味し得るだけである。.同 ¶ 291。IAPチャネルにおけるMicrosoftの排他的なイニシアティブの全ての範囲が関連するマーケットにおける長所による競争を妨げる欲望によってのみ説明することができるから、これらのイニシアティブは反競争的とラベルを貼られなければならない。

 要するに、MicrosoftはOEM及びIAPに向けた努力によってブラウザの利用に最も効率的に導く2つのチャネルから事実上Navigatorを排除するのに成功した。別々に見たとしても、Microsoftの組織的活動のこれらの2つの枝が「競争の調整力を出し抜き」、それにより関連するマーケットにおけるMicrosoftの独占力を不滅にする恐れがある。Eastman Kodak Co. v. Image Technical Services, Inc., 504 U.S. 451, 488 (1992) (Scalia, J., dissenting)。したがって、それらを別々に見ても、合わせてみても、Microsoftの反競争的組織的活動のOEM及びIAPの部分は2条に基づく責任の認定に値する。

iii.ICP、ISV及びApple
 OEMのプレインストール及びIAPのバンドルの効率に近い効率を持つブラウザのための配布チャネルはない。認定¶¶ 144-47。それにもかかわらず、アプリケーション参入障壁を保護することはMicrosoftにとって極めて重要であったために、この会社はブラウザの脅威に対する組織的活動の中にICP〔インターネット・コンテンツ・プロバイダ〕、ISV〔独立系ソフトウエア・ベンダー〕、及びAppleを取り込むために、かなりのリソースを喜んで投資した。Mac OS上のNavigatorの利用を著しく減らすための条件をAppleから引き出すことによって、Microsoftは開発者がNavigatorを真のクロスプラットフォーム・ミドルウエアと見なさないことを確実にするのを手助けした。同 ¶ 356。ICPとISVが提供するものにInternet Explorerをバンドルするライセンスを無料にすることによって、また、NavigatorではなくInternet Explorerを配布し、推奨し、依存する契約と引き替えに他の価値ある誘引物を与えることによって、Microsoftは開発者がNavigatorによって露出されたAPIよりもMicrosoftのAPIに焦点を合わせるように直接的に誘導した。同 ¶¶ 334-35, 340。これらの処置はOEM及びIAPチャネルにおけるMicrosoftの努力を補足した。

 MicrosoftがIAPチャネルで行った処置を説明するのに失敗したのとちょうど同じように、フリーライドを防ぎブランドの連想を守るゴールはICPチャネルにおけるMicrosoftの行動の全ての範囲を説明するのに失敗している。同 ¶¶ 329-30。ISV契約に関しては、Microsoftは排他的条件を正当化する競争擁護のビジネス目的を何も述べてはいない。同 ¶¶ 339-40参照。最後に、Mac Officeをキャンセルしたこと、及びAppleからMicrosoftが要求したブラウザに関係した譲歩を含む犠牲をMicrosoftが喜んで捧げたことは、Navigatorによる脅威からアプリケーション参入障壁を保護するMicrosoftの欲求によってのみ説明することができるものである。同 ¶ 355。したがって、もう一度、Microsoftはその制限的行為の全ての範囲を正当化することはできない。

b.Javaの脅威との戦い
 アプリケーション参入障壁を保護するための壮大な戦略の一部として、Microsoftは、Javaで書かれたアプリケーションがWindowsから他のプラットフォームへ、そして、その逆へ、ポートすることの困難性を最大化させるために企画された一群の戦術を用いた。これらの措置の第1は、ポータビリティを傷つけ他のインプリメンテーションと非互換のWindows用Javaインプリメンテーションを作成したことであった。同 ¶¶ 387-93。その後、MicrosoftはSun準拠のものよりもMicrosoftのJavaインプリメンテーションを使用するよう開発者を誘引した。Microsoftは、ごまかし及びバーターの手段によりこの戦術を直接的に、また、Navigatorの利用シェアを最小化する組織的活動をとおして間接的に追求した。同 ¶¶ 394, 396-97, 399-400, 401-03。容易にポータブルとなるJavaアプリケーションの開発を妨げる別の努力として、MicrosoftはIntelのような会社がクロスプラットフォーム・インターフェースの作成に協力するのを防ぐために独占力を使用した。同 ¶¶ 404-06。

 Microsoftは複数の戦術によって多くのJava開発者がMicrosoftの開発ツールを使用してアプリケーションを書き、WindowsユーザーへSun準拠JVM〔Javaバーチャルマシン〕を配布するのを控えるように誘導した。この策略が容易にポータブルとなるアプリケーションがより少なくなる結果を効果的に生じさせた。同 ¶ 398。さらに、Microsoftの行為は新しいクロスプラットフォームJavaインターフェースの開発を妨げた。同 ¶ 406。Microsoftの策謀がなければ、SunのJavaの努力がこれまでにアプリケーション参入障壁を弱めるに十分なだけWindowsと他のプラットフォームとの間でのポートを促進したかどうかは明らかではない。しかし、Microsoftの行為がJavaが目的とするプロセスを著しく妨げたことは明らかである。同 ¶ 407。したがって、証拠によれば、Javaに関するMicrosoftの行為がIntel互換PCオペレーティングシステムのためのマーケットにおいて長所に基づいて競争する他の会社の能力を著しく制限したと結論せざるを得ない。

 Javaの脅威に対抗するMicrosoftの行動はSunの技術のインプリメンテーションに対する魅力的な代替品の開発を大きく超えたものであった。特に、Microsoftは、多くの方面でMicrosoftの好意に依存しているIntelに圧力をかけ、Sun及びNetscapeのJava開発製品を援助するのを控えさせるのに成功した。同 ¶¶ 396, 406。また、Microsoftは、パフォーマンスにポータビリティを選択していた開発者がそれにもかかわらず知らない間にWindowsだけで走るJavaアプリケーションを書くようにJava開発ツールを設計した。同 ¶ 394。さらに、MicrosoftのJavaインプリメンテーションに開発者をおびき寄せる手段には、既に本裁判所が反競争的であると判示した方法による、Navigatorの犠牲でInternet Explorerの利用シェアを最大化することが含まれていた。上記§ I.A.2.a. 参照。最後に、Microsoftは、Microsoftに技術情報及びWindowsに関連した証明を依存しているISVが、Sun準拠バージョンよりもMicrosoftのWindows JVMバージョンを使用し配布するように駆り立てた。同 ¶¶ 401-03。

