寂然法門百首 80

2023.4.30

 


 

 


菩提薩?利物為懐

人をみな渡す誓ひの橋柱たてし心はいつか朽ちせん

半紙

【題出典】『倶舎論』二三

【題意】 菩提薩?は利物を懐と為し

菩薩は他者の救済に思いをかける。

【歌の通釈】
人をすべて救う誓いの橋柱を立てたその心は、いつ朽ちることがあろうか。

【考】
菩薩の行を志す者として、他者を救うために生きることを誓った歌。「橋柱」を中心とした縁語仕立ての歌で、【参考】に挙げた俊成歌に倣った詠み方。

【参考】わたすべき数もかぎらぬ橋柱いかにたてけん誓ひなるらん(長秋詠藻・序品・四〇三)

(以上、『寂然法門百首全釈』山本章博著 による。)

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●今日は、この3月に亡くなった義弟・野俣隆の四十九日法要が行われます。義弟は、生前、この「寂然法門百首」シリーズを毎回見てくれて、応援してくれました。改めて感謝するとともに、この救いにあずかることを心より祈ります。

 

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