ぴち、ぴち、

こどもの拳ほどの頭の小さな猫が皿からミルクをすくいあげるのを飽かず眺めていた。



白い猫
うそつきはどろぼうのはじまり





















「あーーーーーーーー…あちーーーーーーー…」

「だれた声出しなや自分、よけ暑なる」



ぴち、ぴち、

舐められてそれがなまあたたかくざらついたものだと知ってはいても小さな舌は甘く冷たく見える、
小さな猫。


「あーーーーーー、うるせえよなあ、これ、どないするつもりなんよ」


指差したその先、
ぴち、ぴち、
ちいさなしろいあたま、
耳鳴りといっていい蝉時雨を圧して静かにすくい取る音は響く、



「食うンか」
「アホ」
「おろして三味線屋にでもうっぱらうんか」
「ダアホ」
「なんでこんなん拾ろてくンねや…てめえバイト休みの日ってほんまろくでもないことしかせんのな」
「うるせえ、アホ」
「もう休みなや自分」
「休みなて。俺殺す気かおまえ…」
「アホは死んでもなおらんゆうもんなあ」
「アホはてめえだくそマリモ」
「アホゆうたほうがアホなんちゃうんか」
「先アホゆうたんおまえやろ」
「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
「そやからだれた声出しなアホ」
「ほれまたアホゆう、ほんで言い訳!聞いたるかさかい言いな」
「言い訳もくそも、」


ぴち、


掬い取る、


「何しよんねん自分!」
「ワーまっ赤ー」
「うわもう何考え」
「もっかい」
「アホ!言い訳きく言うたん自分やろ」
「旨そうやなー、思て」
「不意打ちや・・」
「なにがよ」
「……俺からしよおもてたのに」





「あ、猫」





いつの間にやら小さな猫は食事を終えたらしい






「薄情な…」







「誰かさんみたいや」
















+ うそつきはどろぼうのはじまり +
白い猫







Thanks for 2000COUNTER HITS
ということで希さん有り難うございます。
お題は「白い猫」でうそつきを一本、ってことで。
すんません、夏の話にしてしまいました!
(それにしても希さんちおたくサイトでもないのに
これを差し上げて良いのか…ぶるぶる)

甘甘馬鹿ップル、リリカルホモ!とめいちんに突っ込まれ…(涙
ええ、生温く!
どこまでも温く!!
出来たら飽かず愛してやって下さい。ぺこり。

いつもいつも有り難う御座いますvこれからもよろしく希さまv




(all the young)Yellow / GV
20011008




このショートストーリーは、dreeさんのonepieceサイト「SAL」のSS「うそつきはどろぼうのはじまり」というシリーズのひとつとして書いて頂いたモノです。これ一つ読んでも意味が解らないぞ!…という方は、dreeさんの「SAL」をご覧くださいませ。ただし「SAL」は同人系妄想サイトと銘打って居りますので、ご覧になる前に、必ずBEFORE (read me first) をお読みくださいますよう、くれぐれも宜しくお願いいたします。なお、「SAL」はdreeさんのご意向により、「“同人系妄想サイト”の意味が解らない方」「未就学児・義務教育児童の方」「一般・普通の方」の入場をお断りしております。それらに該当する方々は、ご訪問されません様にくれぐれもお願いいたします。