始めに
最低山極悪寺 珍宝院釈法伝
法伝 こんにちわ。
本住 おや、めずらしいねえ。その顔つきは、また、何か、良からぬことをたくらんでおるな。
法伝 そりゃ、ないでしょう。今日は、マジメな話をしに来たんですから。
本住 いや、その顔は、何かたくらんでいる顔だ。長いつきあいじゃ。すぐにわかるわ。
法伝 まあ、たくらんではいますが、悪いことじゃないですよ。実は、今度、インターネットにホームページを出そうと思いましてね。
本住 エロ写真でも配ろうって魂胆か。手が後ろに回るから、止めた方がいいぞ。
法伝 今更、そんなこと、しませんよ。マジメに仏教のホームページを作ろうと思ってるんです。
本住 どうも、怪しいなあ。
法伝 信じてくださいよ、お願いだから。
本住 お前ごときが信じられたら、阿弥陀様なんぞ信じるもんか。
法伝 そりゃ、まあ、そうでしょうけど、それなら、ここはひとつ、だまされたつもりで聞いてくださいよ。
本住 解った、解った。聞いてやるから話してみろ。
法伝 そのホームページで、「仏教入門」のコーナーを作ろうと思ってるんです。
本住 お前ごときが、人にものを教えるなんぞ、考えただけで空おそろしいわ。止めた方がいいんじゃないかい。
法伝 ですから、このコーナーは、本住様にお願いしたいんです。
本住 いやだよ、私だって。これでも、結構忙しいんだから。
法伝 そうおっしゃらずに、お願いしますよ。
本住 いやだね。
法伝 あれ、誰でしたっけ。坊主に大切なのは、「どこでも行きます、何でもします」の精神だとおっしゃったのは。
本住 痛いところを突きよるのう。やればいいんだろう。全く、困った奴じゃ。それで、対象はどういう人なんだい。
法伝 そうですねえ。うちのカミさん程度のアホにも解るようなのが良いかと。
本住 へらず口をたたいていると、鬼より怖いカミさんに言いつけるぞ。
法伝 うへえ。勘弁してくださいよ、それだけは。
(1997/2/12)