2003.12.15//VS 伊藤克憲
〜後楽園ホール


何しろ、焦った。試合が観れないんじゃないかと。
とにかく急いで会場に入ると、すでに1Rが始まっていた。
とても静かな1Rだったと思います。私が息を切らせて観ていたからかと思っていたけど
お互いが様子を見ている感じの、静かな1R。
「スロースターター」 ちょっとそんな文字が横切った。

今日の試合は、「だんだん良くなる」とか、そういう流れが見えない試合でした。
ちょっと、調子が良くなって来たかな?って思うと、次のラウンドの動きが悪かったり。。
伊藤選手のプレッシャーが強い試合だったと思います。
坂田選手が気持ちで負けたとは思ってないけど、伊藤選手の方が上回っていた感は拭えませんでした。
もしかしたら、どこかで守るボクシングをしてしまっているんじゃないだろうか。
ベルトを奪った時の、がむしゃらさが見えなかった。
もちろん、がむしゃらにやればいいってもんじゃない事だって分かってる。
だけど、、坂田選手らしくない。そう思ってしまう試合運びでした。

5R、バッティングにより、右目上を負傷。
最初はそんなに流血もなかったけど、だんだん、したたり落ちてきちゃってました。
ドクターにみてもらい、試合続行にはなったけど、特に焦っている様子もなく、その点は安心でした。
ただ、傷が深くならなければいいんだけど…。

7Rあたりから、ようやく動きがよくなってきたと思う。
もちろん、そのラウンド以前が全く良くなかったと言うわけではないけど、ある程度安定してきたんじゃないかと。
左をよく出し、ボディ打った離れ際のワンツー。
そうだよ。このコンビネーションがみたかったんだっては!!!!!
一瞬、相手が足を止める。首が動く。
その調子。手を止めるな!!!!…と、思わず前屈み。

後半は接近戦が多かったですね。最終ラウンドでは相手のマウスピースが飛び
坂田選手の連打、伊藤選手の足が止まり、腕は上がっているもパンチも出なくなる。
一瞬フラつき、坂田選手は尚もパンチを出し続ける。
少なからず、坂田選手を応援している人は「KO」を望んでしまったシーンなんじゃないでしょうか。

試合は判定。3-0で坂田健史、二度目の防衛に成功しました。
でも坂田選手は喜んでいる感が全くありませんでした。
きっと、この試合内容に一番納得がいっていなくて、もしかしたら自分自身を責めているかもしれません。
そんな感じの表情でした。
だけど、この試合内容を、生かす事が出来るのが坂田選手です。
次に引っ張らないのが、坂田選手です。

次は、勝利の笑顔を見せて下さい。

--ジャッジ--
吉田 97-96
内田 98-94
伊達 98-93