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・1999/12/31 「核廃棄物輸送船 日本へ仏出発」 (日本経済新聞 朝刊より)

【パリ29日=山崎浩志】日本の使用済み核燃料を再処理した高レベル放射性廃棄物を積んだ英輸送船「パシフィック・スワン」が29日午後6時過ぎ(日本時間30日午前2時過ぎ)、仏シェルブール港から日本に向けて出航した。仏核燃料公社のコジュマで再処理されたもので、仏から日本への同廃棄物の輸送は5回目となる。輸送船は過去最大規模の104本の処理済容器を積んでいる。貯蔵施設がある青森県六ヶ所村に早ければ2月末に到着する予定だ。

・1999/12/30 「宇宙開発事業団「H2」引き揚げへ」 (日本経済新聞 朝刊より)

宇宙開発事業団は、打ち上げに失敗して太平洋に沈んだ大型ロケット「H2」の第一段エンジンを引き揚げる方針を決めた。エンジンが発射後に急停止した原因の解明に手間取っているためで、実物を検査する必要があると判断した。引き揚げ費用には打ち上げ失敗で受け取った保険金を充てる。
 重さ1dを超える第一段エンジン本体を引き揚げる装置をもつ企業が国内にないため、東京都内の業者に対し、専用装置を米国から借り受けて作業をする方向で話を進めている。事業団はロケット打ち上げ時に2400万円を掛け金とする保険に加入、打ち上げ失敗で保険金3億円を受け取っている。この全額を事故原因の研究に充て、引き揚げ費用もここから出す。
 エンジンは海洋科学技術センターの調査で小笠原諸島の北西約380`、水深2,917bの海底で発見された。1月5日からの調査で同センターが再度撮影するエンジンの映像を見た上で、引き揚げ時期などを最終判断する。

・1999/12/29 「マグロの買い付け 便宜置籍船との取引停止」 (日本経済新聞 朝刊より)

三菱商事、伊藤忠商事、日商岩井などの大手商社や日本水産などの大手水産会社は、マグロ資源保護を目的とした国際条約の枠外で操業を続ける「便宜置籍船」からの買い付けを停止する方針を決めた。水産庁の通達に応じた。資源枯渇への懸念が高まる中、遠洋はえ縄漁船の削減に協力している国内の漁業関係者などが批判を強めていた。
 便宜置籍船は、国際条約に加入していない中米やアフリカに船籍を移し、資源管理の制約外で漁獲する漁船を指す。台湾資本を中心に約250隻に達し、大半は日本の刺身市場向けに冷凍マグロを出荷している。
 水産庁は今月、便宜置籍船との取引停止を指導する通達を国内主要取扱会社に文書で出した。これを受け、最大手の三菱商事が台湾系などの輸入業者に対し、便宜置籍船のマグロを今後買い付けないと通告。他の商社や水産会社も同様の方針を決めた。
 国内のマグロ供給量の50%超が輸入物。今年は卸値は前年比20−30%高で推移した。便宜置籍船からの不買が広がれば品薄感が一段と強まり「価格がさらに上昇して消費の落ち込みに拍車をかける」(都内の荷受会社)見通しだ。

・1999/12/28 「普天間移設 課題抱え始動」 (日本経済新聞 朝刊より)

岸本名護市長の受け入れ表明で、普天間基地移設の道筋はついた。しかし最終的な決着に向けて沖縄県や名護市が打ち出した受け入れ条件に政府がどう取り組むか、地元の反対運動にどう対応するかなどいくつかの難問が残されている。

使用期限 米「15年」要求に否定的
 沖縄県、名護市は基地使用期限を15年に限定するよう求めている。瓦力防衛庁長官は27日の記者会見で「稲嶺恵一知事の公約にかかわる問題で、重く受け止めている」と強調した。米政府は期限を区切ることには否定的で了解を取り付けられる可能性はほとんどない。
 政府は「15年後に使用を見直す」などの打開案を非公式に提示したが、県、市とも拒否。28日の閣議では「政府が責任を持って対応する」との見解を示すにとどまる見通しだ。努力の姿勢を示すことで地元に理解を求め、期限についてはあいまいな形で、移設計画を進めていく戦略だ。
 もっとも、県や市もこれを絶対条件にすれば移設が暗礁に乗り上げることは承知している。稲嶺知事は27日の記者会見で「とにかく主張し続ける」と訴えたものの、期限が設定されない場合の対応は明確にしなかった。

建設工法 住民は海上案支持
 どのような基地を建設するかを明示しないまま、受け入れを求めるという異例の形になったのは移設先の名護市辺野古区の住民が建設工法を巡り割れていたからだ。
 だが、ここへ来て、移設には反対だか抵抗しきれないとみている住民を中心に「せめて住宅地から遠い場所に造ってほしい」との声が広がり、地元はほぼ、海上案支持で固まった。岸本市長も記者会見で「住宅地から一定の距離を置かねばならない」と強調した。
 問題の沿岸埋め立て案を念頭に「将来の県民の財産として残る施設」と言い続けた知事の公約とどうつじつまを合わせるか。台風に弱い海上浮体工法に米軍が消極的で、折り合いがつくかも課題となる。
 埋め立て案を推してきた建設業者が沿岸域の住民に代替移設の提供と引き換えに集団移転を打診するなどの動きに出ており、なお曲折がありそうだ。

リコール 出直し選挙で対抗も
 現実までの大きなハードルの一つが移設反対派の市長の解職請求(リコール)運動だ。名護市のヘリ基地反対協議会は27日、リコールに向けた著名集め作業に着手する方針を決定。1月中旬をメドに市長選挙管理委員会に手続きを申請する予定だ。
 助役から市長に出馬し、手堅い行政手腕をみせる岸本市長への市民の評価は高い。ただ、リコール投票になれば、基地の受け入れの是非だけに焦点が絞られるとあり、市長の後援会でも情勢を必ずしも楽観していない。このためいったん辞職して出直し選挙に持ち込み、信を問う方法も検討しているが、市長は「即座に辞めることはない」としており、反対派の出方を見守ることになりそうだ。

・1999/12/25 「H2エンジン配管の一部発見」 (日本経済新聞 朝刊より)

打ち上げに失敗、太平洋に落下したH2ロケットのエンジンの一部が24日、海洋科学技術センターが行った海底調査で見つかった。無人探査機がとらえた画像を見た宇宙開発事業団は、第一エンジンの酸素系配管の一部と確認した。
 エンジンの一部は同日午後3時50分、小笠原諸島・父島の北西約380`、水深2900bの海底で同センター無人探査機が発見した。事業団は「第一エンジンの酸素系ターボポンプ周辺の配管に間違いない」としている。
 これ以外の部品が海底に埋まっているのか、バラバラになって別の場所に落下したのかなどははっきりしない。
 また、ロケットの飛行データはエンジンの水素系配管部分に不具合が生じたことを示しており、今回の発見がすぐに原因究明につながる可能性は低い。

・1999/12/25 「CO2濃度 氷河期の周期と一致」 (日本経済新聞 夕刊より)

国立極地研究所と東北大学の共同研究グループが35万年分の大気を閉じ込めた南極の氷を分解したところ氷河期が訪れる周期と二酸化炭素(CO2)濃度が増減する周期がほぼ一致し、最近になってCO2濃度が急に上昇していることが明らかになった。これまでロシアのポストーク基地で掘り出された氷を使って同様に研究成果が報告されていたが測定精度や氷の純度に問題があるとの指摘があり、南極にある日本の観測拠点「ドームふじ」で採れた純度の高い氷と使った追試が待たれていた。

南極の氷は過去に積もった雪が圧縮されてできたもので当時の大気を含んでいる。研究グループは「ドームふじ」から地下2500b分の氷柱を掘り出し、氷を溶かして、当時の大気中の温暖化ガス濃度を正確に測定した。
 その結果、1万年前には約280PPM1PPMは百万分の一)だったCO2濃度が、200年ほど前から現在にかけて365PPMまで上昇していることが分かった。産業革命以降でエネルギー消費が急激に増えたのが原因とみられる。
 約10万年の周期を持つ氷河期が訪れるとCO2濃度は下がり、氷河期が終わり気温が上がるとCO2濃度も上昇することも分かった。氷河期が終わって温度が上がると海の中に吸収されているCO2が大気中に出たり、生物が活発に活動するようになってCO2濃度も高くなるという。
 東北大の中沢高清教授は、「地球と太陽が近付いたり離れたりすることなどで気候は大きく変わるが、温暖化ガスの影響で気候変動の幅がより大きくなっている可能性がある」と指摘している。

・1999/12/23 「日韓漁業交渉が決着 年明け操業可能」 (日本経済新聞 朝刊より)

排他的経済水域での操業条件などを巡る日韓両国政府の高級事務レベル協議は23日未明、妥協した。年明けから操業ができなくなるという事態は回避される見通し。
 合意したのは暫定水域と排他的経済水域での操業条件。暫定水域については、韓国漁船の操業に関しズワイガニの体長制限などを設定する。民間レベルで操業禁止期間なども行儀して決める。排他的経済水域を巡っては日本側が前年と同じ9万4千dの漁獲割当量を確保、韓国側は前年比2万3千d減の12万5千dの割当量で合意した。漁船の隻数は日本側が前年と同じ1601隻、韓国側が60隻削減の1664隻とすることで合意した。

・1999/12/23 「日ロ漁獲割当量 無償分7万2000d」 (日本経済新聞 朝刊より)

【モスクワ22日=坂井光】7日からモスクワで働いていた2000年の日ロ双方の200カイリ水域内での漁獲割当量などを協議する日ロ漁業委員会が22日、終了した。双方の無償漁獲割当量はともに7万2千dで、99年より2000d減少。日本漁船による有償割当量は9300d操業条件として一部の漁船にロシア公務員が乗船することが決まった。協力金として日本側がロシアに290万j相当の機材供与を実施する。 

・1999/12/22 「九州で九十九島巡り 佐世保」 (日本経済新聞 夕刊より)

1999年が残りわずかということで、九にちなんで訪れたのは九州の九十九島。地元でも年号キャンペーンを展開中だ。九十九は、多いという意味だが「この機会にどのくらい多いのか確かめよう」と論議が沸いているという。いまさら島数を数えようとはどういうことなのか。
 JR佐世保駅から米軍基地や造船所を横目にしながら車で約15分。島巡りの起点、鹿子前(かしまえ)桟橋に着く。
 青く澄んだ水際にコンクリート打ち放しのモダンな建物。朱印船の大型模型や水族館などを抱かえる「西海パールシーセンター」である。周囲の飲食店を含め、ゴテゴテしないすっきりした景観が気持ちいい。
 そのセンターから現れたのが次長の蓮田尚さん。「まず上から眺めて全容をつかむのがいいでしょう」という言葉に従い、展望台に向かう。センター同様これも佐世保市が整備、その名も展海峰という。「おっ」と思わず声が出る。眼下に広がるのは、波ひとつない水面に浮かぶ大小の緑の小島。案内板には「外洋性多島海群」。その地面通りの造形美にしばし見とれる。
 「英虞湾(三重県)や松島(宮城県)と似ている」とつぶやくと、すかさず蓮田さんが「海域内の島の密度は松島より濃く日本一ですよ」。相当なライバル意識だ。
 その島々を回るのは海賊船仕立ての真っ赤な遊覧船。「松浦藩時代に放牧場があったのが牧の島です」
 「真っ二つに分かれたようなのが割れ島」。次々現れる島々のいわれが、拡声器から届く。ヒトデが張り付いていたり、ライオンが横たわっていたり。なるほど、イメージが膨らむ。
 あちこちの小島に白い花が咲き乱れる。よく見ると貝のようだ。「カキ打ちの跡ですよ」と蓮田さん。近付くと、小舟の傍らでせっせと手を動かすに人影が見えてくる。
 「貝柱をこうして切り落とし、身を引っ張ればいいんです」と採取中の山口昭子さん(45)。先がとがったハンマーで、カキをひとつひとつコンコンとたたいて身を取りだし、次々とバケツに入れる。どれも小ぶりだ。こじ開けられたカキの殻が白い内側をさらけ出す。これが花びらの正体である。地元では「石花打ち」とも呼ぶ。ぴったりの表現だ。
 「海水で洗ってそのまま食べるとおいしいですよ」
 いわれるままにハンマーを借りて挑戦。うまくいかない。小さな殻が付いてしまう。洗い落としてほおばる。いかにも天然モノらしい堅めの野趣あふれる味わいだ。
 販売用の採取は、山口さんのように地元漁協に加入しないといけないが、自家用ならかまわない。
 山口さん夫妻は、潮の引き時を狙ってやって来た。潮が満ちてくるの夕刻には小舟で引き揚げる。「満ち潮になると島の形が変わったり、島数も変化しますよ」と蓮田さん。
 そうなのだ。長南風(ながはえ)島などは、潮が満ちると5つに分かれてしまう。島数がいまだに特定できないのはこのためである。それに、島と岩礁の違いも明確でない。1950年に東京大学の調査団が「大小約170の島々」としては発表して以来、佐世保市はこれに従っているが、国立公園を管理する環境庁は約200としている。そこで、同市は市民に研究会作りを呼びかけた。ヨットマンや地質調査会社の社員、地学の元教諭など40人近くが集まり先ごろ第1回会合を開催。議論の結果が楽しみ、と思いを巡らしているうちに、オレンジ色の夕日が海面を照らし出してきた。
 「夕日の名所」へ急がねば。崖(がけ)の真上の石岳展望台に駆け上がる。島々のかなたで太陽が正面に見える格好の撮影スポットだ。三脚を並べたアマチュアカメラマンがすでに勢ぞろいしていた。
 「仲間内ではここは有名ですから」と宮田博雄さん(67)。真夜中に広島から車を飛ばして来た。雲間に隠れた赤い陽(ひ)が再び顔を出した瞬間、一斉にシャッター音が鳴った。 (澄)

・1999/12/22 「日米欧の自動車貿易港が交流 愛知」 (日本経済新聞 朝刊より)

