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亀の妖力を吸いこんだ紅玉は脈動が強くなっていた。早く紅玉の発動を停止させないと大変なことになる。紅玉はじきに涼音の精気を吸い始め、おそらくあっという間に吸い尽くすだろう。
胎内で脈動するそれに性感を刺激され、涼音は豊かな乳房を揉みしだきながら悶えている。
「うはぁあ さあ、慎吾はん、来ておくれやす。 ん、あはぁ…くぅう……」
悶える涼音の眼前に男のモノが突き付けられた。まだ精を放っていない慎吾だ。その太棒を咥えてしゃぶる涼音。
「おおっ 涼音さまぁ……も、もう…」
涼音の淫らに悶える姿を目の当たりにしていた男は既に寸前まで高まっていた。
「んん、そうどすか。ほな、逝ってもらいまひょ」
再度深く喉奥まで吸いこんだところで男が放った。
「うおおっっ!!」
ドピュッ ドピュッ ……
「ん、ん、んーー」
涼音も腰を震わせながら受けた『気』を紅玉に導いた。「停止」の念を込めた『気』をスイッチとして紅玉の脈動が収まっていく。
「ん…はぁあ……お疲れどした。皆もお疲れどしたなぁ」
最後ということでしなびた男を舌で清めてから離すと、男たちにねぎらいの言葉を言う涼音。しかし、涼音にはもう一仕事が待っていた。
「もう動けまへん。ちょっと手伝っておくれやす」
男たちに両足を抱きかかえられて、涼音の身体が持ち上がる。ずるりと力を失っている清守のモノが抜け出たが、もうそれは普通の男性のモノに戻っていた。
涼音を床に下ろしたところで、涼音は男たちに引き上げるよう命じた。紅玉を胎内から取り出すところは他人に見せたくなかった。
涼音は出産の時のように仰向けの格好で腰を突き出した。
「んっ、ううう…」
涼音がいきむと、少しずつ紅玉が下ってきた。ぽっかりと口を開けたままの膣口から愛液と破瓜の血が混じった液体がこぼれ落ちていく。
「ううん…くぅっ…んーー」
再び傷を擦られる痛みに涙があふれた。苦鳴をぐっと堪えて下腹に力を入れる。と、広げた股間の中央に紅いものが顔を出した。さらにもう一度いきむと、膣口を目いっぱい広げながらつぷっと紅玉が飛び出した。
「くはぁあ……はあ、はあ……これがウチの紅玉どすか…」
妖力を封じこめた深紅の玉は最初に挿入した白い玉より、倍は大きくなっていた。
「ふうう…ふうう…」
涼音は『気』を傷ついた膣内に集中させた。自然治癒力を最大に活性化させる術だ。数分で傷つけられた処女膜の傷が癒えた。ただ残念なことに処女膜を復活することはできない。あくまで傷が癒えるだけだ。
疲労した周囲の筋肉も復活し、陰裂のたたずまいも普段の状態に戻った。ただ、今もなお情欲の炎が涼音の全身にくすぶっていた。水を被って精神統一でもしないと納まりそうもない。
「……紅玉をお使いになったのですか?涼音様」
「清守はん! 気付きはったか。よかったわー」
「どうして紅玉なぞ…」
「普通の封呪ではあかんかったのどす。素子の訓練相手など持っての他の強い妖怪どした」
「そのようですね。不覚にも妖怪に身体を乗っ取られるなど。某も修行不足でした。ですが、なにも紅玉でなくても!」
「ウチはなぁ、絶対清守はんを無事に助けると誓うたのどす。そのためやったら、処女の一つや二つ…」
清守を見つめて頬を染める涼音。その眼差しを受け止めた清守は
「涼音様…そのお気持ち、某、嬉しく思います」
そう言った清守は起き上がって涼音に近づくと、唇を重ねた。
「ん…」
涼音は1度身体を震わせると、目を閉じた。清守は涼音の口の中の精液を舐め取ってから口を離した。
「お礼と言っては何ですが、せめてお清め申す」
清守は血まみれの股間に顔を寄せ、周囲に舌を這わせた。
「はぁあ…清守殿、汚いどす。や、やめ」
清守は周囲の血を舐め取ると、花弁を左右に広げ、内側を舐め清めた。舌を挿し入れ、胎内をねぶる。
「くふぅ…あ、そこは! はぁああ ああっ」
涼音は清守に足を左右に広げられても抵抗することなく愛撫を受けていた。しかし、口惜しいので身体をずらして清守の股間に手を伸ばした。
「あ、涼音様!」
「ウチも清めてあげますえ」
清守はうなづき、体勢を変えてシックスナインの体位になった。
涼音は清守の股間に唾液をたっぷりと垂らし、妖怪亀の残滓を拭い去った。どくどくと屹立していくペニスに見惚れる。が、
「あ、いややわ」
「どうしました? おおっ!」
清守のペニスは勃起すると先ほどの亀と同じ大きさの巨根になっていた。妖気が感じられないから封印は完璧だったが、作りかえられた肉体はそのまま残ってしまったようだ。
「こ、これは……」
「亀はんの置き土産どすなぁ。またエライもん残しはりましたわ」
