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SALOME
 

月に魅せられ
月を求め
月にならんとした者よ
その穢れなき躯故
その澄み渡りし心故
月は帰れぬ道へと誘わんと
地に預言者を遣わした

月光の届かぬ所でも呪いが続く様に
預言者の存在が心の全てとなる様に
月は全ての力を使いて呪わん

紅き月光は狂恋を呼び
月影に見えるは彼の者
黒を纏て蒼白く紅唇は月の紅
そして麗しき月の囁き
全ては彼の者の望みを叶えんが為

彼の者を拒み続けた預言者は
今は銀の盾の上
遂に月の娘の手の内に
躯が銀の台座に据えた象牙の柱になろうとも
何1つ変わる事は無い

そして月の娘は味到する事になる
至高の美の味を
それは苦く血の味がした

そして・・・