自動車貿易の比率が高い日米欧の港湾が交流する。輸出入金額が日本一の愛知・三河港がドイツのブレーメルハーフェン港と米ポートランド港に呼びかけ、来年1月にシンポジウムを豊橋市で開催する。自動車流通や港湾整備の情報を交換、協力関係を築く。

・1999/12/22 「コンテナ運賃 北米発アジア向け上げ」 (日本経済新聞 朝刊より)

日本郵船、商船三井など内外の海運会社が北米発アジア向けコンテナ運賃の引き上げに動き始めた。まず木材や干し草などの運賃低迷が目立つ貨物を2000年1月から値上げする計画。北米航路のうち往路にあたるアジア発北米向けは今年5月に大幅は値上げが浸透している。一方で復路の北米発は下落が続いており、海運各社は収益改善が必要と判断した。荷主が値上げを受け入れれば、米国から輸入する原材料などのコスト上昇要因となる。
 荷主との値上げ交渉に入ったのは、古紙や干し草などの貨物。北米西海岸から日本へこれらの貨物を輸送する場合のコンテナ運賃は現在、40フィートコンテナ1本当たり300−350j(荷役料などの諸経費・陸上輸送別)前後で、年明けから100jの引き上げを要求している。
 北米航路は貿易量を反映してアジア発の往路が主力。復路の北米発のほぼ半分にとどまる。復路の積み荷スペースは慢性的な供給過剰となっており、運賃下落に歯止めがかからなかった。古紙や木材は4月に比べ約100j安い。
 このため、5月に900ドルの引き上げが浸透した往路との運賃格差が拡大。「このまま低迷が続けば、黒字化した往路の足を引っ張りかねない」として値上げに動き出した。荷主の抵抗は強そうだが、海運会社の一部には、「今後は安い貨物は運ばない」との強気な声も出ている。
 運賃下落は他分野でも同様。食肉などを運ぶ冷凍コンテナの運賃は同1500−1800jで、「5月の米海事法改正後、競争激化により約500j下落した」(大手海運会社)という。原材料分野の値上げが浸透すれば、冷凍貨物や雑貨類などでも値上げが具体化する可能性もある。

・1999/12/20 「H2の残がい捜しきょうから2次調査 海洋センター」 (日本経済新聞 朝刊より)

第一段エンジンのトラブルで打ち上げに失敗した国産大型ロケット「H2」八号機の機体やエンジンなどの残がいを捜す2回目の調査が20日から始まる。前回に引き続き、打ち上げ失敗でロケットが落下したとされる小笠原諸島・父島の北西380`付近で行う。
 海洋科学技術センターが支援母船「よこすか」を派遣し、水深約3000bの海底を調べる。調査期間は9日間の予定。1回目の調査では、ロケット機体とエンジンを接続する構造体など、4つの部品が見つかった。

・1999/12/20 「減船の大波 訓練校のむ」 (日本経済新聞 朝刊より)

遠洋マグロはえ縄漁の船員育成を目的に、約30年前に設立された高知県立漁船員訓練校(室戸市)が、今年度で実質的に廃校になる。全国でも数少ない訓練校だが、国際的な減船措置による漁船の削減や外国人船員の増加など、マグロ漁を取り巻く環境の変化に対応、来年4月から外国人船員の研修センターとして再出発する。しかし、同校は日本有数の漁獲高を誇る県のマグロ漁を陰で支えてきたとも言える存在だけに、地元では「マグロ漁の衰退につながるのでは」という不安の声も聞かれる。

船をかたどった校舎が特徴の同校で今月1日、最後の卒業式が行われた。8人の卒業生を前に、森光稔校長は「1日も早く立派な幹部漁船員になってください」と、涙ながらにはなむけの言葉を贈った。
 同校は遠洋マグロ魚が全盛だった68年、後継者不足を解消するために室戸市が開設、10年後に県立施設に移行した。訓練生は8ヵ月間寮生活を送り、海図の読み方やエンジンの修理法など、幹部乗組員になるための基礎教育を受ける。
 これまでに同校を巣立った卒業生は約370人。多くが今も船長や機関長として活躍している。最後の卒業生たちもマグロ漁に出る日が待ち遠しい様子。
 梅本裕さん(19)は大阪市の工業高校を卒業後「どうしても海で働きたい」と入校した。週に1度の海上訓練ではサメや小魚しか取れなかったが「早く漁に出て大物のマグロを引き揚げたい」と言う。
 だが、梅本さんたちを取り巻く環境は厳しく、まだ就職先は決まっていない。教官の山下正弘さん(57)も「以前は訓練生は引く手あまただったのに…」と複雑な表情を浮かべる。
 高知県が日本人船員の需要減なでを理由に、同校の事実上の廃校を表明したのは今年6月。背景には日本の遠洋マグロ漁を巡る様々な逆風がある。
 国連食糧農業機関(FAO)は昨年、海洋資源を保護するため漁船数の削減を決めた。日本のマグロ漁船約130隻が減船で、県内でも68隻のうち19隻が減船対象となり、約250人が離職を余儀なくされた。
 さらに、格安な輸入マグロの攻勢もあり、船主の多くがコスト削減のため、賃金が日本人の3−4分の1で済む外国人船員に頼った結果、今では定員の4割近くをインドネシアなどの外国人船員が占める。
 こうした現状に対応して、同校は来年4月から、漁船に乗り組むインドネシアなどの若者に、日本語や生活習慣を教えるための研修センターとして利用される。毎年70人程度を受け入れる計画で、マグロ漁の現場を象徴する再出発だ。
 だが、船長や機関長といった幹部乗組員になるには国家試験を通らなければならず、外国人だけではマグロ漁が成り立たない。室戸市の元漁師の男性(63)は「このままでは高知のマグロ漁はいずれ廃れてしまうのでは…」と不安を口にしていた。

漁獲高、ピーク時の半分  コスト減で減る日本人
 遠洋マグロはえ縄漁は、20人前後が数百d規模の船に乗り込み、半年から2年間もインド洋や大西洋で漁を続ける。
 しかし海洋資源の枯渇などにより、漁獲高は高知県だけでなく全国的に減少。84年ピーク時には全国で約2700億円だったのが、97年には約1460億に半減し、コスト削減のため、外国人への依存度が高まっている。
 水産庁は4年前から「漁業技術を途上国に移行する」との名目で、外国人への研修事業を補助している。ある漁業関係者は「外国人船員なしでは日本のマグロ漁業は成り立たない」と話し、幹部乗組員以外は外国人が占める漁船も少なくないという。

・1999/12/18 「気合で釣る「女・太公望」」 (日本経済新聞 夕刊より)

全国チェーンの釣具店、上州屋の渋谷店には、平日でもネクタイ姿のお父さんがたくさんやってくる。そんな中で最近、目立つのが中年女性のお客だ。3階の海釣りフロアでは、何人もの女性客が店内かごを片手に、仕掛けや小道具を物色中だった。
 釣りに"はまる"女性が増えている。グループで釣り船を仕立てたり、一人で乗合船に乗り込む女性も珍しくなくなった。「5、6年前のブラックバス・ブームがきっかけ」と、同店の影島弘二店長は見る。
 バス釣りは「ルアー」という小魚を模した擬餌(ぎじ)針を使う。女性がいやがる生きえさを使わないため、「汚れる、気持ち悪い」というマイナスイメージがなくなった。
 そして、女性の参入でファッションはカラフルになり、「釣り=オヤジ」の関係式はがらりと変わった。茶髪、厚底シューズのいでたちでルアーを買いに来る若い女性など別に珍しくもない。
 年間に一度でも釣り糸を垂れる人を含めると、日本の釣り人口は約2千万人にのぼるといわれる。「少なく見積もっても、その一割は女性が占める」と、雑誌「つり人」を発行するつり人社(東京・神田)の若杉隆取締役は言う。
 釣りの楽しさを覚えた女性は、淡水魚にとどまることなく海釣りへと対象を広げる。東京・恵比寿に住む細入昌子さん(52)は、夫婦で経営したすし店をたたみ、貸しビル業に転じた3年前、夫とともに釣りを始めた。老後に共通の話題がなければ寂しかろうと始めた釣りだが、今では多いときは月に7,8回も船宿に通う。「釣った時の、あのときめきを知ったら、やめられなくなった」
 女性の進出で、釣り場の環境も変化している。トイレの整備が進んできたのが何よりの表れだ。釣り船で用足しと言えば、船べりから海中へ、が当たり前だったが、今では水洗式が常識に。冷暖房付きキャビンを備えた釣り船まで登場している。船頭さんの対応も当然のように、様変わりした。かつて船頭と言えば、ぶっきらぼうと決まっていたものだが、今時そんなことをしていたら、お客に逃げられてしまう。「初心者大歓迎」で、女性は半額などとサービスに努めている船宿の組合もある。
 同じ釣り客とは言いながら、男と女では多少違うところもある。男の釣りは、まず第一に釣ることが目的。しかし女性には、"実利"も重要な要素らしい。上州屋の影島店長は「新鮮な魚が食べたくてという理由で始める人もけっこういる」と言う。
 12月の第2土曜日。穏やかな天候に恵まれた横浜・本牧の海づり施設には、朝早くから家族連れが詰め掛けた。お父さん、子供たちに交じって、熱いまなざしを海面に向けるお母さんがあちらにもこちらにも。
 レジャーシートに座り、時々たばこをふかしているお父さんに比べて、お母さんははるかに釣りに集中しているように見える。「女の人と何度か一緒に行ったけど『もうやめましょ』と言われたことがない」(若杉氏)
 "女釣り師"の腕には今夜のおかずもかかっている。

・1999/12/18 「台風の気圧や風の強さ 48時間先まで予報」 (日本経済新聞 夕刊より)

気象庁は17日、現在24時間先までになっている台風の気圧や風の強さなどの勢力の予報を、2001年にも48時間までに延ばす方針を明らかにした。同年3月にスーパーコンピューターを更新するのに伴い、台風の風速などを数値計算するモデルの解消度が2倍になるため。進路を含め、台風に関する予報の精度が全般に向上しそうだ。
 気象庁は現在、台風の予報のうち、進路についてはコンピューター計算を利用して72時間先まで公表している。
 勢力の予測もしているが、主に気象衛星「ひまわり」画像で見た雲の様子や海面水温などを過去の事例に照らし合わせて行っているため、精度の問題から、予報発表は24時間先までとし、48時間以降の予測は庁内の参考資料にとどめていた。しかし、スーパーコンピューターの更新の伴って数値計算モデルの解像度が向上。
 台風の現在位置や日本列島周辺の風速、風向、気温、水蒸気量などのデータを入力すれば、台風の中心気圧や最大風速について、現在より精度の高い予測が可能になるとしている。
 気象庁は、コンピューター更新後の勢力予報も当面は24時間先とするが、結果がよければ、48時間先を発表する方針。将来は72時間先の勢力予報を目指している。

・1999/12/16 「貝の集団加工場 縄文の遺構出土 東京・中里貝塚」 (日本経済新聞 朝刊より)

縄文時代の貝塚では全国最大級とされる東京都北区の中里貝塚で、新たな貝塚のたい積層と、貝むきなどの集団作業場跡らしい土杭や木道の遺構が15日までの北区教育委員会の調査で見つかった。土杭跡は昔の波打ち際から数十b離れた岩場にあり、木道跡は縦に割り表面を削った丸太を横に並べていた。海岸部でこの種の遺構が見つかったのは国内初という。
 9月上旬からの発掘で、厚さ最大約2bのたい積層を確認。土杭の中から熱で変色した百個以上の石が出土した。焼き石で貝を熱し、殻をむく集団作業をしていた場所とみられるという。
 中里貝塚は、縄文中−後期(約45004000年前)の遺跡。

・1999/12/16 「鮮度維持へオゾン含む海水氷製造 北海道」 (日本経済新聞 朝刊より)

冷凍設備メーカーの昭和冷機(根室)は2000年春から殺菌用のオゾンを含んだ海水氷の製造設備を販売する。鮮魚卸の大メ森山商店(釧路市)と共同開発し、鮮度維持の効果を確認できた。 

・1999/12/15 「パナマ運河返還式典 物流拠点へ高まる期待」 (日本経済新聞 朝刊より)

米国からパナマへのパナマ運河返還を祝う式典が14日(日本時間15日未明)、パナマ市で開かれる。77年に返還条約に署名したカーター元大統領、パナマのモスコソ大統領らが出席する。南北米大陸とアジアを結ぶ物流拠点になるとの期待が高まる一方、米軍撤退後の運河の管理をパナマに任せることを不安視する声も出ている。
 運河周辺は開発ラッシュに沸いている。特に目立つのがアジア勢で、香港のハチソン・ワンポアが運河両端の港湾業務を始めたほか、台湾のエバーグリーンもコンテナふ頭を建設するなどパナマへの投資を進めている。
 こうした物流拠点としての期待とは裏腹に、運河の安全管理への不安も高まっている。パナマとの国境付近でコロンビアの左翼ゲリラが破壊活動を活発化させ、12日にもゲリラがコロンビアの海軍基地に大規模な攻撃を仕掛けた。
 軍隊を持たないパナマは国家警察を強化する方針だが、治安維持を理由に米軍が再び駐留する機会をうかがっているとの見方もあり、運河は31日の返還後も国際政治の波にもまれそうだ。

・1999/12/14 「伊勢湾台風「世紀の気象現象」に」 (日本経済新聞 夕刊より)

米海洋大気局は13日、1900年から100年間に起きた気象災害から15を選び「世紀の気象現象」として発表した。
 1959年に5098人の死者、行方不明者を出した伊勢湾台風もその一つに選び、「日本最大の気象災害。約150万人が家をなくし、経済に大きな打撃となった」と紹介した。
 15の災害は、洪水、台風、干ばつ、竜巻などの分類から規模、死者数、経済的損失などを考慮して選んだ。同局は「今世紀多くの気象災害があったが、選んだのは特に専門家の印象に残った現象」としている。
 伊勢湾台風以外は、31年の長江水害(死者、行方不明者約370万人)、71年のベトナム北部水害(同10万人)、54年のイラン大水害(同1万人)、70年のバングラデシュのサイクロン(同30万−50万人)、91年のバングラデシュのサイクロン(同13万8千人)、98年のハリケーン・ミッチ(同1万1千人)など。

