レルム(侵略された地域)・ガイドマップ

各レルムの特徴、その世界独自のギミックを紹介するページです。
ポシビリティ戦争における地球上には、侵略者達によって多くの異なった価値観が持ち込まれたため、地域ごとに価値観が異なります。
ここでは、世界各地のレルム(侵略地)の解説をしてみましょう。
各レルムは、解説(その侵略地の概略)、侵略者(ハイロードとその軍勢)、ギミック(その世界における特殊な技術や能力)、といった項目で紹介します。

お好きなレルムを選んで下さい。

以下は、未訳のレルムです。

コアアース(本来の地球)

解説
コアアースは、我々にとって最もなじみが深く、理解しやすい世界です。科学面では十分に発展し、社会構造的にも成熟してきています。しかしその反面、非科学的な物事(魔法とか信仰の奇跡というようなもの)については、認識が高くありません。
コアアースの人達は、進んだ技術に基づく機械や兵器を使いますが、この戦争では必ずしも効果を上げていません。しかし、コアアースの人達の持つ、自由と解放への希望と、頑固さ(というかプライドの高さ)は、この戦争における根幹であり切り札になるはずです。
侵略者
コアアースは、厳密には侵略地ではありません。ですから侵略者はいないはずです。
ギミック
(技術)近代的な銃器(サブマシンガンやオートライフルなど)を主体とした比較的強力な武器が存在します。
(社会)満ち溢れたポシビリティ(可能性)の力により、いわゆる天才が生まれやすい傾向にあるようです。
(魔法・信仰)これらは不確実であり、しかも大した効果も期待できません。
(その他)特殊な戦闘技術である武道や、いわゆる超能力が存在しますが、ごく限られた人間だけのものです。

アイル(ブリテン島、北欧)

解説
アイルは中世ファンタジー世界であり、名誉と不正の神々が対立しています。魔法と信仰は良く発達しており、代わりに科学技術は進歩が遅れています。いわゆる君主制社会となっています。
アイルには、人間以外にも多数の知的種族が存在します。エルフドワーフ巨人といった、おなじみの種族の他にも、半人と呼ばれる獣人(半人半獣の種族の総称。ケンタウルスやハーピー等)も存在します。
アイルの人々は生まれながらにして魔法の素質を持っていますが、有効に活用するには魔法学院などで学ぶ必要があります。魔法を学んだ者(魔法使い)は重宝がられ、尊敬を受けます。
侵略者
ハイロードのユーソリオンは、邪悪な魔法使いです。女王アーディネイの身体を乗っ取り、軍を地球へと進めましたが、その過程におきた事件により、現在は別の身体に精神を宿しています。今は闇の軍勢をまとめて、ダークネスデバイスを取り戻す機会を伺っているのです。
ギミック
(技術)ごく初期の銃が存在しますが、今はまだ剣と鎧が主力武器です。
(社会)すべての知的生物は、生まれながらに最低限の魔法の素質を持って生まれてきます。
(魔法)研究され体系化された魔法が存在し、実生活にも結構利用されています。効果も、充分期待に足るものです。
(信仰)神への祈りにより、奇跡は比較的簡単に具現化します。その効果もかなりのものです。
(その他)ドラゴンや精霊、悪魔や幻獣が実在します。これらには注意を要します。

オーロシュ(東南アジア)

