レインボー・オン・ステージ音源検証室

 このライブアルバムが、日本公演のみならず、ヨーロッパ公演も含まれていると当時LP盤の解説書に書かれていました。その後、Still I'm Sadだけだと信じきっていましたが、実はそうではなかった。
 1994年に「LIVE IN GERMANY」が、テイチク・レコードよりリリースされ、オープニングこそ違っていましたが、Kill The Kingの演奏そのものは、「Rainbow On Stage」に収録されているものと同一音源でした。それじゃ〜このライブアルバムの基となる音源は、いつ?どこの公演からの音源を利用したものなの?それが知りたくなり、海賊盤(BOOTLEG)の収集が始まりました。まぁ〜それ以外にA Light In The Blackの演奏もライブで聴いてみたかったことも、BOOTLEGを入手する理由のひとつですが…。
 取りあえず、目的が見えてきたこともあり、この書き込みで一区切りが付けたいな〜と思います。
 BOOTLEG収集の背景について(訂正版)
 きっかけは、レインボウブリッジ刊行の「beatleg magazine」にHM/HR特集を組んでいたことから始まりました。その特集の記事の中に「Deutschland Tournee 1976」の6CDボックスのことがこと細かく掲載されており、更に「COZY TAPES」の特集も組んでいて、音質の良い海賊盤の存在を知りました。その中に1976/12/16の武道館公演の夜の部を収録した海賊盤「When Evening Falls」(SBD未収録部分をAUD音源で補填された完全版)の存在を知り、入手した時は嬉しくて仕方がありませんでした。
 その音源を聴いた時は衝撃的で、こんなに良い音質の海賊盤の存在そのものに驚きを覚えました。余計な歓声がなく、演奏のみを楽しめる内容。今まで封印してきたブートレッグ収集に再度拍車が掛かりました。更に今回この音源検証の研究材料にも大変役に立ちました(感謝!感謝!)。SBD音源は、隠し撮りのAUD音源とは違って、バンドの演奏をより楽しみたい!私にとってうってつけであり、大きなメリットを占めています。近年、AUDも臨場感を重視したリマスター版が数多く出回っていますが、Ritchie Blackmore/Ronnie James Dio/Cozy Powell/Tony Carey/Jimmy Bainの5人のメンバーが、RAINBOWにとって最強の黄金期だったのか伺えてきます。

 出来ることなら、1976/12/16の日本武道館の昼と夜の2回公演だけでも、完全版でオフォシャル・リリースされることを強く望みます。

 以下の内容は、個人的主観で書いています。「それは違う!」とお嘆きになる方もいらっしゃると思いますが、そこはご勘弁下さい。
 また、この作品をけなしているわけではありません。この作品の裏側を個人的に研究しただけです。



1. Over The Rainbow - Kill The King (5:31)
Time
0:00-0:28  日本公演の音源を使っているとされているが、素材が無いので断定できない。
 一説には、1976/12/16 Tokyo[Evening show]を使われているとされている。日本人らしき歓声が聞こえるが、本当のところは分からない。
0:28-1:01  1976/9/28 Nurnbergの音源が使われている。
 Tony CareyのKeyboardの演奏に特徴があるので、それが決めてとなった。Kill The Kingの前奏まで使われているとは思いも寄らなかった。
1:01-5:10  1976/9/29 Munichの音源が使われている。
 Ronnie James Dioの歌い方やRitchie Blackmoreのギターがそのまま使われていた。出だしのCozy Powellの一発目のシンバルを叩く辺りから旨く音源を切り替えているのが特徴とも言える。Martin Birchの力量が発揮されていると感じられる。
5:10-5:31  1976/9/28 Nurnbergの音源が使われている。
 演奏終盤でCozy Powellの最後の「6連の決め」の直前のスネア音辺りからだと思うが、旨く音源を切り替えられている。更にRonnie James DioのKill The Kingの演奏が終わった後の「Thank you」と叫ぶ箇所と、Tony Careyのキーボード音が決め手になった。
 何故、Over The RainbowとKill The Kingが、1トラックに詰め込んだのか理解できる。Blackmore Magic敗れたなり(笑)。
[OFFICIAL] Deutschland Tournee 1976
[OFFICIAL] LIVE IN GERMANY 1976