・1999/12/11 「火星に昔海があった NASA探査機が観測」 (日本経済新聞 朝刊より)

火星の表面の3分の1を占める北半球の低地に、かつて広大な海があったとの見方を裏付けるデータが、米航空宇宙局(NASA)の探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーの高精度観測で得られた、と米ブラウン大のチームが10日発売の米科学誌サイエンスに発表した。火星の北半球には低地が広がり、標高が高く起伏がある南半球とは対照的。過去に海岸線とみられる地形も見つかっていたため、北半球に海が存在したと考える研究所が多かったが、最新観測でそれが確実になった形だ。
 同チームは、レーザーを使って火星表面の凹凸を精密に測定したデータを分析した結果、海岸線とみられる高度より低い場所は非常に滑らかなことが確かめられ、たい積物が時間をかけて積もったとみられる。

・1999/12/11 「魚介類への影響 日英で共同研究」 (日本経済新聞 朝刊より) 

日英両国政府は、内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)が魚介類に与える影響について共同研究に取り組むことで合意した。日本の国立環境研究所や英環境運輸地域省傘下の研究機関などが参加し、今後5年間かけて環境ホルモンが海や河川の生態系に与える影響や毒性評価などに取り組む。
 共同研究は今年2月にロンドンで開いた日英環境政策協議で合意。このほど英環境省の専門家らが来日し、実地体制が固まった。日本は有機すず類が海の貝類に与える影響、英国は河川のコイ類の研究でそれぞれ実績があり、両国が得意分野を中心に分担する。

・1999/12/9 「東太平洋の海底山脈 年3a収縮」 (日本経済新聞 朝刊より) 

海底山脈の頂上にあたる部分が2つに分かれて地中からマグマがわきだし、海底で新しい地殻が生成されていると考えられている東太平洋の海底山脈で、逆に地殻が年間約3a収縮していることが、海上保安庁水路部の精密観測で8日分かった。海底の地殻変動が精密にとらえられたのは世界的に初めてという。同庁は「海底の地殻拡大は『間欠的』であることが判明した」として、今月開かれる米国地球物理学会で発表する。
 観測したのは「東太平洋海膨」と呼ばれる太平洋東部を南北に走る海底山脈。2つに分かれた頂上部の間からマグマがわきだし、過去数十万年の間に年間15aの割合で広がっていると推定されている。
 同庁は、音波で2地点の距離を測る「海底音響測距計」を開発、日本の約1万3千`東方の水深約2,600bの海底で、一点を山脈の東側、一点を西側に置いて、97年7月から98年9月にわたり観測した。

・1999/12/8 「ボスポラス海峡 船舶の通航規制」 (日本経済新聞 夕刊より) 

【カイロ7日=共同】アンカラからの報道によると、トルコ政府の2000年問題対策委員会は7日、黒海と地中海を結ぶボスポラス海峡で、運航の安全確保のため、31日午後6時(日本時間2000年1月1日午前1時)から12時間、3,000d以上の船舶の通航を禁止すると発表した。
 全長200b以上の船舶も、2000年問題対応済みの証明書を持っていない場合は通航禁止となる。

・1999/12/7 「ネットで生き物生中継 動物園・水族館から発信続々」 (日本経済新聞 夕刊より) 

動物園や水族館の生物の動く姿をコンピュータの画面で観察できるホームページが人気を集めている。当初は小中学生のための教育用として始まったものが多いが、生中継などのリアルな映像に利用者の幅が広がり、なかには1日のアクセスが2000件を越えるものも出てきた。ただ、映像となっているのは限られた数の生物だけ。各施設の関係者は「様々な生き物の本当の姿を見るために、ホームページで満足することなく、実際に足を運んでほしい」と呼び掛けている。

分割前のNTTが96年8月に開設したホームページ「こねっと・ワールド」(http://www.wnn.or.jp/wnn-s/)では、海遊館(大阪市)、円山動物園(札幌市)、伊丹昆虫館(兵庫県)など8施設のライブ映像を見ることができる。
 国内有数の水族館、海遊館は「太平洋水槽中継」と題し、体長6b近いジンベイザメなどが、悠々と泳ぐ様子を放映している。放映時間は午前10時から午後8時までで、その時間内はライブの映像が見られ、それ以外の時間でもビデオ録画した映像が用意されているなど、いつアクセスしても楽しめるように工夫されている。
 1日のアクセス数は約400件と同ホームページの水族館の中では最も多いということで、同館広報室は「小学校などからのアクセスが多く、"バーチャル遠足"感覚のようだ」と人気の理由を分析する。

一方、葛西臨海水族園(東京都江戸川区)が96年6月に始めた「バーチャル・ガイドツアー」(http:// tslp.sfc.wide.ad.jp/~iota/jp/)は同園の人気を集める「マグロ」を中心にしたプログラム。ズームアップなどのビデオ映像を使い、動きや生態の仕組みを理解できるような内容となっている。
 「こねっと・ワールド」はもともとは小中学校でのマルチメディア教育が目的。大人が楽しむ番組としても広がりを見せているが、「実際に足を運んで映像ではわからない生の動物の素晴らしさも知ってほしい」(NTT東日本マルチメディア推進部の斎藤博之課長)としている。
 また、葛西水族園の高橋大江・企画課長は「インターネットだけでは本物の魚の躍動感は観察できない。かといって来園するだけでは『きれいだな』という感想で終わってしまう。ネットで興味のある分野を見つけ、それを生の観察で確認するやり方がベストではないか」と話している。

・1999/12/7 「海・湖沼 汚染進む 環境庁98年度調査」 (日本経済新聞 夕刊より) 

生活排水の流入などが原因で日本近海や湖沼の水質悪化が続いていることが環境庁が7日発表した98年度の水質汚染全国調査でわかった。汚染の指標である科学的酸素要求量(COD)で国の環境基準を達成できたのは海域で73.6%、湖沼で40.9%と、ともに2年連続で悪化した。海域の汚染は公害が深刻だった70年代半ばと同じ水準に戻っており、同庁は下水道整備などが急務としている。

調査は全国の河川と湖沼、海域の計7290ヵ所を対象に有機物による汚染の指標であるCODや生物化学的酸素要求量(BOD)を調べた。
 その結果、海域の環境基準達成率は前年度より1.3ポイント低下し、2年連続で75%を割り込んだ。海域の環境基準達成率は公害対策が進んだ81年度以降、80%台にいったん回復したが、90年代に入って再び悪化が目立っている。同庁は「生活排水の流入が主な原因で、特に河口付近で水質の悪化が目立つ」としている。
 湖沼でもCODの環境基準達成率が同0.1%ポイント低下。年平均の濃度が高かったのは手賀沼(千葉県)、印幡沼(同)、児島湖(岡山県)の順だった。一方、河川の環境基準達成率は81%で、前年度より0.1 ポイント改善した。

地下水の4分の3 浄化対策など欠く
 有機化合物や重金属による地下水汚染は98年度末時点で全国で約1200件に達成し、うち4分の3は浄化など恒久的な対策が実施されていないことが環境庁が7日まとめた調査でわかった。同庁は「汚染原因者に浄化を義務づけるなど何らかの対策強化が必要」とみている。
 調査は59年度以降、全国の自治体が把握した地下水汚染の事例を集計。井戸などの地下水に含まれる汚染物質が環境基準を超えた例は過去に1800件あり、うち1188件は現在も汚染が続いていることが分かった。汚染原因物質の内訳はクリーニングなどに使うテトラクロロエチレンが610件と最も多かった。

・1999/12/7 「中部空港空港 年度内着工へ正念場」 (日本経済新聞 夕刊より) 

愛知県常滑市沖に建設する中部国際空港。3500bの滑走路を整備した24時間使える本格的なハブ空港を目指す。開港予定日は愛知万博の開幕直前の3月19日。しかし、空港建設を巡る漁業補償交渉や埋め立て用地土砂の調達に手間取り、目標達成は厳しい状況だ。
 
 当初、漁業補償交渉は今年3月までの決着を目指していたが、空港建設の影響が最も大きい愛知県漁連の知多半島の漁協と交渉が妥結したのは8月。9月に入り、県内の他地区の漁業との補償交渉が本格化したものの、補償額が低すぎると強く反発。加えて空港対岸部の開発計画を巡って、県職員の汚職事件が発生し交渉は難航した。
 2005年の開港のためには遅くとも、今年度内に工事に着手しなければならない。ただ着工には漁業者の同意を得た上で、国から公有水面埋め立ての許可を受ける必要がある。交渉が長引き、残された時間は4ヵ月を切り、諸手続きを終え空港建設を軌道に乗せるには綱渡りが続く。
 漁業補償だけでなく、空港建設に必要な埋め立て用土砂、約5600万立方bの調達も計画に狂いが生じている。空港会社は愛知県が開発する愛知県幡豆町の土地(約150f)から土砂、約2600万立方bを調達する計画をたてている。
 しかし、昨年12月までとしてきた愛知県と地権者との買収交渉が今年夏までに大幅にずれ込んだ。幡豆町からの土砂搬出予定は2001年10月と予定は変えていないが、土砂搬出用ベルトコンベヤー設置などを考えれば実際に搬出できるか予断を許さない。

・1999/12/4 「手こぎボート大西洋横断 女性、初の成功」 (日本経済新聞 夕刊より) 

【メキシコ市3日=共同】全長7bのボートをこぎ9月にアフリカ北西のカナリア諸島を出た米国人女性が3日、4828`、3カ月近い苦闘の末、カリブ海のグアドループ(フランス海外県)ポワンタピートルの港に着いた。手こぎボートによる単独大西洋横断成功は女性で初めて。
 現地からの報道によると、この女性は米ケンタッキー州の弁護士トリ・マーデンさん(36)。冒険家集団「セクター・ノー・リミッツ・チーム」の一員で、「南極点にスキーで到達した最初の女性」の経歴も持つ。
 デーマンさんは星条旗を振りながら着岸。上陸後「地面が揺れている(感じがする)と話し、成功の喜びをかみしめた。」

・1999/12/4 「H2ロケットを19日から再度捜索 海洋科学技術センター」 (日本経済新聞 朝刊より) 

打ち上げに失敗して太平洋に落下した海洋科学技術センターの深海調査研究船「かいれい」が3日、横須賀港に帰港した。捜索で一部の部品を発見したが、宇宙開発事業団は事故原因の解明にはエンジンの発見が不可欠とみて再度の調査を依頼。同センターは第二次調査として19日から8日間、支援母船「よこすか」を現場海域に派遣する。
 「かいれい」はロケットが落下したとみられる小笠原諸島父島の北西380`の海域を13日間にわたって捜索、機体と第一段エンジンを接続する部分など3つの構造体や部品を水深3009bの海底で発見した。故障を起こしたエンジンも同海域で見つかる可能性があるため、次回の調査では深海探査装置をえい航して海底を調べる。

・1999/12/3 「神戸港ふ頭跡に大型SC開業へ オートバックス」 (日本経済新聞 朝刊より) 

港を生かした新タイプの大型ショッピングセンターが神戸市に登場する。オートバックスセブンが同市東灘区のフェリー用ふ頭跡地を使って2000年11月をメドに開業する。敷地南側の波止場に公園を設け、海の見えるレストランを誘致するなど港と一本化した施設づくりを目指す。
 敷地面積は約4万4千平方bで、神戸市から賃借りする。約30億円を投じて2階建てビル3棟と立体駐車場を建設する。店舗面積は約1万5千平方bで、施設全体で年間60億2500万の売り上げを見込む。テナントには同社の店舗のほか、家電量販店の和光電気(大阪市)やスポーツ用品販売のアルペン(名古屋市)が既に決定。

・1999/12/2 「大型フェリー火災想定 神戸沖」 (日本経済新聞 夕刊より) 

第五管区海上保安本部(神戸)は2日、兵庫県警や海上自衛隊、兵庫県、神戸市などと合同で大型カーフェリー火災の海難救助訓練を行った。ダイヤモンドフェリー(大分市)の大型カーフェリー「フェリーダイヤモンド」(9,022d)を借りるなどこれまで最大規模の訓練という。
 訓練は「乗客乗員100人を乗せたカーフェリーが神戸港を出港直後に出火、救助を求めてきた」と想定。各機関から計約480人が参加し、神戸市東灘区沖約2`の海域には巡視艇など船舶15隻などが集結した。
 海保職員らがふんした乗客乗員をヘリなどで救出したり、消防艇による放水訓練を実施した。

・1999/12/2 「観光施設着々、周遊船も計画 「淡路花博」」 (日本経済新聞 朝刊より) 

2000年3月18日から9月17日まで兵庫県・淡路町で開かれる国際園芸・造園博「ジャパンフローラ2000」(淡路花博)まで百日余り――。1日は運営主体の夢の架け橋記念事業協会が淡路島に現地事務局を開設した。集客、受け入れのための新たな宿泊・観光施設や新航路の整備作業も本格化しており、地元では来場目標者数500万人の花博効果に期待が高まっている。

  l  電話で案内
 事業協会の現地事務局は会場管理部、営業部など総勢66人。運営準備に加えて、開場時間や交通アクセス、入場料金などの情報を24時間無休で提供する電話案内サービスも始めた。
 淡路町の第三セクター、キャトルセゾン松帆(社長、戸田種彦同町長)は11月11日に日帰り型の温泉保養施設「美湯(ビュー)・松帆の郷」を開業した。マイカーで訪れる客の立ち寄り需要を狙っており、ピーク時には1日当たり3000人の利用を想定。新たな駐車場を確保して収容能力を倍増する考えだ。
 花博に合わせて建設させれ、3月9日にオープンするウェスティンホテル淡路リゾート&コンファレンス(東浦町)も、すでに宴会213件の予約を確保した。「最近になって個人の宿泊申込が増え、3月の週末は満室」(開業準備室)という。
 花博会場からやや距離がある洲本市の旅館・ホテル連盟では両地域を結ぶシャトルバスの運航を計画しており、洲本地域の観光もアピールする。

l  航路を整備
 花博では来場者500万人の1割が海路利用と見られているだけに、海運三社が新たな航路整備で対応する。ジョイポート南淡路(南淡町)は会場に隣接する「交流の翼港」を起点にした明石海峡大橋周遊船を1日8便(7−8月は10便)運航する。50分程度の海上ツアーで料金は大人1300円、子供が800円。
 藩淡連絡汽船(淡路町)は神戸市から、淡路エアーポートライン(津名町)は関西国際空港から、それぞれ会場直行の高速艇を就航させる。

l  300社が応募
 花博は開催に伴う経済効果が県内だけで1416億円と見込まれる大型イベント。会場内の飲食・物販の出店申し込みは兵庫県内の企業を中心に約300社と、競争倍率が4倍近くに上った。協会営業部は「期間中は少なくとも50億円の売り上げが期待できる」と、そろばんをはじいている。