 これらの行動は長所に基づく競争として記述することはできず、消費者の利益とはならない。実際、Microsoftの行動は短期間ではMicrosoftの利益にさえならない、なぜなら、MicrosoftのWindows用JVMと他のWindows用JVMの間に非互換性を作るこの会社の努力はWindows上で走るアプリケーションの全体の数を別な方法で書かれたよりも少なくする結果を招いたからである。それにもかかわらず、MicrosoftはWindows互換アプリケーションの開発を、それらが他のプラットフォームに簡単にポートでき、したがってアプリケーション参入障壁を減少させる時には、喜んで妨害した。同 ¶ 407。

c.全体としてのMicrosoftの行為
 前述の検討が示すように、ネットワーク・ミドルウエアによる浸食からアプリケーション障壁を守るためのMicrosoftの組織的活動は複数の別々のカテゴリーに分解することができ、そのいくつかはそれら自体独立して2条に基づく独占維持の請求の第2の要件を満足する。しかし、個々のカテゴリーの行為を、それらがそうであるべきであるように、一つのよく連携がとれた一連の行為として、見るときだけ、Microsoftが競争的プロセスへ為した暴力の全ての範囲それ自体が正体を現すのである。Continental Ore Co. v. Union Carbide & Carbon Corp., 370 U.S. 690, 699 (1962)(シャーマン法事件においては「様々な事実の部分をきちんと区切ることなく、また、それぞれの厳密な検査の後に石板をきれいに拭くことなく、原告はその証明の最大限の利益を受けられるべきである」と忠告している)参照。要するに、Microsoftは、Intel互換PCオペレーティングシステムのためのマーケットに、長所によって上がったり下がったりする、競争を十分に導入するができた企業家の努力に対して故意の暴力を開始した。同 ¶ 411。証拠はMicrosoftの行為がなければ彼らが成功したであろうことを証明してはいないが、証拠はMicrosoftが競争運の天秤の上に抑圧的な親指を置き、それにより、関連したマーケットにおける継続する支配を効果的に保証したことを明らかにしている。より一般的にいえば、コンピュータ・ソフトウエア産業が一般にイノベーションを刺激し消費者の最大の利益に導く競争プロセスをMicrosoftの反競争的活動が妨げた。同 ¶ 412。

 また、Microsoftの行為を全体としてみることによりMicrosoftが略奪的であるという確信は強化される。Microsoftは、Navigatorの犠牲でInternet Explorerの利用シェアの向上を助長するための活動を会社に行う気にさせるめに、毎年、莫大な金額を支払い、遺失項目のなかで数百万ドル以上を放棄した。同 ¶ 139。これらの経費はInternet Explorerからの収益を最大化させる助成金としては説明することができない。Microsoftはそのブラウザを使用又は配布するライセンスに課金する意図は一度もなかった。同 ¶¶ 137-38。さらに、Windowsの需要を促進する欲求も、Internet Explorerから付随する収入の見込みも、Microsoftが費やした程度<the lengths to which Microsoft has gone>を説明できない。実際、Microsoftは、その目的がアプリケーション参入障壁を不滅とするためであったとしたら、合理的な投資であると理解できる方法及び程度でのみ、富を費やし、より多くを実現する機会を誓って止めた<foresworn opportunities to realize more>。同 ¶¶ 136, 139-42。Microsoftのビジネス慣行はIntel互換PCオペレーティングシステムのためのマーケットへの「潜在的ライバルの参入をブロックし、遅らせるという期待を除いては、利益を最大化しないであろうと考えられる」から、Neumann v. Reinforced Earth Co., 786 F.2d 424, 427 (D.C. Cir. 1986)、Microsoftの組織的活動は略奪的と名付けられなければならない。本裁判所は既にMicrosoftが独占力を保有していることを認定した、上記 § I.A.1参照、この会社の行為の略奪的性質からみて、本裁判所はMicrosoftはシャーマン法2条に基づく責任があると判決せざるを得ない。
  
B.反競争的手段による第2のマーケットにおける独占力獲得の未遂

 実際の独占を有罪とするのに加えて、シャーマン法2条は「数州にまたがる又は外国との通商のいかなる部分をも・・・独占することを試みた」者又は会社は不法であると規定している。通商法〔シャーマン法〕2条。この規定に基づいて、原告らはIntel互換PCオペレーティングシステムのためのマーケットにおける独占力を維持するMicrosoftの反競争的努力は「ブラウザマーケット」における独占力を蓄積する違法な試みとして追加的な責任の根拠となると主張する。本裁判所は同意する。

 独占未遂の責任を付け加えるためには、原告は一般に「(1)被告が略奪的又は反競争的行為を行ったこと(2)独占する明確な意図を持っていたこと」、かつ(3)被告が独占力の達成に成功するだろうという「危険な可能性<dangerous probability>」が存在することを証明しなければならない。Spectrum Sports, Inc. v. McQuillan, 506 U.S. 447, 456 (1993)。NetscapeがWindows用ブラウザ技術マーケット分野をMicrosoftに明け渡すというMicrosoftの1995年6月の提案、及びその後に続いたことが、Windowsに取り外せないように取り付けられたInternet Explorerブラウザの急増によってNavigatorの利用シェアを全滅させるための努力のよい証拠を提供しており、違反の第1の要件を満たしていることは明らかである。

 また、本件記録中の証拠は明確な意図の要件を満たしている。Windowsの32ビットバージョン用プラットフォームレベル・ブラウザの開発を中止するようにNetscapeを納得させるMicrosoftの努力は、このマーケット割当計画にNetscapeがおとなしく従えばブラウザマーケットにおける〔当時のNavigatorの〕デファクトの独占力をMicrosoftに寄贈するのと同程度の大きな利用シェアをInternet Explorerに残すであろうことを十分に知った上でなされたものである。認定 ¶¶ 79-89。

 NetscapeがWindowsの32ビットバージョン用ブラウザの開発の放棄を拒否したので、Microsoftのアプリケーション障壁を保護する戦略は、Navigatorがウエブブラウザの標準ソフトとして決して出現することがないことを開発者に示すに十分な程度まで、Internet Explorerの利用シェアを拡大する − そして、同時にNavigatorのシェアを下落させる − ものとなった。同 ¶ 133。Microsoftの首脳はブラウザマーケットにおける独占力の獲得を目標とすると宣言したことはないが、彼らは、彼らが実際に行った戦術がInternet Explorerのシェアをそのような極端な高さに押し上げそうであることを知っていた、又は知ってるべきであった。Navigatorのゆっくりした消滅はInternet Explorerだけが満たすための競争上の真空を残したことであろう。依然として、Microsoftの反競争的組織的活動が過剰殺戮の達成を防ぐことをMicrosoftが試みた証拠はない。このような状況に基づき、悪事を働くものが「その行為の起こりそうな結末」を意図していたとみなすのが公正である。IIIA Phillip E. Areeda & Herbert Hovenkamp, Antitrust Law ¶ 805b, at 324 (1996); Spectrum Sports, 506 U.S. at 459(『略奪的』戦術により・・・精力的に競争する意図よりも、独占するために必要な意図を十分証明できる。)も参照。それゆえ、本件の事実は明確な意図の要件を十分証明している。

 違反の最初の2つの要件が満たされたとしても、反競争的行為が関連するマーケットにおける独占力の目標を達成する危険な可能性を作り出したという証拠がなければ、被告に独占未遂の責任はない。同。証拠はMicrosoftの行為がそのような危険性を有するという結論を支持している。

