暫定kanonコーナー
「ぱっへるべるすとりーと」
運営開始 2000 6/23
壱、「kanonのおもちゃ」(※ファンは読むな)
♪ちゃっちゃっちゃーらー (OPテーマ)
「あちしー、倉田佐祐裡ー。十七歳にして学園の反体制派のシンボルアイドル女の子ー。
川澄舞ー。あちしのベストパートナー! サイコ少女! でもいいヤツ!
転校生ー。下級生ー。ついでに主人公。傍若無人な男のコー。でもいいヤツ! らしい!
なんだかんだで色々あって、三人で住むことになったのだ! 我等の今後に何が待つ!?」
ちゃっちゃーちゃー♪
『戦慄の吉○屋! 納豆そして牛丼再び!』
「舞ぃいいいっ! それとそれを混ぜちゃダメだってばぁあああーっ!!!」
「……嫌いじゃないから」
(完)
弐、「黒薔薇会」
「舞! 舞! 舞! 俺は舞の力になりたい。でも、俺じゃダメなんだ。今の俺じゃなんの役にも立たない。ただ足手まといになってるだけなんだ」
「……。」
「でも、そうだとわかっていても、たった独りでいつまで続くかわからない戦いを続けるあいつのために、何かをしてやりたい、なんとか支えになってやりたいんだっ! 舞……」
(……わかりました)
「はぁ……。なんてな……。あるもんだな、聞いてもらうだけで気が楽になるってこと。サンキュな。神父さん。それにしても、この学校にこんな立派な教会があるなんて知らなかったぜ」
(あなたは「世界」を革命するしかないようですね)
「……神父さん?」
(あなたの進むべき道は用意してあります。こちらへどうぞ)
「っておい! なんだよこの棺桶はっ!? え? 俺が入るの? ウソぉーっ!」
(完)
参、「なんで佐祐裡さんバッカ非道い目に遭うのか納得できねえ記念」
「舞っ! ちょっとすれ違いがあって佐祐裡さんが夜の学校に独りでお前を捜しにっ!」
「この無能」
「ぐおっ……。それを言われると……」
「そんなことより……。悪い予感がする」
「ああ。でかいぬいぐるみを背負ってて動きも鈍いだろうし、魔物に見つかったら一発だな!」
「(無言で蹴り)急いで探しに……」
「待て! 何か聞こえないか?」
「この声……。まさか」
「佐祐裡さんが魔物にっ!」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラアッ!」
跡形もなく消し飛ぶ魔物。
「佐祐裡……」
「な、成る程。ぬいぐるみを背負っていようといまいと、昔から佐祐裡さんは「やるときはやる」女だった、というわけか……」
「チャンチャン♪ ですわ」
――to be continued!――
(完)
○「kanon」日記(つーか、日記からの抜粋)
6/20
新しい朝が始まったので「kanon」とかやります。鷹村さんとの約束。
(解説kanon:ギャルゲー。七年ぶりに幼い頃を過ごした札幌に戻った主人公が女の子とイチャイチャしたりイチャイチャしたりイチャイチャしたりイチャイチャしたりする。むしろ俺を殺せ。
幼なじみ、背中に羽、一度会っただけで出なくなる、とーとつに出てとーとつに出なくなる、打てば響かない等々、一部の人にはえらくウケそうなヒロイン群を擁する。俺の解説ではダメか。
ゲーム中の主人公の仕事は主にジャム食い。あと遅刻。あとジャム。
冬の北海道が舞台ということで情景描写にはかなり気合いが入っているのだがなんせ俺のプレイ環境が梅雨の東京蚊取りに団扇「モスキート撃墜!」環境なのでイマイチノリが悪い。
ざっと見では性格破綻のヒロインがいないところが正面勝負でよい、が、「沢渡」という名字の娘がいるのはどうにも困りもの。
北海道で沢渡なんだから馬に乗って出てくるとかしろよ)
と、いうのは初プレイエンディング未見時での感想なのでみんなメールボムとかしちゃダメだよー。ダメダメだよー。
このゲームで一つ気になるのは幼なじみのお母さん。「人間関係をすぐに勝ち負けで量る」と某教育課程論の田中先生にまで指摘を受けた俺だが、実際にいたとしたらどう「勝つ」かがまるで見えてこない。苦手だ……。