・1999/12/1 「海砂採取、2005年度に全面禁止 香川県」 (日本経済新聞 朝刊より) 

県は2005年度以降、海砂採取を全面禁止することを決めた。瀬戸内沿岸の府県で海砂採取量が最も多く環境への影響を重視した。既に大阪、兵庫、和歌山、広島、徳島の5府県が全面禁止済み。

・1999/12/1 「新領海の侵犯漁船 日本に裁判管轄権」 (日本経済新聞 朝刊より) 

領海法の改正で97年1月から新たに日本領海になった長崎県沖で操業し、追跡した海上保安官を負傷させたとして外国人漁業規制法違反(領海侵犯操業)などの罪に問われた韓国漁船の船長、゙正煥被告(42)と傷害罪などに問われた船員2人の上告審で、最高裁第三小法廷は30日、3人を執行猶予付きの有罪とした二審・福岡高裁判決を支持し、被告側の上告を棄却する判決を出した。有罪が確定する。

奥田昌道裁判長は「領海での日本の取り締まり・裁判管轄権は、日韓漁業協定により制限されないとした二審判決は是認できる」と述べた。
 事件当時の日韓漁業協定では、沿岸から12 カイリを日韓それぞれの「漁業水域」として、「漁業水域外での取り締まり・裁判権は、漁船の属する国のみが行使する」(四条)と定めていた。
 新領海は日本の漁業水域外だったため、日本が取り締まって裁判できるかが裁判の焦点だった。
 二審判決は、協定が締結された65年には沿岸3 カイリと狭かった日本の領海が、国際情勢の変化に合わせ徐々に拡大されていった経緯を重視。「四条の規定は、領海が漁業水域の外まで拡大された場合でもなお、漁船の属する国に管轄権を認める趣旨ではない」などとする被告側主張を退けていた。

・1999/12/1 「不審船立ち入り 海自と海保訓練」 (日本経済新聞 朝刊より) 

海上自衛隊と海上保安庁は30日、能登半島東方沖の日本海で、日本の領海を侵犯した不審船を停船させ、立ち入り検査をすることを内容とする共同訓練を実施した。3月の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による工作船侵入事件を踏まえたもので、年内に不審船への共同対処マニュアルを作成する。海自と海保は10月に不審船対処の図上演習を共同で実施したが、実動訓練ははじめて。
 海自から護衛艦三隻と対潜硝戒機P3C一機、ヘリコプター一機、海保から巡視船・艇六隻と航空機二機が参加した。

・1999/11/29 「河川改修、未整備分16`」 (日本経済新聞 夕刊より) 

検査報告では、巨額の予算を投じながらも計画通りに事業が進まず、効果が上がっていない公共工事も指摘された。
 建設省の河川改修事業は、秋田市内を流れる旭川や大阪府の落堀川など七河川で堤防や護岸工事の完成のメドが立たず、未整備分は総延長約16`に及んでいる。これら七河川に対し、97,98両年度すでに約360億円の国費が投じられている。
 例えば、旭川など四河川は地権者の協力が得られず、用地買収が進まない。橋の架け替えや周辺の街づくり計画が進まないために、河川改修に着手できない例もあった。
 海底に人工漁礁を作る農水省の事業は、漁獲量が年々減っているのに設置を続けていたり、設置後の漁獲量調査をしていないケースがあった。網や漁具が引っかかったまま放置され、魚が逆に寄りつかなくなった場所もあり、検査院は約204件(国庫補助金約13億8千万円)の人工漁礁事業について「適切を欠く」と指摘した。

・1999/11/29 「サンゴの養殖 ふ化から実験」 (日本経済新聞 朝刊より) 

財団法人・亜熱帯総合研究所(沖縄県那覇市)と琉球大学の研究チームは、環境破壊などで減少が心配されているサンゴの養殖に乗り出す。サンゴの卵をふ化させて幼生を育てる技術を開発するとともに、成長を速める方法も探る。3年程度をかけて養殖技術の開発にメドを付ける計画だ。
 サンゴは1年に1回しか産卵しないうえ、卵の数も100−200個と限られている。ウニなど他の海洋生物に食べられてしまうケースも多いという。研究チームはサンゴの卵を人工的にふ化し、2−3aの大きさの幼生にまで育ててから海中に放すことで、サンゴの繁殖を助ける考えだ。
 サンゴは海洋開発などに伴う環境変化で消息地域が減っているうえ、ここ数年はサンゴ全体が白くなって死滅する「白化現象」も広がっている。亜熱帯総合研究所の山里清副理事長(琉球大名誉教授)は「技術を確立してサンゴ礁の再生につなげたい」と話している。

・1999/11/28 「火星に生命?地中の水探る」 (日本経済新聞 朝刊より) 

米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「マーズ・ポーラーランダー」が来月3日に火星に着陸する。火星にはかつて海があり気候の変化に伴い消失したと考えられているが、探査機はその気候変動の痕跡を調べるのが目的。中でも注目は水の探索。地表だけでなく、装置を地下に打ち込んで液体の状態の水を探す。生命をはぐくむ水の発見は地球外生命の存在の有力な傍証になる。

峡谷に水蒸気
 探査機が着陸するのは南緯76度。地球で言えば南極大陸の端あたりに相当する高緯度地域だ。この時期、火星の南極は夏を迎えようとする季節の変わり目にあたり、太陽は一日中沈まない。
 火星に水が存在することはわかっている。大気は0.03%程度の水を含んでおり、周回軌道上からの観測で、峡谷に水蒸気のもやのようなものが立ち込めることが知られている。ただ平均気温セ氏マイナス58度という低温世界では、生命にとって必要な液体の水はどこにでもあるわけではない。
 NASAが着陸場所に選んだのは、地表が白っぽく見える「極冠」と呼ばれる場所の端だ。極冠は凍った二酸化炭素(ドライアイス)や氷、砂などで表面が覆われていると推測されているが季節によってその大きさが変わる。これは日照によってドライアイスや水が蒸発するためと考えられる。

季節変化に的
 探査機は着陸場所周辺の土壌などを調べるとともに、季節の変わり目に起きるはずの水の蒸発をとらえるのも任務だ。過去の探査機が地球に送ってきた火星の姿は岩だらけの荒れ地であったが、今回は地表に氷が見えるかもしれない。非常に幸運なら、かげろうがたつ様子が見られるとの期待もある。
 地下水の探索は「マイクロプローブ」という観測装置が引き受ける。探査機本体と上空で分かれて、時速720`bという高スピードで地面に衝突。その勢いで温度計などを収めたセンサー部を2bほどの地下に打ち込む。「この深さに水が見つかるようなら火星の地下にはかなりの水があることになる」と、生命の起源に詳しい大島泰郎東京薬科大教授は言う。
 96年、NASAなどの科学者が火星から飛び込んできたいん石に微生物の化石らしきものを見つけたと発表して話題を呼んだ。このいん石は約1万3千年前に地球に落下したものだが、それをさかのぼること1600万前に火星に大いん石が衝突、その時に宇宙に飛び散った火星の岩の一部だとみられている。石の組成などからの推測だ。見つかったのが本当に火星の生物の化石なのか、科学界には異論もあり、「地球外生命の発見」として広く認められるには至っていない。
 火星で生命、または生命の痕跡が見つかったら、それは「生命は環境さえ整えば、どこにでも生まれるものだということを示唆する」と松井孝典東京大教授は言う。太陽系内の2ヵ所で個別に生まれるようなものなら、おそらく宇宙の至る所に存在しうるといえるだろう。

「有人」追い風に
 太陽系には火星のほかに生命がいそうな場所として、木星の衛星のイオとエウロパがある。ともに岩石でできた地球型の星。イオは火山活動があり月のように死んだ衛星ではない。エウロパは表面を覆う氷の下に温かい海があると考えられている。
 NASAは火星に今後も次々と探査機を送り込む計画。最終的には有人探査を目指していく考えだ。巨額の費用がかかる有人探査には科学界にも反対論・慎重論が強い。今回は「本格探査への中継ぎ」(大島教授)。地球外生命の発見への期待をそうした計画の追い風にしたい作戦だ。

・1999/11/27 「アマダイ水揚げ量、頭打ち気味」 (日本経済新聞 夕刊より) 

淡白で上品な味が魅力のアマダイ。甘みのあることからこの名が付いたが、姿形は一般のタイとは異なり、頭部が張り出しているのが特徴だ。本州中南部沖や東シナ海に分布し、秋から冬にかけて旬を迎える。首都圏の百貨店では体長約30aの魚が一尾5000円前後で売られている。
 アマダイはアカ、シロ、キの三種類に分けられ、体の赤いアカアマダイの流通量が最も多い。京都では古くから「グジ」と呼ばれ、特に若狭で取れたアマダイが珍重されている。薄く塩をかけて身を締めたうえで、焼き物や蒸し物などに料理するのが京都式だ。
 薄紅色のシロアマダイはアカアマダイより脂が乗って美味とされる。国内では南西部沖が漁場だが、近年は香港からの輸入が主流。腹部が黄色のキアマダイは相模湾などの近海で取れるが、人気は今一つで「卸価格はアカアマダイの半値程度」(東京・築地の荷受会社)という。
 ここ3、4年、アマダイの水揚げ量は頭打ち気味。得に福岡・長崎沖などでの遠洋はえ縄漁が振るわず、資源の減少が指摘されている。
 新日中漁業協定の交渉の遅れから中国が長崎・五島沖でアマダイを大量漁獲し、そのまま日本市場へ出荷してくるケースも増えている。

・1999/11/26 「客船炎上死者100人越す 中国・山東省沖」 (日本経済新聞 朝刊より) 

【北京25日=竹岡倫示】新華社電などによると、中国山東省の煙台港沖合で24日午後、乗客乗員320人が乗ったフェリー「大舜」号が炎上・座礁し、25日夜までに118人が遺体で見つかった。救助させたのは36人で、150人以上が行方不明になっている。日本大使館領事部によると、日本人が乗っていたかどうかは確認できてない。
 大舜号は24日午後、煙台港を出航、遼寧省大連に向かったが、強風と高波で煙台港に引き返す途中だった。

・1999/11/25 「グリーンランド沖 未知の島6つ発見」 (日本経済新聞 夕刊より) 

【ベルリン24日=AFP時事】ドイツとデンマークの科学者グループは24日、グリーンランド沖で6つの未知の島を発見したと発表した。

独ブレーマーハーフェンにあるアルグレート・ウェゲナー研究所のウィルフリート・ヨカト氏(地球物理学者)によると、6つの島は氷に覆われているが、グリーンランド東方約75`に位置することが人工衛星で特定されたという。
 島の存在は2年前、表面の巨大な氷の塊が割れたのがきっかけで、上空から初めて目撃されていた。98年にデンマークの調査団が上陸を試みたが、悪天候に阻まれて現実せず、今年7月に科学者チームが砕氷船からヘリコプターで諸島への上陸に成功、岩のサンプルを持ち帰ったという。6つの島々は、1906年にデンマークの探検隊に随伴した犬の名にちなんで、トビアス諸島と命名された。

・1999/11/25 「普天間移設「15年期限」要請」 (日本経済新聞 夕刊より) 

小渕恵三首相は25日午前、首相官邸で沖縄県の稲嶺恵一知事と会談した。稲嶺知事は米軍普天間基地(宜野湾市)の移設先として名護市辺野古(へのこ)地区を選んだことを正式に報告し、受け入れの条件として@代替基地は15年期限付きの軍民共用空港とするA名護市を含む北部振興策と基地跡地利用策を早期に具体化するB建設地点や工法の選定にあたり辺野古周辺住民の生活や自然環境に十分配慮する――などを求めた。

首相は「知事の尽力に敬意を表する。問題の1日も早い解決に向けて課題に全力で取り組んでいく」と述べ、最大限努力していく考えを伝えた。ただ、使用期限の設定に関しては米政府が反対するなど調整は難航が予測される。同日の会談でも同席した青木幹雄官房長が「期間をうんぬんすることは将来の国際情勢など様々な要因と深く関係し、極めて難しい問題がある」と指摘した。
 このほか稲嶺知事は、米軍基地の一層の整理・縮小、米兵容疑者の起訴前の引渡しを可能にするための日米地位協定の改定などを要望した。この後、稲嶺知事は河野洋平外相、瓦力防衛庁長官とも個別に会談し、同様の申し入れをした。
 政府は12月上旬に沖縄政策協議会(全閣僚と沖縄知事で構成)を開催し、振興策や跡地利用策に関する本格的な調整に入る。
 これに関連して首相は同日昼の講演で「名護市が(基地受け入れを)受け止めてくれるかを期待している。沖縄へ向けた諸政策に政府をあげて取り組んでいかねばならない」と強調した。

・1999/11/25 「舞鶴−大連航路開設 京都府」 (日本経済新聞 朝刊より) 