 MicrosoftがNetscapeにマーケット割当提案を行った時点で、Navigatorの利用シェアは70%を十分に超えており、他のブラウザは残りの部分以上を享受できなかった。認定 ¶¶ 89, 372。NetscapeがMicrosoftの提案を受け入れていたとすれば、その時点で、ブラウザの会社としてライバルNetscapeの偉業に値する潜在的なサードパーティの競争者、又はIntel互換PCオペレーティングシステムのためのマーケットにおける独占力をテコとして使用するMicrosoftの能力に匹敵する潜在的なサードパーティの競争者はなかったから、Navigatorのシェアのほとんど全てがMicrosoftに譲り渡されたことになったであろう。Internet Explorerに対して競争する真剣な努力に乗り出すためには野心ある参入者であることを要する時に、Microsoftは、ブラウザに自分がコントロールできる専有の拡張を加えることによって、また、上記§ I.A.2で検討したのと同様に、OEM、IAP及びその他から約束を引き出すことによって、既存の独占力を保護するのと同じタイプの障壁を立てることができた。要するに、Microsoftのマーケット分割提案にNetscapeが同意すれば瞬時にMicrosoftは第2のマーケットにおける独占力を獲得する結果となっただろう。その提案自体がその結果の危険な可能性を作り出したことになる。United States v. American Airlines, Inc., 743 F.2d 1114, 1118-19 (5th Cir. 1984)(二人の役員が「ほぼ間違いなく」独占力を生じるマーケット割当計画を実行できたという事実により危険な可能性を十分認定できる)参照。危険な可能性はMicrosoftの提案をNetscapeが拒否したため差し迫ってはいなかったが、「その行為が起こった時の成功の可能性」が責任が決定される基準である。同 at 1118。

 この結論だけで独占未遂の責任の認定を十分支持できる。それにもかかわらず、本裁判所は1995年6月からMicrosoftが追求してきた略奪的行為の過程によりMicrosoftが第2のマーケットにおいて独占力を獲得するであろう危険な可能性を再び認定できるという更なる結論を言わざるを得ない。Internet Explorerの利用シェアは既に50%を超えており、2001年1月までに60%を超えるだろう、そして、その傾向は衰えていない。認定 ¶¶ 372-73; see M&M Medical Supplies & Serv., Inc. v. Pleasant Valley Hosp., Inc., 981 F.2d 160, 168 (4th Cir. 1992) (en banc)(「上昇しつつあるシェアは下降しているシェアよりもより成功の可能性を証明できる・・・50%より大きなシェアを伴う請求はその他の要件が満たされる場合は独占未遂として扱われるべきである。」)(citations omitted)参照;IIIA Phillip E. Areeda & Herbert Hovenkamp, Antitrust Law ¶ 807d, at 354-55 (1996)(巨大な、上昇しつつあるマーケットシェアの危険な可能性要件への重要性を認めている)も参照。
  

II.シャーマン法第1条

 シャーマン法1条は「通商を制限するあらゆる契約、提携・・・、又は共謀・・・」を禁じている。通商法〔シャーマン法〕1条(LII)。この規定に基づき、裁判所は競争への不合理な制限を構成する商業的策略を有罪としてきた。Continental T.V., Inc. v. GTE Sylvania Inc., 433 U.S. 36, 49 (1977); Chicago Board of Trade v. United States, 246 U.S. 231, 238-39 (1918)、これらの中で、「抱き合わせ<tying arrangements>」及び「排他的取引<exclusive dealing>」契約を参照。抱き合わせは気が進まない買い手にもう一つのものを得るように強制するために一つの製品に対して売り手がそのマーケット力を利用する場合に不法であると認定されてきた。 Jefferson Parish Hospital District No. 2 v. Hyde, 466 U.S. 2, 12 (1984); Northern Pac. Ry. Co. v. United States, 356 U.S. 1, 6 (1958); Times-Picayune Pub. Co. v. United States, 345 U.S. 594, 605 (1953)参照。契約が不法な排他的取引として問題にされる場合、競争者の製品を購入する見込みのある消費者に達する利用可能な販路の数を著しく減少させることによって関連するマーケットにおける競争を実質的に排除する契約だけに裁判所は有罪の判決を下してきた。Tampa Electric Co. v. Nashville Coal Co., 365 U.S. 320, 327 (1961); Roland Machinery Co. v. Dresser Industries, Inc., 749 F.2d 380, 393 (7th Cir. 1984)参照。
 
A.抱き合わせ

 1条に基づく抱き合わせ関して責任があるのは、(1)2つの別々の「製品」が関係し;(2)被告が消費者に抱いている製品<tying product>を得るために抱かれた製品<tied product>を得る以外の選択を与えず;(3)その組み合わせ<arrangement>が州間の通商の実質的な量に影響を及ぼし、かつ(4)被告が抱いている製品のマーケットにおいて「マーケット力」を保有している場合である。Jefferson Parish, 466 U.S. at 12-18. The Supreme Court has since reaffirmed this test in Eastman Kodak Co. v. Image Technical Services, Inc., 504 U.S. 451, 461-62 (1992)。組み合わせがそれ自体によるのであろうと理由規則分析によるのであろうと、4要件全てが要求される。

 原告らは、Microsoftの契約及び技術的策術によるWindowsとInternet Explorerの結合<combination>は、これらの行為がWindowsを得る条件としてInternet Explorerを得ることを顧客及び消費者に強制する限り、不法な抱き合わせを構成すると主張する。本裁判所は原告らに同意し、したがってMicrosoftは1条に基づく不法な抱き合わせの責任があると判決するが、この結論は密接に関係する事件におけるD.C.巡回区合衆国控訴裁判所の1つの判決と恐らく一致しておらず、それゆえ、多少詳細に説明されなければならない。複数の判決が実際に矛盾しているかどうかは本裁判所が言うべきことではない。

 問題のD.C.巡回区〔控訴裁判所〕の判決はUnited States v. Microsoft Corp., 147 F.3d 935 (D.C. Cir. 1998)(「Microsoft II 」)であり、これはそれ自体それより前の同じ裁判所の判決 United States v. Microsoft Corp., 56 F.3d 1448 (D.C. Cir. 1995)(「Microsoft I 」)に関係している。論争の経緯は複数の控訴審の判決のなかで十分に明らかにされており、ここで要点を繰り返す必要はない、ただし、これらの判決は現在の事件に先行しており、Microsoft II は、更なる手続きの中で抱き合わせ問題が起こることを十分に予期して可能な限り本裁判所を指導することを試みたことは述べておく。それにもかかわらず、熟考の上、本裁判所はD.C.巡回区〔控訴裁判所〕がMicrosoft II で本件のための支配する法則を説示する意図があったとは信じない。Microsoft II 裁判所自身が知っていたように、その裁判所における争点は同意判決<consent decree>の一つの条項における解釈であったのであり、独占禁止の検討によって生気を与えられていたけれども、それにもかかわらず、まだ主として契約上の意図を決定することが争点であった。ソフトウエア製品設計の決定は1条抱き合わせ事件における司法審査に従うことができるという点に関する控訴裁判所の所見は最も厳格な意味での傍論であり、それゆえ正式に拘束力を有するものではない。それにもかかわらず、本裁判所が自分自身の巡回区〔控訴裁判所〕の判決に負っている思慮分別及び服従の両方により道がとぎれとぎれになるまで指された方向に従うことを余儀なくされる。