解説
恐怖の闇に閉ざされた東南アジア。そこでは、夜な夜な恐るべき怪物が闊歩しているのです。そして、奴等は人々が恐怖に脅える様子を楽しんでいます。ストームナイトの強い意志ですら、その恐怖に抗うことはできません。人の精神は弱く脆いものなのです..。
オーロシュは、ゴシックホラー(B級映画のように生理的嫌悪感を与える恐怖ではなく、姿を見せず忍び寄る恐るべき怪物、というものの恐怖を描くホラー)の世界です。そこでの最大の敵は、怪物そのものではありません。怪物によって引き起こされる恐怖に囚われてなすすべもない自分自身の心です。
オーロシュでは、無意味な殺戮や不必要な犯罪によって、魂が汚れます(堕落するといいます)。堕落は、容貌にも現れ、いずれは身も心も本物の怪物へと変化してしまうのです。
侵略者
ハイロードのゴーントマンは、多くの怪物を連れて地球を侵略しています。怪物達は一個体が非常に強力であり、それぞれに恐怖を振りまいています。そのため、軍隊のようなものは編成していません。
また、ゴーントマンはヴィクトリア人と呼ばれる人々が地球にやってくるように仕向けました。彼らは、植民地時代の英国人に輪をかけた白人(というよりヴィクトリアン)至上主義者です。彼らの手により、東南アジアの現地人(有色人種)達は、教育を受けています。もちろん、ヴィクトリア人は「よかれと思って」「彼らのことを考えて」それを行っているのです。これが、ゴーントマンによる「皮肉に満ちた侵略の一手」です。
しかし、そのゴーントマンも、現在は姿を隠しています。理由は分かりませんが、現在は副官の一人であるテクノデーモン(サーコルド参照)のスラッチェンが指揮をとっているようです。
ギミック
(技術)銃器が信頼できるレベルに到達しています。軍の主力武器は、兵のライフルと銃剣、そして臼砲です。
(社会)ヴィクトリア王朝期のイギリスに良く似ています。
(魔法)一般にその存在は信じられていません。しかし、一部の秘密結社や魔導書でオカルトという儀式魔法の技術を学ぶものもいます。オカルトは複雑で準備に時間がかかるものの、時にはアイルの魔法以上に強力な効果を持ちます。しかし、効果が普遍的ではなく、特定の対象にのみ影響を与えます。しかもオカルトの使用は、堕落への近道となり易いので、注意が必要です。
(信仰)旧約聖書の神に似た存在を信仰するセスラム教が存在し、これがヴィクトリアの国教となっています。強力な(どちらかというと攻撃的な)信仰の奇跡を使うこともできます。
(その他)言うまでもありませんが、最大の脅威は自分自身の心の弱さです。

サイバー教皇領(フランス)

解説
中世宗教暗黒時代のカトリック教会をモチーフにした、退廃と背徳の世界、フランス。そこでは、偉大なる教皇、ジャン・マルローI世が神の教えを説いている。「人の魂は、肉体という器に入っているために汚れてしまう。この肉の罪を捨て去り、神より与えられし代わりの身体、すなわちサイバーウェア(下記ギミック参照)によって置き換えるのだ。そして、神の御声が聞こえるゴッドネット(下記ギミック参照)で魂を浄化することで、人は救われるのだ..」
現在のフランスは、パリを除いてほぼ全域を教会(ゲーム上ではサイバー教会と呼ぶ)が支配しています。人々は、フランスを襲った数々の惨事(エイズの流行や原子力発電所の事故など)から、人々を守り救ってくれる教会の奇跡にすがっています。そして、外界との間に嵐の壁が発生し、フランスは外界から孤立しました。教会の伝道師達は、民衆に語りかけます。「世界の各地は、偽の教皇の支配下におちてしまった。ジャン・マルロー教皇の功徳で、フランスだけが偽教皇の支配を防いでいるのです。」と。
しかし、これらの事故は、すべて教会のエージェントが仕組んだことです。嵐の壁もハイロードの仕組んだことですし、外界が支配を受けているというのは全くの嘘偽りです。こうやって人心を掌握した教会は、あっという間にフランスを席巻しました。
教会は、異端・異教、そして魔法使いを極端に嫌い、異端審問によって多くの者に死を与えました。そして、民衆には密告を最良のことと説きました。疑わしきは罰せよを実践しているのです。
侵略者
ハイロードのジャン・マルローI世は、本来技術的に進歩のない中世時代からやってきたのですが、その過程での事件により、一夜にしてフランスの技術水準は跳ね上がりました。それ以来、教義を都合の良いように変え、民衆の信仰心を勝ち取ったのです。
現在は、フランス内のレジスタンス活動(フランス革命以来の伝統ですね)に対処しています。レジスタンスの拠点はパリ(パリは、いまだにコアアースの価値観が通用します)です。
ギミック
(技術)サイバーウェア(義手や義眼のように、身体の一部を置き換えるための機械。科学技術の進歩により、本来の身体以上の力や能力を発揮したり、本来は人間にはない能力を与えたりする。しかし、機械と肉体の接続がまだ不確実であり、時に精神障害を引き起こす。)が実用化され、個人の肉体能力は格段に高くなっています。また兵器面でも、エネルギー兵器やパワーウェポン(通常の接近戦武器を、振動やエネルギーフィールドで強化したもの)など、強力さでは群を抜きます。
(社会)密告、審問が当たり前であり、よそ者はなかなか信用されません。魔法使いや、サイバー教会以外の信徒は、教会にとっては敵と見られます。また、ゴッドネットと呼ばれる電脳空間(今のインターネットの延長上にある、仮想現実空間)の中では、買い物などの日常生活はもちろん、ミサなども行われています。
(魔法)魔法は比較的安定して使用できる水準ですが、教会の「魔術は悪魔の力を借りた異端な行いである」という教えが作用して、魔法が使いづらくなり、時には使用者に悪魔が取り憑きます。しかし、危険を冒してまで使用した魔法は、効果が高くなるという逆の側面も存在します。
(信仰)サイバー教会は唯一絶対の教義であり、その他の宗教の祈りは届きにくくなっています。
(その他)教会関係者の武器は、信仰の奇跡とハイテクノロジーなサイバーウェアや兵器ですが、それにもまして恐ろしいのは、連中の狂信者張りの信仰心です。