さて、そんなゲームをやってから今日はIHARONと焼き肉です。そして鷹村さんの家に乗り込んでラムネ&40のビデオを見倒して、最近PS版Toheartoを真面目に遊んでいるIHARONに「プラネット・ガテラー」を見せて帰りました土佐。
脈略ないけど今日思ったことー。
どのようなベクトルであろうと「道徳的である」ってのは単なる属性であって、無条件にそこに価値があるもんじゃないんだよね。真面目な人ほどはき違えがちだけれど。
例えば戦前の日本においてスタンダードに道徳的だった人って戦後はただの右翼ジャン。パラダイムがシフトすれば価値は逆転する自明の理。
無条件に道徳的である、というある意味「人類愛」みたいなものを持っていない限り、「なんでこんなに一生懸命に真面目に暮らしてるのに世間に評価されないのかなー」なんて思っちゃった時点で負けなんだよね。だって真に道徳的な人だったら見返りなんか求めないジャン。
みんなにマッスィーンみたいな聖人君子になれと言ってるわけじゃなくて。「道徳的である」ことだって突き詰めていけば他者アピールであって世間に良く思われることで自分の価値を高めようという対外活動の一環であると、少なくともその要素はゼロではないはずだよ誰においてもと。そう自覚することでストンと気が楽になる思い詰める達の人もいるのではないかなー、と。
いや、俺なんだけどね。
なんてことを考えた。kanonやってて。具体的には秋子さんと、実は佐祐理さんを見ていて。
彼女らの献身は、いつの日か報われることがあるのだろうか。秋子さんにとっては名雪が真っ当に育てば最大の報酬であるとしても、佐祐理さんにとってはどうなのだろう。
シナリオの展開のために都合が良いからという理由だけからのあの性格ではないと思いたい。
「なにを隠しているのだろう。なにが隠れているのだろう」
答はエンディングのあとで! じぇいっ、あぁーる東にほんっ!
6/22
舞シナリオクリア(たぶん)
たぶんってのはハッピーエンドなのかどーなのかワカランから。俺はアレをハッピーとは認めないけれど、良くワカラン。
普通に遊んでいたけれどまあ、初見一番狙いの舞が出てからは学校に行って役に立たなかったり役に立たなかったり役に立たなかったりしていたわけだけれど。
えーと、これがもう辛いんだよね。ある程度の実力者同士のドンパチに素人が首、突っ込んでも絶対戦力にはならんのよ。邪魔なだけで。
浩之ちゃんなんかは理詰めで綾香を相手にだんだん強くなっていったけれど、なんかこいつずっと素振りじゃん。即戦力をつけなければならんのだったら下半身なんだよ。まずは。上半身だけ鍛えるとバランス悪くなるし……。
俺なら走り込みと柔軟をみっちりやるがなー。武器も三日やそこらで使えるようにはなんないんだから、木刀なんか持つより特殊警棒とか、金属製で取り回しが良くて守備に使えるやつを持たないと。避けて逃げて受けてきちんと身を守ることが目標分散囮という役目を果たして、結果として最大の援護になるんだから。
なーんて、へたに独自の理論を持ってると主人公の行動が歯がゆくてなりません。夜間学校戦争以外でも様々な場面で空回りする主人公がこう、なんかせめて選択肢でもうちょっとなんとかならんもんかね、特に変なイメージアップ作戦とか。
あのへんはどうなんだろう。主人公の(プラス佐祐理さんの)ドタバタ・パワーで鉄面皮の舞をいろんな所に巻き込んで徐々に人間性を出す、という冷血鉄仮面を扱った題材における古典的パターンと、なんか暗い話の半端な絡み方が不協和音くさくてどうにも……。
都合がいいんだよ。とにかく。作家にとって都合がいいわけだ。佐祐裡さんと舞はお互いを気遣い合っていて、嫌われてでも深夜の学校に来させたくないくらいには仲がよいのに、何故か全部をきちんと説明して味方になってもらう、という選択肢はないし。