近畿北部唯一の外国貿易港、舞鶴港(京都府舞鶴市)と中国の大連、青島港を結ぶ定期コンテナ航路が開設され、23日に第一船「リッチ・スター」が入港した。定期航路は8年ぶりの新設で、韓国・釜山航路と合わせ計週3便就港することになった。地域復興を目指す地元の期待は大きいが、輸出貨物の確保や地域整備など課題も多い。

曇天の舞鶴西港第二ふ頭。赤いクレーンが茶色のコンテナをゆっくりと引き揚げる。江守光起舞鶴市長は「ここまで来るのに10年。長かった」と感慨深げだ。
 新航路は週1便で、大連の日系企業から日用雑貨や鋳物を運ぶ。舞鶴からは金沢港(石川県)で輸送貨物を積み込み、青島を経て大連に戻る。舞鶴港の年間取扱コンテナ数は現在の1.5倍の6200個(20フィートコンテナ換算)を見込む。
 中国東北部随一の工業都市の大連との航路開設は悲願。舞鶴港の年間貿易貨物量は94年以降90万dと60万dの間で増減を繰り返しており、「大連航路により安定的に増やしたい」(江守市長)としている。
 ただ、航路開設は「第一歩に過ぎない」とする声は多い。最大の課題は輸出貨物の確保だ。京都府などは神戸港に比べ貨物が迅速に処理されるほか港湾使用料が安い点を生かし、輸出拠点として府内企業に利用を働きかける考えだ。
 京都府の綾部市や福知山市など後背地の開発も課題。貿易関連業務のKSAインターナショナル(京都市)は「北部の工業団地に輸出型の工場を誘致することが必要。行政の一段の努力が欠かせない」(木村政俊取締役)と指摘する。
 かつて舞鶴港はロシアや朝鮮民主主義共和国(北朝鮮)、台湾などとの間に5本の定期貨物船が就航していた。しかし東アジア経済の停滞で輸入量が減少し、90年代前半から次々と廃止に追い込まれた。
 同港では新ふ頭をさらに建設している。このような環境にあっては内陸部からの輸送費の割引などを含め、官民が一体となって舞鶴港の便利さや使いよさを向上させることが大事だろう。 

・1999/11/24 「湾岸に巨大ツリー 東京・台場」 (日本経済新聞 夕刊より) 

東京・台場、午後五時。日暮れの早いこの季節、レインボーブリッジに夕闇が迫ると、青や緑の電飾約8000個が高さ16bもある天然の巨木を鮮やかに浮かび上がらせる。記念撮影する観光客、二人の世界に浸る若者カップル…。夕方から夜にかけて、ブティックやレストランが入った複合商業施設「デックス東京ビーチ」前にある日本最大級のクリスマスツリー「台場メモリアルツリー」には、様々な人たちが集まる。

海のイメージが強い台場では、例年、冬になると客足が遠のく。そのためデックスを運営する住商アーバン開発(東京・千代田)などが集客力を強化しようと設置したのが、台場メモリアルツリーだ。今月13日のツリー点灯後、デックスには週末で1日6万−7万人の客がつめかける。ツリーは来年3月半ばまで点灯しており、期間中に前年同期比10%増の300万人の来客数を見込む。
 夫婦で台場に遊びに来た会社員、村田紀樹さん(25)は、「大きなクリスマスツリーがあると聞いてきた。これから妻につきあって買い物です。」
 ツリー点灯後はデックス内の店舗への来店客数も目に見えて増えており、「この分ならクリスマスムードが盛り上がる12月の売り上げも期待できそう」(テナントの雑貨店)という。競争の激しい台場の歳末商戦で、「ツリー作戦」はひとまず成功しているようだ。

・1999/11/24 「海底パイプライン建設へ ロシアのガス独占企業体」 (日本経済新聞 夕刊より) 

 【モスクワ23日=池田元博】インタファクス通信によると、ロシアの天然ガス独占企業体ガスプロムは23日、日本の大手商社連合などとの間で、ロシア産天然ガスを黒海を経てトルコに供給するための海底パイプライン建設契約に調印した。この構想は「ブルーストリーム計画」と呼ばれるもので、欧州市場の覇権を目指すガスプロムが21世紀に向けた主要な対外戦略の一つに位置付けている。

今回の契約には、ガスプロムとイタリアのENI(炭化水素公社)が合弁で設立した「ブルーストリーム・パイプライン会社」と、日本の三井物産、住友商事、伊藤忠商事がイタリア、フランスの企業とともに調印した。
 これからの企業は黒海の海底パイプラインの事業化計画策定から機器の供給、建設を請け負い、日本の商社連合は主としてパイプライン用の鋼管調達を担当する見通し。
 ブルーストリーム計画は2001年からガス供給を開始し、2002年の完成を目指している。同計画の実現に向けてはガスプロムのドゥビニン副社長(前ロシア中央銀行総裁)が今年8月に訪日し、国際協力銀行の融資適用など日本政府の協力を求めていた。
 一方、ロシアの影響力低下を画策する米国はこの計画に対抗。トルクメニスタンからグルジア経由でトルコに抜ける別のガスパイプライン建設計画を後押しし、先にイスタンブールで開かれた欧州安保協力機構(OSCE)首脳会議にあわせて関係各国がパイプライン建設のための覚書に調印したばかりだった。

・1999/11/23 「光海底ケーブル 京都で国際会議」 (日本経済新聞 朝刊より) 

 米ATT、英ブリティッシュ・テレコム(BT)など世界の通信大手が中心となって主催する光海底ケーブルの国際会議が、2001年5月に京都で開かれる。この会議は4年に1度開催され、京都での大会が4回目。光海底ケーブルの最新技術や需要予測などが話し合われる。インターネット需要の爆発的な伸びを背景に、海底ケーブル敷設事業には米マイクロソフトなど異業種からの参入も相次いでおり、幅広い関心を集めそうだ。
 京都で開かれる会議は「Sub Optic(サブ・オブティック)2001」でKDD全額出資のケーブル敷設会社、ケイディディ海底ケーブルシステム(KDD−SCS)がホスト役を務める。

・1999/11/23 「南シナ海域の行動規範 適用範囲で難航」 (日本経済新聞 朝刊より) 

 【マニラ22日=松野哲朗】24日からマニラで始まる一連の東南アジア諸国連合(ASEAN)会議を前に、南シナ海域の緊張暖和を目指す「地域行動規範」を巡り、ASEAN各国、中国の間で適用範囲などについてぎりぎりの調整が続いている。昨年後半以降、各国・地域が同海域での活動を強化し領有権絡みの緊張は高まっており、ASEAN内部の足並みもそろっていない。今回の会議で規範の採択にこぎ着けるのは難しい情勢で、平和解決という規範の理念を確認するだけで終わるとの見方が強い。

行動規範の原案は首脳会議の議長国であるフィリピンが関係国の意見を聞いて練っており、最新案は「まだ占領されていない島、環礁では行動を起こさない」ことを申し合わせ、現状維持を確認する内容。
 問題は規範の適用範囲だ。マレーシアは領有権争いが激化している南沙(スプラトリー)諸島以外への適用を避けるため、南シナ海という言葉を入れず諸島の名前だけにすることを要望。これに対し中国は南シナ海の明記を主張している。

・1999/11/23 「名護市への「普天間」移設要請  賛成派も工法で分裂」 (日本経済新聞 朝刊より) 

 米軍普天間基地問題は沖縄県が移設先に名護市辺野古地区を選定し、決着への最終コーナーを曲がった。名護市の岸本建男市長も年内に条件付き受け入れを表明する会見をする見通しだ。とはいえ、辺野古地区の受け入れ賛成派も建設工法を巡って海上か埋め立てかで分裂しており、希望に沿わない工法なら反対に回る構え。もとより受け入れ反対派は市長の解職請求(リコール)を念頭に活動を活発化させており、最終決着までにはなおハードルが少なくない。

「今後の検討課題だ」――。22日午後の記者会見で稲嶺恵一知事は代替基地の工法について言質をとられないよう慎重な言い回しに終始した。移設先が「米軍キャンプ・シュワブ水域内の名護市辺野古沿岸域」というわかりにくい表現になったものの、海上とも埋め立てとも受け取れるように苦心した結果だ。
 選定過程で知事の念頭にあったのは埋め立て案。昨年の知事選での「海上基地は認めない」との公約に反すると理論武装が難しい。知事選での支持団体だった県内建設業界が埋め立て案を望んでいるという政治的な事情もある。
 もっとも県外の大手ゼネコン勢は「海上派」。辺野古の有力者を東京湾に浮かぶメガフロートに招くなどして巻き返し、辺野古では海上派が埋め立て波をしのぐ勢力に成長した。
 辺野古の説得を優先するなら海上案だが、全県的な支持を得るなら埋め立て案が得策――。知事もうかつには判断できない状況だ。
 事情は岸本市長も同じ。「住民生活に影響を与える施設は受け入れられない」と表明し、住宅地と基地の距離を重視する姿勢をみせたのは海上案が優勢との読みからだが、それを受け入れの絶対条件にした場合、地元の建設業者の反発を招きかねない。具体的条件の提示には極めて慎重になっている。

知事は記者会見で、どうやって住民合意を形成するのかを問われ、少し考えたうえで、「社会資本の整備、産業復興による雇用の創出、文教施設整備」と地域復興策を列挙してみせた。そこには「ばらまき行政」以外に住民説得の手段がない苦悩ものぞく。復興の目玉は代替基地の軍民共用化だが、民間の需要予測などの裏付けはほとんどない。
 「お伺いするのが筋だが…」。自ら移設先自治体を訪ねて受け入れを要請すると公言していた知事は反対派が名護市役所を取り囲んでいるのを見て土壇場で名護市役所訪問を取りやめ、要請は副知事に代わりに行かせた。主要国首脳会議(沖縄サミット)開催を控え、県内移設を推進してきた自民党など県政与党内も「修羅場はこれからだが、乗り切れるのか」と、先行きへの不安を隠せないでいる。

・1999/11/22 「黒潮異変」 (日本経済新聞 朝刊より) 

 日本の太平洋岸を西から東へ流れる黒潮に"異変"が生じ、様々な影響が出ている。今年の黒潮は東海−関東沿岸に接近したり、蛇行が進んで"切り離し現象"が起きるなど、海上保安庁も「いつもと違う」と首をひねる。これに伴って、三陸沖などの漁場で異変が起きているほか、伊豆周辺ではダイバーが潮流に流される事故が多発。10月下旬には名古屋や東京で異常潮位が発生しており、海保や気象庁などが注意を呼び掛けている。

黒潮は、フィリピンの東沖から日本の太平洋岸を沿って進む幅約70−100`、時速約4−7`の暖流。流れ方には例年変動があるものの、海保によると、今年は「特に異常」だ。
 3月以来、犬吠埼(房総半島)の東沖には付近より水温が4度程度低い渦が発生。この渦を避けるように黒潮が大きくうねり、その""が本流から離れて「暖水渦」ができる現象が3月、5月、11月に起きた。昨年までの5年間に暖水渦の発生は1度もなく、1年に3回もできるのは極めて珍しいという。
 暖かい海水の渦は三陸沖や関東東岸の漁業に影響を与えている。水産庁によると、黒潮に乗ってくるカツオやマグロが東北沖で前年の2−3倍の好魚。一方、暖水のおかげで親潮の南下が遅れ、サンマの南下も北海道東岸付近にとどまった。11月中旬現在、北海道浜中のサンマ漁獲高が前年比152%なのに対し、宮城県気仙沼では同71%、千葉県銚子では40%。
 黒潮は東海、関東近海でも異変を起こしている。今年初めから接岸や離岸を3回ほど繰り返し、接岸時には伊豆半島に向かってくるように流れるのが特徴。今夏以降は、強い分流が相模湾や遠洲灘に流れ込んだ。
 このため、10月には伊豆半島沖などでスキューバダイビングの事故が多発。10月下旬には東海地方などで異常潮位を観測した。黒潮分流の影響で水量が増えているところに、大潮や低気圧の通過が重なったためで、海面は平常の満潮時より50−70a上昇。三重県・鳥羽港で道路冠水などの被害が出たほか、名古屋港では水門を閉鎖。東京港でも潮位は平常より最大35a高かったという。
 異常は気象や海底の地形などと密接に関係するとされるが、詳しい発生メカニズムは不明。10月には例年より約300`北にあった「親潮前線」が11月になって南下する傾向を見せ始めたというが、海保などは船舶や海上レジャー関係者に注意を呼び掛けている。

・1999/11/22 「雲・海の影響ナゾ深く 来世紀の大テーマ」 (日本経済新聞 朝刊より) 

 今年度の京都賞の受賞者である米カリフォルニア大学スクリプス海洋研究所のウォルター・ムンク博士(82)に、21世紀に向けた地球科学の課題を聞いた。博士は海流の分布などの分野で先駆的な研究成果を上げてきた。最近は地球温暖化による海の温度変化を音波で監視するプロジェクトに取り組んでいる。

――地球に関する重要な科学的知見はほぼ解明させたと思いますか。
 「分からないことが増えている分野もある。気候変動はその代表例で、来世紀に残された大テーマ。気候に与える雲の影響は未解明で、大気中の浮遊微粒子の研究も始まったばかりだ。」

――気候に与える海の影響も分かっていませんか。
 「海の影響は極めて重要。温暖化ガスである二酸化炭素を熱と大量に蓄えるからだ。温暖化によって海洋の循環パターンが変化し、急激な気候変動につながるとの予測もある。」

――あなたが始めた音波による観測で海の異常は検地されていますか。
 「海水温の変化が温暖化によるか否かを確かめるには最低10年の観測が必要だ。ただ、現在まで得られている観測データも海岸モデルと突き合せれば、モデルの改良につながる」

――21世紀にはコンピュータで地球を完全に模擬できるでしょうか。
 「科学者はコンピュータが速くなれば、現象が完全に解明できると言い続けてきた。しかし、処理能力がいくら高まっても完全に模擬するのは難しい」

・1999/11/22 「昨年のエルニーニョ終息 国立環境研などが仮説」 (日本経済新聞 朝刊より) 

