親鸞聖人 ご消息(手紙)

最低山極悪寺 珍宝院釈法伝 謹写


三十一

 ひとびとの仰せられて候ふ十二光仏の御ことのやう、書きしるしてくだしまゐらせ候ふ。くはしく書きまゐらせ候ふべきやうも候はず。おろおろ書きしるして候ふ。

 詮ずるところは、無碍光仏と申しまゐらせ候ふことを本とせさせたまふべく候ふ。無碍光仏は、よろづのもののあさましきわるきことにはさはりなくたすけさせたまはん料に、無碍光仏と申すとしらせたまふべく候ふ。あなかしこ、あなかしこ。
  十月二十一日     親鸞
 唯信御坊 御返事

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