ナイル帝国(アフリカ・中近東)

解説
ナイル帝国は、アメコミ風ヒーローと古代エジプトの神秘的な力が共存する世界であり、正義の味方と悪人が常に戦いを繰り広げています。アクションあり、友情あり、熱血あり、ロマンスあり..。これ以上説明が要らないくらい、お約束な熱いレルムです。
ナイル帝国では、善人と悪人しかおらず、しかもその行動は極端です。不必要に大きな声と、暑苦しい雰囲気、そして熱いハートを持ったナイル・ヒーロー達は、他のレルムのキャラクターにとってはうっとうしいと感じることもあるでしょう。しかし、彼らほど純粋かつ正直に「正義」を求め、実践できるものはいません(その代わり、演じるプレイヤーはかなり恥ずかしいかも)。日本のヒーローものよりは、むしろアメコミヒーローの雰囲気に近いでしょう(バットマンとか。あ、日本で言うと、ストライク男とかかな?)。
侵略者
ハイロードはDr.メビウスという悪の天才科学者です。彼は、「エジプト神聖帝国の復活」を旗印に、今までに9つの世界を征服し滅亡させてきました。ここ地球でも、瞬く間に版図を広げ、砂漠を含む広大な土地を支配しています。
メビウスの下には、数名の腹心と10人の総督がいます。総督達は、帝国内の自分の管轄区域を支配しています。帝国内外の各種任務を与えられた個性的な総督達が、ストームナイト達の当面の敵となるでしょう。
ギミック
(技術)技術的には、第二次大戦直前程度の水準ですが、マッドサイエンスと呼ばれる「理論と過程をすっ飛ばした」科学によって、信じられない高度な発明がなされ、武器や道具として使われています。しかしこれらの発明品は、信じられないほど不安定です。マンガなどでよくある「自爆」などはお約束です。
(社会)人は全て善人と悪人のどちらかになり、行動も極端になります。ヒーロー達の活躍は「パルプコミック」(漫画雑誌)で人々に伝えられています。
(魔法)エジプトの神々の力を星に置き換え、星の並びから力を引き出す数学魔法が存在します。
(信仰)エジプト神への信仰が奨励されています。儀式を必要とするものの、奇跡は強力です。
(その他)コミックパワー(ヒーローものにあるような各種の特殊能力)をもつ者が善人にも悪人にも存在します。また、ナイル拳法という派手な戦闘技術が存在します。

ニッポンテック(日本・朝鮮半島・中国の一部・アメリカ西海岸)

解説
企業の利益を再優先にし、物質的に発展してきた世界マーケットプレイス。そこは、3つの巨大財閥(メガコーポレーション)による経済戦争の世界であり、陰謀、暗殺、裏切りといった行為がごく普通に起きています。
その財閥の一つである阿山工業は、最新技術に基づく新市場を他の財閥にも提供しました。阿山へのリース料を払ってもまだ莫大な利益が得られる新市場の登場は、マーケットプレイス上での経営拡大に行き詰まっていた各財閥には大変な好機でした。それぞれの財閥から派遣された社員は、新市場へと旅立っていきました..。
阿山工業のCEO(代表取締役)であるNo.3327(マーケットプレイスでは、国民番号登録制度が機能しています)は、こうして経済的な侵略を行いました。経済的侵略に伴って侵略地を増やすことで、新市場(すなわち侵略先の世界)のポシビリティエネルギーをも搾取したのです。
こうしていくつかの世界を完全に食い尽くしたハイロードは、新たなる市場として、ポシビリティ戦争に巻き込まれている地球を候補にあげました。そして綿密な調査と分析によって「地球への侵略は十分に利潤あり」と判断したのです。
侵略者
ハイロードのNo.3327は、日本では金輪龍一という名で金輪産業のCEO(代表取締役)として、秘密裏に日本の経済界を牛耳っています。彼は、他のハイロードとは異なる価値観を有します。第一に金儲けのためにハイロードとしての力を行使します。侵略は軍事的ではなく経済的に行います。それこそが、彼の最も得意とする方法であり、マーケットプレイスのやり方なのです。また、3327には5人のクローンがいるという噂があります。
3327の基本戦略は、侵略の事実を悟られないことです。コアアースとニッポンテックの価値観が非常に似ているので、今のところばれずにうまく行っています。
他の戦略としては、経済的利潤を伴うレルムの拡大と、他のハイロードの侵略の阻害があります。後者の目的のため、地球側の国家に武器を提供したり、ストームナイト達をうまく誘導して、他のハイロードの侵略計画を間接的に阻止しているのです。
ギミック
(技術)技術的には、コアアースより少し進歩しています。この進んだ技術で、技術水準の低い製品(旧式の戦車や銃など)を安く大量生産しては、他のハイロードに対抗する勢力に提供しています。
(社会)陰謀や裏切りが多発する世界であり、大人数の集団には必ず裏切り者が存在します。そのため、小規模な部隊以外では内部崩壊を起こしてしまいますから、大規模な軍勢などは何の役にも立ちません。
(魔法)魔法というものに興味や理解を示すものはほとんどいません。
(信仰)パラン教という神道に似た宗派がマーケットプレイスでの弾圧から亡命してきています。しかし、信仰の力を身につけるには、厳しい修行が必要なようです。それ以外にも、ミュータント(公害による突然変異者)を中心とした、「人造の神」を祭る宗教が興っています。
(その他)忍術という暗殺や隠密行動に特化した武道の使い手が多数存在します。しかし、ニッポンテック側の侵略者は、どちらかというと陰謀のために武力を利用する事を得意としています。

