お猿の電話

最低山極悪寺 珍宝院釈法伝

 最近、路上で、なかなか高等な曲芸をするサルを見かけることが多くなった。おそらくは、みなさんもご覧になったことがあるはず。ほっぺたにイモを押し当てて、口をパクパクさせながら、こともあろうに自動車の運転をするという曲芸である。この曲芸で使われているイモ、ケータイデンワという新しい品種で、サルどもには大変な人気なのだという。

 以前から、ムセンノマイクという、ヒモのついたなすびをかじりながら車を運転できるサルはいた。これもなかなかの高等芸だったが、いかんせん、数が少なかったので、昨今のイモザルほどには目立たなかった。

 自慢じゃないが、私の運転は、両手でも危ない。しかし、そんなことは百も承知で、私もイモを片手に運転してみたい。あれだけの数のサルがやっているのだ。きっと、あのイモをほほに当てると気持ちが良いに違いない。

 実は、お彼岸が終わったら、関東へ行くつもりでいる。日光サル軍団で、あの芸を習うのだ。