 Microsoft II における多数意見は、製品「改良」の名においてソフトウエアのような技術的製品の設計者によってけしかけられた変更(「統合<integration>」を含む)に対する異常なまでの敬意と、事実における改良と反競争的目的によってなされた名ばかりの改良とを区別する裁判所の能力に対する自信の欠如の両方を示している。文字通り読むと、D.C.巡回区の意見は、ソフトウエア開発者がコードの配列に関してどんな利点の「もっともらしい主張」を前提にしても、あらゆる製品設計(又は、少なくとも、ソフトウエア製品設計)を、競争上の効果にかかわらず、独禁審査から免疫にするように見える。147 F.3d at 950。

 このきつくないテストは関連した最高裁の判例と少なくとも3点で矛盾しているように本裁判所には見える。第1は、控訴裁判所はマーケットを被告の見方で、より正確には、被告がそのマーケットを見たいように、見ている。第2に、控訴裁判所は現実を無視している:利点の主張はもっともらしいだけが必要であり;証明される必要はない。第3に、あらゆる反競争的効果と仮定の利点とを比較考量することを免じている。

 シャーマン法に関して製品及びマーケットの定義の問題について述べた2件の最も最近の最高裁事件は上記のJefferson Parish事件及びEastman Kodak事件である。Jefferson Parish事件において、最高裁は病院サービス及び麻酔サービスをパッケージで提供する病院は、患者、すなわち消費者が選択を望む別個の製品としてその複数のサービスを理解し、かつ、そのパッケージが患者に望まない製品の購入を強制する効果を持つことを証拠が立証しない限り、反抱き合わせ規則に違反したと認定され得ないと判示した。466 U.S. at 21-24, 28-29。Eastman Kodak事件において、最高裁は、交換サービスをも購入することに合意した消費者に対してだけ装置の交換部品を販売することを同意する場合において、写真複写と顕微鏡写真用品は、トライアルにおける証拠が部品及びサービスを別々に要求する消費者の存在をトライアルにおける証拠が証明すれば、抱き合わせ関して有罪である。504 U.S. at 463。
 
 本件におけるMicrosoftと同様に、両事件の被告は、抱かれた製品及び抱いている製品は実際には一つの製品に過ぎないか、又は各アイテムは一つのマーケットで取り引きされていると主張した[3]。Jefferson Parish事件において、被告は「サービス機能統合パッケージ」 − 1つの製品 − を提供したと主張したが、最高裁は、構成部分の機能的関係ではなく、構成部分の「需要の性質」が実際に別々の「製品」が関係しているのかどうかを決定すると結論した。466 U.S. at 19。Eastman Kodak事件において、被告は、用品マーケットにおける効果的な競争が部品又はサービスのアフター・マーケットにおける反競争的マーケット力を行使する可能性を排除していることを前提とした:装置、部品、及びサービスの販売は全てより大きな用品マーケットによって敏感に律せされている。最高裁は「実際のマーケットの現実」の証拠なしにはこの前提を受け入れるのを断った。504 U.S. at 466-67、「本件における正しいマーケットの定義は『商業的現実』への事実の調査の後にだけ決定することができる」と最終的に判示した。同 at 482(quoting United States v. Grinnell Corp., 384 U.S. 563, 572 (1966))。[4]

 Jefferson Parish及びEastman Kodakの両事件において、最高裁は、なぜその組み合わせが良性であると見なされるべきかに関して被告が提出した理論的な「妥当なビジネスの理由」も斟酌した。Jefferson Parish事件において、その病院は、病院及び麻酔サービスの組み合わせがスケジューリング、供給、成績基準、及び用品メンテナンスの複雑な問題を除去したと主張した。U.S. at 43-44。Eastman Kodak事件における製造業者は、質のコントロール、在庫管理、及びフリーライドの防止がサービスと結合してのみ部品を販売する決定を正当化すると主張した。504 U.S. at 483。どちらの事件でも、最高裁は、反競争的効果が証明された場合に、これらが弁明として十分であるとは認定しなかった。同 at 483-86; Jefferson Parish, 466 U.S. at 25 n.42。したがって、最低限、Microsoft II における、消費者に対する「何かの利点」を持つというMicrosoft II の「もっともらしい主張」に従い、Windows及びInternet Explorerの「統合」が「正味のプラス」であるかどうかに関するいかなる製品設計の評価も控えるというD.C.巡回区の説示は、最高裁のアプローチと合致しない。

 本裁判所の目的に対するこれらの事件の重要性は、製品及びマーケットの定義問題の解決は、何が合理的に見えるだろうかではなく、商業的現実の証明に依存しなければならないことを教示していることである。両事件において、最高裁は、製品及びマーケットの定義は、「製品」及び「マーケット」の形状に関する抽象的又は形而上学的な仮説ではなく、製品及びマーケットの性質についての消費者の理解の証拠を参照することによって確かめられるべきものであると命じた。Jefferson Parish, 466 U.S. at 18; Eastman Kodak, 504 U.S. at 481-82。現在の事件における商業的現実は、現在の消費者がオペレーティングシステムとブラウザを別々の需要がある別々の「製品」として理解しているということである。認定 ¶¶ 149-54。それにもかかららず、これらの個別的な機能を供給するソフトウエア・コードは事実上無限の組み合わせで混合させることができ、コードのファイル又は他の分類の用語において全体からそれぞれを見分けがつかなくすることができるという事実は真実である。同 ¶¶ 149-50, 162-63, 187-91。

 拘束力を有することに争う余地がない最高裁の事件に従って進めると、本裁判所は最初にMicrosoftは「抱いているマーケットにおける明らかな経済的力」を保有していたと結論する、Eastman Kodak, 504 U.S. at 464、本件における抱いているマーケットはIntel互換PCオペレーティングシステムのマーケットである。Jefferson Parish, 466 U.S. at 14 (マーケット力を競争的マーケットでは行わない何かを購入者に行わせる能力として定義している)参照、Fortner Enterprises, Inc. v. United States Steel Corp., 394 U.S. 495, 504 (1969)(価格を上げる又は抱いている製品のマーケットの中で目に見える数の買い手に抱き合わせを強いる能力で十分である)も参照。裁判所は典型的には「マーケット力」の推定を作り出すマーケットのパーセントを特定しないが、それに必要な力の程度は独占力の認定に必要な量を超えると認定した裁判所はない。Eastman Kodak, 504 U.S. at 481参照。本裁判所は既にMicrosoft II がIntel互換PCオペレーティングシステムの世界的なマーケット(すなわち、抱いているマーケット)において独占力を保有していると認定したから、認定 ¶¶ 18-67、「明らかな経済的力」のしきいとなる要件はなおさら満足する。

