2001.8.2-5

2001年夏OBTオフ会 ―長野県川上村廻り目平―


・先週、2日から5日にかけて、長野県川上村の廻り目平でOBTメーリングリストのオフ会を開きました。オフ会といっても、昼間はぼくが勝手に楽しむ登山やらトレッキングに、気の向いた人は参加して、自分で目的を持っている人は、好きに過ごす。そして、夜はタープの下に集まって、各自持ち寄りの食べ物とお酒で宴会といった極めてラフなものでした。
・どうも、物事を仕切るのも仕切られるのも嫌な質なもので、旅でもアウトドアでも、そんなふうに気ままなものになってしまいます。でも、今回は、ハードな登山指向から、フライフィッシング派、のんびりトレッキング派、キャンプ定着寛ぎ派と、参加してくれたみんなが、それぞれ自分のスタイルを持っていて、イメージを固めてやってきてくれたので、とても楽しいオフ会になりました。

白樺林に囲まれた廻り目平のキャンプサイト 夜は、当然宴会です。酒も料理も空気も旨くて、サイコー!! OBT宴会場の目印

・二日は、夕方キャンプサイトに着いて、明日が早いので、早々に床につきました。翌三日は、八時過ぎに出発して、奥秩父の主峰金峰山へ。この山は、廻り目平同様、ぼくにとっては馴染みの山です。でも、先週からの頭痛がまだ続いていて、ペースが上がらず、かなり苦しい登りに。縦走ならアップダウンがあって、下りや鞍部では力が抜けるのですが、廻り目平から金峰山は、独立峰に登るようなものなので、登り一辺倒なので、一度息があがると辛いのです。それでも、3時間あまりで樹林帯を抜け、大きな岩が累々と重なる頂上へ。標高2599m、北には奥秩父の主稜線が長く伸び、南には、稜線の先に白い岩峰が一際目立つ瑞墻山が。そして、西には、廻り目平の谷を挟んで雄大な小川山が聳えています。空気が澄んでいれば、八ヶ岳から南アルプス、遠く北アルプスの一角まで見通せるはずですが、霞みがかかり、微かにそれとわかる程度。でも、高山の頂にある空の近さと透明な空気は、それだけで気が遠くなるほど気持ちがいい。
・奥秩父の主稜線を辿ったのは、もう20年も前のことだけれど、南北に伸びるトレールを眺めていると、若い頃に夢中で山に登っていた自分が、岩陰からひょっこり顔を出しそうな気がしてきます。岩陰にひっそりと、だけど力強く生きているコマクサやチングルマは、あのときから変わらずそこにあって、久しぶりに訪れたぼくたちを歓迎してくれているようにも思えます。山というのは、不思議なもので、一つ一つの山に人格があって、頂上に佇んでいると、ダイレクトに山と交感している実感が迫ってきます。それを味わうと、山を聖地として崇めた昔の人たちの心理がとても近しいものに思えるのです。金峰山は、ご無沙汰していたぼくをとても暖かく迎えてくれました。

廻り目平から金峰山への道は、ずっと樹林帯の中 樹林帯を抜けると、大きな岩が累々とした頂上部になる 2599m、金峰山頂上。空気も日差しも爽やかな別天地 北へ伸びる奥秩父の主稜線。奥秩父南部は2500mを越え、爽快な縦走ができます 廻り目平の谷を挟んで、向こうに聳える小川山。秋には、登る予定

・翌日は、早朝、まだみんながようやく起きて朝食の支度を始めた頃に、先に帰る友人を廻り目平の象徴ともいえる「屋根岩」に案内...しようと思ったのですが、なんと途中でルートを間違え、隣の岩峰に登るという大失態。結果的に、ぼくも初登頂の岩峰で、屋根岩をさらに眼下に拝めたので、もっけの幸いといったところでしたが、これがプロの山岳ガイドだったりしたらとんでもないことでした。その後、メーリングリストのメンバーと屋根岩に間違わずに登頂できたのは、先の「下見」が効いたということで勘弁してもらいましょう...。
間違って登った隣の岩峰から屋根岩を見下ろす 屋根岩の名の由来は、下の廻り目平を睥睨するように張り出したその形から 10人くらいは立てる広い一枚岩の頂上。でもその向こうは、100m以上下のキャンプサイトまで何もなし 一見、にこやかな笑顔...だけど、中には引きつってる人、いないか?