 97年から98年にかけて現れた過去半世紀で最大のエルニーニョ現象は、巨大な積乱雲の群れが赤道上を移動したことが引き金になって、突然終息した――。このような説を国立環境研究所の高藪縁主任研究員らのチームがまとめ、英科学誌ネイチャーの最新号に発表した。エルニーニョは東太平洋の海面温度が通常より1−5度高くなる現象で干ばつなど異常気象の原因とされる。これまでその終息を予測するのは困難だったが、今回の説が正しいとすると予測が可能になるという。

研究チームは、米国の気象衛星などがとらえた赤道の海水温や降水量などのデータを分析した。その結果、98年5月ごろに西太平洋の熱帯域に直径3000`に及ぶ巨大な積乱雲の群れが発生し、周辺に大雨を降らせながら東に移動したことがわかった。
 これに伴い赤道周辺で貿易風が強まり、東太平洋の深さ数十bにあった低温海水が一気にわき上がったという。
 高薮主任研究員は「積乱雲群の移動で生じた低温の海水の上昇が終息を加速させ、エルニーニョを消滅させた」と話している。

・1999/11/22 「普天間移設先 名護市辺野古に決定」 (日本経済新聞 朝刊より)

 沖縄県は22日、米軍普天間基地(宜野湾市)の移設先を英軍キャンプ・シュワブのある名護市辺野古(へのこ)地区とすることを正式決定する。名護市の岸本建男市長は「市民生活に影響のある施設とはしない」などの条件付で施設を受け入れる意向を固めており、96年に日米両政府が合意しながら、98年に大田昌秀知事(当時)が県内移設を拒否して宙に浮いていた普天間基地返還はようやく実現に動き出す。

沖縄県は22日午前、臨時庁議と三役会議で移設候補を「キャンプ・シュワブ水域内の名護市辺野古」と確定。稲嶺恵一知事は同日午後、記者会見で表明した後、市長に受け入れを要請する。
 知事は早ければ23日に上京して小渕恵三首相に選定結果を伝え、@移設先の施設は軍民共用の空港とするA米軍の使用期限は15年とする――との条件をつけるとともに、名護市の地域復興に特段の配慮をするよう求める。政府内では「期限付き」は困難との見方が大勢で、政府と県の調整が長引く可能性もある。
 県は当初、24日に移設先を発表する方針だったが、県内移設反対派が24日から3日間、名護市役所をデモ隊で包囲して知事の訪問を阻止する構えを見せているため、前倒しした。ただ、名護市のヘリ基地反対協議会は21日、知事訪問同時に市役所前で座り込みをすると決定した。

・1999/11/21 「海から「助けて」 携帯電話が急増」 (日本経済新聞 朝刊より)

 海難救助を携帯電話で要請するケースが増えている。海上保安庁の20日までのまとめによると、今年1月から9月までに、レジャー用のボートが火災や他の船舶との衝突、転覆などで保安庁に救助を求めた事故のうち、5件に1件は携帯電話で通報されていた。レジャー用の小型船には船舶無線を搭載する義務がなく、携帯電話が陸上との連絡手段になっている。

保安庁によるとレジャー船の海難時に携帯電話で通報するケースは93年には約6%だったが、年々増え98年には約17%と3倍増に。今年は9月末までに605件発生したうち携帯で救助要請してきたのは123件(20.3%)だった。
 京都府伊根町沖の日本海で9月、一人乗りのモーターボートが転覆した事故では、海に投げ出させた男性が定置網に泳ぎ着き、防水用にビニールにくるんで持っていた携帯電話を取り出し、地元の海上保安署に通報。スピード救助された。

・1999/11/20 「欧州−アジア最短航路 「通年航行が可能」」 (日本経済新聞 朝刊より)

 北極海を抜けて欧州とアジアを結ぶ北極海航路の商業利用が現実に向けて動き始めた。共同調査を進めてきたロシア、ノルウェー、日本の研究機関は18日、「技術的には通年航行が可能」と発表した。

北極海航路は1年の半数が氷で閉ざされ、商業利用は困難とせれてきた。同航路を使うとドイツのハンブルク−東京間航行距離は6600 マイル(1 マイル=約1.6`b)となり、スエズ運河経由航路(18600 マイル)、ケープタウン経由航路(18600 マイル)に比べ大幅に輸送時間を短縮できる。
 共同調査を続けてきたロシアの中央海洋調査設計研究所、ノルウェーのフリチョフ・ナンセン研究所、日本財団傘下のシップ・オーシャン財団は、オスロで開かれた「北極海航路に関する国際ユーザー会議」で調査結果を発表。同調査によると@最新の砕氷船や全地球測位システム(GPS)技術を使えば、通年航行が可能A通年航行のコストは貨物1dあたり21j(通常の航路は18j)という。
 同航路に対応した貨物積載量4万7千d級の砕氷型貨物船の建造コストは3300万j前後(通常の貨物船は2200万j)で、航行船舶数の増加で解消する可能性があるという。

・1999/11/19 「地域の魅力フル活用 USJ周辺」 (日本経済新聞 朝刊より)

 関西で文化を核にした都市づくりの試みが始まっている。ハード中心で全国どこへ行っても同じという従来型の開発計画から切り替えて、地域の特徴を生かした開発で新鮮味を出そうと懸命だ。

関西で現実に動き出している数少ないビックプロジェクトの一つが米国映画のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の建設とその周辺の開発事業だ。
 
USJ建設は、市の第三セクター、ユー・エス・ジェイ(大阪市)に対する事業費1250億円の融資が難関だったが、9月末に日本開発銀行(現日本政策投資銀行)など十八金融機関と融資契約を締結、2001年春開業に向けて順調に歩み出した。
 USJの玄関口となるJR新駅北側では、商業ビル、ホテル3棟、オフィスビルを建設する再開発事業に12月から順次着手する。総事業費は423億円で、2002年春に完成する。
 中心になって事業を進めてきた住友商事は不動産投資の主役だった金融、不動産会社がバブル崩壊で投資を控える中、資金に余裕がある企業に的を絞って案件をまとめた。
 松下電器産業グループの松下不動産(大阪府門真市、松下正治社長)は、住商が建設するオフィスビル(延べ床面積
15600平方b)を買い取る。ビルには西日本電信電話(NTT西日本)が入居する。
 綜合警備保障グループの綜合商事(東京・新宿、村井恒夫社長)は西日本旅客鉄道(
JR西日本)から土地約6800平方b借り、ホテル(654室)を建設して藤田観光に賃貸する。前田建設工業と住商は京阪電気鉄道系のホテル京阪に貸すホテル(348室)、近畿日本鉄道グループは自社グループの都ホテル(456室)、住商が伊藤ハムなどの入居する物販・飲食の商業施設(延べ床面積約17000平方b)をそれぞれ建設する。
 住商はシネマコンプレックス(複合映画館)とゲームセンターなどの入居する商業施設(同
3万平方b)も建設予定だったが、投資抑制のため二期工事に回し、着工を先送りする。
 
JR新駅南側の安治川沿いの地区では、海運を主力とする台湾の有力企業、長栄(エバーグリーン)グループが住友金属工業の工場跡地1.5fを購入し、ホテルを来年着工する。年内にも土地の購入契約を結び、約600室程度の規模のホテルを2002−2003年ごろオープンする運び。
 他の
USJ周辺のホテル計画よりも高級感のあるリゾートタイプのホテルを建設、土地代を含めて300億−400億円を投資する。ウォーターフロントに位置するため、千葉県浦和市の東京ディズニーランド周辺の舞浜ホテル群のような開発を目指す。
 
大阪市もUSJと大型水族館「海遊館」のある天保山を結ぶ航路をUSJ開業までに開設するため、民間客船会社の誘致を進めており、臨海工業地帯の再開発が加速する。

・1999/11/17 「海賊被害の不明貨物船 インド沖で発見」 (日本経済新聞 朝刊より)

 運輸省などに入った連絡によると、インドネシア・スマトラ島付近で海賊に襲撃された貨物船アロンドラ・レインボー号(7,762d)が16日、インド・ゴアの西約500`の海上でインドの沿岸警備隊に拘束された。同船には東南アジア人とみられる15人が乗務しており、インド当局が調査中という。アロンドラ・レインボー号は10月22日にスマトラ島を出港直後、海賊に襲われ行方不明になっていた。

・1999/11/16 「普天間移設地を沖縄県24日決定」 (日本経済新聞 朝刊より)

 沖縄県は15日、米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古(へのこ)地区への移設を22日の三役会議、24日の臨時庁議を経て決定するとの段取りを決めた。同日中に稲嶺恵一知事が記者会見で発表し、その後、名護市を訪れ、岸本建男市長に受け入れを要請する。

那覇軍港の移設で浦添市が条件提示
 沖縄県浦添市は15日、米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の同市への移設前提となる沖縄県、那覇市、浦添市の三者による事務組合の設立を条件付きで認める書面を県に提出した。浦添市は軍港移設に反対してきたが、軍民共用化ができるならば地域振興に役立つと判断。書面に「(新港の)多目的ふ頭を日米共同使用とする案を基本とする」との方針を明記した。

・1999/11/15 「南極観測へ 41次隊出発」 (日本経済新聞 夕刊より)

 第41次南極地域観測隊(鮎川勝隊長ら60人)を乗せた海上自衛隊の砕氷艦「しらせ」(11,600d)が14日正午前、昭和基地に向け東京・晴海ふ頭を出港した。1957年にわずか11人の越冬で始まった南極観測だが、今回の越冬隊は21世紀を南極で迎える。
 晴海ふ頭では約3000人が出港を見送り。鮎川隊長は「安全と環境をキーワードに観測成果を上げていきたい」とあいさつした。
 一行は夏隊20人、越冬隊40人のほか、オブザーバーの4人。オブザーバーには一行中、唯一の女性の総合研究大学院大学生、梅田晴子さん(24)がいる。
 「しらせ」は燃料や生鮮食品の補給のためにオーストラリア西海岸のフリマントルに寄港、12月中−下旬に昭和基地に到着する。夏隊は来年3月、越冬隊は2001年3月に帰国の予定。41次隊は98年1月に施行された南極環境保護法の適用を初めて受けるため、環境保全が重点課題。昭和基地に太陽光発電機を増設するほか、初めて風力発電を設置する。

・1999/11/14 「漁業者が稙林 海きれいに 宮城のカキ養殖」 (日本経済新聞 朝刊より)

 カキのシーズンを迎え、宮城県産の売れ行きが好調だ。トップの広島産のシェアを食っている。生産者や仲買業者の経営努力ももちろんだが、好調の原因をたどっていくと気仙沼湾の漁民が10年前から始めた、「漁師が山に木を植えよう」という地道な活動に行き着く。自然との共生を目指した養殖が住民の意識改革につながり、じわりと大きな経済効果を上げ始めた。

 「最近ウナギを時々見掛けるんですよ。きれいな海かどうかを見るバロメータはウナギがいるかどうかです」。気仙沼湾に面する唐桑町西舞根(にしもうね)でカキ養殖業を営む畠山重篤さんはうれしそうに語る。
 宮城県と岩手県の県境に近い気仙沼市、唐桑町はリアス式と呼ばれる美しい海岸線が続き、森と海が近接する。ここで畠山さんらが「漁師が山に木を植えよう」と運動を始めて10年がたつ。
 小さな村なのに農業、林業、漁業は別々で相互交流は少なかった。昭和40年代から50年にかけての高度成長の波はこんな漁村にも及び、赤潮の発生で一夜にしてノリが大きな被害を受けるという、漁業者にとって危機的な状況が生まれていた。「気仙沼湾の生物を育てている森や河川が危ない。湾に流れ込む大川上流の根室山に木を植えよう」。それが運動の出発点だった。
 この小さな試みが全国に広がっている。全国漁業協同組合連合会(全漁連)によると、全国で漁業者自ら山に木を植える運動を展開している団体は30。昨年3月には関係者が初めて一堂に会した「全国漁民の森サミット」が東京で開催された。
 宮城県でも畠山さんに共鳴する漁師が増えてきた。気仙沼湾ではカキの採取が今、最盛期を迎えている。志津川町では6年前から稙林を始めた。きっかけは海と山の青年たちの対話。山の人たちは自分たちの森を漁民に提供。最初は慣れぬ手つきでブナを、昨年はミズノキを植えた。今、伐採を極力抑えて森を保存する水源涵養(かんよう)保安林44fの指定を申請中だ。
 志津川漁協と戸倉漁協の漁協青年部で構成する連絡協議会会長の行場博文さんは、「かつて海を汚しているのは漁師ではないかという町民の批判があった。漁民自身の意識改革が大きい」と語る。
意識改革は大人ばかりではない。「一番大きいのは子供たちではないか」と畠山さんは言う。毎年体験学習で多数の子供たちが畠山さんの漁場を訪れる。岩手県室根村立上折壁小学校では93年から5年生が毎年訪問している。小山力夫校長は「子供たちは歯磨き粉や洗剤の使用量を減らそうと言い出すようになった」と学習効果を語る。

環境を重視したこうした努力の積み重ねは大切だが、それだけでは運動は長続きしない。何よりも漁業者の生活基礎の確立が前提になる。最近、宮城産のカキ養殖事業は極めて好調だ。今年は前年を大幅に上回る年産6千d(むき身換算)を目標にしている。宮城産では漁業者全体は他県と同様減少しているが、カキは別。「Uターンも増えており、カキ漁業者は減っていない」「もうすぐ県漁連の共販金額が100億円を超えるのは間違いない」と生産者や仲買業者は元気がいい。
 懸念されるのはダム建設再開の動きだ。97年、政府の公共事業抑制政策の影響で気仙沼では新月ダム建設計画が凍結された。しかし地元ではダム推進派も多く、計画再開が依然くすぶっている。
 上流の工事で大量に吐き出される土砂は河川に流れ込み、下流の海に到達する。ダムと河川関連についてここ数年、気仙沼湾の水質検査をしてきた北海道大学水産学部の松永勝彦教授は、「ダム建設により河川から海に流れ込むケイ酸塩が減少し、ケイ素の殻を持たない植物プランクトンが増えるという海外のデータがある。これは赤潮の原因になる。大川の影響では河川の海底土が気仙沼湾全体に影響していることが分かった」と指摘する。   (仙台支局、広島支局)

