市場調査

最低山極悪寺　珍宝院釈法伝

　世にマーケティングリサーチというものがある。市場調査と言えばよいものを、なぜかかく言う。消費者が何を欲しがっているか調べることである。

　昨今、企業は多かれ少なかれこの調査結果を元にして製品を作る。なるほど、売り手が買い手の意向を尊重するのは結構なことだが、結果はどうも、うさんくさい。例えば、テレビ番組。どの局も同じ様なニュース番組を夜の11時頃に流している。まずはその日のニュース、続いてスポーツ、そして今日の特集といった具合。自動車もまた同じ。どれもこれもよく似た形になって、面白味が無くなってきた。

　もちろん、この手の調査には理論裏付けがあるらしいから、私の感情論など受け付けないこと、入試の偏差値に似ている。しかし、こういう商品ばかり扱っていたら、私のような買い手のみならず、作り手・売り手も喜びを失ってしまうだろう。何よりもそれをおそれる。