サウンドレスノベルツクール
PAGE0222
作:柴三郎 (POKEMON MASTER!)
これでサンダルが一足そろったワケか…。あの兄にして、この妹アリだな…………。
「やっと、やっとお渡しできた・・・」
Kの妹は涙ぐんでいる。そこで彼女の表情に気がついた。頬はこけ、目は落ち窪み、髪は乱れていた。おまけに制服はいたるところが切り裂かれており、そこから覗く肌からは血が流れている。
「おわ!? 今更だけどどうしたんだ!? 一体何があったんだ!」
彼女は微笑むとその場に崩れ落ちた。僕は駆け寄り、彼女の身体を抱き起こす。
血が、止血をしなくちゃ! そう思ったが、血は体のいたるところから流れており、どうしようもなかった。
「ちょ、ちょっと待ってろ、今救急車を、」
僕がそう言い、立ち上がろうとしたとき、彼女の手が僕の手の上に重ねられた。
「聞いて...サンダルが揃った今...」
血が、血が止まらない、ドクドク、とドクドクと・・・
「...貴方は史上最強の戦士となったの...」
「その力を...奴らを倒すために...そして、兄さんを...」
彼女の目が閉じていく。ドクドク、ドクドク流れ出す・・・
「あなたに...サンダルを渡せて...よかった...」
彼女の身体から力が抜けていく。
「どうした、おい、しっかりしろ!」
「......兄さん......」
「おい!おい!」
身体を揺する。呼びかける。反応がない。俺の腕の中で彼女は眠った。長い、長い、次の命までの眠り。
僕は手を見る。赤い。赤い。温かい。彼女の体温。命の炎。暗い。冷たい。出口のない闇。僕にサンダルを届けるために散った、美しきスパーク。
サンダル・・・最強の戦士・・・奴ら・・・兄さん・・・
僕の頭の中は彼女の残した言葉で満たされていた。その意味も把握できないまま。
と、その時!
壱.「見つけたぞ、女!」
僕の背後から声がした。
弐.「こんなこともあろうかと、」
僕は内ポケットからムギチョコを取り出した。
超ヤベーッ、マッポだ!!