 同様に、本裁判所の認定は、WindowsにInternet ExplorerをバンドルしたMicrosoftの決定の結果、実体のない量ではない通商が競争者から排除されたという結論を強く支持している。この要件によって規制される検討は、「ドルの額で単なる僅かではない程度に<so as not to be merely de minimis>十分に実体」がある「ビジネスの全体の量が単に」排除されているかどうかである。Fortner, 394 U.S. at 501; cf. International Salt Co. v. United States, 332 U.S. 392, 396 (1947)(抱き合わせによって実体のあるマーケットから競争者を排除すること自体が不当である)。
 
 本裁判所の認定は、Netscapeを含むMicrosoftの特定の現存の又は潜在的な競争者が関連するマーケットにおいて排除されたビジネスのドルの額を特定してはいないが[5]、本裁判所はMicrosoftがバンドルしたことが1995年から1998年にかけてのNetscapeの利用シェアの大きな下落の原因になり、直接の結果としてNetscapeは広告者を失い、収入、ウエブアクセス量及びサーバー製品の購入の深刻な低下にみまわれたことを認定した。したがって、Windowsから分離してInternet Explorerを提供することをMicrosoftが拒否することによって達成された排除は最高裁の僅かな<de minimis>しきい値を超えていることは明らかである。Digidyne Corp. v. Data General Corp., 734 F.2d 1336, 1341 (9th Cir. 1984) (citing Fortner)参照。

 また、本件の事実は強制されたバンドル要件も証明している。実際、最高裁は不法な抱き合わせの「本質的な性質」は「買い手が全くほしくないか、どこか他で異なった条件での購入を選ぶかもしれないか、のどちらかの抱かれた製品の購入を買い手に強制するために」抱いている製品のマーケット力を利用する売り手の決定であると判示した。Jefferson Parish, 466 U.S. at 12。その点に関して本裁判所は、MicrosoftはWindows 95の早期の契約からOEMがInternet Explorerを購入することをWindowsの配布ライセンスの条件としたことを認定した。認定 ¶¶ 158-65。OEMが修正又は削除の許可を要望したにもかからわず、契約はライセンシーにWindowsのいかなる部分も修正又は削除することを禁じた。同 ¶¶ 158, 164。結果として、1つの短期間の例外だけを除き、OEMは一般にInternet ExplorerのないWindows 95のブラウザなしバージョンの消費者需要を満たすことを許可されなかった。同 ¶¶ 158, 202。同様に、OEMがデスクトップからInternet Explorerアイコンの削除を控えることに合意しない限り、MicrosoftはWindows 98をOEMにライセンスすることを拒否した。同 ¶ 213。また、追加/削除機能プログラムのリストにInternet Explorerを含めることを中止するMicrosoftの決定によって、及び、デフォルトとして他のブラウザの選択を尊重しないMicrosoft決定によって、消費者はWindows 98と一緒にInternet Explorerの購入を事実上強制された。同 ¶¶ 170-72。

 MicrosoftがInternet Explorerの価格を表面上ゼロにしたという事実は消費者がWindowsと一緒にブラウザを買うことを強制されたという結論を損なわない。Internet Explorer技術はWindows 98に対してOEMが支払った一つのロイヤリティ価格に含まれているから、「購入」されていないというMicrosoftの主張にもかかわらず、Microsoft's Proposed Conclusions of Law at 12-13参照、消費者を含むライセンシーがソフトウエアの全体のパッケージを買うこと、支払うことを強制されたこと、及び、Internet Explorerに起因するあらゆる価値がこの1つの価格の中に組み込まれていることは明らかである。United States v. Microsoft Corp., Nos. CIV. A. 98-1232, 98-1233, 1998 WL 614485, *12 (D.D.C., Sept. 14, 1998)参照; IIIA Philip E. Areeda & Herbert Hovenkamp, Antitrust Law ¶ 760b6, at 51 (1996)(「ある機械が『無料』サービスをカバーする1つの価格で販売又はリースされたときのような、古典的な形又はよりとらえがたいものにおいて、抱き合わせは明白であり得る。」) さらに、最高裁の「強制」の調査の目的は、競争志望者がビジネスを行うコスト又は困難性を法外に高くし、それにより、相対的な長所で競争製品を評価する機会を消費者から奪っている製品のバンドルを摘発することである。Microsoftが提案するように、抱かれた製品のせいで価格が上昇することに基づいて会社を罰するためだけではない。Fortner, 394 U.S. at 512-14 (1969); Jefferson Parish, 466 U.S. at 12-13。

 Windows及びInternet Explorerは技術的な抱き合わせに関する責任の認定において「別個の製品」であるとする決定的な要件に関して、本裁判所の認定はそのような結論を命じている。2つの製品の「機能の関係」ではなく「需要の性質」を考慮すると、同 at 19、ウエブブラウザ及びオペレーティングシステムは「買い手の目から見て区別できるもの」である。同; 認定 ¶¶ 149-54。消費者が、どのブラウザがオペレーティングシステム上にあるべきかを選択するとき、オペレーティングシステム自体によって提供される機能とは離れて、特定のブラウザの特有の機能又は特徴に対する個々の要求に基づくことが多い。同 ¶¶ 149-51。さらに、他の、より小さなソフトウエア・ベンダーの行動からオペレーティングシステムとブラウザを別々に提供したほうが確かに効率的であるとことが確認できる。同 ¶ 153。Microsoftはブラウザなしのオペレーティングシステムのライセンスを拒否する唯一の会社である。同;Berkey Photo, Inc. v. Eastman Kodak Co., 603 F.2d 263, 287 (2d Cir. 1979)参照。Windows及びInternet Explorerのバンドルされた − 「統合された」 − バージョンだけを提供するというMicrosoftの決定は技術的必要性からもビジネスの効率性からも導かれず;むしろ、真に脅威となる割合に達する以前の初期の競争を鎮圧するための故意かつ意図的な選択であったと本裁判所は結論する。

 本裁判所は、伝統的な「別個の製品」テストをコンピュータ・ソフトウエア設計に厳格に適用したことに関係した危険性についてのMicrosoft II のD.C.巡回区の説示の理由を十分に心に留めている。ウエブブラウザのようなソフトウエア・コード、ソフトウエア・アップグレード及び新しいアプリケーションの特徴の事実上無制限な順応性を考えれば、直接のライセンシー又はエンドユーザーによって別個でかつ引き続いて起こるインストールが可能なように構成することは事実上常にできたであろう。厳格な「別個の需要」テストを機械的に適用する裁判所は消費者の福祉と競争的マーケットの立場から良性であるソフトウエアの本物の改良を表す「統合」を先見の明がなく非難して終わることがあり得るだろう。明らかに、これは望ましい結果ではない。同様な懸念がD.C.巡回区だけなく「技術的抱き合わせ」の同様な問題への「別個の製品」テストの厳格な適用に抵抗する他の裁判所の動機となっていた。例えば、以下参照Foremost Pro Color, Inc. v. Eastman Kodak Co., 703 F.2d 534, 542-43 (9th Cir. 1983); Response of Carolina, Inc. v. Leasco Response, Inc., 537 F.2d 1307, 1330 (5th Cir. 1976); Telex Corp. v. IBM Corp., 367 F. Supp. 258, 347 (N.D. Okla. 1973)。
 
