私、彼に隠れて吸っています

先日血液検査をいたしましたが、その結果からニコチン成分の検出など喫煙していることがわかる明らかな結果はでるのでしょうか?

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<まゆみ先生のアドバイス>
 もし、常習喫煙をしているようでしたら、血液中のニコチン関連物質の検出は可能です。それにより明らかに喫煙していることは把握できます。
 今回の血液検査の項目にニコチン関連物質がチェック項目として入っているかは、何とも言えませんが。
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婚約中の彼には内緒で喫煙をしてましたが、彼の転勤のため同行することとなり
そのため彼の会社で私も健康診断をいたしました。同居後は禁煙しようと
決意していた矢先でしたので、その結果が心配になりました。

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<まゆみ先生のアドバイス>
 最近、結婚を前提にしてつきあっている男性に、自分の喫煙習慣を隠している女性が増えているようです。このコーナーにもそういうご相談が、これまでに何通も寄せられました。また、私の禁煙外来にも最近そういう女性の方が増えています。付き合っている彼に「禁煙している証拠を持ってこい」と言われて受診する人もいます。
 隠れて吸うことを覚えてしまうと、なかなかやめるのは難しくなるようです。あなたのように婚約中から隠れて吸っていて、ご結婚後10年間(お子さんもいるのに)も嘘をつき続けてきた方の夫からの相談もありました。ここまで来ると騙されていた方の怒りもかなりのものですから、どうしても相手を追いつめてしまうようです。本人は決心していないのに、禁煙達成のお祝いのプレゼントを先に渡されてしまったりと、精神的に追いつめられる場合もあるようです。

 私からパートナーの方に是非お願いしたいのは、喫煙する人の気持ちなどを聞いてあげながら、時間をかけてだんだん決心を固めてもらうようにしてあげてください。「もう別れる」「禁煙するまで会わない」と脅してばかりいると、あなたの大事な人を追いつめてしまい、一番始末の悪い「隠れ吸い」に走らせてしまいますから。このような喫煙者には生い立ちに問題があったり、現状の生活への不満があったりなど、心の問題を抱えている人も多く、そういうことの収拾がつかないと禁煙できない場合も多いのです。喫煙という表面的な行動の奥には隠れた原因がある場合がありますので、慎重に行動してください。

 なかには、隠れて吸っていたことがばれて、「俺かタバコかどっちを取るんだ」ということになった人もいます。夫は嘘をつかれ続けてきたことに対する不信感が強く、本人に禁煙の意志が本当にあるかどうかの証拠を求めます。そしてお二人の話し合いがなされないまま禁煙外来に送り込まれてきます。もちろんご本人が予約を取ることが多いのですが、かといってご本人は「なにがあっても絶対に禁煙したい」とは考えていないことが多いのです。

 これはタバコをやめるという決心をしたのではなく、ご本人はあまり止める気がないのに、夫の手前、禁煙希望のポーズを取らなければ関係が険悪になる、それを避けるためにせっぱ詰まって来院するのです。こういうかたも、もちろん「できれば禁煙したいんです」とおっしゃいます。漠然と「やめられればいいなあ−−」とは思っておられるのでしょうが、実は禁煙の意志はそれほど強くはなく「やめられればいいんですが、あまり無理してまで、やめなくてもいいわ」というお考えの方が多いのです。「禁煙したくないのに禁煙したい」と言って、はじめから正直でない受診動機で来院しますから、こういう方は禁煙外来に通院しながら隠れ吸いをしたりします。それでも禁煙外来に通うということで夫の信頼を得ている訳なので、禁煙外来から放り出されるのを恐れ、医者にも「吸っていません」とうそを言うことになってしまうのです。

 こういう場合、信頼関係が結べませんから、禁煙指導は非常に難しくなります。

 長く隠れ吸いをしてきた人は、【きちんと禁煙する】ということに対する決意が弱く、要するに「ばれなければいい」と思っている人も多いのでこういうことになるのです。禁煙外来に送り込まれてしまったけれども、この場は禁煙したいというポーズをとり、彼を何とか納得させて、ほとぼりが冷めたらまたばれないように吸えばいいという考えがあるようです。勿論「やめたいです。やめられたらどんなにいいかって思います。」とはおっしゃっていますが、内心やめる気がないことが手に取るようによく分かる方もあります。「ばれなければいい」この悪魔のささやきに負けてしまっては、禁煙を勝ち取ることはできません。

> 自分の弱さに腹が立ち、また毎日神経質に
> その結果におびえている状態です。
> お時間がございましたら簡単にでも
> お答えいただければ幸いです。
> 同居後は禁煙しようと
> 決意していた矢先でしたので、その結果が
> 心配になりました。

 先延ばしをする理由はなんでしょう?
同居をきっかけに禁煙するのは、なかなかいいとは思いますが、同居したらしたで、生活が変わりまたいろいろなストレスも出てきます。それを理由に吸ってしまう恐れはないのでしょうか?禁煙は精神的に落ち着いていられる状況で始めた方がきっと楽だと思います。

 それから吸わない人間から一言。喫煙者は周囲の人間にはばれないと思っていても、いろいろなことで喫煙しているのは知られていることが多いのです。
 なにしろ全身タバコ臭いし、声や肌も随分悪くなり、吸わない女性と比べると格段悪くなっていますから。喫煙しない人間はその辺のことはかなり敏感に分かります。もしかしたら、あなたの彼や家族もとうに気づいているかもしれません。

真剣に思い悩んでいる今こそ、禁煙実行の最大のチャンスです。禁煙がんばれ!

 

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