坊主丸儲け その2

最低山極悪寺 珍宝院釈法伝

 極悪寺の本寺の住職は、年中、声をからして、檀家さんの家庭を走り回っている、浄土真宗の宅配業者である。お経を上げて、法話をして、お膳について、質問に答えている。車の走行距離は、1年に2万キロ近い。

仮にこれでも丸儲けと言われるなら、それはそれでいい。しかし、もし、坊主丸儲けだというならば、せめて、神主丸儲けとセットで言ってほしい。

 初詣に七五三、宮参りに願掛け、合格祈願に結婚式。どれも、待っていれば客の方からノコノコやってきて、金を置いていく。神主が氏子の家に出向くのは、地鎮祭くらいか。しかも、願いがかなわなかったからといって、さい銭や祈祷料を返したという話も聞かない。

 あんまり悔しいから、本寺の住職に、「うちも神様を祀って、兼業しましょうよ」と言ったら、「浄土真宗は、親鸞聖人以来、神祇不拝(天の神様も地の神様も拝まない)が売りだ」と言われてしまった。

 やはり、坊主丸儲けというなら、神主丸儲けと対にして言ってもらいたい。