坊主丸儲け その1

最低山極悪寺 珍宝院釈法伝

 そうならいいんだけどねえ。シクシク。

 浄土真宗の某派では、約6割の住職が、他に職を持っている。理由は簡単、坊主だけでは食えないからである。そういう親を見て育つから、子供がなかなか後を継ぎたがらない。出来の良い子供は、良い大学を出て、さっさと実入りの良い職業に就いてしまう。寺を継ぐのは、カスばかり(ここだけの話だが、本寺の住職もその一人。しかし、そうだとすると、その住職にたぶらかされて坊主になった俺は、カス以下か?)。檀家総代が集まると、「今度の若はデキが悪いから寺に残ってくれそうだ」等と噂している。

 天台宗では、去年から、坊主の一般公募を始めた。これまた、後継者難からである。

 「坊主丸儲け」が真実ならば、この不況下、もう少し、なり手が増えても良さそうなものだ。

 今日も、「なあ、本山へ修行に行ってくれ。帰ってきたら、ソアラを買ってやるから」と言われて、すごすごと本山へ上る若者がいる。彼も、帰ってくれば立派なソアラ坊主だ。


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