ぱちり、と目を開けると、見慣れた部屋。俺の部屋だ。今何時だ。…朝、って呼べるかぎりぎりの時間。でもああ、今日はそうだ、休日だ。 深く息を吐いて、ゆっくりと体を起こす。 なんだか、やけに心がふわふわしている。何だろう。今日…特に予定もないし。いい夢でも、見たのかもしれない。中身全然覚えてないけど。 それでも、楽しい気持ちだけが残っていて。あ。だけじゃ、ない。後。…スペインに会いたい、な。って思いが、残ってる。 「…んー…」 今日あいつ…まあ家にいるだろ。だったら突撃してよし。仕事あったってなんだかんだ言って構うだろうし。よし、突撃する。決めた! 「よし!」 起きあがって、ベッドから出る。服…おしゃれしたって気づきもしないだろうけど、まあたまには。買ったばかりのシャツ着てみたいし。 うん。そうだ。今日はなんだか、良い予感がするから。好きって言ってみよう。また失敗してへこむんだろうけど、とりあえず!なんだか、うまくいきそうな気が、する。…根拠はないけど! 朝飯はスペインちで食べればいいと即決して、家を出て、あいつの家へ向かう。はやる心を押さえて、ふつうに、ふつうに。 どうせ寝てるだろうから、たたき起こして…いやまあ、たまには優しく起こしてやるか。今日は気分がいいから、だから。 それで起きたら、愛してるって言ってみよう、と決めて。わくわくする心に小さく笑った。 『ハッピーエンドの手前で』End! 戻る |