広島産、ピークの半分 過密養殖回避へ いかだに"戸籍"
 広島県のカキ収穫量は、台風被害や貝毒・赤潮発生の影響でここ数年、減少傾向が続いている。昨年は約1万5800dと、ピークだった87年の半分。ダム・河口堰(せき)の建設でカキのえさとなる植物プランクトンが減り、漁場自体の生産力が落ちたことが一因。
 県と漁業協同組合は過密養殖(密殖)を避けようと、今年度からすべてのいかだに通し番号を記した標識を取り付けた。"戸籍"のないいかだを取り締まり、航空写真で確認された1万4500台のいかだを、まず県が免許を交付した1万3044台まで減らす。2003年までにさらに二割減らす計画だ。漁協が合計三割ものいかだ削減に同意したのは、「カキの育ちが良くなるうえ、生産経費の減少で経営効率が上がる」(広島県漁業協同組合連合会)という粘り強い説得があったからだ。
 宮城県などの他の生産地を意識したブランド戦略も打ち出している。
 例えば、大粒の「かき小町」。カキは夏場の産卵でいったんやせ細り、海水の温度セ氏20度程度に下がると再び太る。県水産試験場が開発したかき小町は夏でもやせない。水温が早く下がる北の産地が勝るといわれる10月ごろでも、品質は北のカキより上という。

・1999/11/14 「ロングハンディッド・ロブスター  和歌山県」 (日本経済新聞 朝刊より)

 和歌山県沖で今月上旬、日本で初めて見つかったロングハンディッド・ロブスターと呼ばれる伊勢エビの仲間が13日、同県すさみ町の町立「エビとカニの水族館」で公開された。
 体長約20aで、大きな黒い目に長いハサミ、紅白のしま模様の足が特徴。同町の漁師が水深30bの海中で仕掛けたエビ網で捕獲した。国立科学博物館によると、ハワイ周辺やカリブ海などに生息するが日本での発見は初めてだという。
 同水族館の森拓也館長は「米国で見たことはあるが、まさか、すさみ町で捕れるとは。和名がないのでスサミエビと命名したい」と話している。

・1999/11/14 「大漁の主役 盛衰の波」 (日本経済新聞 朝刊より)

 イワシの時代からサンマの時代へ――。80年代はイワシの大豊漁時代とまで言われるほどたくさんとれたが、90年代になると急に減り出した。逆にサンマの資源量が増えた。「魚種交代」と呼ばれる海のドラマだ。漁種間の競争によるのか、環境変動が原因か、定説はない。一つのカギは魚と共存する動物性プランクトン。その増減が魚の世界の「政権交代」を促すと思われる。

マイワシ激減
 マイワシはイワシの中でも大型で、よく刺身になる種だ。統計では88年の漁獲量は約450万dに達したが、最近では20万d台。減少は決して人間がとり過ぎたためではない。過去には65年の1万d以下という最低記録もあるし、戦前の30年代には80年代のような大豊漁時代だった。つまり大きな浮き沈みが繰り返されてきたのだ。
 マイワシが減った時には、他の魚が増えて主役的存在になる。例えば太平洋側ではマイワシ−サンマ−マサバ−マイワシの順序で、日本海側ではマイワシ−マアジ−マサバ−マイワシの順序で、主役が交替する。いずれもプランクトンを主な餌(えさ)とする「多獲性浮魚(うきうお)」、いわゆる「大衆漁」だ。
 筆者は農水省の研究所でこの減少の解明に取り組んできた。カギは動物性プランクトンにあるとみている。
 主役になる魚種の変動を分析すると、交替のきっかけは、ある年生まれのグループ(年級群と呼ぶ)の量が突然大きく増減するところにある。今回のマイワシの減少も、88年生まれのグループ(88年級群)が、産卵量としてはかなりたくさん観測されていたにもかかわらず、シラス(幼少のイワシ)期以後まったく見当たらなくなったことから始まった。何らかの原因で88年級群は育たず死滅したと考えられる。
 自然界の海では魚類は食う食われるの関係にあり、死がいはほとんど見当たらない。深海調査船で潜っても海底に魚の死がいをみることはまずない。公害や異常気象などの大量死は別にして、魚類は生きているうちに外敵に食われるのが普通だ。これは生まれてきて間もないころでも同じだ。

運命を握る外敵
 魚類は多産でマイワシでも一尾が数万粒の卵を産む。生まれて間もない幼少の魚は数ミリの大きさで海の表面を浮遊する。この幼少期に外敵が多いか少ないかが、その年級群の運命を大きく左右する。
 幼少期の魚は動物プランクトンと共存関係にある。魚の赤ちゃんたちはプランクトンの幼生を餌に育つ一方で、大型の動物プランクトンの餌となって食べられる。この魚食性プランクトンが大量に出現するとその年生まれの魚には大打撃である。実際、この類のプランクトンは周期的に大量出現し、魚種交替の引き金になっているとみられる。
 この考えに基づき、筆者はイワシ大豊漁時の88年にその減少を予測した。今後はプランクトンの大量出現周期(約13年)からみて、太平洋側では今世紀ではサンマの時代は終わり、サバ時代を経て、2020年代に再びイワシの時代がくると予測している。日本海側ではアジからサバ、イワシの順に移る。

各地で魚種交替
 変動の引き金となるプランクトンの大量出現の仕組みは未解明で、今後の研究課題。また主役登場の順番もイワシやサンマの食性や生息海域の違いで決まるとの議論があるが、はっきりしていない。
 魚種交替は日本近海だけではない。魚種の組合せは違うが世界各地で見られる。そして200 カイリ法によって自国近海の水産資源管理の責任が生じた各国はこの大規模な資源の交替劇をどう理解するのか頭を悩ましている。 (海洋サイエンティスト 河井智康)

・1999/11/13 「26日をメドに護岸工事開始 神戸空港」 (日本経済新聞 朝刊より)

 神戸市は神戸港ポートアイランド沖で2005年の開港を目指す神戸空港について、26日をメドに地盤改良のための敷砂作業に着手し、護岸工事を開始する。8月中旬から海底地盤の安全確認や危険物の処理を進めてきたが、海底を含めた工事面積約360fのうち65%については安全が確認されたことから、本格工事に入る。
 ポートアイランドなどがコンクリートを積み重ねるケーソン方式を採用したのに対し、神戸空港では穏やかな石積み傾斜を作ることで魚の生息を促す。

・1999/11/12 「海底ケーブル 変革の波」 (日本経済新聞 朝刊より)

 国際通信の動脈である光海底ケーブルビジネスに、構造変革の波が押し寄せている。丸紅やソフトバンクなどが敷設事業に参入、KDD、米AT&Tなど通信大手の協調体制を揺さぶる。インターネット革命でデータ通信量が急増、回線需給のひっ迫感の高まりが背景にある。世界的な通信競争が「陸」から「海」へと波及した格好だ。ただ、回線需要の先行きを読み切っての新規参入とはいえず、敷設競争の激化が回線の供給過剰につながる恐れも出ている。

「クラブ型」に風穴
 丸紅が2001年前半の完成を目指し、北半球を1周する海底セーブル網敷設に乗り出した。以前から進める日英、日米間に加え英米間も大容量ケーブルでつなぐ野心的な計画。情報通信分野で出遅れていた丸紅が思い切った巻き返し策を打ち出したのは、今後ケーブル需要が飛躍的に高まると読んでのことだ。
 「毎秒1 テラビット(電話換算で約1200万回線)というケチな話でなく、これからは10テラビットでも足りません」――。9月初め、西本正KDD社長は同社の次世代通信網計画について、孫正義ソフトバンク社長からこう注文を付けられた。それから数日後、孫氏は米マイクロソフトとともに米グローバル・クロッシング(GC)がアジア・太平洋地域で計画する国際ケーブル事業に出資すると発表、通信業界を驚かせた。
 国際ケーブル事業は最近まで、通信大手の独壇場だった。各社共同で計画を立案、巨額の費用を分担して建設し、自ら使う。各社の利害調整で成り立ち、「クラブ型」と呼ばれてきた。その伝統に風穴を開けたのが「プライベート型」の出現だ。通信とは関係ない企業が商社、銀行、個人投資家から資金を集めケーブルを建設、回線を小口化し、通信社へ売る。

機動性こそが利点
 孫氏が提携したGCはその代表である。ウォール街出身の投資家が97年に設立。大西洋横断ケーブル敷設を手始めに、年内完成の日米間ケーブル、2001年完成予定の環アジアケーブルなど事業拡大にひた走る。
 「クラブ型は各社の利害調整に時間がかかり過ぎる」。近くGC日本法人社長に就任するダリル・グリーン前日本AT&T社長は、機動性こそプライベート型の利点と説く。
 通信大手が投資家的手法をまねる例も出てきた。日本テレコムは2001年完成を目指す日豪間ケーブルを豪テルストラ、加テレグローブと三社連合で建設、不足資金は銀行融資でまかなう。いわばクラブとプライベートの折衷案で、「迅速にケーブルを作り、好きなだけ回線を確保できる」(姥山登常務)という。回線不足を恐れる通信各社は当面、自らの敷設と他社からの調達を使い分けるとみられる。

値崩れの連鎖反応も
 通信の主役が音声からデータへ移り、国際ケーブルを行き交う情報量は急増している。加えて技術進歩で建設費も低下。それがプライベート型の台頭を促す。ただ、完成後に回線を販売し投資を回収するプライベート型は、容量や総延長距離が増えるほど商品価値が高まるため、ひたすら大規模な計画づくりに走りがちとなる。
 アジアでは2002年までに3本の敷設計画が乱立、その容量は現行の最大360倍に相当する。だが、「増えるはず」という期待以上の確たる需要予測はない。一歩間違えば回線値崩れの連鎖反応をひき起こす危険をはらみながら、国際ケーブルビジネスは"先物取引"の様相を呈している。

・1999/11/11 「「ラニーニャ」と気象庁が判断」 (日本経済新聞 朝刊より)

気象庁は10日、「現在の状態はラニーニャ現象とみられる」との判断を、同日発表されたエルニーニョ監視速報の中で示した。正式な"ラニーニャ宣言"は同庁が定めた基準を満たした後の2月以降になりそうだが、発生の可能性に言及した先月の表現から大きく踏み込んだ形だ。同庁は、同現象は今冬いっぱい続くと予測している。

「ラニーニャ」とは、東太平洋赤道付近の海面水温が下がる現象で、気象庁は、同地域に設けた監視海域の海面水温の5ヵ月移動平均(当該月と前後2ヵ月の平均値)が6ヵ月連続で平年より0.5度以上低くなった場合、と定義している。

・1999/11/10 「那覇軍港 浦添市、施設受け入れ」 (日本経済新聞 夕刊より)

沖縄県浦添市の宮城健一市長が米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の移設を条件付で受け入れると非公式に県に伝えていたことが10日、明らかになった。那覇軍港移設は95年に日米両政府が合意したが、浦添市の反対で暗礁に乗り上げていた。名護市の岸本建男市長が米軍普天間基地移設受け入れ方針を固めたのに続く、宮城市長の方向転換は、県内移設による米軍基地の整理・縮小を目指す沖縄県の作業を一段と加速させそうだ。

那覇軍港は米陸軍が使用している。沖縄県や那覇市は那覇港地域の再開発の障害だとして返還を要望していた。宮城市長は新施設は軍民共同使用とするなどの条件が受け入れられれば移設の前提となる県、那覇市、浦添市の三者による那覇港管理事務組合の設立に参加する旨を近く表明する。

・1999/11/10 「マラッカ、"海賊"襲う」 (日本経済新聞 朝刊より)

日本人2人とフィリピン人15人の計17人が乗り込んだパナマ船籍の貨物船「アロンドラ・レインボー」(7,762d)がマラッカ海峡で10月下旬に行方不明になっていた事件で、同船の池野功船長(67)から運航会社の東京船舶(東京都台東区)などに9日、「タイのプーケットで警察に保護されている。乗組員は全員無事」との電話連絡があった。運輸省によると、同船長は「武装グループに襲われ、洋上に10日以上放置された」などと証言。同船と積み荷のアルミニウム塊約7千dは依然不明のままという。

電話があったのは同日午後3時ごろ。同船長のほか、小川健三機関長(69)とフィリピン人乗組員15人全員が水上警察に無事保護されたと連絡してきた。
 同省によると、ア号は10月22日夜、インドネシアのスマトラ島クアラタンジュン港を出航。出港直後に、短銃などで武装したグループが乗り込んできた。乗組員は全員縛られ、翌日未明に横付けされた別の貨物船に移されたという。
 約6日後、救命いかだに乗せられ「どこでも好きなところに行け」と解放され置き去りに。11日間も漂流し、備え付けの水や非常食で過ごしたという。

・1999/11/9 「来年5月1日から洋上投票」 (日本経済新聞 夕刊より)

政府は9日の閣議で、外洋を航行する船舶の船員がファックスを使って国政選挙に投票する洋上投票制度に関して、2000年5月1日以降に公示される選挙から実施するなどとした公職選挙法関係二政令を決めた。

・1999/11/9 「中小遊休地を再開発 大阪市」 (日本経済新聞 朝刊より)

大阪市は臨海部を中心に中堅・中小企業などの遊休地を重点的に再開発する。対象は建設省が指定した約4500fで、基盤整備や住宅建設などを進める際に補助を従来よりも手厚く受けられる。工場群のある港区や大正区などのほか、貯木場のある住之江区などが含まれている。市は今年度以降に基本計画を策定し、事業を推進する。

