【トーグ】 世界を記述する

なにやら意味不明な表題だな(笑)

トーグの舞台となる地球には、多くのパラレルワールド(平行世界)から侵略者がやってきており、多くの世界観が混在している。トーグの秀逸なポイントのひとつに、世界観の違いをわりと明確に記述できるルールを備え、それを踏まえて世界観の違いをゲーム的に楽しむことができる構成になっている、というのがある。 トーグのルール上で世界観・価値観(ゲーム内ではリアリティという用語を使う)を記述するための要素として、アクシオム世界法則がある。
アクシオムとは、その世界のリアリティにおいて、特定のカテゴリがどれだけ発展・発達し、認識され、理解・利用されるかを示す指標である。このカテゴリは4つあり、魔法、社会、信仰、技術である。 4種類のアクシオムは、それぞれ0〜33の数字で表される。数字が高い程、そのカテゴリは高度に発達しており、低ければ理解は進んでいないことを意味する。
もう一つの要素である世界法則は、そのリアリティの特性を明文化し、ゲームルールを上書き修正するものである。世界法則は、その世界を象徴するような行動にボーナスを与え、その世界では抑圧された行動にペナルティを与えるものがほとんどである。
つまりトーグにおいては、アクシオム世界法則を示せば、そのリアリティの特徴はほとんど言い表せるのである。

上記を踏まえた上で、私の習慣を紹介する。
その習慣とは、「何らかのフィクションもの(私の場合はゲームやコミックが多いが)が架空の世界観を持つ場合、それをトーグのルール上で再現するのを試みる」、すなわち世界をトーグのルールで記述するというものである。要は、「特定のキャラクターをトーグのルールで表現する」というのと大差はない。表現する対象が、キャラクターではなくその世界観になっただけの話である。
その世界観を表現する大雑把なアクシオムを見極め、世界を特徴づける事柄を抽出してどのような世界法則を設置すべきか検討するのである。興に乗ってくると、世界の成り立ちと現状、社会構成の把握など、一歩踏み込んだ検討を始める場合もある。図に乗ってくると(笑)、その世界にハイロードトーグにおけるシンボル的な悪漢であり、侵略戦争を引き起こした当事者)足り得る人物はいるか、いるとすればダークネスデバイスハイロードが用いる、邪悪な自我を持った強力な祭器)は何か、その世界に存在するテクノロジーや超常能力をトーグ的に表現するならどうすべきか、といった面を考察し始めるのである。
この行為は、世界観の解釈をトーグのルールになぞらえているだけなのだが、それでもその作品の世界観を深く理解する一助になり(ある程度世界観を理解しなければ、それをトーグ的に記述するのは困難だろう)、さらにトーグ的なルール感覚・バランス感覚を磨くことができるので、一石二鳥になると勝手に自負している。もちろん、明文化などせず無意識のうちに頭の中で置き換えたりしてる程度ではあるけれども、個人的には「頭の体操」として手軽に楽しめている。
逆に言えば、「トーグのルールで記述したい」「やりがいがありそうだ」と思わせる世界観にめぐり合わせた時など、歓喜にむせぶこともある(まて)。最近では、サモンナイト2の世界観などは相当食指をそそられるものがあった。

実際にプレイするだけがトーグではないのである。プレイをしない時でさえ、いつでも思考をトーグ寄りに傾け、思索にふけることで、より一層トーグに対する興味と理解を深めることができる、というのが持論である。ま、そればかりやってるとダメ人間になっていくので、人には強く勧められないが(苦笑)


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