天使 佐藤亜紀 文藝春秋 2003.02.11

 今ひとつ感想は上手く書けません。
 一日掛けて一気に読み上げてしまったのですが、
 自分の側に幾つかの弱点があって、読みこなせなかった…というのが本音です。

 結局最後までジャンルは解りませんでした。
 敢えて言えば特殊要素を折り混ぜたハードボイルド、とでも言うのでしょうか。
 少なくとも当初考えたようなSFでは無かったようです。

 幾つかの作品が頭をよぎりました。

 「熾天使の夏」と「O嬢の物語」。

 前者はまあ判らないでもないとして、後者が浮かんでは消えるのは何だったのか。
 それは一種の闘争であり、アイデンティティの模索であり、解放でもあったのかもしれません。

 ただ、英語の名前でない名前が列挙される作品は、
 実はそれだけでいささか苦手だったりして、ちょっと辛かったかもです。
 カラマゾフの兄弟ではないけれど、人物の名前が覚えられない為に、
 人間関係が掴み辛い事夥しいので…。

 色々な意味で読みこなせない部分の多い作品だったので、
 もう少し時間を置いて再読してみようと思っています。

 「熾天使の夏」の様に、再読する度に何か新しい感覚を得るのかもしれません。

  +++

 私信:ここ読まれましたら、その旨お知らせください。