リビングランド(アメリカ東部と西海岸・カナダ北西部)

解説
ラナーラという五感を持たない女神が唯一の神である世界、タクタ・カー(「生ける地」を意味する。リビングランドと呼ばれるのはこのため)。そこでは多くのエディーノス(トカゲのような二足歩行の種族)達が、ラナーラの目や耳など五感の代わりをすべく、あらゆる感情と感覚を味わうことが宗教的な教えとされています。ケタ・カルズと呼ばれるこの宗教の信者は、より激しい感覚(苦痛や快楽)や感情を求めて、狩りや戦いにおいて不必要な殺戮や残虐な振舞いをしています。
彼らエディーノスは、長であるバラク・カーに率いられて、幾多の世界を滅亡に追いやってきました。そして、ゴーントマンの誘いに乗って、膨大なポシビリティを有する地球へと侵略をはじめたのです。
侵略によって、多くのエディーノスや恐竜達とともにもたらされたのは、鬱蒼と茂るジャングルと、方向感覚を狂わせ、生物以外をすぐに腐敗させてしまう深い霧でした。原始的な侵略者が持ち込んだ価値観は、軍隊の兵器(銃や戦車、航空機など)を封じてしまい、さらに高等な戦術・戦略すらも封じてしまいました。肉体的に頑丈なトカゲ人どもは、やすやすと侵略に成功したのです。
ケタ・カルズの教えを受け入れないものは生け贄に捧げられたり、狩りの対象になりました。一方で、教えを受け入れたものには、分け隔てない扱いをしています。アメリカ人の一部は、彼らエディーノスを「国家の敵」と見ています。
侵略者
ハイロードのバラク・カーは、ラナーラの恋人を自称する強力なエディーノスです。数百年で貯えた力は、ゴーントマンに優るとも劣りません。
本来は宗教的禁忌である死せるもの(生物ではないもの)をエディーノス達に使わせて、侵略を成功させようとしています。近代的な機関銃などを使う殺戮は、殴り殺すより手早く、効率的です。しかし、得られる感情や感覚は弱くなるので、その考えに疑問を持ち、離反するエディーノスの部族も少なくありません。
ギミック
(技術)技術的には石器時代のレベルです。それというのも、ケタ・カルズの教えでは、死せるものの使用を禁忌としているからです。信者達はフロクトの樹に奇跡を施し、生きたままで槍や棍棒にして使っているのです。
(社会)社会的には全く発展しておらず、大規模な軍隊を効率的に運用するのは不可能です。また、高度な社会的理念や知識(時間、国家、貨幣など)が理解されない世界です。
(魔法)魔法というものは全く存在しません。
(信仰)ケタ・カルズ以外の宗教は存在しません。代わりに、ケタ・カルズの奇跡は、た易く使うことができ、しかも強力です。
(その他)エディーノスの他にも、スタレンジャー(空飛ぶ巨大ヒトデ)等の知的種族がいます。野生の恐竜達も強力な存在です。また、深い霧があるために、リビングランドでの旅は困難を極めるでしょう。

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