 しかし、最高裁がこれらの問題に関して命令的に述べた範囲において、本裁判所は最高裁の指導に従うように拘束されており、ソフトウエア製品の抱き合わせを支配する新しい規則を外挿する自由を有していない。それにもかかわらず、本裁判所は本結論が、本件の特有の事情によって制限されるが、最高裁の現在までの教示と矛盾がないと確信している。[6]
 
B.排他的取引契約

 いくつかのOLS〔オンラインサービス〕、ICP〔インターネット・コンテンツ・プロバイダ〕、ISV〔独立系ソフトウエア・ベンダー〕、Compaq及びAppleとのMicrosoftの様々な契約も「通商を拘束する・・・契約・・・」を禁じる1条の規定に基づく排他的取引契約であるとして原告らは争っている。上記I.A.2で詳述したように、これらのMicrosoftの契約のそれぞれは、他方の契約当事者に対してNavigatorの一部又は全部を排除してInternet Explorerを配布推奨することを要求した。その代わりに、Microsoftは、これらの契約当事者のいくつか又は全てに、販売促進の後援、相当な財政的助成金、技術サポート及びその他の価値ある報酬を提供した。最高裁によって確立された明確な基準に基づき、これらのタイプの「垂直拘束<vertical restrictions>」は理由規則分析に依存する。Continental T.V., Inc. v. GTE Sylvania Inc., 433 U.S. 36, 49 (1977); Jefferson Parish, 466 U.S. at 44-45 (O'Connor, J., concurring); cf. Business Elecs. Corp. v. Sharp Elecs. Corp., 485 U.S. 717, 724-26 (1988)(理由規則分析がサーマン法1条に基づく事件に適用することが推定されると判示している)参照。

 いくつかの排他的取引契約は良性の目的を有することができ、重要な経済的にためになるものを作り出すことができることを認め、Tampa Electric Co. v. Nashville Coal Co., 365 U.S. 320, 333-35 (1961)参照、裁判所は、1条理由規則テストに基づく有罪を、関連するマーケットから競争製造者のブランドを排除する効果を持つ契約だけとする傾向があった。より具体的には、裁判所は、他の会社が関連するマーケットで効果的に競争を続けること又は存在さえすることが困難なほど一つの会社の手中にある利用可能な配布路を多くするように作用する排他的取引契約に関心を持っている。以下参照、U.S. Healthcare Inc. v. Healthsource, Inc., 986 F.2d 589, 595 (1st Cir. 1993); Interface Group, Inc. v. Massachusetts Port Authority, 816 F.2d 9, 11 (1st Cir. 1987) (relying upon III Phillip E. Areeda & Donald F. Turner, Antitrust Law ¶ 732 (1978), Tampa Electric, 365 U.S. at 327-29, and Standard Oil Co. v. United States, 337 U.S. 293 (1949))。

 契約の反競争効果を評価するために、裁判所は以下のものを含む各種の要素を首尾一貫して見る:(1)契約の条件に関係した排他性の程度及び関連する商業経路;(2)契約によって排除されたマーケットのパーセントがライバルが競争から大きく排除されることを相当十分にもたらすかどうか;(3)関連する商業経路における契約の実際の反競争効果;(4)被告によって提供された合法的競争擁護的なビジネスの正当化;(5)契約の期間及び回復不能性;及び(6)同じためになるものを達成するためにより拘束的でない手段の利用可能性。例えば以下参照、Tampa Electric, 365 U.S. at 326-35; Roland Machinery Co. v. Dresser Industries, Inc., 749 F.2d 380, 392-95 (7th Cir. 1984); see also XI Herbert Hovenkamp, Antitrust Law ¶ 1820 (1998)。

 問題の契約が関連する製品の全配布の相当なバーセントを占める販路を完全に排除することに失敗したと裁判所が認定した場合は、責任を命ずるのを一貫して断ってきた。例えば ¶ 1821; U.S. Healthcare, 986 F.2d at 596-97; Roland Mach. Co., 749 F.2d at 394 (排他的取引契約が少なくとも一つの重要な競争者が関連するマーケットにおいてビジネスを行うことを排除されるのを証明する立証責任を原告が満たすのに失敗した場合は、1条に基づく責任は命じられない。)参照。本裁判所が以前に述べたように、Microsoftの契約がNetscapeをブラウザ・マーケットのほぼ40%のアクセスから完全に排除したことを証拠が示さない限り、本裁判所はそのような契約を1条違反と認定することを断るべきであることを判例法が示している。United States v. Microsoft Corp., Nos. CIV. A. 98-1232, 98-1233, 1998 WL 614485, at *19 (D.D.C. Sept. 14, 1998)(1条の責任の認定のための排除率が40%に収斂する傾向のある複数の事件を引用している)参照。

 証拠に示された契約の中で1条理由規則テストに基づく調査に値する程度に「排他的」であるものはMicrosoftがCompaq、AOL及びいくつかの他のOLS、トップクラスのICP、主要なISV及びAppleとサインした契約だけである。事実認定も、検討したOEMのなかで、Navigatorを排除してInternet Explorerを配布奨励するMicrosoftの条件を完全に約束したのはCompaqが唯一であると認定している。PC製品のために排他的にInternet Explorerを推奨する1996年及び1997年の決定に始まって、CompaqはMicrosoftからの相当な財務的報酬と引き替えにNavigatorを配布又はプレインストールすることを事実上完全に中止した。認定 ¶¶ 230-34。また、AOLの1996年3月12日及び10月28日の契約は、全ての実際的な目的のために、Internet ExplorerをAOLのブラウザとして選択し、AOLの最も有力な旗艦オンラインサービスをとおして配布推奨し、その結果、Navigatorを独力で何とかやっていくしかないようにすることを確実にした。同 ¶¶ 287-90, 293-97。契約によって課されたサードパーティのブラウザのためのサーバー出荷割当及び推奨制限に照らして、MicrosoftはまだAOLにNavigatorを僅かな子会社チャネルをとおして提供することを許していたという事実があっても、この結論は無効にはならない。AT&T WorldNet、Prodigy及びCompuServeとMicrosoftの契約に関しても、これらの契約条件が1996年3月のAOLとの契約に含まれるものとほとんど同一であるから、排他的効果に関する同じ結論を導くことができる。同 ¶¶ 305-06。