建設省補助4500f指定
 今回採用された手法は建設省が99年度から始めた補助事業「大都市居住環境整備推進制度」(スーパー住市総)と「都市再構築総合支援事業」(都市総事業)。スーパー住市総は近畿では初めて。両制度を重複適用したのは、東京の1地区とともに、全国で2地区だけ。都市総事業は近畿では兵庫県尼崎市に次いで2番目。
 両制度は計画策定費に対する補助率が従来よりも増える。さらに建設省の補助がある市街地再開発事業という手法で進める場合に、対象となる開発面積が狭くても、適用される。
 優先的に取り組む地域は日本貨物鉄道(JR貨物)の貨物駅や工場、倉庫などが将来遊休地となりそうな港区福崎地区。
 工場移転を計画している鉄工所のある大正区南恩加島地区、輸入木材が減少している貯木場のある住之江区平林地区など。すでに大阪市は住宅建設などに向けた協議を地権者と始めている。
 指定地域の中には2001年春に開業する米国映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」(此花区)の周辺や梅田貨物駅(北区)、人工島の舞洲、夢洲なども含まれている。
 大阪市は大規模なプロジェクトと調和した形で地域に最適な事業化を進めていく考えだ。

・1999/11/8 「東ティモール沖天然ガス 2003年にも生産開始」 (日本経済新聞 朝刊より)

東ティモール沖での天然ガス生産が2003年にも始まる見通しとなった。米フィリップス・ペトロリアムや日本のインドネシア石油などの開発企業が、インドネシアによる東ティモールの独立承認後も事業を継続することでこのほど合意。すでに昨年から始まった原油生産と併せて、東ティモールにとっての貴重な外貨取得手段となる見通しだ。

開発が始まるのはバユ・ウンダン鉱区。採堀権を持つフィリップス、インドネシア石油、豪サントスなどが来年初めから開発に着手する計画。埋蔵量は推定で3兆立方 フィート(1立方 フィート=28.3g)。開発計画には、約5億jの総工費で敷設する同鉱区とオーストラリア北部の中心都市ダーウィンを結ぶ約500`のパイプラインも含まれる。東ティモール沖の海域はオーストラリア、インドネシアが89年に結んだ協定を受けて開発が始まった。東ティモールのインドネシアからの独立が正式に決まったことから、今後は「豪州と東ティモールとの協定となる見通し」(ダウナー豪外相)。東ティモールの独立派の最高指導者であるシャナナ・グスマン氏も豪政府に対し同協定の継続を支持する姿勢を示している。

・1999/11/8 「海上自衛隊 初の邦人輸送訓練」 (日本経済新聞 朝刊より)

海上自衛隊は7日、横須賀市の海自施設と相模湾内で、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)関連法で可能になった艦船による邦人輸送の訓練を初めて実施した。海外で紛争に巻き込まれた邦人役の300人を、艦船の小型艇やヘリコブターを使って沖合に停泊した護衛艦や輸送艦など5隻に運び込んだ。新たに隊員や邦人を防護する武器使用が認められたことを受け、小銃や機関銃を携行した陸上自衛隊の「誘導隊」も訓練に参加した。

訓練では外務省の職員が、在外邦人役の出国手続きなどを実施。続いて自衛隊員が所持品検査などをした後、艦載艇に15−20人、ヘリには4人づつに分け、4.5`沖合に停泊した護衛艦「しらね」などに移送した。陸自が邦人輸送に備えて第一空てい団(千葉県習志野市)内に新設した「誘導隊」の約40人は、迷彩服姿で周辺の警戒にあたった。海自は今後、横須賀地区以外でも同様の訓練をする予定。
 指針法は@邦人輸送に自衛隊の艦船や艦載ヘリを使用するA隊員や邦人の生命・身体保護に武器使用する――ことを認めている。

・1999/11/7 「フライフィッシング 米の女性魅了」 (日本経済新聞 朝刊より)

米国各地の河川や海で、水棲(すいせい)昆虫などに似せた毛針を使って魚を釣り上げるフライフィッシングに興じる女性の姿が目立っている。筋力より、タイミングや忍耐力、さらには毛針の選択で勝負する繊細なスポーツで、7年前に公開された映画をきっかけにして女性愛好者が急増。今や1千万人を越す米国の愛好者の4人に1人を占めるといわれている。女性の同好会やネットワークも次々生まれ、「生涯の趣味」としての地位を獲得しつつあるようだ。

10月下旬、バーモント州で国際女性フライ・フィッシャーズ(IWFF)の第4回フェスティバルが開かれた。米国やカナダばかりではなく、日本からも数人が参加。合わせて約170人で各種セミナーはにぎわった。
 女性の先駆者としてカリスマ的存在のジェーン・ウルフさん(73)は講演で「女性は筋力では男性にハンディがある。でも、フライフィッシングで一番重要なのは(さおを振ってライン=釣り糸=を飛ばす)キャスティングのタイミング。その点では劣ることはありません」と話し、満場の客席から喝さいを浴びた。
 ブームに火をつけたのは92年のロバート・レッドフォード監督、ブラッド・ピット主演の映画「リバー・ランズ・スルー・イット」。モンタナ州を舞台としたこの作品では、大自然の中で魔法の糸のように空を舞うラインの美しい動きが観客を魅了。封切り後のフィッシングライセンスの申込件数は"垂直的に"上昇したという。
 爆発的ブームが一巡した後も、女性の愛好者は確実に拡大。ウルフさんがニューヨーク州で開く教室でも「昔は夫やボーイフレンドに誘われてくる女性が大半だったが、最近では女性1人やグループでの参加も珍しくなくなった」という。
米国フライフィッシング通商協会の調べでは、約1千万人だった98年時点のフライフィッシング人口のうち女性比率は25%。95年はそれぞれ770万人、16%だったのと比べると女性人口の増加ぶりは著しい。
 約20年前からテキサス州で女性を対象としたフライフィッシング教室を開いているレイ・キャリントンさん(62)も「ここ数年、愛好者の広がりを肌で感じている。直近のセミナーでは60歳台の初心者もいた」という。「家庭も仕事も一段落し、新しい楽しみを求める女性が年齢に関係なく取り組めるスポーツとして参加しているようだ」とキャリントンさんはみる。
 こうした中で女性の同好会も増えており、公認団体は全米で40近くに達した。「弱小集団なのでネットワーク作りが大切」とIWFF代表のクレイグ・ステイントンさん(48)。インターネットのホームページを開設したり、リンクするなどをして情報収集や問い合わせに対応する体制作りを進めている。

英国貴族の間で狩猟スポーツとして発達したフライフィッシングは、男性のスポーツを見られがちだが、実は、1496年に英国のジュリアナ・バーナーズという貴婦人の名前で記された考察文がフライフィッシングに関する初めての文書といわれる。
 「キャスティングをしていると時間がたつのを忘れる」「魚をキャッチする快感とリリースする(放す)ときの満足感は無類のもの」とはファンが必ず口にする言葉だ。魚との駆け引きというゲームを超えて、女性たちは水辺で至福の時を過ごしている。

・1999/11/6 「ズワイガニ漁解禁 規制奏功、水揚げ微増」 (日本経済新聞 夕刊より)

冬の味覚の王者、ズワイガニ漁が6日、富山から島根までの1府6県の日本海沖で解禁され、各地で未明から一斉に漁が始まった。

鳥取県では、岩見町の網代漁港など3漁港から沖合底引き漁船計37隻が前日正午すぎまでに出港。午前零時の解禁時間と同時に、待機漁場で次々と底引き網を入れた。
 ズワイガニの水揚げ量は乱獲が原因で1970年ごろをピークに年々減少。92年ごろからは資源保護を目的とした自主規制が効き、全体的には微増傾向に転じた。
 漁期は「松葉ガニ」「越前ガニ」と呼ばれる雄が3月20日まで、雌が1月20日まで。
 福井県では韓国漁船の底刺し網操業で97年度以降資源が減少。7、8の両日から地元産の雌ガニを漁協を通じて買い取り、同県が設置した越前と三国沖の計4ヵ所の保護礁に計4万匹を移植放流して増殖を図ることにしている。

・1999/11/5 「「日本丸」が大阪に入港」 (日本経済新聞 夕刊より)

運輸省航海訓練所の練習船「日本丸」(2,570d)が5日午前、練習航海の途中で大阪港に入港した。快晴となったこの日、消防艇による赤、青、黄色のカラー放水や大阪経済大学の吹奏楽などで入港を歓迎した。日本丸は6日、天保山岸壁で帆を一斉に張る訓練(セイルドリル)を行うほか、翌7日には一般に公開される。

・1999/11/5 「舞鶴−大連航路23日第1船入港 京都府」 (日本経済新聞 朝刊より)

京都府は4日、京都府舞鶴市の舞鶴港と中国・大連港を結ぶ定期貨物コンテナ航路を11月下旬に開設すると正式に発表した。大連から舞鶴に寄港後は金沢港(石川県)へ寄港、中国の青島港を経て大連に戻る。第1船は23日に入港する。同港にとっては2つめの外資定期貨物航路開設となる。

新航路は中国の運送会社「中儲大連貨運公司」(大連市)が自社所有の2船を投じ、週1便運航する。大連からは日用雑貨や衣料品、飼料を舞鶴港へ輸入、金沢で機械などの輸出貨物を積む。府は新航路の開設で、現在の同港の年間取扱コンテナ量の半分以上にあたる年2400コンテナ(20 フィート換算)の取り扱い増を見込む。

・1999/11/2 「ユバーサル・スタジオ・ジャパン周辺に航路 大阪市」 (日本経済新聞 朝刊より)

大阪市は2001年春開業の米映画テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ、此花区)への海上アクセスを開設する。最寄りの安治川岸と大型水族館「海遊館」のある天保山などを直結する航路の具体策を年度内にも固める。関西国際空港などとの航路も候補となる。国際集客都市構想の中核拠点の魅力向上や交通網の拡充を推進し、集客力を高める考えだ。

関空路線も実現性検討
 航路や運営、集客方法は民間企業などを交えた勉強会で詰める。民間の客船会社を誘致し、運航してもらう。当初はUSJ付近と天保山を2隻の船でピストン運送する連絡便、スポーツ施設のそろう舞洲(まいしま)、商業施設が立地する大阪南港を加えた周遊ルートなどを考えている。関西国際空港と結ぶ航路などの実現性も検討する見通し。
 ふ頭を設置する地区には住友金属工業の所有地を購入して台湾の海運大手、長栄(エバーグリーン)グループがホテルを進出する予定だ。新航路を延長すれば海外からの送客にも対応可能。
 市はテーマパークや再開発計画が進むJR桜島線北側だけでなく、南側にも再開発効果を波及させる考えだ。
 USJ側の波止場は安治川岸に運輸省が設ける浮体式海洋構造物(ミニフロート)を活用する。長さ80b、幅40b、高さ4bある。大地震などで港湾設備が壊れた場合に仮設岸壁やヘリポートなどに使う。来春完成し、平時にはふ頭として貨客船が接岸できる施設として利用する。

・1999/11/1 「超高速船TSL国際航路活用へ 運輸省方針」 (日本経済新聞 朝刊より)

運輸省は、実用化へ向け開発中の超高速船「テクノスーパーライナー」(TSL)を、国際航路にも就航する方針を固めた。上海やシンガポールなど近海輸送航路が候補に挙がっている。TSLは1千dの大量の荷物を運びながら約50ノット(時速約90`b)の高速で運航できる特徴がある。
 国際航路ではコンテナ船としての利用を検討する。運輸省は今年度中に実用化調査を実施。国際海上輸送に必要な措置を得るため、国際海事機関に国際航路利用を諮る。
 日本と上海やシンガポールなどの間の海上輸送は、約5日かかる。TSLならこれを約1日半に短縮できるという。運輸省はコンテナ輸送している貨物だけでなく航空を使っている分もTSLに取り込める可能性があるとみている。

・1999/11/1 「ヨットで独りぼっち世界一周 豪の18歳少年最年少で達成」 (日本経済新聞 朝刊より)

18歳のオーストラリア人高校生ジェシー・マーティン君が、ヨットによる単独、無寄航、無支援としては最年少となる世界一周航海を終え、31日午後、同国ビクトリア州メルボルンのヨットハーバーに無事戻った。

単独での世界一周航海としては、同じオーストラリア人の少年が96年に18歳と41日で達成した記録があるが、この航海では、途中で破損したマストの修理に英国海軍の助けを借りており、無寄航、無支援にはならなかった。
 31日に18歳と65日となったマーティン君は、同記録には24日及ばなかったものの、330日間、全工程約5万`に及んだ航海中、大きな事故にも遭わず、無寄航、無支援の記録を樹立した。

・1999/11/1 「普天間移設工法先送り 海上・埋め立て両派に配慮」 (日本経済新聞 朝刊より)

米軍普天間基地の移設問題は、11月中に沖縄県が名護市辺野古(へのこ)地区を移設候補に選定し、名護市が要請を受け入れるかどうかという新たな段階に入る。県と名護市の幹部は水面下で軟着陸への道筋を模索しており、県は最終的には説得できるとみている。ただ、同じ受け入れ賛成住民でも、埋め立て案支持派と海上案支持派は公共事業の受注などをめぐり激しく対立しており、建設工法の決定の先送りは両者の連帯に期待をつなぐ苦肉の策。政府と県は今後も難しい調整を迫られそうだ。

稲嶺恵一知事は昨年の知事選で「米軍普天間基地の代替施設として沖縄本島北部に15年間期限付きの軍民共用空港を建設する」と公約した。97年の名護市住民投票で政府が提示した辺野古沖の海上ヘリポート案への支持が広がらなかったのは「浮体工法技術を持つ県外の大手ゼネコンだけが潤うとの見方が広がったからだ」と分析し、地元建設業者も広く参加できる埋め立て方式をにおわすことで経済界の強い後押しを受けた。
 しかし、ここにきて鉄骨業者などを中心に「海上案の方が地元の利益になる」との見方が浮上。受け入れ反対派の中の「騒音やサンゴ礁破壊を考えると海上案のほうがまだ被害が少ない」と考える勢力と「埋め立て阻止」で足並みがそろうなど賛成、反対両者の構図はきわめて複雑になっている。