・さて、屋根岩から降りたぼくたちは、川遊び組と「かもしか遊歩道」トレッキング組に別れました。昨日からキャンプサイトの下を流れる金峰山川の入漁券を買ってフライフィッシングに燃えるKIMさんと、手の切れるような沢の水でバーボンの水割りとパスタを楽しもうと企んでいたNANAさんとYumiさんは川へ。昨日、金峰山も一緒に登るつもりで、早朝東京を出発しながら、気が変わって予定より1時間早く出発したぼくに置いてけぼりにされてしまったJunさん、サトシさん、オオシマンさん一行は、昨日の金峰山の雪辱とばかりに、張り切って「かもしか遊歩道」へ。この「遊歩道」は、小川山の中腹を巻く3時間あまりの行程のトレックですが、じつは、これがけっこう曲者で、その中身はというと、前半は樹林の中を行く急登、後半は、はしご場も何度も登場するアップダウンの激しいコースなのです。金峰を逃して残念がっていた一行も、「かもしか遊歩道って、文字通り、かもしかが遊歩する道だったんだ」、「これって、人間実体験版のドンキーコングみたい!」と、大満足なのでした。
かもしか遊歩道の中間点にある唐沢滝 唐沢滝での昼食風景。ここまでは、わりと普通のトレッキング そして、後半の「ドンキーコング」 頼りない梯子にすがって直登! 梯子がなくても、岩場の下り

・あっという間に最終日を迎え、残ったメンバーは、フリークライミングのメッカである廻り目平の真骨頂を体験しようと出発。といっても、ザイルで確保してロッククライミングしようというわけではなく、手ごろな岩を見つけて取り付いて遊ぶ「ボルダリング」に挑戦しようというわけです。廻り目平周辺には、ボルダリングに適当な岩があちこちにあります。一つの岩でも、いろんな方向から取り付くことによって、難易度も様々。中には、ほんとにドンキーコングも真っ青といった感じのオーバーハングもあって、そんなところには、スパイダーマンのようなクライマーが取り付いて、スキルアップをはかっています。もちろん、ぼくたちが取り付くのは、せいぜい垂直の塀のようなフェイス。だけど、これが一度はまったら病みつきになってしまうんです。
おっ、なかなか堂にいった感じでとりついてますよ、junさん ...って、じつは、こういうカラクリだったりして(^^ゞ サトシ氏、頂上まであと一歩の図...ほんとは、頂上から一歩の図 なんだかんだいっても、みんなこの「ビクター」という岩に登頂を果たしました 岩の上って、あったかくって、ついウトウトしてきちゃいます...でも、寝返りは危険

・ボルダリングに興じた後は、沢に沿ってキャンプサイトまで散策...というか、沢下り。途中、引き込まれるような渕を見つけて、Junさん、サトシさんは、ザブン!! それを見ていたYUZO氏は、なんと、Gパンのままでドボン!! それにしても、岩場だとへっぴり腰のJunさんが、水の流れる沢だと平気で岩場歩きしているのは何故?? それぞれの個性で楽しませていただきました。
恐ろしいほど水の澄んでいる金峰山川 パンツいっちょになって飛び込むサトシさん 気持ちよさそう!! Junさんは、といえば、いつのまにやら水着姿 そして、がまんできず、Gパンのまま飛び込むYUZO氏

・いやぁ、久しぶりにフィールドを満喫した4日間でした。これに味をしめて、これからもちょくちょくオフ会を開こうかなと思ってます。こんなオフ会に参加してみたいと思われた方は、左のメニューにある「メーリングリスト」をクリックして、まずはOBTメーリングリストに参加してください。楽しい仲間が待ってます! ちなみに、今度の廻り目平オフ会は、紅葉真っ盛りの中で、キノコ狩ツアーの予定です。

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