言うなり涼音はその先端に口付けして、くぷっと飲みこんだ。
「ん、ん、むぐっ ぷはぁ」
どうがんばっても亀頭を飲みこむのがやっとの大きさに、涼音は竿を舐めることに切り替えた。
清守も負けじと大きく左右に広げた花弁全体を舐め回し、クリトリスを吸い上げた。
「むふぅ……んーんふー」
先ほどの術の名残で性感が高まっている涼音はすぐに音を上げてしまった。ペニスを離し、起きあがると、清守に訴える。
「清守はん!ウチはもう辛抱できまへん。お願いどす。ウチを突いておくれやす」
「涼音様…」
清守は涼音に覆い被さると、膣口を亀頭で探りあて、ずいっと挿入する。すっかりほぐれたままの柔肉は極太の亀頭を易々と飲みこんだ。
「はああっ、太いぃ んはぁああ!」
既に破瓜の傷の癒えた涼音は堪らない快感に打ち震えている。手加減無用と知った清守は一気にずぷっと押しこみ、最奥を突き上げた。
「あ、はぁああ! いくうぅっっ」
一突きで達した涼音が全身を痙攣させながら悶えた。清守は奥まで入れた状態で動かさず、己を締めつけ絡み付いてくる柔肉を堪能している。喘ぐ涼音の唇を舐め、舌を絡めた。涼音も答えて舌を絡め合わせ、下から清守を抱きしめた。
涼音が落ちついたようなので清守は腰を動かしはじめた。しかしストロークではなく、奥まで入れたまま腰を回転させる。絡み付いてくる肉を味わいながら胎内を掻きまわす。
「んーんふー はぁあん」
涼音はそれだけで軽く達していた。内部がキュッキュッと清守を締めつける。もうどうされてもイってしまうようだ。
清守は体位を変えて涼音の片足を抱えて肩にかついだ。より深く繋がる体位で、今度は長いストロークで入口から膣奥までをエラの張った亀頭で擦り上げた。
「ふぁああっ 深いいっ! はああ」
一突きごとにきつく清守を締めつけ、肉がひくつきながら絡み付いてくる。清守も限界まで高まってきた。
「くぅっうっ涼音様っ某も、もうっ」
「き、清守はんっ なかっ、胎内に!」
「くぅ!い、いきますぞ! お、おおお
!!」
清守は最奥を突き上げながら欲望を解き放った。熱い精液が膣奥にあふれる。
「あ、ああっ 熱い! 中で、なかでぇ
!! いいっ いくぅうっ !!!」
胎内に熱い迸りを感じながら涼音も頭が真っ白になるほどの高みに突き上げられていた。
…………
「う、うーん…あ、清守はん…」
「涼音様、大丈夫ですか?」
「ええ、もう大丈夫。…それより……元気どすな、清守はんは」
涼音は自分の下腹をなでる。その胎内には萎えることなく固さを保つペニスがはまったままだった。
それはどきんどきんと鼓動に合わせて脈動していた。
「あははは、涼音様の中があまりに気持ちよいもので」
「また、そないなこと」
照れた涼音は頬を染めながら上体を起こした。
「んふふ。はぁ……奥で、清守殿を感じますえ」
軽く腰を揺らして子宮口を擦る亀頭の感触にゾクゾクと身体を震わせる。清守も敏感な亀頭が擦られてびくりとペニスを跳ねさせる。
「ふふ……このまま、もう一度よろしいおすな」
「仰せのままに……」
再び2人は唇を重ね舌を絡ませた。
「姉上…」
自分たちの世界に没入していた2人は気付かなかったのだが、果てた後、また口付けする2人を素子が覗いていた。
温泉で失神した素子は温泉の女性用脱衣所に寝かされていたのだが、妖怪亀が封印され、妖気の呪縛から回復した素子は人の気配のある神社に向い、とんでもないシーンに遭遇してしまった。
「……」
踵を返して逃げるように宿に戻り、布団に潜りこんだ。
布団の中で今日一日の出来事が走馬灯のように蘇ってくる。
『巨大な妖怪亀に襲われ、おちんちんが妖怪亀になってた清守さまに襲われ、キスされた。舌が口の中を舐めまわしてた。身体が熱くなってきて、股間を妖怪亀に舐められ、お腹の中にまで舌が入ってきたのに、気持ち悪いのに気持ちよくって、どんどん熱くなってきて……。
妖怪亀はどうなったの?もう妖気は感じられない。姉上が封じたの?
それに……姉上は清守さまが裸で抱き合って、キスしてた。なぜ?』
修行に明け暮れ男女のことに興味のなかった素子にとって、今日の出来事はあまりにショックが大きかった。
「姉上……清守殿と……男なんかと……」
心身ともに疲れ切っていた素子は涙をこぼしながら眠りについた。
これ以降、素子はカメが苦手になり、男を、そして男女のことを毛嫌いするようになってしまった。
さらに姉が清守と結婚するに至り、男に姉を取られたと思いこんで男性不信に陥った素子は、家を飛び出し放浪の末、ひなた荘に転がり込んだのだった。
青山素子 12歳の春の不幸な出来事だった。
−終−
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