親鸞聖人 ご消息(手紙)

最低山極悪寺 珍宝院釈法伝 謹写



 この明教房ののぼられて候ふこと、まことにありがたきこととおぼえ候ふ。明法御房の御往生のことをまのあたりきき候ふも、うれしく候ふ。ひとびとの御こころざしも、ありがたくおぼえ候ふ。かたがたこのひとびとののぼり、不思議のことに候ふ。この文をたれたれにもおなじこころによみきかせたまふべく候ふ。この文は奥郡におはします同朋の御中に、みなおなじく御覧候ふべし。あなかしこ、あなかしこ。

 としごろ念仏して往生ねがふしるしには、もとあしかりしわがこころをもおもひかへして、とも同朋にもねんごろにこころのおはしましあはばこそ、世をいとふしるしにても候はめとこそおぼえ候へ。よくよく御こころえ候ふべし。

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