天上界の神さまが創った…
地球と太陽と月
そして人間の誕生の神話

はるかな昔、地上界(地球)は
白く混濁した乳いろの海に覆われていた

カンボジアの世界遺産、アンコール・ワットや
バイヨン寺院などに残されたレリーフや彫像をもとに
現地に伝わる神話をダイナミックに再話



天上界の最高の神ヴィシュヌは、神々と阿修羅たちの
絶えることのない争いに心を痛めていた。
「争いをなくすには、どうすればよいか…」
考えぬいたヴィシュヌ神は、あることを思いつく。
その過程と結末は?

これは東南アジアの国カンボジアの
アンコール・ワットに伝わる宇宙誕生の壮大な神話である。


著者コメント。
ヒンドゥー教神話がベースですが、
各国の神話の持つ普遍性を考えたとき、
乳海からすべてが生まれたという構想は、
モンスーン気候の各地に共通して存在するようです。
日本でも、伊邪那岐命と伊邪那美命が
天の沼矛で乳海を掻き混ぜ、島を創りだしています。
神がすべてを創ったとする一神教の世界では
決して見ることのできない構想です。
モンスーン気候下の国々では、
古代人は、自然に対して畏敬の念を抱き、
その恵みを神々と共に享受していたのではないでしょうか。


もとに戻ります。