親鸞聖人 ご消息(手紙)

最低山極悪寺 珍宝院釈法伝 謹写


四十

 このゑん仏ばう、くだられ候ふ。こころざしのふかく候ふゆゑに、主などにもしられまうさずして、のぼられて候ふぞ、こころにいれて、主などにも、仰せられ候ふべく候ふ。この十日の夜、せうまうにあうて候ふ。この御ばうよくよくたづね候ひて候ふなり。こころざしありがたきやうに候ふぞ、さだめてこのやうは申され候はんずらん、よくよくきかせたまふべく候ふ。なにごともなにごともいそがしさに、くはしう申さず候ふ。あなかしこ、あなかしこ。
  十二月十五日   (花押)
 真仏御房へ

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