主人公は足手まといにはなるけれど死なない程度には強いし。生徒会は正面から佐祐裡さんを取り込めるほど強くはないけれど舞を叩いて潰す程度には有能。佐祐裡さんは病的な献身でなんかわけわかんねーくらい気ぃ使ってるくせに何故舞達が自分を夜の学校に寄せないようにしていたのかについてだけはちぃとも気が回らない……。
一つ一つの事象は細かいことだし、どれもこれもきちんと考察すれば理由はつくのも事実。良い方へ解釈していけば決してそれほど物語としての齟齬があるわけではないのだけれど、もうサスガになー。なんかこう、ばーっと出してあとは読み手が補完してよー、ってのは卑怯くさいだろ。
極めつけは最後のまとめ方な。お話としては悪くないんだよ。俺は大っ嫌いだけど病気の親を出してきて人の生き死にで感動煽るってのはあざといけど有効だし。説得力もあるんちゃう? 異能の経緯としては。
でも、伏線無しじゃあ、あまりに唐突だよ。そしてここまでの経緯に違和感を感じていた身としてはやっぱり、ご都合だよなーという感想が出てきてしまうわけだ。
だから。
素材は満点。調理は三十点。チャイランは零点。そういう感想です。
全体を通して感じたのは不協和音。詰め込みすぎか推敲不足か構成能力の低さかそのすべてか……。素材がね、ほんとに俺が好きなものだっただけに、残念至極に勿体なく感じましたとさ。
但し。
それらの諸点が改善されれば、これはひょっとしたら大変な佳作になる可能性を秘めてはいるわけです。大変な佳作って言い方もアレだけど、友情・努力・勝利で困難に打ち勝つという黄金パターン。
熱血主人公と影を秘めたヒロインとムードメーカー兼後方支援。歯車さえ噛み合えばまさにジャンプ系黄金パターンの再来ですよ。
主人公が舞に出会う。
興味を持つ。このへんで小さい頃の舞の夢を断片的に見たりする。
近づくがすげなくされる。(「私に関わると死ぬぞ」とか言われる)
でも粘る。(粘らないと舞ルートおしまい)
見かねた佐祐裡さんが助け船を出してくれる。(「舞から一本取れたら、というのはどうでしょう」)
毎日一緒に弁当を食べて、その後昼休みに勝負、というサイクルが完成(主に佐祐裡嬢のゴリ押しによる)
一週間くらい負け続ける。
その間に野犬イベントがあって舞の良さに改めて気づいたり。(主人公がはじめに犬に飛びかかって止めようとする選択肢を選ぶと見事に蹴散らされ、今まさに噛まれそうなところで舞の助けが入る。非常にばつが悪いが、「勢いだけで突っ込んだ男子を助けた」と舞の評判がややもちなおしーの)
舞踏会の情報が入ったり。(「舞ー、今年こそは出ましょうよー」「……。」)
……。
うわ。いつの間にか俺の一番嫌いな「手前が作ったわけでもないのに「こうしたほうがいいよ」と批判する」が始まってやがる。ヤメヤメ! こんなの卑怯だ。
何が言いたかったのかなー。だから、嫌いなんだよ。こういう話は。
でも惹かれるんだよなー……。不器用で愚直で頭が悪いほどお互いのことを考えて、そのくせ(そのせいで)あらゆることが裏目って全然上手くいかないこの三人の関わりには……。
「諸君らに敬意を表す。諸君らに敬礼を仕る。諸君らを敬愛申し上げる。何故ならば。
汚くて弱くて脆い。諸君らは真に人間である」
自分を誰かにわかってもらいたいと、表に出すほどの勇気さえ持たずに。「あなたのためを思っています」と口に出せるほど厚顔では当然なく。恐る恐る手を伸ばし。その手が触れている間はとても幸せそうで、そのくせ一度手が離れてしまったら、握り直すことさえためらうほどに繊細で。
ただ寄り添い、寄り添えば寄り添うほどお互いの傷口を広げていった彼女達は。
そこに誰かが重ねてしまう人間にとっては本当に不愉快なのだ。歯がゆくてもどかしくて。鏡を見せられているようで。
これがやっぱバッドエンドで、フラグによってはハッピーエンドがあることを願う。切に願う。
切に願う次第である。的外れならそれでよい。
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