 また、Microsoftは、Windowsデスクトップ上の価値ある位置及び技術サポートと引き替えに、いくつかの最も人気のあるICP及びISVにウエブコンテンツの中で排他的にInternet Explorer技術を推奨、配布及び利用する約束をするように誘導した。特に、Microsoftが34の最も人気のあるウエブ上のICPと行った「最上段」及び「プラチナ」契約はNavigatorが効果的にこれらの配布路から相当な期間閉め出すことを確実にした。同 ¶¶ 317-22, 325-26, 332。同じ方法で、Microsoftの「第一波」契約はInternet Explorer特有技術に完全に依存してウエブ・アプリケーションを作成することに合意した数ダースの主要なISVに重要な技術情報を供給した。同 ¶¶ 337, 339-40。最後に、AppleのMicrosoftとの1997年技術契約はAppleが非Microsoftブラウザを積極的に推奨すること又はInternet Explorer以外のブラウザをプレインストールすることを禁じた。同 ¶¶ 350-52。この契約はAppleをとおしたNavigatorの配布の全ての意味のある道を閉ざした。同。

 これらの「排他的」配布契約がNavigatorがブラウザ利用シェアを達成する最も効果的なチャネルを阻止した大きさにもかかわらず、本裁判所は、Microsoftの配布者との多数の契約はNavigatorをインストールする機会を提供するために世界中の各PCユーザーにアクセスする能力をNetscapeから最終的に奪わなかったと結論する。Navigatorはインターネットからダウンロードできる。無数の小売りチャネルをとおして利用可能である。無制限の数の世帯に直接郵送することができる(そしてそうしてきた)。いかに精密にそのようなことをどうにかやってきたのかは証拠によって証明されてはいなが、たとえば、1998年だけで、NetscapeはNavigatorを1億6000万コピーを配布することができたのであり、それによりインストールされた基盤が1996年の1500万から1998年12月の3300万へ増加した。同 ¶ 378。証拠はそれ自体これらの契約がNetscapeを世界的なブラウザマーケットの構成部分、関連する商業経路から完全に排除したという認定を支持していない。

 様々な会社とのMicrosoftの契約は1条違反を構成するに十分なだけ関連するマーケットを決して排除しなかったという事実により、本裁判所は同じ契約に対して2条に基づく責任も課さない。上述のとおり、非排他的なものも含めて全てのMicrosoftの契約はブラウザ利用シェアを最も効果的にもたらすこれらの配布チャネルにNetscapeがアクセスすることをひどく制限した。したがって、これらの契約はプラットフォームの脅威としてのNetscapeを無害なもとし、2条違反のMicrosoftのオペレーティングシステム独占を維持させた。しかし、事実上全ての主要な判例は、1条に基づく責任はNetscapeが実際にウエブブラウザ・マーケットから閉め出されたかどうか、又は存続レベル以下に販路を減少させられたかどうか、で定めなければならないとしている。NetscapeがNavigatorの利用者の数を最大とするための最も直接的で効率的な道にアクセスを許されなかったという事実は原告らの1条請求の最終決定には法的に無関係である。

 同様な状況において他の裁判所は、代替配布チャネルが競争者に利用可能である場合は、これらのチャネルが被告によって排除されたチャネルほど効率的でなく信頼できないとしても、責任の認定を断ってきた。例えば、Omega Environmental, Inc. v. Gilbarco, Inc., 127 F.3d 1157 (9th Cir. 1997)事件において、第9巡回区〔控訴裁判所〕は石油調合設備業者が「販売のための関連するマーケットの約38%を排除された」と認定した。それにもかかわらず、その裁判所は、競争者には潜在的な代替流通業者が存在するという理由で、排他的取引に関する被告の責任の認定を拒絶した。同at 1163。これらの選択肢は「既存の流通業者の不十分な代替路」であるという(本件でなされたものに類似した)原告の主張を拒絶して、その裁判所は、「競争者は直接的に販売すること、代替流通業者を開拓すること、又は既存の流通業者のサービスと競争することは自由であり、独禁法は必要ではない。」と判示した。Id.; accord Seagood Trading Corp. v. Jerrico, Inc., 924 F.2d 1555, 1572-73 (11th Cir. 1991)。
 

 III.州法上の争点

 《翻訳省略》














Thomas Penfield Jackson
合衆国地裁裁判官
日付: 2000.04.03



COLUMBIA地区合衆国地方裁判所

原告 アメリカ合衆国UNITED STATES OF AMERICA
被告 MICROSOFT CORPORATION
民事訴訟 No. 98-1232 (TPJ)

原告 ニューヨーク州他
被告 MICROSOFT CORPORATION
民事訴訟 No. 98-1233 (TPJ)

反訴原告 MICROSOFT CORPORATION
反訴被告 ELIOT SPITZERニューヨーク州司法長官他

命   令

 法的結論にしたがい、ここに、本日、2000.4.3登録され、

 命令され、判決され、宣言される、Microsoftはシャーマン法第1条及び第2条に違反した、同様に以下の州法の規定にも違反した:Cal Bus. & Prof. Code §§ 16720, 16726, 17200; Conn. Gen. Stat. §§ 35-26, 35-27, 35-29; D.C. Code §§ 28-4502, 28-4503; Fla. Stat. chs. 501.204(1), 542.18, 542.19; 740 Ill. Comp. Stat. ch. 10/3; Iowa Code §§ 553.4, 553.5; Kan. Stat. §§ 50-101 et seq.; Ky. Rev. Stat. §§ 367.170, 367.175; La. Rev. Stat. §§ 51:122, 51:123, 51:1405; Md. Com. Law II Code Ann. § 11-204; Mass. Gen. Laws ch. 93A, § 2; Mich. Comp. Laws §§ 445.772, 445.773; Minn. Stat. § 325D.52; N.M. Stat. §§ 57-1-1, 57-1-2; N.Y. Gen. Bus. Law § 340; N.C. Gen. Stat. §§ 75-1.1, 75-2.1; Ohio Rev. Code §§ 1331.01, 1331.02; Utah Code § 76-10-914; W.Va. Code §§ 47-18-3, 47-18-4; Wis. Stat. § 133.03(1)-(2);そして

 さらに命令される、民事訴訟No. 98-1232の救済として合衆国のためにその第2、第3、及び第4請求に関して判決が登録される;そして

 さらに命令される、民事訴訟No. 98-1232の救済として第1請求は却下され、無権利とされる;そして

 さらに命令される、民事訴訟No. 98-1233の救済として原告州らのためにその第1、第2、第4、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12,第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第24、第25、及び第26請求に関して判決が登録される;そして

 さらに命令される、民事訴訟No. 98-1233の救済として第5請求は却下され、無権利とされる;そして

 さらに命令される、民事訴訟No. 98-1233の救済としてMicrosoftの第1及び第2請求は却下され、無権利とされる;そして

 さらに命令される、本裁判所は、ここに登録された法的結論にしたがい、訴訟費用の裁定を含む適切な救済に関して命令するものとする、そして、今後の手続きは本裁判所の更なる命令によって決定される。

Thomas Penfield Jackson
合衆国地裁裁判官



  
脚注

1.被告の行為が長所による他の会社との競争を防ぐ欲望によって動機づけられていた事実はその行為が意図的な排他的効果を有していたという認定に貢献することができる。United States v. United States Gypsum Co., 438 U.S. 422, 436 n.13 (1978)(「意図の検討は実際の性質と反競争行為の効果を分離するときに重要な役割を果たすことができる。」)参照。

