寂然法門百首 78

2023.1.16

 


 

 


我今衰老

置く霜の老いの末葉(すえば)にかかるまで跡とどむべきこの世とやみる

半紙

【題出典】『法華経』52番歌題に同じ。

【題意】 我今衰老

私は今、衰え老いて

【歌の通釈】
枯れた葉末に霜が置くように、白髪となりいつまでも老いながらえて、生きるべきこの世であろうか。

【考】
生きながらえて老いても、執着、欲望は尽きることはない。老いの恥を知れと言った。『徒然草』七段の「命長ければ恥多し。」を思い起こさせる。

(以上、『寂然法門百首全釈』山本章博著 による。)

 

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