2. Man On The Silver Mountain - Blues - Starstruck - Man On The Silver Mountain(Reprise) (11:17)
Time
0:00-4:13  1976/12/16 Tokyo[Afternoon show]の音源が使われている。
 これは、海賊盤「Black Tapestry」の音源で確認することができる。この時のRitchie Blackmoreは、ボトルネックを使用したスライド奏法で演奏していたことと、Blackmore's Blues Jamは演奏されていなかったことが判明した。さて、次は間奏部の音源ついて説明する。
4:13-8:15  1976/12/16 Tokyo[Evening show]の音源が使われている。
 Blackmore's Blues Jamの部分が、海賊盤「When Evening Falls」のSOUNDBOARD音源があるので、これと同じ音源を使われていた。
8:15-9:11  1976/12/16 Tokyo[Evening show]の音源が使われている。
 実は、Blackmore's Blues JamとStarstruckがメドレーになって続いていると思っていたのだが、海賊盤の音源と比較してみると、そうではなかった。Starstruckの演奏直前が若干カットされていたことが確認できた。詳細に説明するとBlackmore's Blues Jamが終わってからRitchie BlackmoreのギターとRonnie James Dioのボーカルの掛け合う部分が存在しており、約2:13間がごっそりカットされていたのだ。
9:11-11:17  1976/12/16 Tokyo[Afternoon show]の音源が使われている。
 実はこの音の少し前に戻って、よーく聴いてみると微かに音質が分離していることが分かる。更にRonnie James Dioの「You're The man. We're the man Come to show you the way.」の歌詞とRitchie Blackmoreのギタープレイからして、昼の公演の音源に摩り替わっていたことに気がつく。要するに後半の演奏に1976/12/16 Tokyo[Afternoon show]に再び戻るという手法をとっていたわけだ。
 演奏が終わってRonnie Jams Dioが観客に「Thank you!」と叫んだ直後にJimmy Bainが「Arigatou」と喋る部分があるのだが、その直前で強引にFadeされている。あたかも日本公演であることを揉み消すかの様に、強引にFadeしたのではないだろうか?(笑)。
 ここまでの見解で、LP盤でいうとSide Aにあたるが、かなり音源をいじられていたことに関して思いもよらなかったし、驚きを感じたことはなかった。
[BOOTLEG] Black Tapestry(RISING ARROW)
[BOOTLEG] When Evening Falls(RISING ARROW)

3. Catch The Rainbow (15:37)
Time
0:00-13:49  この間は、1976/12/9 Osakaの音源が使われている。
13:49-14:23  この間は、1976/12/16 Tokyo[Evening show]の音源が使われている。
 大阪公演で「Catch The Rainbow and raid the sky. Make It shine. Shine...」の歌詞が違っていた。その部分は、1976/12/16 Tokyo[Evening show]の音源が使われていたことが分かった。(Babylonさん、ご指摘感謝します)
14:23-15:37  この間は、1976/12/9 Osakaの音源が使われている。
 Ronnie Jams Dioが「Shine」を繰り返す8回目のタイミングで、音源を差し替えられたものと思われる。
[BOOTLEG] MORE HEAVY STRUCK(RISING ARROW)
[BOOTLEG] When Evening Falls(RISING ARROW)

4. Mistreated (13:09)
Time
 1976/9/25 Cologneの音源が使われている。
 12:31辺りの約2:02間のRonnie James Dioによる独唱があるのだが、なぜかカットされている。短く凝縮されているが、全く差し替えられていない。
 以前「BURN」をリリース後、Ritchie Blackmoreがインタビューで「ギターのための曲」と語っている。その反面、David Coverdaleは「ボーカルのための曲」と言っているが・・・そういうことも踏まえて差し替えなかったのだろう。
[OFFICIAL] Deutschland Tournee 1976

5. 16th Century Greensleeves (7:38)
Time
 1976/12/16 Tokyo[Evening show]の音源が使われている。
 この音源のみノンカットで収録されている。SBD音源のブートレグ盤「When Evening Falls」で確認がとれた。
 AUD音源だと音割れや篭り等があり、更に観客の歓声が邪魔で逆に聞き取りが困難。幸いなことにPA卓上のSBD音源が存在していたため、その点聞き取りやすく、ナチュラルなバンド演奏が聴けるので、こういった音源を捜す鍵に適している。その点は大きな利点であり、特徴でもある。
[BOOTLEG] When Evening Falls(RISING ARROW)

6. Still I'm Sad (11:01)
Time
 1976/9/28 Nurnbergの音源が使われている。
 この演奏のトータル時間は約16:39である。単純計算すると5:38間がカットされている。カットされた部分がCozy Powellのドラム・ソロと1812年に相当する部分がごっそりカットされていたわけだ。
 更にRonnie James Dioのボーカルテイクが全く異なっている。演奏そのものは同一音源でなのだが、改めて源の音源を聴いてみるとRonnie James Dioの歌唱力に軟弱さがあることに気がつく。これは憶測だが、スタジオでボーカル・テイクのみを取り直しし、差し替えられたものではないかと考えられる。だが、その事実は当事者のRonnie、Ritchie、Martin Birch氏に聞いてみないと分からない話である。
[OFFICIAL] Deutschland Tournee 1976


【付録】
1枚目の内袋の表面 1枚目の内袋の裏面 ライナーノーツの表紙
2枚目の内袋の表面 2枚目の内袋の裏面 8ページの写真集の表紙

直線上に配置


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