2.いくつかの裁判所が著作権法に列挙された権利に追加して芸術作品の「完全性<integrity>」を維持する著作権者の権利を認めていることでもMicrosoftは正しいが、それにもかかわらず、本裁判所はこれらの事件は独禁法を含まない侵害訴訟であり現在の本件に適用できないと結論する。WGN Continental Broadcasting Co. v. United Video, Inc., 693 F.2d 622 (7th Cir. 1982); Gilliam v. ABC, Inc., 538 F.2d 14 (2d Cir. 1976)。
 
3.Microsoftは、Windows及びInternet Explorerは一つの「統合製品」であり、関連するマーケットは「ソフトウエア・アプリケーションのためのプラットフォーム」という単位のマーケットであると主張している。Microsoft's Proposed Conclusions of Law at 49 n.28。

4.Microsoftにおいて、Windows 95/IEパッケージが本物の統合であるというD.C.巡回区の結論を変更できたかもしれない完全な事実の記録の助けがないということをD.C.巡回区は認めた。147 F.3d at 952。

5.量に関する証拠のほとんどはそれらが何であれ金額ではなく100万単位の数量で提出された。
 
6.Lawrence Lessig法廷助言者はソフトウエア設計に関して「一部代替品<partial substitutes>」のバンドルに関係した推論概念はこれらの製品が独禁法に従っていることを評価する裁判所を制限する原理として<as a limiting principle for courts >適切であるかもしれないと示唆した。本裁判所は、Microsoftのバンドルの決定による反競争的プロセスを起こした脅威の本当の源が、抱かれた製品の競争者が抱いている製品のマーケットを競争に開放する、まだ十分ではないが、潜在力を持っているという事実から生じていることを指摘するのに苦労した。これらの条件に基づくと、ソフトウエアのバンドルによる反競争被害は典型的な抱き合わせよりもさらに重要でありかつ有害である。X Phillip E. Areeda, Einer Elhauge & Herbert Hovenkamp, Antitrust Law ¶1747 (1996)参照。一部代替品の抱き合わせの受け入れを消費者に強制するために抱いている製品のマーケットにおける大きな力をテコとすることができる会社はそれゆえ一つのマーケットから他のマーケットへ非能率を広めることができ、同at 232、それにより「抱いている製品と競争するかもしれない新しい技術を故意に破壊することができる。」III Phillip E. Areeda & Herbert Hovenkamp, Antitrust Law ¶ 1746.1d at 495 (Supp. 1999)。
 




  
是正措置の予想
2000.04.08  井上雅夫  


 1999.11.05の事実認定に続いて、今回の法的結論で、Microsoftの行為が独禁法違反であると判決されました。今後、Microsoftに対する是正措置の内容について、司法省及びMicrosoftの双方が主張し、その後、Jackson判事が妥当であると考える是正措置を命令することになります。そこで、Jackson判事が命令するであろう是正措置について、現時点での私の予想を書いてみたいと思います。

 まず、第1に、Microsoftの分割は確実であると考えます。分割については、インターネット上でもいろいろな案が提案されています。例えば、OS、アプリケーション、オンラインサービス(MSN)、コンテンツ等に分割する案や、それだけでなく、Windows自体を複数の会社に分割して、競わせる案さえあります。しかし、私が予想する分割はWindowsとそれ以外の2分割です。つまり、「Windows会社」と「その他会社」への2分割です。

 なぜならば、事実認定及び法的結論において認定判断されたのは、「反競争的手段によって〔Windowsの〕独占力を維持し、ウエブブラウザ・マーケットの独占を試みており、どちらも2条違反であると結論する。また、Microsoftはオペレーティングシステムにウエブブラウザを不法に抱き合わせることによってシャーマン法1条に違反した。」というものだからです。この認定判断からは、Windowsとそれ以外の2分割だけしか出てきません。もし、OS、アプリケーション、オンラインサービス、コンテンツ等への分割を判決するのであれば、それに関する事実が争われ、法的判断がなされなければならないのです。したがって、分割は「Windows会社」と「その他会社」の2分割になるのはほぼ確実であると考えます。

 第2に、事実認定及び法的判断において中心となったのはNavigatorとInternet Explorerですから、Internet ExplorerをWindowsから分離する命令がなされ、Windowsは「Windows会社」が開発販売し、Internet Explorerは「その他会社」が開発販売することになると予想します。

 第3に、分割された「Windows会社」と「その他会社」との関係は、「Windows会社」とISV〔独立系ソフトウエア・ベンダー〕との関係と、全く同じにしなければならないと命令されると予想します。つまり、「Windows会社」はAPI〔アプリケーション・プログラミング・インターフェース〕、ベータ版、その他の技術情報等を「その他会社」とISVとで、差別なく提供しなければならないと命令されると予想します。また、Windowsの独占力を利用したあらゆる行為も禁止されると思います。

 しかし、Windowsをオープンソースにすることは命令されないと予想します。なぜならば、オープンソースにするかどうかは独禁法とは何の関係もないことだからです。MicrosoftがWindowsをオープンソースにしたければ、勝手にそうすればいいだけで、裁判所が命令することではないと考えます。オープンソースのOSを使いたい人は例えばLinuxを使えばいいのです。オープンソースは自分でバグの修正を行ったり、自分のシステムに適合するように変更を加えたりできる長所を持っていますが、逆に、プラットフォームの「完全性」は損なわれ、互換性は低下するという短所もあります。このようなことも考慮に入れて、Jackson判事は、マイクロソフトが主張してはいるが実際にはマイクロソフト自身も損なっているWindowsのプラットフォームとしての「完全性」を実際に実現する方法、つまり、「Windows会社」と「その他会社」に分割し、「Windows会社」から「その他会社」を含むあらゆるソフトウエア・ベンダーに対して、同じAPI等を提供させることを考えていると思います。このようにすれば、Windowsの「完全性」が今よりも遙かに高くなることが期待できるからです。

 以上のような是正措置が判決され実行されれば、互換性がより高くなり、ユーザーを悩ませるバグがより減少して、より使いやすくなるので、世界中のWindowsユーザーにとって、より望ましい状態が実現し、消費者の利益になります。また、Windows上のアプリケーションを開発する「その他会社」を含むソフトウエア・ベンダーにとっても、「完全性」の高いプラットフォーム上で、アプリケーションを開発し、それぞれのソフトの長所に基づいて公正な競争が可能となるので、反対する理由はないはずです。さらに、Microsoftに略奪的行為を止めさせるだけで、Microsoftを必要以上に傷つけるものではないので、アメリカの国益にも合致し、株式市場にも大きな負のインパクトを与えることは少ないと考えられます。

 Jackson判事は2000.05.24に是正措置についての口頭弁論を開くことを命令しているので、その後、比較的早く、たぶん6月中には、判決するのではないかと予想します。そして、事実認定の時と同じように、株式市場の混乱をさけるために、ある金曜日の夕方遅くに、判決するのではないかと思います。
 


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