それはいつの頃からか、内在する渇望。
気付かぬ内に沸き起こり、暫くは意識しない。
しかし気付いた時、微細だった芽は、確実に成長している。

始まりがいつかはわからない。
それはもう、幾夜も前の事。
入り得なかった饗宴から取り残された寂しさ。
その時は諦めた想いが、次第に形を取り始める。

最初のチャンスの訪れ。
宴に身を任せ、自由な遊楽に浸る期待。

それは、
閉ざされた空間、届かない陽光・・・
作り物の光が渦巻き、鼓膜をつんざく叫び・・・
幻想を作り出す液体と、立ち込める臭気の煙幕・・・
それは幻の饗宴・・・
それは、永遠に続く饗宴・・・

しかしそれは叶わない。
期待は裏切られ、再び取り残される。
自由は手に入らない。
淡い失望と、泥土の様に積もりゆく微かな諦念。

次のチャンスの訪れ。
果てるとも知れない宴の予兆。

しかしそれも叶わない。
予兆は予兆で終わり、宴の夢は霧散する。
憧れの輝く空間は、また一歩遠ざかる。
深みに溜まる泥土は、徐々にその嵩を増す。

そして今も繰り返される、それは幻の饗宴。

期待はしてはならぬもの。
わかっていても諦めきれぬ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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