寂然法門百首 57

2021.12.9

 


 


 

群賢各随所安


ひとりなほ仏の道をたづねみんおのおの帰れ法(のり)の庭人


半紙

字体:木簡


【題出典】『止観輔行伝弘決』一・一


【題意】  群賢各おの所安に随え。

多くの賢者よ、それぞれ思う所に従え。


【歌の通釈】
ひとりでさらに仏道を追究しよう。それぞれの道に帰りなさい。法を求め集まる人々よ。

【考】
天台大師が人々を教化する中で、次第に法を得るものが少なくなっていったの、自らの修行の妨げとなるとして、人々を帰して、一人で行に励むことを宣言する場面を詠んだもの。

(以上、『寂然法門百首全釈』山本章博著 による。)

---------------------

▼ぼくも、教師を42年もやってきたのですが、「教える」ことは、かえって「学ぶ」ことの妨げになるような気のするときもあったような気がします。とくに、ぼくが興味を持っていることを、かなり情熱的に、バカみたいに力んで話しても、あまり反応がないときは、ああ、こんなことしゃべらなきゃよかった、と後悔したものです。「一人で行に励む(学ぶ)」ということは大事なことですね。


Home | Index |Back | Next