寂然法門百首 88

2024.4.8

 


 

 


火滅不久燃

煙(けぶり)だにしばしたなびけ鳥部山(とりべやま)立ちわかれにし形見にもみん

半紙

【題出典】『往生要集』87番歌題に同じ。

【題意】 火は盛んなれば久しくは燃えず(出典では、「滅」は「盛」)

火は消えて長くは燃えない。

【歌の通釈】

鳥部山の煙だけでもしばらくたなびいてくれよ。死別してしまったあなたの形見とも見よう。

【考】

あなたの形見と見るから、せめて鳥部山の荼毘の煙が消えないでほしいと願った歌。

(以上、『寂然法門百首全釈』山本章博著 による。)

 

 

 

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